JPWO2005096088A1 - 光変換装置 - Google Patents

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Abstract

連続波およびパルス波の両方の光放射に対して周波数の変換または増幅を実現する、安価で小型の構造の光変換装置を提供する。金属と誘電体の多層構造6を有し、その多層構造6の最上層1上に透明な誘電体材料(プリズム)17を配置し、入射ビーム16を結合手段14によって結合し、特定の表面プラズモン・ポラリトン・モードを利用し、これにより、試料から反射する出力光18,20が変調または振幅の増幅を受ける。

Description

本発明の光変換装置(光放射変換用のデバイス)は、幅広い用途に用いられる光放射の変調、光放射の増幅、または光放射の周波数変換を行う装置に関するものである。
本光変換装置は、周波数変換器または増幅器として、科学的用途で用いて、連続およびパルスの両方のレーザから放出される光周波数を増加させ、または光周波数の範囲を広げることができ、また出力周波数のチューニングを可能にする。また超短パルス・レーザからのスーパーコンティニュアムの発生が要求される用途で用いることもできる。このような白色光スーパーコンティニュアムは、光コヒーレンス・トモグラフィ用の高品質広帯域スペクトルの光周波数を実現することができ、または超短光パルス発生および分光に対して有用であり得る。
本光変換装置は、光変調器として、スイッチング用途たとえばピコ秒またはフェムト秒の光学的光パルスの使用を伴う超高速スイッチングで、用いることができる。使用例の1つは、科学的用途での連続波放射の光チョッパとしての使用である。他の使用例は、遠距離通信において、ファイバ光導波管を通って送信させ得るデータをエンコードするためのものである。
本発明の産業上の用途は他にも多く存在する。たとえばレーザ分光分析、レーザ・レンジング・システム、リモート・センシング、およびイメージングでの用途である。医療用途およびレーザ出力送出用途にも、この光変換装置は役に立つ。本光変換装置は、変調可能なチューナブル・コヒーレント光の高性能な供給源を作製するための小型で安価な代替物としても用いることができ、その結果、科学、工業、および環境における幅広い用途が期待される。
本発明は、3次の非線形光学効果による光パラメトリック相互作用によって、光放射の入射ビームを変換、変調、または増幅するための光放射変換用のデバイスであって、2つの表面プラズモン・ポラリトン間の共鳴相互作用(1つの周波数アップシフトされた表面プラズモン・ポラリトンと1つの周波数ダウンシフトされた表面プラズモン・ポラリトンとへの効率的な変換には必要である)を新しい多層構造によって実現するデバイスに関する。
従来の非線形光学効果による光周波数変換または光増幅用の技術としては、ガス・レーザまたは固体レーザが実験的に用いられており、それらからの光放射を非線形光学結晶、導波管、または周期的にパターニングされた媒体上に入射して、シフトした光周波数で高調波または光パラメトリック共振を得るように行なわれている。
光周波数変換または光パラメトリック共振用に非線形バルク結晶を用いる場合、光学的に非線形に発生させるための光位相条件を満足する材料を用いることが不可欠である。得られる変換効率は比較的低いため、大きな光強度または長い結晶を使用することが必要である。入射光の方向および偏光と結晶軸とは、厳密に調整しなければならず、温度も同様である。信頼性の良いデバイスを得るためには、このようなユニットは大きくて高価なものになる。そのためそれらが使用されるのは、限られた機関、たとえば工場、大学、および研究所のみである。
光導波管または周期的にパターニングされた媒体を、効率を高めるためにこのような用途で用いる場合、理論と一致する寸法を有するデバイスを満足のいく再現性で作製することが難しい。そのため、これらのデバイスは高価なものとなり、用途も限られている。
従来の光変調技術としては、音響光学変調器、電気光学変調器、または空間光学変調器が提案されている。このような光学変調器は、ニッチの科学的および通信の用途で幅広く用いられているが、それらは大きくて損失も大きい。それらは、電気的な入力に基づくために、ピコ秒およびフェムト秒の時間スケールでの超高周波数スイッチング用途には適さない。このような超高周波数用途にとって有望であるのは、たとえば半導体へテロ構造またはデュアル・コア・ファイバ内での超高速非線形光学効果に基づく全光技術である。しかしこれらの技術を用いる場合には、大きな結合領域と高い光出力とが、変調を実現するために必要である。非線形効果に基づく従来のフォトニック・デバイスのサイズおよび光出力消費量を両方とも飛躍的に小さくすることは、電磁場の強い閉じ込めによって可能となることが考えられる。このような閉じ込めに対する1つの提案は、フォトニック結晶構造を用いることである。しかしこれらの構造は高価であり、複数の次元において厳しい幾何学的な制約を受ける。
表面プラズモン・ポラリトンは、電磁波、およびたとえば符号が反対の誘電率を有する2つの材料(たとえば金属および誘電体層)間の界面に沿って伝搬するバルク・プラズマの結合モードである。特に明記しない限り、本明細書においては、用語「誘電率」は複素誘電率の実部を指す。表面プラズモン・ポラリトンは、表面プラズモンとも言われる。また本明細書においては、用語「表面プラズモン・ポラリトン」を、モードが多層構造内部に局所化される場合を含むように用いる。等方性材料においては、表面プラズモン・ポラリトンの分極は、材料界面に垂直な直交する磁場および電場である。表面プラズモン・ポラリトンに特有の特徴は、それらのエネルギーの多くが界面付近に集中するために、そこでの電場が大きく増大し、光学的非線形効果がサブ・ミリメートルまたはミリメートルの伝搬長さに渡ることである。さらに、表面プラズモン・ポラリトンを支持する構造を製造するには、金属および誘電体薄膜を堆積するだけで良いため、デバイスが簡単、小型、および安価なものとなる。
これらの有利な特徴から、表面プラズモン・ポラリトンを用いて光周波数変換が実現できるという提案がなされている。これはたとえば、下記特許文献1または下記特許文献2に記載されている。しかしこれらのデバイスが好適であるのは、限定された効率を持つ非共鳴プロセスであるところの高調波発生に対してのみであるため、生成できるのは、チューナブルまたは広帯域の光放射ではなく入射光の周波数の整数倍のみである。したがってこの表面プラズモン・ポラリトン高調波発生法の用途も限られている。
また、表面プラズモン・ポラリトンを、電気光学変調に基づく光変調器で使用できることが提案されている。これはたとえば、下記特許文献3および下記特許文献4に記載されている。しかし、光変調器においては、電気信号および結果としての容量効果を用いるために、ピコ秒およびフェムト秒の時間スケールでの効率的な光変調が抑えられてしまう。表面プラズモン・ポラリトンに基づく全光変調器が提案されている。たとえば、下記特許文献5に記載されているような光屈折効果を用いるものである。しかし、このようなデバイスでは、光変調と同時に光利得が得られる可能性はなく、損失を受けることになる。
Figure 2005096088
図1は半無限金属表面での典型的な表面プラズモン・ポラリトン分散関係ω(k)の形状を示す図であり、ここで、ωは角周波数、kは多層構造の層に平行な方向における複素波数ベクトルの実部である。×矢印の付いた遷移は、表面プラズモン・ポラリトン・エネルギーおよび波数ベクトルの保存によって禁制される相互作用プロセスの例を示す。白丸は遷移の開始点を示し、黒丸は終了点を示す。破線はフォトンの分散関係を示す。点線は二次元表面プラズモン・ポラリトンの周波数ωp/√(1+ε)を示し、ここでεは金属上の媒体の誘電率であり、ωpは金属のバルク・プラズモンの周波数である。
図1に示すように、半無限金属表面での典型的な表面プラズモン・ポラリトンの分散関係ω(k)の形状では、角周波数ωaおよびωbでの2つの表面プラズモン・ポラリトンが互いに相互作用して以下の角周波数でのプラズモンを与えるパラメトリック相互作用は可能ではない。
ωa(k+q)=ωa(k)+δ …(1)
ωb(k−q)=ωb(k)−δ …(2)
ここで、波数ベクトルk、k+q、およびk−qはすべて、同一直線上にあり、表面に平行である。またδは特定の角周波数シフトであり、q>0は一定の実波数ベクトルである。ωa=ωb=ω0の特定の場合におけるこのような禁制プロセスの例を、図1の×矢印の付いた遷移で示す。基本的に、表面プラズモン・ポラリトンに対する典型的な分散関係は、図1に破線で示すフォトン分散関係を図1に点線で示す2次元表面プラズモン・ポラリトンの周波数ωp/√(1+ε)と結合させるものである。結果として得られる分散関係は、勾配すなわち群速度が、kの増加とともに単調減少する。その結果、エネルギーおよび波数ベクトルを保存する二重の要求が満足されないために、2つの表面プラズモン・ポラリトン間のパラメトリック相互作用プロセスが禁止される。ωa≠ωbの場合にも同じ制限が適用される。
この制限を回避する1つの方法は、金属ナノ粒子上の局所化された表面プラズモン・ポラリトンを用いることである。これはたとえば、下記特許文献6または下記非特許文献1に開示されている。ここでは、すべての波数ベクトルが、パラメトリック相互作用の発生を可能にするように存在する。しかしこの場合には、共鳴状態が全く存在せず、非放射損失がかなり高い。
同様の問題によって、半導体中の励起子(エキシトン)間のパラメトリック相互作用が制限される。
図2は半導体中の典型的な励起子分散関係ω(k)の形状を示す図である。この図において、×矢印の付いた遷移は、励起子エネルギーおよび波数ベクトルの保存によって禁制される相互作用プロセスの例を示す。白丸は遷移の開始点を示し、黒丸は終了点を示す。
