JPWO2006001472A1 - 特異的抗体を用いる小型肝細胞の分離法 - Google Patents

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Abstract

ヒトを含む哺乳動物由来増殖性肝細胞(小型肝細胞)の効率的な分離方法が提供される。特に、下記の工程を含む、小型肝細胞を分離する方法が提供される:i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、CD44に対する抗体(抗CD44抗体)、D6.1Aに対する抗体(抗D6.1A抗体)およびBRI3に対する抗体(抗BRI3抗体)からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中に含まれる小型肝細胞と前記1以上の抗体との免疫複合体を形成させる工程;ii)小型肝細胞を含む前記免疫複合体を回収する工程。

Description

本発明は、ヒトを含む哺乳動物由来増殖性肝細胞(小型肝細胞)の効率的な分離方法に関する。
(背景技術)
肝臓および肝細胞は体内における化学工場と言われるほど多様な機能を持っている。例えば、血清タンパク質の90%以上は肝細胞が産生しており、体内に取り込まれたり産生された有害物質を代謝する解毒機能を有している。そのため、肝細胞を培養し、その持っている機能を使って有害物質の検出(バイオセンサー)、ヒトに必要な物質の体外生産を可能にしようと様々な研究機関で研究がなされている。それらの研究に用いる肝細胞を供給するためには、現在のところ分化した肝細胞機能を保持している細胞株は存在していないため、実験毎に成熟肝細胞を単離しなければならない。このような場合には、得られる細胞数は個々の個体の肝細胞数に依存する。なぜなら、肝細胞の機能を維持したまま、成熟細胞を増殖させる方法が十分に確立しているわけではないからである。従って、成熟肝細胞機能の多くを有する細胞の恒常的な大量供給が望まれている。ヒトを含めて動物の肝細胞を冷凍し、長期保存し、再び使用する方法の開発は非常に重要な課題であって、世界中でなされているが、これまでに冷凍保存後、解凍した肝細胞が培養皿上に生着し、肝細胞としての機能の70〜80%程度を短期間保持できることが報告されているのみである。しかも、これらの報告においては、解凍された肝細胞はほとんど増殖能を有せず、短期間に死滅している。
また、ヒトは種々の疾患により、例えば、肝炎、肝硬変、肝癌などにより肝機能不全状態になる。現在のところ人工肝臓は実用段階にあるとは言えないため、このような疾患の根本的な治療は肝臓移植に頼らざるを得ないのが現状である。しかも、我が国を初め世界各国において、肝臓移植を必要としている患者は多数存在するにもかかわらず、臓器を提供するドナーの数は必要数の1割を満たすのがやっとである。従って、肝臓移植に使用できるような肝組織をin vitroで形成させる方法、そのような方法に使用できる肝組織の前駆細胞コロニーおよびそのin vitro調製方法が望まれてきた。
一方、本発明者らは、肝臓組織内に、アルブミン、トランスフェリン、サイトケラチン(CK)8、CK18などのマーカーについて成熟肝細胞とほぼ同様の表現型を示し、超微構造的にも肝細胞としての特徴を有するが、増殖能の高い小型の細胞からなる細胞集団があることを報告し、これを「小型肝細胞」(small hepatocyte)と命名した(Mitaka T. ら、Hepatology, 16, 440-447,(1992)、Mitaka T., Sato F, Mizuguchi Tら、Hepatology 29, 111-135 (1999))。
その他、小型肝細胞および増殖能を有する肝実質細胞に関する報告もいくつかなされている(特許第3211941号、特開2002-078481、特開平09-313172、特開平08-112092)。また、特開2002-045087にはヒトを含む異種動物由来の肝細胞からなる肝臓を有するキメラ動物と、このキメラ動物を用いた試験方法が報告されている。
さらに、本発明者らは、そのような小型肝細胞に富む画分を肝臓から得る方法を報告しており(WO 01/92481)、肝細胞の機能および増殖能を保持し得る、小型肝細胞の凍結保存方法、および、そのような方法に適した小型肝細胞の調製方法を報告してきた(WO 01/92481)。さらに、本発明者らは移植可能な肝組織を調製するために適した小型肝細胞コロニー、その調製方法、その小型肝細胞コロニーから肝組織を誘導する方法を報告し(WO 02/088332)、薬物の作用、特に正常な肝機能と関連した作用をin vitroで推定する方法も報告してきた(WO 02/088332)。しかしながら、ヒトを含む動物由来の増殖性肝細胞(小型肝細胞)に特異的なマーカータンパク質は必ずしも明らかにされておらず、そのため効率のよい分離方法にはなお改善の余地が残されていた。
(発明の開示)
本発明の目的はヒトを含む哺乳動物由来増殖性肝細胞(小型肝細胞)の効率的な分離方法を提供することである。
本発明者らは、小型肝細胞に特異的に発現している3種類の膜貫通型蛋白質を見出し、これらの特異的蛋白質に対する抗体を用いることにより効率的に小型肝細胞を分離することができることを見出した。
1)本発明により、下記の工程を含む、小型肝細胞を分離する方法が提供される:
i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、CD44に対する抗体(抗CD44抗体)、D6.1Aに対する抗体(抗D6.1A抗体)およびBRI3に対する抗体(抗BRI3抗体)からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中に含まれる小型肝細胞と前記1以上の抗体との免疫複合体を形成させる工程;
ii)小型肝細胞を含む前記免疫複合体を回収する工程。
より具体的には、本発明は、上記方法において、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体がビオチンで標識されており、小型肝細胞を含む免疫複合体を回収する工程が、アビジンに結合した担体および/または蛍光色素で標識したアビジンと前記免疫複合体とを接触させることを含む、小型肝細胞を分離する方法でもある。
場合により更に下記の工程を含んでも良い:
iii)前記免疫複合体中から小型肝細胞を解離させる工程;および
iv)前記解離させた小型肝細胞を回収する工程。
更に、
2)また、本発明により、下記の工程を含む、小型肝細胞を分離する方法も提供される:
i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中の小型肝細胞と前記1以上の抗体との第1の免疫複合体を形成させる工程;
ii)i)で使用した抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体の少なくとも1つに結合する抗体の1以上と前記第1の免疫複合体とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程、
iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
場合により、更に下記の工程を含んでも良い:
iv)前記第2の免疫複合体から小型肝細胞を解離させる工程;および
v)前記解離させた小型肝細胞を回収する工程。
3)本発明により、更に、下記の工程を含む小型肝細胞を分離する方法も提供される:
i)抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体と前記抗体の少なくとも一つに結合する抗体の1以上とを接触させ、第1の免疫複合体を形成させる工程;
ii)前記第1の免疫複合体と哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程;
iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
場合により、更に下記の工程を含んでも良い:
iv)前記第2の免疫複合体から小型肝細胞を解離させる工程;および
v)前記解離させた小型肝細胞を回収する工程。
4)本発明により、下記の工程を含む、小型肝細胞を分離する方法も提供される:
i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体であって担体に結合した前記抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中に含まれる小型肝細胞と前記1以上の抗体との免疫複合体を形成させる工程;
ii)小型肝細胞を含む前記免疫複合体を回収する工程。
場合により、下記の工程を更に含んでも良い:
iii)前記免疫複合体から小型肝細胞を解離させる工程;および
iv)前記解離させた小型肝細胞を回収する工程。
5)本発明により、下記の工程を含む、小型肝細胞を分離する方法も提供される:
i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中の小型肝細胞と前記1以上の抗体との第1の免疫複合体を形成させる工程;
ii)i)で使用した抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体の少なくとも1つに結合する、担体に結合した抗体の1以上と前記第1の免疫複合体とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程;
iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
場合により、更に下記の工程を含んでも良い:
iv)前記第2の免疫複合体から小型肝細胞を解離させる工程;および
v)前記解離させた小型肝細胞を回収する工程。
6)本発明により、下記の工程を含む小型肝細胞を分離する方法も提供される:
i)抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体と、前記抗体の少なくとも一つに結合する、担体に結合した抗体の1以上とを接触させ、第1の免疫複合体を形成させる工程;
ii)前記第1の免疫複合体と哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程;
iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
場合により、下記の工程を更に含んでも良い:
iv)前記第2の免疫複合体から小型肝細胞を解離させる工程;および
v)前記解離させた小型肝細胞を回収する工程。
また、細胞懸濁物が、ガラクトサミン等を投与した哺乳動物の肝臓に由来する、上記各方法も提供される。
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は小型肝細胞の効率的な分離方法である。本明細書において、「小型肝細胞」とは、単に肝臓に由来する小型の細胞を意味するものではなく、以下に記載する方法、あるいはこれに準じた方法を用いて肝臓から単離される細胞であって、強い増殖能を有し、アルブミン、トランスフェリン、サイトケラチン(CK) 8、CK18などのマーカーについて成熟肝細胞とほぼ同様の表現型を示し、超微構造的にも肝細胞としての特徴を有する、肝臓由来の特別な種類の小型の細胞を意味する。この細胞は発明者らによって見出されたものであり、より詳しくはMitaka T. ら、Hepatology, 16, 440-447,(1992)、Mitaka, T, Sato F, Mizuguchi Tら、Hepatology, 29, 111-135 (1999)に記載されている。
小型肝細胞に富む画分は、例えば以下のように調製することができる。ヒトその他の動物から採取した肝臓組織をコラゲナーゼ等を含む溶液で処理すると肝臓由来の細胞を得ることができる。この場合、通常のコラゲナーゼ肝灌流法を利用することができる。得られた細胞懸濁液は必要に応じて適当な大きさのメッシュ等を通し、未消化の組織残渣その他の組織破砕片等を除去してもよい。この細胞懸濁液から本発明の方法によって直接小型肝細胞を分離することもできるが、実質細胞および不要な組織破砕物等を予めある程度除去してから本発明の方法を適用することが好ましい。