図2に示すように、半導体中のエキシトンは典型的に二次分散関係を示し、群速度は波数ベクトルkとともに単調増加する。図1の場合で行ったように、上記式(1)および(2)でωa=ωbとしたときの類似によって記述されるタイプの、励起子に対する禁制プロセスを、図2の×矢印のついた遷移で示す。近年、パラメトリック相互作用プロセスの発生が可能になるようにフォトニック・ナノ構造中に励起子を埋めることで、励起子の分散関係が変更できることが明らかになった。これは、下記非特許文献2に説明されている。半導体マイクロキャビティを用いることによって、励起子およびフォトンが結合した励起子・ポラリトンを存在させることができる。その分散関係は、励起子の場合と比べて変形しており、超高速光増幅、光変調、および光パラメトリック共振に適した巨大な非線形光応答が引き出される。これは、下記非特許文献3に記載されている。この巨大な非線形光応答は、縮退した2つの励起子・ポラリトンの光学的非線形変換を伴うプロセスを利用することによって得られた。
図3は半導体マイクロキャビティ中の典型的な励起子・ポラリトン分散関係ω(k)の形状を示す図である。ここで、矢印の付いた遷移は、励起子・エネルギーおよび波数ベクトルの保存によって可能な相互作用プロセスの例を示す。白丸は遷移の開始点を示し、黒丸は終了点を示す。
図3に示すように、励起子・ポラリトンの分散関係は本来、変曲点を含んでいるため、このような共鳴光パラメトリック相互作用が自動的に可能になり、最大で1000またはそれを超える巨大な光利得を伴う。励起子・ポラリトンに対して、上記式(1)および(2)でωa=ωbとしたときの類似によって記述されるタイプのこのような可能なプロセスの例を、図3の矢印で示される遷移で示す。さらに励起子・ポラリトンのボソン統計によって、このプロセスは、励起子・ポラリトンの相互作用の最終状態の占有にほぼ比例する量だけ増大して、変換プロセスの効率を大きく高めることができる。しかし必要とされるナノ構造には、励起子・ポラリトンを閉じ込めるために非常に多数の層が必要であり、単結晶半導体層を用いて非常に精密に作製しなければならない。加えて、室温以上での動作は、励起子・ポラリトンがイオン化してしまうために、不可能である。そのためこれらの構造は、工場、大学、および研究所以外の広い用途には適していない。
以上のように、表面プラズモン・ポラリトンを、幅広い用途における光変調、光増幅、または光周波数変換を可能にする光パラメトリック変換プロセスに対して使用することは、表面プラズモン・ポラリトン分散関係の性質によって制限されることが明らかである。チューナブルな周波数を出力する光パラメトリック・プロセスにとって不可欠である縮退した2つの表面プラズモン・ポラリトン間の3次の非線形相互作用は、エネルギーおよび波数ベクトルを同時に保存するという制約があるために、通常は不可能である。
米国特許第5,011,250号明細書 米国特許第5,073,725号明細書 米国特許第6,034,809号明細書 米国特許第6,504,651号明細書 米国特許第6,611,367号明細書 米国特許第5,023,139号明細書 D.J.バーグマン(D.J.Bergman)ら、フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Review Letters)90,p.027402−1−4,2003年 P.G.サヴィディス(P.G.Savvidis)ら、フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Review Letters)84,p.1547−1550,2000年 J.J.バウムバーグ(J.J.Baumberg)ら、フィジカル・レビュー(Physical Review)B62,p.R16247−R16250,2000年
本発明は、連続波およびパルス波の両方の光放射に対して周波数の変換または増幅を実現する、安価で小型の構造の光変換装置を提供すること、ならびに出力放射の周波数を簡単な方法で調節する光変換装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、パルス・レーザからの広帯域スペクトルの光周波数、たとえばスーパーコンティニュアムの発生を実現する光変換装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、光放射を低周波数から超高周波数まで変調する光変換装置を提供することを目的とする。
本発明は、光放射の周波数を変換するための改善されたデバイスを提供するものである。
また、本発明は結晶も導波管構造も必要とせず、一連の層のみを必要とするデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は半導体へテロ構造を必要としないデバイスを提供することである。
さらに、本発明はチューナブルな光放射の供給源を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は光帯域幅が可変の広帯域光放射の供給源を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は表面プラズモン・ポラリトンに付随する表面および界面領域での増大された電場を利用することによって効率的な変換効率を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は光放射を増幅する手段を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は、光放射を変調する手段を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は、光変調および光増幅を同時に実現する手段を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は、光変調および光周波数変換を同時に実現する手段を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は、光変調、光周波数変換、および光増幅を同時に実現する手段を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は、ピコ秒またはフェムト秒の時間スケールでの超高周波数応答を得ることができるデバイスを提供するものである。
さらに、本発明は、室温で動作可能なデバイスを提供するものである。
本発明は、真に効果的な光放射周波数変換用デバイスとは、単純で、小型で、低コストである一方で、同時に、チューナビリティならびに光利得および光変調を実現する可能性ならびに広帯域スペクトルの光周波数を含む幅広い光周波数の発生に対する要求を満足するものでなければならないという認識によるものである。
本発明は、入力光放射の入射ビームが多層構造に入射されるデバイスを特徴とする。入力光放射は通常、光波長範囲10nm〜1000μm内で選ばれる。それは、連続波またはパルス光源から得ることもできるが、通常はレーザから得ることができる。使用できるレーザの例は、ガス、固体、または半導体レーザである。パルス光源の場合、光パルスの通常の継続時間は0.002ps〜20μsである。多層構造には、1つまたは複数の負誘電率層(通常は金属層)、および他の1つまたは複数の正誘電率層(通常は誘電体層)が含まれる。この構造は、多層構造が1つまたは複数の表面プラズモン・ポラリトン・モードを支持するように構成されている。表面プラズモン・ポラリトン・モードの分散関係の少なくとも1つは、角周波数がωaおよびωbの2つの表面プラズモン・ポラリトンの3次の非線形光学効果による光パラメトリック相互作用を可能にする特別な特性を有し、その結果、周波数アップシフトされた角周波数ωa+δの表面プラズモン・ポラリトンと、等しい量だけダウンシフトされた角周波数ωb−δの表面プラズモン・ポラリトンとに変換される。ここでδは、ある範囲の値を取り得る特定の角周波数シフトである。ωa=ωb=ω0の場合、角周波数ω0、ω0+δ、およびω0−δは、従来の非線形光学の分野でのポンプ、アイドラ、および信号周波数に類似する。この3次の非線形光学効果が発生し得るのは、多層構造内の1つまたは複数の層が3次の非線形光学感受率を有するからである。
多層構造は通常、平行で平面な金属層および誘電体層の組み合わせで構成することができるが、他の材料たとえば半導体を構成に含むことも可能である。所要の特性を有する特定の構造を、金属層の両側に対称に配置された4つの誘電体層からなる5つの層を用いて作製することができる。層の典型的な厚みは、2nm〜20μmであり得る。これらの層のうちの1つまたは6番目の層を、構造を支持するために実質的により厚い基板として加えることができる。このタイプの特別な構造を用いて、材料、誘電率、および層の厚みを注意深く選ぶことで、中心の金属層内に実質的に閉じ込められる表面プラズモン・ポラリトン・モードの分散関係を、周波数ωaおよびωbでの2つの表面プラズモン・ポラリトンの共鳴光パラメトリック相互作用が可能になるように適応させることができ、その結果、角周波数ωa+δおよびωb−δでの2つの表面プラズモン・ポラリトンに変換される。ここでδは、ある範囲の値を取ることができる。ωa=ωbの場合にこの相互作用を可能にできる1つの方法は、このような適切な構成の多層構造によって表面プラズモン・ポラリトンの分散曲線が変曲点を示すようにすることである。