実質細胞の除去は、以下のように低速遠心によって行なうことができる。低速遠心とは、実質細胞および不要な組織破砕物等を多く含む画分と、非実質細胞を多く含む軽画分とを分離するために十分な条件をいい、好ましくは、実質細胞および不要な組織破砕物等を主として含む画分と、小型肝細胞および非実質細胞を多く含み実質細胞をほとんど含まない軽画分とを分離するために十分な条件をいう。このような条件で上述したような方法で得られる肝臓由来の細胞を分画すると、小型肝細胞は前述の軽画分により多く得られる。より具体的には、例えば、この細胞懸濁液を低速遠心、例えば50xgで1分間遠心することにより、主として実質細胞を含む重い画分と、星細胞、クッパー細胞、類洞内皮細胞等の非実質細胞を主として含む比較的軽い細胞を含む軽い上清画分とに分画することができる。小型肝細胞はこの遠心条件下で上清画分に多く得られる。
加速度が大きくなるほど、また、遠心時間が長くなるほど上清画分中の実質細胞の割合は減るが、沈殿する小型肝細胞の割合も増加するため、遠心は約50xgにて約1分間以下とするのが好ましい。上清画分は更に遠心、沈殿、懸濁を繰り返して実質細胞および不要な組織破砕物等を除去することもできる。より具体的には、例えば、上清画分を、50xgで5分間遠心し、沈殿を適当な培地に懸濁し、更に50xgで5分間遠心する。沈殿を同様な培地に懸濁し、再び50xgで5分間遠心する。得られた沈殿を同様な培地に懸濁し、150xgで5分間遠心して、沈殿した細胞を新鮮な培地に懸濁する。細胞懸濁液中の細胞数を数え、その後の培養、あるいは処理のために必要な細胞密度となるように調製することができる。通常、1x104〜5x105細胞/mlの密度に調製される。
このようにして調製した、小型肝細胞を多く含む画分から本発明の方法によって、効率的に小型肝細胞を分離することができる。また、上述のように調製した小型肝細胞を多く含む画分を一定期間培養して(前培養)小型肝細胞を増殖させてから、本発明の方法によって、小型肝細胞を効率的に分離することもできる。前培養は、好ましくはヒアルロン酸付着担体および/またはヒアルロン酸を主成分とする担体の共存下で行う。
RT-PCRによって調べたところ、CD44の発現は初代培養第2〜3日目くらいから顕著であり、培養開始3〜5日後にはほぼ最大に達する傾向にあることが明らかになった。また、D6.1Aについては、初代培養第3日目くらいからみられ、培養開始18日後にはほぼ最大に達する傾向にあることが明らかになった。さらに、BRI3については、初代培養第2日目くらいから顕著であり、培養開始5〜11日後にはほぼ最大に達する傾向にあることが明らかになった。従って、本発明者らは、肝臓からの細胞画分の調製という傷害により潜在的に存在していた小型肝細胞が活性化するのに少なくとも2日〜3日ほどかかる可能性を考慮している。また、本発明者らは、ラットにおいて、ガラクトサミン等により強い肝障害を与えた場合には、投与数日後より、肝臓組織においてCD44陽性細胞が出現することを確認しており、このことは前述の考察と一致する。従って、ガラクトサミン等により予め強い肝障害を与えた個体の肝臓から細胞画分を調製した場合は前培養なしに、あるいは短期間の前培養により非常に効率的に小型肝細胞を分離することができる。
ガラクトサミンによる障害を与える場合は、成熟ラット(8〜10週齢)にD-ガラクトサミン(アクロス)を10mg〜100mg/200μl PBS/100g体重の濃度で腹腔内注射をする。注射後3日目〜6日目にSeglenの方法(Selgen, PO., Methods Cell Biol., 1976, 13, 29-83)に準じて、肝臓より細胞を分離することができる。
ガラクトサミンによるそのような障害を与えない場合は、3日〜18日間、好ましくは3日〜5日間前培養することが好ましい。また、ヒアルロン酸付着担体、例えばヒアルロン酸付着培養皿、ヒアルロン酸付着多孔質、ヒアルロン酸からなるまたはヒアルロン酸を主成分とする担体、例えば多孔質等の共存下で培養する場合、これよりも少し長期間、例えば3日間〜21日間前培養してもよい。ヒアルロン酸共存下で培養する場合は、小型肝細胞が選択的に増殖するので、ヒアルロン酸共存下で小型肝細胞を含むと考えられる細胞集団を培養した後、本発明の方法を適用することにより更に効率的に小型肝細胞を分離することができる。
ヒアルロン酸共存下で前培養を行う場合、例えば以下のようにヒアルロン酸付着担体を作製することが出来る。ヒアルロン酸を適当な濃度で、例えば調製した溶液の1ml〜5mlを担体と接触させた場合に担体の表面積に対して10μg/cm2〜1000μg/cm2、より好ましくは50μg/cm2〜500μg/cm2の量となるよう、適切な培地またはバッファー中で溶液として調製する。一般には、ヒアルロン酸溶液は10〜20mg/ml程度の濃度のストック溶液として適切な培地またはバッファー中に調製するのが便利であろう。使用するバッファーは細胞に有害でない限りどのようなバッファーも使用できるが、例えば、ハンクス液、一般的な細胞培養培地、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等が利用できる。バッファーのpHはヒアルロン酸が溶解する範囲でよいが、一般には7.1〜8.5が好ましい。ヒアルロン酸を溶解するときの温度はヒアルロン酸が溶解し、かつ分解しない温度であればどのような温度でもよく、通常のインキュベーターの設定温度を考慮すれば、例えば、30℃〜40℃、特に37℃前後の温度範囲が簡便に利用できる。
なお、ヒアルロン酸は一般に分子量約100万を境に低分子量ヒアルロン酸と高分子量ヒアルロン酸に分類されるが、ヒアルロン酸共存下で前培養を行う場合は高分子量ヒアルロン酸を使用することが好ましい。