入力光放射を多層構造の表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ導入することは、確立された手段によって、たとえばサンプルと接触しているプリズムと組み合わせる場合があるフォーカシング・システムを用いることで可能となり、層に平行な方向での必要な波数ベクトル保存が可能になる。入力光放射を結合するための他の手段は、多層構造上の周期的なグレーティングを用いることによるもの、または光放射が多層構造の側面に入射するエンド・ファイア技術を用いることによるものである。多層構造が、層に平行な方向において等方的な場合には、製造が最も容易であるが、光放射の所要の入射偏光はp偏光である。これは、直線偏光されている場合には、光放射源の好適な配置によって、または偏光素子を用いることによって、実現することができる。多層構造の最上面または最下面に光放射を直接入射することによって表面プラズモン・ポラリトン・モードへ直接結合することは、層に平行な方向での波数ベクトル保存のために、できないことが多い。
表面プラズモン・ポラリトン・モードのサブセット内への電気的な結合を備えることもできる。この構成は、デバイスを光増幅器または光変調器として用いる場合に特に有用である。この場合、電気的な結合によって、出力光放射の増幅または変調を制御することができる。電気的な結合を用いる場合には、光周波数変換へ適用することもできる。電気的な結合の1つの特定の応用例は、それを用いて、角周波数ω0+δでの表面プラズモン・ポラリトンを、角周波数ω0での入力光放射に関連して生成することである。この構成を用いて、たとえば角周波数ω0+δにて光出力放射を変調することができる。電気的な結合を実現する1つの手段は、多層構造の1つまたは複数の層に電流を流すことである。
入力光放射の入射ビーム数は、特定の応用例に応じて選ぶことができる。電気的な結合が無い場合に、1つの入射ビームを用いるときには、デバイスを光周波数変換用として用いることができる。電気的な結合が無い場合に、2、3、またはそれ以上の入射ビームを用いるときには、デバイスをさらに光増幅器として、または周波数、振幅、光位相、もしくは偏光状態に対する光変調器として、用いることができる。特定の例は、中心角周波数がω0の入力光放射の入射ビームを単独で用いること、または中心角周波数がω0+δもしくはω0−δもしくは両方での入力光放射の入射ビームと組み合わせて用いることである。本明細書では、用語「中心角周波数」とは、光放射の強度がその最大値を有する角周波数のことを指す。この構成を用いて、中心角周波数がω0、ω0+δ、もしくはω0−δまたはこれらの組み合わせでの変調された出力光放射を生成することができる。またはこの構成を用いて、中心角周波数がω0+δもしくはω0−δまたは両方の増幅された出力光放射を生成することができる。他の例は、異なる中心角周波数ωaおよびωbの入力光放射の2つの入射ビームを用いることである。この構成を用いて、中心光角周波数がωa、ωb、ωa+δ、もしくはωb−δまたはこれらの組み合わせでの変調された出力光放射を生成することができる。またはこの構成を用いて、中心角周波数がωa+δもしくはωb−δまたは両方での増幅された出力光放射を生成することができる。
周波数変換された出力光放射を多層構造の外で結合することを、光放射の導入に用いる要素と同じものを用いるというオプションを含む同様の手段によって、行なうことができる。
デバイスの機能性を、入力光放射の入射ビームの入射角または角度発散を変えられるようにすることで、高めることができる。加えて、サンプルをくさび形状で作製することができる。この場合、多層構造の個々の層は平行とはならない。この場合、それらのうちの1つまたは複数も、くさび形状となる。これらの変形によって、周波数変換された出力光放射の角周波数のチューニングが容易になる。
入力光放射の複数の入射ビームを用いることができるが、必ずしも同じ入射平面内でまたは多層構造上の同じスポットに入射する必要はない。また入力光放射の複数の入射ビームまたは入力光放射の単一ビームを複数の光周波数成分で用いることによって、複数の光周波数にてデバイスを用いることもできる。
軸が多層構造の層と平行に配向され、多層構造の層に垂直な2つの表面によって範囲を定められた導波管内に、表面プラズモン・ポラリトンまたは光放射をさらに閉じ込めることによって、デバイスの効率を高めることができる。この軸は、直線または曲線にすることができる。
デバイスの効率は、光放射用または表面プラズモン・ポラリトン用の多層構造内に反射器を取り入れることによっても、高めることができる。考えられる構成は、互いに面する2つの反射器を層に垂直な方向で配置するか、または多層構造の両側に層に平行な方向で反射器を配置することである。これらの反射器は一般に、平面であっても良いし、ある曲率半径を有していても良い。
また多層構造の全体的な湾曲に対して制約は全くなく、曲率半径を有していても良い。
用途によっては、層に平行な方向において等方的でない多層構造を選んで、偏光が異なる入力光放射の結合に関するデバイスの機能性を高めることが有利であると考えられる。
デバイスを冷却システム上に載置して、高出力用途の場合の過熱を防ぐこともできる。
従来の半無限金属表面での典型的な表面プラズモン・ポラリトン分散関係ω(k)の形状を示す図である。 従来の半導体中の典型的な励起子分散関係ω(k)の形状を示す図である。 従来の半導体マイクロキャビティ中の典型的な励起子・ポラリトン分散関係ω(k)の形状を示す図である。 本発明にかかる平行層からなる典型的な多層構造を示す図である。 本発明の第1の実施形態で用いる多層構造を示す図である。 本発明にかかる計算による電磁波分布HyおよびExを、角周波数が2次元表面プラズモン・ポラリトン角周波数に近い場合の位置zの関数として示す図である。 本発明の第1の実施形態の多層構造の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードのエネルギーに対して計算された、kの関数としてプロットされる分散関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態の多層構造の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して計算された、kの関数としての減衰長Lxをリニアーログ・スケールでプロットした図である。 本発明の第1の実施形態の多層構造に対する分散関係ω(k)の近接図の概形を示す図である。 本発明の多層構造の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して計算された群速度νg=dω/dkを、エネルギーの関数として自由空間での光の速度cを単位としてプロットしたものを示す図である。 本発明の第1の実施形態において2つの縮退した表面プラズモン・ポラリトンが相互作用できるエネルギーの関数としての、可能なエネルギー・シフトのプロットを示す図である。 本発明の入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する特定の手段と、出力光放射を多層構造の外へ結合する手段とを有する第1の実施形態を示す図である。 本発明の第1の実施形態の多層構造に対する分散関係ω(k)の近接図の概形を示す図である。 光変調または光増幅用デバイスとしての用途に適している、本発明の第2の実施形態を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示す図である。 本発明にかかる容易に入手できる材料を用いて実現でき、基板上に支持することが可能な多層構造の実施例を示す図である。 本発明にかかる可能な計算されたエネルギー・シフトのプロットを、図13の多層構造に対して2つの縮退する表面プラズモン・ポラリトンが相互作用するエネルギーの関数として示す図である。
最初に、多層構造の適切な構成によって、光パラメトリック相互作用に対して最適化される表面プラズモン・ポラリトン用の分散関係を形成できることを示す。考慮しているプロセスは、2つの縮退した表面プラズモン・ポラリトンが散乱してエネルギーおよび波数ベクトルを保存しながら高い角周波数および低い角周波数に変わるという、表面プラズモン・ポラリトン間の相互作用である。表面プラズモン・ポラリトンのボソン統計によって、このプロセスは、表面プラズモン・ポラリトンの相互作用の最終状態の占有にほぼ比例する量だけ増大され、したがって非線形性を極めて強くすることができる。
表面プラズモン・ポラリトンの分散関係を、適応させた多層構造の形成によって変更できることを示す。基本的に、金属などの負誘電率層を用いて電場をピン留めして強制的に急激に減衰させ、この減衰の侵入によって、波長に依存する有効な誘電率を生成する。新しい分散関係では、縮退した2つの表面プラズモン・ポラリトンの相互作用が可能になり、共鳴非線形性をサブ・ミリメートルまたはミリメートルの長さスケールに渡って形成することができる。
平行な界面を有する平面層から構成される多層システム内での表面プラズモン・ポラリトン・モードの計算は、マクスウェルの方程式を扱うための良く知られた散乱行列形式を用いて、各層の間の境界に標準的な境界条件を適用して、その後に、多層構造の最も外側の2つの媒体中で電磁波を減衰させる要求を課すことによって、行なうことができる。図4の座標系を用いて行なう。
図4は本発明にかかる平行層からなる典型的な多層構造を示す図であり、使用する座標系を示す。x方向は、多層構造の層と平行で、当該表面プラズモン・ポラリトン・モードの波数ベクトルkと同じ方向であると定義する。y方向は、層と平行でx方向に垂直であると定義する。z方向は、層と垂直に向き、多層構造の最上部に向かっている。また、図4には、平行層からなる典型的な多層構造6を示している。平行層は、考慮する光放射の角周波数を得るために、透明、不透明、または部分的に透明な層から構成されていても良い。この例では、多層構造6の最下層5は、他の層よりも厚く、基板と考えることができる。しかし、最下層5は一般に、他の層より厚い必要は必ずしもない。加えて、最上部媒体11が多層構造6の上方に存在して多層構造6の最上層1と接触しており、また、最下部媒体12が多層構造6の下方に存在して最下層5と接触している。これらの媒体11,12は一般に、気体、液体、または固体であっても良いが、多くの場合に空気である。最上部媒体11および最下部媒体12は、同じ媒体である必要は必ずしもない。また、異なる媒体が一般に多層構造の側面に存在していても良い。これは、例えば、光放射が多層構造の側面に入射するエンド・ファイア技術の場合に役立つことが考えられる。しかし、ほとんどの場合、多層構造6の範囲がxおよびz方向で無限であると仮定することによって、表面プラズモン・ポラリトン・モードの計算を近似しても良い。y方向の磁場をHyと定義する。最上部媒体11および最下部媒体12と多層構造6の層とを、標識iを用いて連続的に標識する。標識iに対応する磁場Hy (i)は、次のように表すことができる。
y (i)=[ciexp(siz)+diexp(−siz)]exp[j(ωt−βx)] …(3)
yとx方向の電場Exとの連続性に対する電磁境界条件を、x方向に平行な各界面において適用することで、標識iに対応する伝達行列を得ることができる。この行列を、hi=Uii-1によって定義されるUiと呼ぶ。ここで、hi=(ci,diTであり、Tは行列の転置を意味する。式(3)において、j=√(−1)であり、ωは角周波数である。x方向の伝搬する表面プラズモン・ポラリトン複素波数ベクトルβと、z方向の減衰定数si=√(β2−εi0 2)とはどちらも一般に、複素量である。ここで、k0は自由空間での波数ベクトルであり、εi=εi′−jεi″は、標識iに対応する複素誘電率であり、kはβの実部である。N個の材料層からなる多層構造全体に渡って、全体の伝達行列
Figure 2005096088
が得られる。これは、容易に散乱行列Sに変換することができるが、多層解に対して安定していることが知られている。これはたとえば、S.G.ティクホディーヴ(S.G.Tikhodeev)らによってフィジカル・レビュー(Physical Review)B66,p.45102−1−17,2002年で説明されている。この行列によって、急激に減衰する波を両側から多層構造内に供給したときに生成される、急激に増加する波が定義される。
Figure 2005096088
この式のように結果をゼロに設定することによって、x方向に伝搬する表面プラズモン・ポラリトンに対する境界解のみが可能になる。したがって安定解には、det(S)=0が必要となる。ここでdetは、行列式を得ることを意味する。こうすることによって、各角周波数ωにおけるガイドされた表面プラズモン・ポラリトン・モードを表す複素波数ベクトルβの値を求めることができる。求めた各ガイドされた表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して、対応する電磁場分布を、次式から求めることができる。
Figure 2005096088
ここで、ε0は自由空間の誘電率であり、Ex (i)は標識iに対応する。またz方向の電場をマクスウェルの方程式から計算することも容易である。
各表面プラズモン・ポラリトン・モード角周波数ωにおいて、一般に多くの解を見つけることができる。しかし通常は、最低のエネルギー・モードが長距離表面プラズモン・ポラリトン・モードに対応する。この長距離表面プラズモン・ポラリトン・モードは、通常の金属に対して伝搬距離がサブ・ミリメートルからミリメートルのオーダであり、本発明において特に重要なものである。しかし他のモードも、本発明で使用することから除外されるものではない。長距離表面プラズモン・ポラリトン・モードは、当業者にとって良く知られており、たとえばF.ヤング(F.Yang)らによってフィジカル・レビュー(Physical Review)B44,p.5855−5872,1991年で、またJ.J.バーク(J.J.Burke)らによってフィジカル・レビュー(Physical Review)B33,p.5186−5200,1986年で述べられている。
図5に、本発明の第1の実施形態で用いる多層構造を示す。多層構造6は、5つの平面平行層からなり、これらが構造の最上部から層1〜5の順番に並び、負誘電率層の役割を果たす層3の両側に対称に配置された他の正誘電率層の役割を果たす4つの透明層1、2、4、5からなる。本実施形態では、電気的に結合するための手段はない。この第1の実施形態における、表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ入力光放射を結合するための手段、または多層構造の外へ出力光放射を結合するための手段を、後に説明する。このような手段はデバイスを動作させるのに必要であるが、明瞭にするために図5では省略している。この第1の実施形態においては、透明な誘電体層1および5の誘電率はε1=1.0であり(たとえば空気などの媒体にほぼ対応する)、層2および4の誘電率はε2=4.0であると仮定している。ε1が1に等しくない他のデバイスの例を後で示す。加えて、層2の厚みd2=180nmが層4と同じであると仮定し、層1の厚みd1が層5と同じであると仮定し、さらにd1≫d2であると仮定している。層3は、厚みが10nmの銀からなり、その複素誘電率は、通常の文献データに従って光波長とともに変化するものと仮定する。
図6は本発明の第1の実施形態に対して、計算による電磁場分布(Hyは破線の曲線で示し、およびExは実線で示す)を、角周波数が2次元表面プラズモン・ポラリトン角周波数ωp/√(1+ε2)に近い場合の位置zの関数として示す図である。計算は、多層構造6の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して適用される。垂直の破線は界面を示す。
図6で用いた表面プラズモン・ポラリトン・モードの波長は817nmであって、エネルギー1.52eVに相当する。図6に限らず、表面プラズモン・ポラリトン・モードにおいて、電界は負の誘電層に対して非対称である。このことは、モードと、損失の大きい金属との重なりを小さくする役目を果たし、したがってx方向での減衰長Lxが長くなる。
x=1/〔2Im(β)〕
ここで、Imは虚部を取ることを意味する。外側の誘電体層内での電場Exの減衰は、すべての角周波数において類似しているが、金属層3を囲む内側の高誘電率層2および4では、異なる角周波数において電場侵入の強い変調が引き出される。このことによって、表面プラズモン・ポラリトンの分散関係を適応させることができる。縮退する2つの表面プラズモン・ポラリトンの相互作用の可能性は一般に、金属または誘電体層の3次の非線形光学特性を通して実現される。さらに負誘電率層3は、電磁場を多層構造内部の位置にピン留めして閉じ込めることによって、光パラメトリック相互作用の効率を高める役目を果たす。
Figure 2005096088
可視光範囲に対応するエネルギーが1.5eVの場合の減衰長は、ほぼ100μmに等しく、効果的な非線形相互作用プロセスに対して十分である。多層構造が式(1)および(2)を満足する1つの条件は、表面プラズモン・ポラリトン分散関係ω(k)が少なくとも1つの変曲点をある波数ベクトルにおいて有することである。図9のプロットは、多層構造6に対する図8の分散関係ω(k)の近接図の概形を示しており、実際には2つの変曲点が存在することを明瞭に示すために誇張してある。これら2つの変曲点に対応する角周波数ωの高い側の値と低い側の値とに対応するように、ω1およびω2をそれぞれ定義する。また図9には、これら2つの角周波数がωa=ωbとなる特定の場合に式(1)および(2)に従って可能になる表面プラズモン・ポラリトンに対する遷移も概略的に示している。計算は、多層構造6の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して適用される。白丸は遷移の開始点を示し、黒丸は終了点を示す。
Figure 2005096088
これら2つの表面プラズモン・ポラリトン・エネルギーは、このプロット上での転向点に対応する。
図11は本発明の第1の実施形態において2つの縮退した表面プラズモン・ポラリトンが相互作用できるエネルギーの関数としての、可能なエネルギー・シフトのプロットを示す図である。
Figure 2005096088
この結果、ωa=ωb=ω0であるこの場合において、角周波数ω0での非変換の出力光放射以外に、4つの異なる角周波数が出力光放射中に同時に存在することができる。この実施形態において、中心の角周波数、または入力光放射の入射ビームの角周波数スペクトルを選ぶことによって、出力光放射の角周波数を変えることができ、その結果、チューナブルな光周波数を有するデバイスが実現される。
この第1の実施形態で考慮される特定の5層の多層構造6のパラメータ(ε1、ε2、d1、d2、および金属の厚みまたは金属の種類)を最適化することによって、分散関係を変更することができ、したがってパラメトリック相互作用の特定の特性を変更することができる。周波数変換された出力光放射に対する最大可能な帯域幅と、それを生成する入力光放射の角周波数とは、誘電率比ε1:ε2、ε1およびε2の実際の値、ならびに層2および4の高誘電率層の厚みd2によって支配される。たとえば、薄い金属層を用いれば、入力光放射に対する非常に狭い帯域の角周波数との共鳴パラメトリック相互作用によって幅広いエネルギー・シフトδを得ることが可能なデバイスを形成することができる。これは、広帯域のパラメトリック光増幅を生成するための、たとえば強いパルス・レーザから白色光を発生させてスーパーコンティニュアムを得るための、理想的な状況である。
Figure 2005096088
これらの理由により、デバイスは、高効率の光変調、光増幅、または光周波数変換の用途に対して理想的に適している。