このように調製したヒアルロン酸溶液を、そのまま、または場合により適切なバッファーまたは培地で希釈し、上述した担体と共存させ、担体上にヒアルロン酸をコーティングする。比較的撥水性の担体をコーティングする場合は、コーティング用のヒアルロン酸溶液の液量が少ないと担体の表面を充分に被覆できない可能性があるので、ヒアルロン酸溶液を希釈して液量を増やすことが特に有用であろう。コーティングのためには、0.5〜20mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlのヒアルロン酸溶液を担体表面1cm2あたり、好ましくは10μg〜1000μg、より好ましくは50μg〜500μgとなるように担体表面と接触させる。例えば、60mmディッシュにヒアルロン酸をコーティングする場合、10mg/mlに調製したヒアルロン酸をPBS等で1mg/mlに希釈し、その希釈液1mlをディッシュに注ぐことによってコーティングを行うことができる。ヒアルロン酸溶液と担体との接触は、30℃〜40℃、特に37℃前後にて1時間〜24時間程度インキュベーションするのが好ましい。インキュベーションの温度と時間はヒアルロン酸が担体上にコーティングされるのに充分であればよく、コーティングのためのインキュベーション時間は24時間より長くても問題はないが、長時間インキュベーションすることの利点は乏しい。
前培養する場合は、上述したように調製した小型肝細胞を多く含む画分(細胞群)を血清、ニコチンアミド、ビタミンC、抗生物質、増殖因子、その他の細胞培養に一般的に使用される添加物を更に含む基本培地、例えば、これらを添加したダルベッコ改変イーグル培地等で37℃にて培養することができる。小型肝細胞を増殖させるあるいは維持するための培地は、ニコチンアミド、ビタミンC、増殖因子、DMSO等を含むことが好ましい。ビタミンCは通常、アスコルビン酸2リン酸として添加し、その濃度は、好ましくは0.1mM〜1.0mM、より好ましくは、0.5mM〜1.0mMであり、ニコチンアミドは比較的高濃度で使用され、好ましくは1〜20mM、より好ましくは5mM〜10mMで使用する。増殖因子としては、上皮細胞増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)等が利用でき、TGFαが特に好ましい。TGFαを添加する場合には、好ましくは1μg/l〜100μg/l、より好ましくは5μg/l〜50μg/lの濃度で使用する。
また、初代培養においてはDMSOは培養開始4日目から好ましくは約0.1〜約2%(v/v)、より好ましくは約0.5%〜約1.5%(v/v)の濃度で添加する。更に、前述したように、前培養はヒアルロン酸共存下、例えばヒアルロン酸付着担体、ヒアルロン酸からなる担体、またはヒアルロン酸を主成分とする担体共存下で行っても良い。
前培養のための培養容器としては、通常の細胞培養に使用される培養皿を使用することができる。一般には接着細胞の培養はコラーゲン被覆をした培養皿が使用され、例えば、ウシ真皮、ラットの尾部由来のコラーゲンを被覆した種々の大きさの培養皿が商業的に入手可能であり、また必要であればそのような培養皿を調製することもできるが、小型肝細胞を回収する目的ではコラーゲンを被覆しない培養皿を使用することが好ましい。なぜならば、細胞外基質が少ないほどより温和な条件で細胞が剥がれやすいからである。前培養した場合、金属キレート剤および/または酵素の存在下で個々の細胞に分離し、継代培養して再びコロニーを形成させることもできるが、この場合、細胞への損傷が大きいため、非酵素的方法によってコロニーを培養容器から剥がすのが好ましい。使用し得る金属キレート剤としては、細胞毒性の少ないものであればよく、接着細胞の剥離処理に一般的に使用されるもの、例えばEDTA、EGTA及び/またはその塩を、それぞれについて一般的な濃度で使用することができる。非酵素的細胞剥離剤としては、Ca、Mgを含まないHanksの緩衝液(pH7.3〜7.5)にEDTA、グリセロール、クエン酸ナトリム等を添加した溶液が利用でき、例えばSigma社からCell dissociation solutionの名で調製済みの非酵素的細胞剥離剤を商業的に入手することができる。培養には、通常の5%炭酸ガスインキュベーターを使用することができる。炭酸ガス濃度および培養温度は、通常の培養細胞に許容される範囲であれば本質的ではない。より具体的には、WO 01/92481に記載した方法および条件を用いて前培養した小型細胞に富む細胞懸濁物を得ることができる。
前述のようにして肝臓から調製した、またはさらに前培養して得られた小型肝細胞に富む細胞懸濁物をCD44に対する抗体(抗CD44抗体)、D6.1Aに対する抗体(抗D6.1A抗体)およびBRI3に対する抗体(抗BRI3抗体)からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中に含まれる小型肝細胞と前記1以上の抗体との免疫複合体を形成させることができる。抗体は標識されていてもよく、担体に結合していてもよい。また、小型肝細胞に富む細胞懸濁物を抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体(1次抗体)とを接触させて第1の免疫複合体を形成させ、次に、使用した抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体の少なくとも1つと結合する抗体(2次抗体)の1以上と第1の免疫複合体を接触させて第2の免疫複合体を形成させることができる。この場合、初めに抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体(1次抗体)とこれらの抗体の少なくとも1つと結合する抗体(2次抗体)の1以上を接触させて第1の免疫複合体を形成させ、次に、この第1の免疫複合体と小型肝細胞に富む細胞懸濁物とを接触させて第2の免疫複合体を形成させても良い。いずれの場合も、2次抗体は標識されていてもよく、担体に結合していても良い。