入力光放射の入射ビームは、明確な中心角周波数を有するコヒーレント放射のパルスから構成可能なレーザ源から得ることを選べることが有利である。たとえば、モード・ロック・レーザからの周期的な光パルス列を用いることができる。使用できるレーザの例は、ガス、固体、または半導体レーザである。パルス・レーザを用いることが有利である。と言うのは、高ピーク出力が得られるために、入力光放射の入射ビームの所定の平均出力に対して光パラメトリック変換効率が高くなるからである。しかし入力光放射の入射ビームに対して明確な中心角周波数を有する連続波のレーザ放射を用いることもできる。複数のレーザ源を用いることで、より広範囲な入力角周波数を入力光放射に対して可能にすることができ、有利な場合もある。パルス・コヒーレント・レーザ放射と連続波レーザ放射との組み合わせを用いても良い。角周波数スペクトルがより複雑で、明確な中心角周波数が存在しないレーザ・パルスまたは連続波放射を、用いることもできる。
図12は本発明の入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する特定の手段と、出力光放射を多層構造の外へ結合する手段とを有する第1の実施形態を示す図である。
図12に、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する結合手段14と、出力光放射を多層構造の外へ結合する結合手段とを有する第1の実施形態を示す。これらの結合手段は光周波数変換用デバイスとしての用途に対して適している。考慮すべき重要なことは、表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ入力光放射を結合する結合手段14の選択である。このような結合手段は当業者には良く知られている。十分な光強度の入力光放射を多層構造6において得るために、図12に示すように、何らかのタイプのフォーカシング・システム15(レンズまたはミラー・システムなど)を、入力光放射の入射ビーム16に対して用いることが有利である。なお図12において、入射ビーム16はx−z平面内で入射している。この第1の実施形態においては、入力光放射の入射ビーム16を一つだけを用いている。ビーム16の中心角周波数は、有限の角周波数シフトδまたはシフトの組を得ることができる角周波数ωa=ωb=ω0となるように選択される。
入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するために、たとえば多層構造6の最上層1と接触して配置される誘電体材料17を通した結合を用いても良い。図12に示す誘電体材料17は、表面プラズモン・ポラリトン・モードが決定される際の最上部媒体11の役割を果たす。当業者には知られているように、一般に、このような誘電体材料17としては、誘電率が多層構造6の最上層1より高いものを用いる。このような誘電体材料17に対する典型的な形状は、プリズム、半球、または半円筒であるが、他の形状も可能である。この第1の実施形態では、誘電体材料17はプリズムである。また第2の誘電体材料を、誘電体材料17と多層構造の表面との間に配置することもできる。また入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ、多層構造6の底部側から結合することもできる。
当業者には知られているように、入力光放射の入射角度は、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する際には重要である。と言うのは、入力光の波数ベクトルと表面プラズモン・ポラリトンの波数ベクトルとをx方向内でマッチングさせる必要があるからである。加えて、結合可能な入力光放射の入射角度の範囲は、表面プラズモン・ポラリトン・モードの減衰に依存する。したがって、入力光放射の入射ビーム16の角度発散の選択は重要である。フォーカシング・システム15と入力光放射の入射ビーム16のパラメータ(たとえばビーム幅)とによって、多層構造6の領域内でのビーム16の角度発散が決まる。すなわち、入射角度と角度発散とを変えることによって、出力光放射の特性を変えることができる。多層構造6が、層に平行な方向において等方的である場合には、入射平面内で偏光された直線偏光の入力光放射を用いることが有利である。これは、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合させる手段として、直線偏光子などの偏光要素を含むものを用いることによって、または直線偏光した入力光放射の入射ビーム16用の光源を選択することによって、実現することができる。
当業者には知られているように、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合させる代替的な手段14は、入力光放射の入射ビーム16を多層構造6の側面13内へ結合させるエンド・ファイア技術である。他の手段14は、多層構造6の表面または内部の周期的なグレーティング構造を利用することである。
他の考慮すべき重要な事柄は、出力光放射を多層構造6の外へ結合する手段の選択である。この第1の実施形態では、光放射を多層構造の外へ結合することを、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するために用いた同じ誘電体材料17によって行なう。この構成では、波数ベクトルをx方向内でマッチングさせる必要があるために、周波数変換されて角周波数が異なる出力光放射が、誘電体材料17(この例ではプリズムの形状)から異なる角度で出射する。この実施形態では、別個のフォーカシング・システム22,21、および23(レンズの形状)を、出力光放射19,18,および20(角周波数はそれぞれω0、ω0+δ、およびω0−δ)を多層構造6の外へ結合させる手段の一部として用いる。これらのフォーカシング・システムは、出力光放射をコリメートするのに役立つ。別個のフォーカシング・システム22,21,および23は、必要に応じて、単一のフォーカシング・システムと取り替えることができる。またはその代わりに、フォーカシング・システム21〜23のうちの1つまたは複数を、まったく必要としなくても良い。誘電体材料17とフォーカシング・システム22とで、あらゆる角周波数で出力光放射を多層構造の外へ結合する結合手段32を構成する。誘電体材料17とフォーカシング・システム21および23とで、角周波数ωa+δまたはωb−δでの出力光放射を多層構造の外へ結合する結合手段31を構成する。なおこの第1の実施形態のこの場合では、ωa=ωb=ω0である。当業者には知られているように、また入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合することを考慮した場合と同様に、誘電率が多層構造6の最上層1より高いような誘電体材料17を、出力光放射を多層構造の外へ結合するために用いても良い。このような誘電体材料17に対する典型的な形状は、プリズム、半球、または半円筒であるが、他の形状も可能である。また第2の誘電体材料を、誘電体材料17と多層構造6の表面との間に配置することもできる。これはたとえば、屈折率マッチング用液体である。また光放射を多層構造6の底部側から外へ結合する一方で光放射を最上部側から内部へ結合することもできるし、その逆も可能である。
放射の他の角周波数(たとえば2次の非線形効果によって発生する2ω0など)を結合することを、たとえば必要に応じて余分のフォーカシング・システムを付加することで、ωa、ωb、ωa+δ、またはωb−δ以外の角周波数での出力光放射を多層構造の外へ結合する手段を構成することによって、行なっても良い。これらは図12には示しておらず、通常は必要ではない。本明細書で対象とする3次の光パラメトリックプロセスの効率は一般に、このような2次の効果の効率よりもはるかに高い。またエンド・ファイア技術またはグレーティング技術を用いて、出力光放射を多層構造6の外へ結合することもできる。出力光放射の角周波数を制限する必要がある場合には、たとえばダイクロイック・ミラーを用いる光周波数フィルタリング・システムを用いて、出力光放射の特定の角周波数を選ぶことができる。特に、異なる角周波数の出力光放射が同じ方向に出射するときにエンド・ファイア技術を用いて出力光放射を多層構造6の外へ結合する場合に、これは有利であり得る。
この第1の実施形態は、入力光放射の単一の入射ビーム16を用いた光周波数変換用のデバイスとしての用途に適している。前述した実施形態に対する変形も可能である。一般に、たとえば角周波数がωaおよびωbである入力光放射の複数の入射ビーム16を用いることができ、この場合、出力光放射18および20に対応する2つの出力光放射ビームは、角周波数がそれぞれωa+δおよびωb−δである。入力光放射の入射ビームを、たとえば反対方向の波数ベクトルを有する表面プラズモン・ポラリトン・モードへ結合させることで、図13に示すタイプの相互作用を用いるようにしても良い。
図13は本発明の第1の実施形態の多層構造に対する分散関係ω(k)の近接図の概形を示す図である。この図には、正および負の値のkが含まれている。計算は、多層構造6の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して適用される。第1の実施形態に対する変形において、表面プラズモン・ポラリトン・エネルギーおよび波数ベクトルの保存によって可能な2つの表面プラズモン・ポラリトンの光パラメトリック相互作用に対応する遷移も概略的に示している。白丸は遷移の開始点を示し、黒丸は終了点を示す。この例では、表面プラズモン・ポラリトンの波数ベクトルの方向が、遷移を経ているときに方向を変える。
第1の実施形態のこの変形では、角周波数がω0の2つの表面プラズモン・ポラリトンが、反対方向の波数ベクトルを有し、同じ角周波数ω0の入力光放射の2つのビームから生成される。これら2つの表面プラズモン・ポラリトンは、やはり反対方向の波数ベクトルを有する角周波数ω0+δおよびω0−δの表面プラズモン・ポラリトンに変換される。こうして、出力光放射として角周波数がそれぞれω0+δおよびω0−δのものが得られる。図13に例として示した遷移は、角周波数がω0、ω2の2つの表面プラズモン・ポラリトンの光パラメトリック相互作用に対応する。一般的な場合に、入射平面が異なるビームを同時に用いても良い。加えて、異なるビームを、多層構造6上の複数の点に、同じまたは異なる入射角度でフォーカスしても良い。また異なるビームは、中心角周波数が異なっていても良い。これはたとえば、多層構造が、層に平行な方向において均一でない場合(たとえば、くさび形の場合)に、有用であり得る。
図14に示す本発明の第2の実施形態は、光変調または光増幅用デバイスとしての用途に適している。本実施形態では、電気的に結合するための手段はない。本実施形態では、入力光放射の2つの入射ビーム42を用いている。これらは、入射ビーム16と入射ビーム43とから構成され、両方とも同じ入射平面内にある。ビーム16の中心角周波数は、有限の角周波数シフトδまたはシフトの組を得ることができる角周波数ωa=ωb=ω0となるように選択される。ビーム43の中心角周波数は、角周波数ω0−δ、または角周波数ω0+δの1つとなるように、選択される。入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための結合手段14と、出力光放射を多層構造の外へ結合するための手段とを示す。入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する手段14は、ビーム16に対するフォーカシング・システム15と、ビーム43に対するフォーカシング・システム41とから構成される。ビーム16および43は両方とも、x−z平面内で入射される。入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するために、多層構造6の最上層1と接触して配置される誘電体材料17を通した結合を用いる。第1の実施形態の場合と同様に、この誘電体材料17はプリズムの形状である。入力光の波数ベクトルと表面プラズモン・ポラリトンの波数ベクトルとをx方向内でマッチングさせる必要があるために、入射ビーム16および43の入射角度は異なっている。この理由により、異なる2つのフォーカシング・システム15および41が選択されているが、必要に応じて、単一のフォーカシング・システムを両ビームに対して用いることもできる。
出力光放射を多層構造6の外へ結合するための手段は、第1の実施形態の場合と同様である。表面プラズモン・ポラリトンのボゾン統計は、角周波数ω0−δで増幅するための光パラメトリック相互作用プロセスが、(i)表面プラズモン・ポラリトンの相互作用の最終状態の占有と(ii)表面プラズモン・ポラリトンの初期状態の占有との積にほぼ比例する量だけ増大される、ということを意味する。したがって入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ周波数ω0−δで導入することで、ω0からω0−δへの変換プロセスの効率を非常に高めることができるとともに、入力光放射の入射ビーム43を角周波数ω0−δで非常に大きく増幅して極めて強い出力光放射20を角周波数ω0−δで生成して、入力光放射の入射ビーム43についての正味の光利得を角周波数ω0−δにおいて1よりもはるかに大きくすることができる。この光利得は基本的に、角周波数ω0での入力光放射の強度と角周波数ω0−δでの入力光放射の強度との積に比例するため、角周波数ω0において極めて強い入力光放射を選ぶことが有利である。
本実施形態では、角周波数ω0+δでの出力光放射18を用いることも有用であると考えられるが、その場合にはそれは増幅されない。
この第2の実施形態には、光変調器としての明らかな用途がある。入力光放射の少なくとも1つの周波数成分の周波数、振幅、光位相、または偏光状態を変調することによって、出力光放射の少なくとも1つの周波数成分の周波数、振幅、光位相、または偏光状態を変調することができる。このような光変調器の特定の例は、角周波数ω0での入力光放射の振幅変調された入射ビーム16を用いることで、角周波数ω0−δでの出力光放射20を振幅変調することである。本実施形態では、変調された入力光放射と出力光放射の他の組み合わせも可能である。第1の実施形態の場合と同様に、出力光放射を多層構造6の外へ結合するための多くの変形が可能である。
第2の実施形態に関する明らかな変形では、角周波数ω0−δでの入力光放射の入射ビーム43の代わりに、角周波数ω0+δでの入力光放射の入射ビーム43を用いる。この場合、増幅されるのは、角周波数ω0+δでの光放射である。
また第2の実施形態を、入力光放射の3つの入射ビーム42を用いて同じ入射平面内で中心角周波数ω0、ω0−δ、およびω0+δで入射させることによって、広く適用することもできる。この場合、角周波数ω0での極めて強い入力光放射を用いることで、角周波数ω0−δおよびω0+δでの光放射を同時に増幅することができる。
また第2の実施形態を、同じ中心角周波数ω0の入力光放射の2つの入射ビーム42を使用し、これらのビームの一方を用いて他方を変調することによって、広く適用することもできる。
また第2の実施形態を、たとえば異なる中心角周波数ωb−δおよびωaを有する入力光放射の2つの入射ビームを用いて、角周波数ωb−δ、ωa+δ、およびωaでの出力光放射を生成することによって、広く適用することもできる。
一般に、デバイスの機能性を高めるために、入力光放射の複数の入射ビーム42を用いることができるが、必ずしも同じ入射平面内でまたは多層構造6上の同じスポットに入射する必要はない。また入力光放射の複数の入射ビームまたは入力光放射の単一ビームを複数の光周波数成分で用いることによって、複数の光周波数にてデバイスを用いることもできる。
第1の実施形態の文脈で述べたような、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する手段、および角周波数ωa+δまたはωb−δでの出力光放射を多層構造の外へ結合する手段に関する同じ変形を、第2の実施形態および他のどの実施形態に対しても適用することができる。
また表面プラズモン・ポラリトン・モードのサブセット内へ電気的に結合する手段を含むこともできる。電気的結合の1つの特定の応用例は、電気的結合を用いて、中心角周波数ω0+δでの表面プラズモン・ポラリトンを、中心角周波数ω0での入力光放射に関連して生成することである。この構成を用いて、たとえば中心角周波数ω0+δにて光出力放射を変調することができ、その結果、中心角周波数ω0での入力光放射と比べて大きく増幅することができる。
他の変形として、表面プラズモン・ポラリトン・モードのサブセット内へ電気的に結合する手段と、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する手段との組み合わせに関するものが、前述した光角周波数および光ビーム数の種々の選択方法との直接的な類似において可能である。複数の表面プラズモン・ポラリトン・モード内への電気的な結合を、入力光放射の複数のビームと組み合わせて行なうことで、出力光放射の複数のビームを生成することができる。
電気的な結合を実現する1つの手段は、多層構造の1つまたは複数の層に電流を流すことである。この層は、たとえば金属層とすることで、直接抵抗加熱によって表面プラズモン・ポラリトンを生成することができる。他の可能性は、絶縁層を通して電子をトンネリングさせることによって表面プラズモン・ポラリトン・モードのサブセット内へ電気的に結合させるものである。
また縮退した2つの表面プラズモン・ポラリトンの光パラメトリック相互作用を可能にする好適な多層構造も、次のようにして形成できる。すなわち、多層構造の一部を選んで、5よりも大きいか小さい奇数の材料からなるサンドイッチで構成し、1つの負誘電率層を中心にして、他の正誘電率層を両側に対称に配置する。しかしこのような対称性を持たない好適な多層構造を形成することもできる。さらに多層構造を、層に垂直な方向において誘電率の傾斜分布であるとみなせるように、多層構造を十分に薄い層から構成することもできる。
一般に多層構造の負誘電率層を、半導体もしくはドープされた半導体から、または有機材料などの他の材料から構成することもでき、金属に限定されない。異なる負誘電率材料を混合したものも、単一の多層構造内で可能である。同様に他の正誘電率層も、誘電率の虚部が十分に小さいならば、どんな材料から選ぶこともできる。層によっては、角周波数ωaもしくはωbまたは両方にて、偶然に誘電率がゼロであり得る。
デバイスの効率を、反射器を、光放射用または表面プラズモン・ポラリトン用の構造内へ取り入れることによって、高めることができる。図15に本発明の第3の実施形態を示す。ここでは多層構造6に、互いに面する2つの平面な反射器50および51が、層に垂直な方向に取り入れられている。これらの2つの反射器は、多層構造6の側面を処理していないものであっても良いし、その反射率を高めるためにコーティングされていても良い。これらの反射器は、エッチングによって、そうでなければ平行な2つのトレンチ60、61を多層構造内に、トレンチの軸を光入射面に対して優先的に垂直にして形成することによって、作製することができる。トレンチの分離を適切に選ぶことで、光の多重反射または表面プラズモン・ポラリトンの多重反射を、反射器50および51の間の多層構造の領域62内で発生させることができ、その結果、デバイスの効率を高めることができる。なお図15では、明瞭にするために、入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合する手段または出力光放射を多層構造の外へ結合する手段を図示していない。
代替的な実施形態では、第3の実施形態と同様に、反射器を湾曲させて、たとえば共焦点のキャビティを形成しても良い。