免疫複合体における抗体の解離は当業者によく知られた方法によって行うことができる。また、免疫複合体を形成している小型肝細胞はそのまま培養することもできる。結合した抗体は細胞の増殖に伴って希釈されるからである。抗体が担体と結合している場合は、担体−抗体結合の切断は結合様式に依存して、酵素消化その他の方法によって行なうことができる。そのような方法は当業者によく知られたものであり、後述するように市販の試薬、を利用することもできる。例えば、パパインやペプシン等の酵素を用いて抗体のFc部分を切断することができる。特に標識や担体が抗体のFc部分に結合している場合はこれらの酵素により標識や担体を細胞から切り離すことが出来る。また、小型肝細胞の分離に直接使用する抗体のF(ab)2フラグメントで免疫したヒツジから得た特定の抗体を使用すると、細胞上に結合している抗体(例えば抗CD44抗体、抗D6.1A抗体または抗BRI3抗体)の抗原決定基と抗体との結合に作用して、細胞を離脱させることができる。この方法によれば細胞上には抗体が残らず、細胞を回収することができる。そのための市販の試薬として、例えば、デタッチャビーズ(DETACHaBEAD;Dynal Biotech)を利用することが出来る。
CD44、D6.1AおよびBRI3は、いずれも細胞膜貫通タンパク質であり、細胞外ドメインを有し、かつ小型肝細胞特異的に発現しているタンパク質である。成熟肝細胞はこれらのタンパク質のいずれも発現していないか、極めて低レベルにしか発現していない。このことはRT-PCRあるいはノーザンブロット等の方法によりmRNAレベルで、または、ウェスタンブロット等の方法によりタンパク質レベルで確認することができる。
本発明の一つの実施態様においては、抗体は磁気ビーズに結合しており、これらの抗体と細胞とを接触させ、MACSによって小型肝細胞が分離される。また、本発明の別の実施態様においては、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体はビオチン化され、アビジンに結合した担体、例えば磁気ビーズを用いて、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体と結合した小型肝細胞が分離される。本発明の更に別の実施態様においては、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体、抗BRI3抗体の少なくとも1つ(1次抗体)に結合する抗体(2次抗体)がビオチンで標識され、アビジン結合担体、例えば、アビジン結合磁気ビーズを用いて小型肝細胞−(抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体;1次抗体)−ビオチン標識抗体(2次抗体)を含む免疫複合体として小型肝細胞が分離される。
本発明の別の実施態様においては、フローサイトメトリーを用いて小型肝細胞が分離される。例えば、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体は直接蛍光色素で標識されており、これらの抗体と細胞とを接触させ、FACSを用いてソーティングすることによって小型肝細胞を分離することができる。また、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体をビオチン化し、蛍光色素で標識したアビジンを用いて同様にFACSを用いてソーティングすることにより小型肝細胞が分離される。更にフローサイトメトリーを用いる本発明の別の実施態様においては、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体、抗BRI3抗体の少なくとも1つ(1次抗体)に結合する抗体(2次抗体)がビオチンで標識され、蛍光色素で標識したアビジンを用いて同様にFACSソーティングすることにより小型肝細胞−(抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および/または抗BRI3抗体;1次抗体)−ビオチン標識抗体(2次抗体)を含む免疫複合体として小型肝細胞が分離される。
特に、FACSを用いたソーティングを行う場合は、上記3種類の抗体をそれぞれ別の色素でラベルすることにより、CD44、D6.1AおよびBRI3の1、2または全てを発現した細胞を個別に分離することができる。さらに、FACSを用いる場合、3種類の抗体のうち、1種の抗体についてのみビオチン化抗体と蛍光色素標識ビオチンの組み合せを用いることもできる。
MACSを用いて小型肝細胞を分離する場合、磁気ビーズ−抗体および小型肝細胞を含む細胞群の複合体をカラムに装填し、磁石を用いて抗体に結合した細胞を固定し、10〜20倍体積のバッファー(たとえば0.5%ウシ血清アルブミン/2mM EDTA/PBS)で洗浄し、抗体に結合しなかった細胞を除去し、その後、カラムを磁石から外して抗体に結合した小型肝細胞を回収することができる。磁気ビーズは必要により、市販の試薬によって抗体から切り離すことができ、あるいは抗体のFc部分を酵素的に分解してもよい。
このようにして分離した小型肝細胞が肝細胞としての機能の一部を有していることは、種々のマーカーを用いて確認することができる。そのようなマーカーとしては、培地中に分泌されるアルブミンの他、トランスフェリン、尿素の産生、グリコーゲン量、アミノ酸代謝酵素、チトクロームP450等が利用できる。これらは、培地または細胞抽出液のELISA、Westernブロット解析、RT-PCR等によって、あるいは直接細胞を免疫染色することによって確認することができる。小型肝細胞は、成熟肝細胞のマーカーであるアルブミン、CK8、CK18、グリコーゲン、ペルオキシゾーム等のマーカーを有しており、一方胆管上皮細胞のマーカーであるCK7、CK19等を有していない等の点で、他の細胞と区別し得る。例えば、肝幹細胞の一種として知られるoval cellはCK7、CK19等の胆管上皮細胞のマーカーを有し、グリコーゲン、ペルオキシゾーム等の成熟肝細胞マーカーを有しない点で小型肝細胞と区別することができる。またその他の非実質細胞マーカー[ED1/2(クッパー細胞のマーカー), SE-1(類洞内皮細胞マーカー), デスミン(desmin)(伊東細胞のマーカー), ビメンチン(vimentin)(肝上皮様細胞マーカー)]についても陰性であることを確認することが出来る。
このようにして効率的に分離した小型肝細胞は、上述した培地および培養容器を用いて、肝臓から得た小型肝細胞を多く含む画分を培養するときと同様に培養することができる。さらに、このようにして効率的に分離および培養維持した小型肝細胞は、WO 01/92481に記載した方法に従って、凍結保存することもでき、また、WO 02/088332に記載した方法に従って、肝組織へ成熟化させることも、さらには成熟化させた肝組織を用いて薬物機能を推定するために使用することもできる。