代替的な実施形態では、反射器を多層構造の上方および下方に配置して電磁場をさらに閉じ込めることで、デバイスの効率を高めても良い。このような反射器は、分布ブラッグ反射器から構成することができ、より一般的には、負誘電率層内に電磁場を閉じ込めるようにフォトニック・バンドギャップが調整された一次元のフォトニック結晶から構成することができる。
また多層構造の全体的な湾曲に対しても制約は全くなく、1つまたは複数の曲率半径を有していても良い。しかし入力光放射を表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための入射光放射の入射角度および角度発散を選ぶときには、この湾曲を十分に考慮しなければならない。たとえば表面の湾曲は、球面または円筒の対称性を有していても良い。円筒対称性を用いた場合、光ファイバ技術との互換性があるという利点がある。球または円筒を用いた場合には、関連する光吸収長またはプラズモン減衰長Lxと比べて球または円筒の寸法が十分に小さいときに、球または円筒の周囲を伝搬することで光学またはプラズモン共鳴が発生して、結果としてデバイス効率が増大する可能性がある。
加えて、試料をくさび形状に作製することができる。この場合、多層の個々の層は平行ではなく、それらのうちの1つまたは複数もくさび形状となる。この結果、周波数変換される出力光放射の角周波数のチューニングが、入力光放射が入射されるくさび上の位置を変えることによって容易になる。
また、くさびのコンセプトを、1つまたは複数の曲率半径を有する多層構造と組み合わせることもできる。このことの1つの例は、テーパがつけられた円筒形状の多層構造または球の表面上の多層構造を用いることである。
軸が多層構造の層と平行に配向され、多層構造の層に垂直な2つの表面によって範囲を定められた導波管内に、表面プラズモン・ポラリトンまたは光放射をさらに閉じ込めることによって、デバイスの効率を高めることができる。このような導波管の例は、リブ導波管として当業者に知られているものである。リブ導波管は、一次元での閉じ込めが効果的に得られ、さらに入力光放射が多層構造の側面上に入射する場合または出力光放射が多層構造の側面から出射する場合に都合が良い。この導波管の軸も湾曲していても良く、またリング状に閉じることで、前述の球および円筒に対して説明したものと同様な仕方で共鳴器として機能しても良い。
用途によっては、偏光が異なる入力光放射の結合に関するデバイスの機能性を高めるために、層に平行な方向においてまたは層に垂直な方向において等方的でない多層構造を選ぶことが有利な場合もある。
デバイスを冷却システム上に載置して、高出力用途の場合の過熱および起こり得るデバイスの損傷を防ぐこともできる。一般に、室温または周囲温度を、表面プラズモン・ポラリトンに基づくデバイスの動作温度として用いても全く問題はなく、本発明の実施を容易にするものである。
図16に、容易に入手できる材料を用いて実現でき、基板上に支持することが可能な多層構造6の実施例を示す。多層構造6は、5つの平面平行層からなる5層構造で、これらが構造の最上部から1〜5の順番に並び、負誘電率層の役割を果たす銀層3の2つの両側に対称に配置された他の正誘電率層の役割を果たす4つの透明層1、2、4、5からなる。誘電体層1および5は石英ガラスであり、周波数依存性の誘電率は光学領域において2.2にほぼ等しい。最下層5は、デバイスを支持する基板としても機能することができる。誘電体層2および4は、二酸化チタンであり、周波数依存性の誘電率は光学領域において5.8にほぼ等しい。層2および4の厚みは、d2=210nmであり、層1の厚みd1と層5のd5とは、d1≫d2かつd1≪d5となるように選ばれる。負誘電率層3は、厚み10nmの銀層からなると仮定する。これらの3つの材料、石英ガラス、二酸化チタン、および銀の誘電率は、光波長の関数として、通常の文献データから知られている。またはこれらの変化量は計算で使用される。
最下層5は、誘電率が1に等しい材料ではなく石英ガラスなどの固体からなるので、最下層5を用いて多層構造6を支持することができる。
Figure 2005096088
計算は、多層構造6の最低エネルギーの表面プラズモン・ポラリトン・モードに対して適用される。このようなプロセスは、この多層構造に対して可能であることが分る。角周波数ω1およびω2に対応する光波長の値は、それぞれ約1.4μmおよび830nmである。
Figure 2005096088
この実施例によれば、提案されるデバイスが製造可能であることが示されている。実際には、本計算が良好な正確さを有するために必要なのは、石英ガラス層の厚みが、二酸化チタン層よりも約3倍を超えて厚いということだけである。実際には、層5をミリメートルのオーダの厚みとなるように選ぶことができ、一方で、層1をミクロンのオーダの厚みとなるように選ぶことができる。
層1〜4は、たとえば石英ガラス基板上にスパッタリングまたは真空蒸着を行なって多層構造を製造することによって、容易に作製することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、光変調、光増幅、または光周波数変換での幅広い用途において非常に効果的である。本発明は、その汎用性および光周波数チューナビリティのために、科学的、工業的、および環境的用途での種々の状況に適用することができる。本発明をパルスまたは連続レーザとともに用いることで、光パラメトリック増幅器として増幅の可能な光周波数範囲が拡がるために、非常に有利である。本発明は同時に、パルス・レーザからの広帯域スペクトルの光周波数、たとえばスーパーコンティニュアムの発生を実現する手段を提供し、これは医薬および超高速分光法において特に重要な応用例である。さらに本発明は、光放射を、低周波数からテラヘルツ領域以上の超高周波数まで変調する手段を提供する。これは、将来の通信システムでの超高速スイッチング用途において役立つものである。また本発明は、レーザ分光計、レーザ・レンジング・システム、リモート・センシング・システム、イメージング・システム、およびレーザ出力送出システムなどの分析機器の内部においても用途を見出す。
本発明の光変換装置は、周波数変換器、増幅器、光変調器へ適しており、また、レーザ分光分析、レーザ・レンジング・システム、リモート・センシング、およびイメージング、変調可能なチューナブル・コヒーレント光の高性能な供給源としても用いることができ、その結果、科学、工業、および環境における幅広い用途が期待される。

Claims (54)

  1. デバイスを有する光変換装置であって、
    入力光放射の少なくとも1つの入射ビームと、
    1つまたは複数の負誘電率層と他の1つまたは複数の正誘電率層とを含む多層構造であって、前記多層構造が、少なくとも1つの表面プラズモン・ポラリトン・モードを支持するように構成され、前記モードのうちの少なくとも1つが、角周波数ωaおよび
    ωbの2つの表面プラズモン・ポラリトンの光パラメトリック相互作用が可能となるように構成され、その結果、周波数アップシフトされた角周波数ωa+δの表面プラズモン・ポラリトンと、等しい量だけダウンシフトされた角周波数ωb−δの表面プラズモン・ポラリトンとに変換され、ここで、δは特定の角周波数シフトまたは角周波数シフトの組であり、前記角周波数ωaおよびωbの一方または両方は、前記入力光放射の入射ビームのうちの少なくとも1つに存在する角周波数または角周波数の組である、多層構造と、
    前記多層構造の前記角周波数ωaもしくはωbまたは前記角周波数ωa+δもしくはωb−δでの前記表面プラズモン・ポラリトン・モードのサブセット内へ、電気的に結合するための手段と、
    前記入力光放射を、前記多層構造の前記角周波数ωaもしくはωbまたは前記角周波数ωa+δもしくはωb−δでの前記表面プラズモン・ポラリトン・モードの1つまたは複数内へ、結合するための手段と、
    角周波数ωa+δまたはωb−δでの出力光放射を、前記多層構造の外へ結合するための手段と、
    角周波数ωaおよびωbでの出力光放射を、前記多層構造の外へ結合するための手段と、
    ωa、ωb、ωa+δ、またはωb−δ以外の角周波数での出力光放射を、前記多層構造の外へ結合するための手段と、を備える光変換装置。
  2. 前記表面プラズモン・ポラリトン・モードの前記サブセットがゼロであり、したがって電気的に結合するための前記手段がないことを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  3. 角周波数ωaおよびωbの前記2つの表面プラズモン・ポラリトンが等しい角周波数
    ωa=ωbを有し、この角周波数をωa=ωb=ω0とすることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  4. 前記表面プラズモン・ポラリトン・モードの分散関係上の点が、前記分散関係上の変曲点に対応することを特徴とする請求項1又は3記載の光変換装置。
  5. 前記入力光放射の入射ビームが、明確な中心角周波数を有するコヒーレント・レーザ放射のパルスからなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  6. 前記入力光放射の入射ビームが、明確な中心角周波数を有する連続波のレーザ放射からなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  7. 前記入力光放射の入射ビームが、明確な中心角周波数を有するコヒーレント・レーザ放射のパルスと、明確な中心角周波数を有する連続波のレーザ放射との組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  8. 前記表面プラズモン・ポラリトン・モードのサブセット内へ電気的に結合するための前記手段が、前記負誘電率層の1つもしくは複数または前記他の正誘電率層の1つもしくは複数またはこれらの組み合わせに流される電流であることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  9. 前記デバイスが、周波数変換された出力光放射を生成するために用いられることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  10. 前記入力光放射の入射ビームが、単一の前記入力光放射の入射ビームからなることを特徴とする請求項1又は9記載の光変換装置。