本発明によって分離された小型肝細胞を更に、凍結保存用または薬物機能の推定用に培養する場合の培養容器としては、ヒアルロン酸付着培養皿を用いることもできるが、通常の細胞培養に使用される培養皿を使用することもできる。一般には接着細胞の培養はコラーゲン被覆をした培養皿が使用され、例えば、ウシ真皮、ラットの尾部由来のコラーゲンを被覆した種々の大きさの培養皿が商業的に入手可能であり、また必要であればそのような培養皿を調製することもできる。肝組織形成に適した小型肝細胞コロニーを調製するためにはコラーゲンを被覆しない培養皿を使用することが好ましい。なぜならば、細胞外基質が少ないほどより温和な条件で細胞が剥がれやすく、かつ、コラーゲン等で被覆しない場合には、小型肝細胞が優先的に容器から剥離する傾向があるからである。培養には、通常の5%炭酸ガスインキュベーターを使用することができる。炭酸ガス濃度および培養温度は、通常の培養細胞に許容される範囲であれば本質的ではない。
(実施例)
実施例1.小型肝細胞を豊富に含む細胞分画の調製
成熟ラット(8〜10週齢)にD-ガラクトサミン(アクロス)を75mg/200μl PBS/100g体重、の濃度で腹腔内注射をした。注射後4日目にSeglenの方法に準じて、細胞を肝臓より分離した。0.2 mM EGTAを加えたカルシウム、マグネシウムを含まないハンクス液で門脈から灌流した。40ml/分の流速で約4分流したあと、0.02%コラゲナーゼ(ヤクルト)を含むハンクス液を20ml/分の流速で10分間流した。消化された肝臓から定法に従って肝細胞をビーカー内に振るい落とした。細胞縣濁液を250および70マイクロメーターの穴のあいたフィルターでろ過し、50 x gで1分間遠心した。上清を集め、再び50 x gで1分間遠心を2回くり返した。その上清を集め、50 x gで5分間遠心した。沈殿した細胞を培養液(Leivobitz L-15+10% ウシ胎仔血清 + 10-7 M デキサメタゾン+0.5mg/l インスリン + 抗生物質)で洗い、再び50 x gで5分間遠心する。同様の操作を繰り返した後、今度は150 x gで5分間遠心した。同様の操作を繰り返した後、再び50 x gで5分間遠心する。沈殿した細胞を新しい培養液で縣濁したあと、生細胞数を数え、1x104〜5x105cells/mlに調製した。
実施例2.CD44、D6.1A、およびBRI3の小型肝細胞における発現パターンの解析
成熟肝細胞および実施例1で調製した細胞のCD44、D6.1A、およびBRI3の発現パターンを調べた。
1)CD44、D6.1A、およびBRI3の発現パターンの経時的変化
調製直後の小型型肝細胞、培養開始後の小型肝細胞からtotal RNAを調製し、RT-PCR法によりCD44の発現を調べた。GPDH(グリセロール3-リン酸脱水素酵素)を陽性対照として使用した。小型肝細胞の培養には以下の培地を使用した。
Figure 2006001472
約1.0〜1.5x105個の小型肝細胞からISOGEN(株式会社ニッポンジーン)を用いて全RNAを調製した。ISOGEN(ニッポンジーン)を用いて業者の推奨するプロトコルに従って細胞を溶解し、それにクロロホルムを加えてよく混ぜた後、10000xg、15分間、4℃にて遠心した。上層を取り出し、イソプロパノールを加え、10000xg、15分間、4℃にて遠心後、得られた沈殿を70%エタノールで洗浄し、DEPC-水に溶解した。成熟肝細胞からのRNA抽出は、完了直後の細胞から同様な方法で抽出した。10ngの全RNAを用いて、RT-PCRを行った。用いたプライマーは下記の通りである
CD44用プライマー
5'-cccgaattcatggacaaggtttggtggca-3' (配列番号1)
5'-cccgaattcctacaccccaatcttcatat-3' (配列番号2)
D6.1A用プライマー
5'-cccgaattcatggcaggtgtcagtggctg-3' (配列番号3)
5'-cccgaattctcatttgcttccaatttggc-3' (配列番号4)
BRI3用プライマー
5'-cccgaattcatggtgaagatcagtttcca-3' (配列番号5)
5'-cccgaattctcacaccaccccacagatga-3' (配列番号6)
またGPDH用には以下のプライマーを使用した。
5'-accacagtccatgccatcac-3' (配列番号7)
5'-tccaccaccctgttgctgta-3' (配列番号8)
PCRの条件は以下の通りである:95℃、15秒、60℃、30秒、68℃、1分、サイクル数=25
その結果、初代培養開始後、約2〜3日後には顕著なCD44の発現が見られ、その後さらに発現は増大して培養開始5日後にはほぼ最大に達すること、および増殖中の小型肝細胞ではCD44の発現レベルが維持されることが明らかになった。また、D6.1Aについては、初代培養第3日目くらいからみられ、培養開始18日後にはほぼ最大に達することが明らかになった。さらに、BRI3については、初代培養第2日目くらいから顕著であり、培養開始5〜11日後にはほぼ最大に達することが明らかになった。PCR産物を電気泳動し、得られた各バンドをデンシトメータで読み取り、CD44のバンドの強度をGPDHのバンドの強度で除算し相対強度を計算した(図1A〜C)。
2)小型肝細胞および成熟肝細胞におけるCD44、D6.1A、およびBRI3の発現パターンの比較
WO 01/92481に記載した方法に従って凍結保存しておいた細胞(約1.0〜1.5x105細胞)を常法に従って溶解し、2週間培養した細胞から1)と同様な手順によりtotal RNAを抽出した。成熟肝細胞からのRNA抽出は、灌流直後の細胞から同様な方法で抽出した。
得られたtotal RNA 10ngを用いて、1)と同様にしてRT-PCRを用いてCD44、D6.1A、およびBRI3の相対発現量を調べた。ただし、PCRのサイクル数を35とした。PCR産物を電気泳動し、得られた各バンドをデンシトメータで読み取り、CD44、D6.1A、BRI3の各バンドの強度をGPDHのバンドの強度で除算し、小型肝細胞と成熟肝細胞における各抗原の発現を比較した。
その結果、成熟肝細胞では一貫してCD44、D6.1A、およびBRI3の発現は極めて低く(図2および図3)、また小型肝細胞由来の成熟化した細胞はその成熟化に伴ってこれらの抗原の発現が次第に減少することが明らかになった(図1および図4)。
また、同様の結果はノーザンブロットによっても得られている。この場合もハウスキーピング遺伝子としてGPDHを用いた。得られた各バンドをデンシトメータで読み取り、CD44、D6.1A、BRI3の各バンドの強度をGPDHのバンドの強度で除算し、小型肝細胞と成熟肝細胞における各抗原の発現を比較した。
上記方法で得られたRNA 20μgを電気泳動し、ノーザンブロットを行った。使用したプローブは、CD44、D6.1A、BRI3のコード領域全長である。CD44、D6.1A、BRI3のコード領域をそれぞれ配列番号9、10および11に示した。プローブは、Alkphos Directラベリングキット(Amersham Biosciences)を用いて標識した。
その結果CD44およびBRI3については2本のバンドが観察され、D6.1Aについては1本のバンドが観察された。得られたバンドの強度をデンシトメータで読み取り、各バンドの強度をGPDHに対応するバンドの強度で除算し、小型肝細胞と成熟肝細胞における各抗原の発現を比較した。得られた結果は、上述のRT-PCRにより得られた結果と同等であった(図3)。
さらに、WO 02/088332に記載された方法に従って、Matrigelを培養中の小型肝細胞に添加して小型肝細胞の成熟化を誘導し、CD44発現の変化をノーザンブロットにより調べた。Matrigel添加後第2日から成熟化が開始することが分かっているが、成熟化に伴ってCD44の発現が低下することが示された(図4)。
これらの結果は、CD44、D6.1A、およびBRI3が小型肝細胞に特異的であることを示すと共に、肝臓からの細胞画分の調製という傷害により、CD44、D6.1A、およびBRI3の発現が誘導され、肝臓を構成する細胞群中に潜在的に存在していた小型肝細胞またはその前駆細胞が小型肝細胞としての本来の性質を表すようになった可能性を示唆している。
実施例3.増殖性肝細胞の抗CD44抗体による分離
上記i)小型肝細胞を豊富に含む細胞分画の調製法に記載の50 x gで1分間の遠心を3回くり返した後の上清を集め、150xgで5分間遠心した。沈澱した細胞を下記のバッファー(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)+ 2mM EDTA (SIGMA Chemical Co.)+ 0.5% ウシ血清アルブミン(Serologicals Proteins Inc.))で縣濁した。
1x107細胞当たり80〜99mlのバッファーを加え縣濁後、1〜20mlのマウス抗ラットCD44抗体(PharMingen)を加えて5〜10分間、4〜8℃でインキュベートした。10-20倍容量のバッファーを加え、300xgで10分間遠心した。遠心後の沈澱をバッファーに縣濁し、再び300 x gで10分間遠心した。この沈澱を1x107細胞当たり80mlのバッファーで縣濁し20mlのMACS抗マウスIgG磁気抗体(Miltenyi Biotec)を加え、15分間4〜8℃でインキュベートする。10〜20倍容量のバッファーを加え、200xgで10分間遠心した。遠心後の沈澱を1x108細胞個当たり500ml(細胞が1x108個以下の時は一律500ml)に縣濁した。MACSカラム(Miltenyi Biotec)をマルチスタンドに装着し、カラムにバッファーを500ml流した。カラムが乾かないうちに細胞縣濁液を流し、その後500mlを3回流し、カラムを洗浄した。ここまでのカラムを通した液をCD44陰性フラクションとした。カラムを磁気からはずし、カラムに1mlのバッファーを注入し、シリンジで勢いよく押し出してCD44ポジティブフラクションを得た。
得られたCD44陽性細胞は形態学的に小型肝細胞と同等であり、増殖してコロニーを形成することができた。コロニーを形成した細胞は、アルブミンを分泌しており、さらに免疫染色によって解析した結果、非実質細胞マーカー[ED1/2(クッパー細胞のマーカー)、SE-1(類洞内皮細胞マーカー)、デスミン(desmin)(伊東細胞のマーカー)、ビメンチン(vimentin)(肝上皮様細胞マーカー)]はすべて陰性であった。従って、得られた細胞は小型肝細胞であることが確認された。
実施例4.増殖性肝細胞の抗D6.1A抗体による分離
ウサギ抗ラットD6.1A抗体を用いて、実施例3と同様にしてD6.1Aポジティブ細胞を得た。得られたD6.1A陽性細胞は形態学的に小型肝細胞と同等であった。
ウサギ抗ラットD6.1A抗体は、FGAADWGKNFPDAKESC(配列番号12)を免疫原として、免疫生物研究所(群馬県高崎市)に作製を依頼した。
実施例5 .増殖性肝細胞の抗BRI3抗体による分離
ウサギ抗ラットBRI3抗体を用いて、実施例3と同様にしてBRI3ポジティブ細胞を得た。
ウサギ抗ラットBRI3抗体は、LTPAREERPPRHRSRKGGSV(配列番号13)を免疫原として、免疫生物研究所(群馬県高崎市)に作製を依頼した。
得られたBRI3陽性細胞は形態学的に小型肝細胞と同等であり、コロニーを形成することができた。コロニーを形成した細胞はCK8陽性細胞であった。また、これらの細胞は免疫染色によって解析した結果、非実質細胞マーカー[ED1/2(クッパー細胞のマーカー)、SE-1(類洞内皮細胞マーカー)、デスミン(desmin)(伊東細胞のマーカー)、ビメンチン(vimentin)(肝上皮様細胞マーカー)]は全て陰性であった。従って、得られた細胞は小型肝細胞であることが確認された。
本発明により、ヒトを含む哺乳動物の肝臓から、効率的に小型肝細胞を分離することができる。ヒトを含む哺乳動物の肝臓から細胞混合物を得た場合には、その中に種々の型の細胞が含まれるが、本発明により、小型肝細胞を容易かつ効率的に分離することができる。
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図1は調製および培養開始後の各時点におけるCD44、D6.1AおよびBRI3のmRNAレベルの発現をRT-PCRを用いて解析した結果である。(A):CD44、(B):D6.1A、(C):BRI3。縦軸は相対強度、横軸は培養日数を示す。 図2は、小型肝細胞および成熟肝細胞におけるCD44、D6.1AおよびBRI3のmRNAレベルの発現をRT-PCRを用いて比較した結果である。SH:小型肝細胞、MH:成熟肝細胞。縦軸は相対強度を示す。 図3は、小型肝細胞および成熟肝細胞におけるCD44、D6.1A、BRI3のmRNAレベルの発現をノーザンブロットを用いて比較した結果である。SH:小型肝細胞、MH:成熟肝細胞。縦軸は相対強度を示す。またSH-Upperは検出されたmRNAのうちサイズの大きいmRNA、Lowerは小型肝細胞について検出されたそれぞれのmRNAのうちサイズの小さいmRNAを表す。 図4は、Matrigelによって成熟化を誘導した小型肝細胞におけるCD44発現をノーザンブロットによって調べた結果である。SH:小型肝細胞、MH:成熟肝細胞。縦軸は相対強度を示す。
配列番号1〜8:PCRプライマー

Claims (9)

  1. 下記の工程を含む、小型肝細胞を分離する方法:
    i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、CD44に対する抗体(抗CD44抗体)、D6.1Aに対する抗体(抗D6.1A抗体)およびBRI3に対する抗体(抗BRI3抗体)からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中に含まれる小型肝細胞と前記1以上の抗体との免疫複合体を形成させる工程;
    ii)小型肝細胞を含む前記免疫複合体を回収する工程。
  2. 下記の工程を含む、請求項1記載の、小型肝細胞を分離する方法:
    i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中の小型肝細胞と前記1以上の抗体との第1の免疫複合体を形成させる工程;
    ii) i)で使用した抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体の少なくとも1つに結合する抗体の1以上と前記第1の免疫複合体とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程、
    iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
  3. 抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体がビオチンで標識されており、小型肝細胞を含む免疫複合体を回収する工程が、アビジンに結合した担体および/または蛍光色素で標識したアビジンと前記免疫複合体とを接触させることを含む、請求項1記載の方法。
  4. 下記の工程を含む小型肝細胞を分離する方法:
    i)抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体と前記抗体の少なくとも一つに結合する抗体の1以上とを接触させ、第1の免疫複合体を形成させる工程;
    ii)前記第1の免疫複合体と哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程;
    iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
  5. 下記の工程を含む、請求項1記載の小型肝細胞を分離する方法:
    i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体であって担体に結合した前記抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中に含まれる小型肝細胞と前記1以上の抗体との免疫複合体を形成させる工程;
    ii)小型肝細胞を含む前記免疫複合体を回収する工程。
  6. 下記の工程を含む、請求項1記載の、小型肝細胞を分離する方法:
    i)哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物と、抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体とを接触させ、前記細胞懸濁物中の小型肝細胞と前記1以上の抗体との第1の免疫複合体を形成させる工程;
    ii)i)で使用した抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体の少なくとも1つに結合する、担体に結合した抗体の1以上と前記第1の免疫複合体とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程;
    iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
  7. 下記の工程を含む小型肝細胞を分離する方法:
    i)抗CD44抗体、抗D6.1A抗体および抗BRI3抗体からなる群より選ばれる1以上の抗体と、前記抗体の少なくとも一つに結合する、担体に結合した抗体の1以上とを接触させ、第1の免疫複合体を形成させる工程;
    ii)前記第1の免疫複合体と哺乳動物の肝臓由来の細胞を含む細胞懸濁物とを接触させ、第2の免疫複合体を形成させる工程;
    iii)小型肝細胞を含む前記第2の免疫複合体を回収する工程。
  8. 担体が磁気ビーズである、請求項3〜7のいずれか1項記載の、小型肝細胞を分離する方法。
  9. 免疫複合体を回収する工程が、フローサイトメトリーによって行われる、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
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