  11. 前記デバイスが、前記入力光放射の入射ビームよりも周波数スペクトルが広い周波数変換された出力光放射を生成するために用いられることを特徴とする請求項1又は9記載の光変換装置。
  12. 前記出力光放射が、スーパーコンティニュアムからなる成分を有することを特徴とする請求項1、9又は11記載の光変換装置。
  13. 前記デバイスが、前記出力光放射の少なくとも1つの周波数成分の周波数、振幅、光位相、または偏光状態を変調するために用いられることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  14. 前記入力光放射の入射ビームが、2つのビーム:中心角周波数ω0の入力光放射の入射ビームと中心角周波数ω0+δまたはω0−δの入力光放射の入射ビームとからなり、ここでδは特定の角周波数シフトまたは角周波数シフトの組であることを特徴とする請求項1、3又は13記載の光変換装置。
  15. 前記デバイスが、前記デバイスによって変調された角周波数ω0+δまたはω0−δでの前記出力光放射を生成するために用いられ、ここでδは特定の角周波数シフトまたは角周波数シフトの組であり、ωa=ωb=ω0であることを特徴とする請求項1、3又は14記載の光変換装置。
  16. 前記デバイスが、前記デバイスによって変調された角周波数ω0での前記出力光放射を生成するために用いられることを特徴とする請求項1、3又は14記載の光変換装置。
  17. 前記入力光放射の入射ビームが、中心角周波数ω0の入力光放射の入射ビームと中心角周波数ω0+δおよびω0−δの入力光放射の2つの入射ビームとの3つのビームからなり、前記デバイスが、前記デバイスによって変調された角周波数ω0、ω0+δ、もしくはω0−δまたはこれらの角周波数の組み合わせでの前記出力光放射を生成するために用いられ、ここでδは特定の角周波数シフトまたは角周波数シフトの組であり、ωa=ωb=ω0であることを特徴とする請求項1、3又は14記載の光変換装置。
  18. 前記デバイスが、前記入力光放射の少なくとも1つの周波数成分を増幅するために用いられることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  19. 前記入力光放射の入射ビームが、中心角周波数ω0の入力光放射の入射ビームと中心角周波数ω0+δまたはω0−δの入力光放射の入射ビームとの2つのビームからなり、前記デバイスが、角周波数ω0+δまたはω0−δでの増幅された出力光放射を生成するために用いられ、ここでδは特定の角周波数シフトまたは角周波数シフトの組であり、ωa=ωb=ω0であることを特徴とする請求項1、3又は18記載の光変換装置。
  20. 前記多層構造が、平行な界面を有する平面層からなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  21. 前記多層構造が、曲率半径を有する層からなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  22. 前記多層構造が層からなり、その少なくとも1つは断面がくさび形状であることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  23. 前記多層構造が層からなり、その少なくとも1つが、前記多層構造の層に平行に配向された軸を有し前記多層構造の前記層に垂直な2つの表面によって範囲を定められた導波管の形状であることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  24. 前記導波管の前記軸が直線であることを特徴とする請求項1又は23記載の光変換装置。
  25. 前記導波管の前記軸が曲線であることを特徴とする請求項1又は23記載の光変換装置。
  26. 前記多層構造の前記負誘電率層が金属からなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  27. 前記多層構造の前記負誘電率層が、半導体またはドープされた半導体からなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  28. 前記多層構造の前記負誘電率層が、金属、半導体、またはドープされた半導体の層の組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  29. 前記多層構造の一部が、奇数の材料からなるサンドイッチで構成され、1つの前記負誘電率層を中心にして、前記他の正誘電率層が両側に対称に配置されることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  30. 前記多層構造の一部が、5つの材料からなるサンドイッチで構成され、これらが誘電体層1、誘電体層2、負誘電率層、誘電体層2、誘電体層1の順番に並び、ここで誘電体層1および誘電体層2の用語は、異なる誘電率の前記誘電体層をさすことを特徴とする請求項1又は29記載の光変換装置。
  31. 前記多層構造が前記層に垂直な方向において誘電率の傾斜分布であるとみなせるように、前記多層構造が十分に薄い層からなることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  32. 前記多層構造内での前記表面プラズモン・ポラリトンの多重反射を可能にして前記デバイスの効率を高めるように、前記多層構造に、層に垂直に配向された反射器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  33. 前記多層構造内での前記入力光放射または前記出力光放射の多重反射を可能にして前記デバイスの効率を高めるように、前記多層構造に、層に垂直に配向された反射器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  34. 前記多層構造内での前記表面プラズモン・ポラリトンの多重反射を可能にして前記デバイスの効率を高めるように、前記多層構造に、前記多層構造の層に平行に配向されて多層構造の両側に配置された反射器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  35. 前記多層構造内での前記表面プラズモン・ポラリトンの多重反射を可能にして前記デバイスの効率を高めるように、前記多層構造に、前記多層構造の層に平行に配向されて多層構造の両側に配置された反射器が設けられ、前記反射器は分布ブラッグ反射器であることを特徴とする請求項1又は34記載の光変換装置。
  36. 前記多層構造が冷却されることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  37. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、フォーカシング・システムを備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  38. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記入力光放射の入射ビームの角度発散を変えることができる前記フォーカシング・システムを備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  39. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段によって、前記多層構造への前記入力光放射の入射ビームの入射角度を変えることができることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  40. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記入力光放射の特定の入射偏光状態を使用できるように、偏光要素を備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  41. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、入射平面内で偏光された直線偏光の入力光放射を使用できるように、偏光要素を備えることを特徴とする請求項1又は40記載の光変換装置。
  42. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記多層構造の表面と接触して配置される誘電体材料を備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  43. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記多層構造と接触して配置される前記誘電体材料を備え、この前記誘電体材料は、プリズム、半球、または半円筒の形状であることを特徴とする請求項1又は42記載の光変換装置。
  44. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記多層構造と接触して配置される前記誘電体材料を備え、第2の誘電体材料が、前記誘電体材料と前記多層構造の表面との間に配置されることを特徴とする請求項1又は42記載の光変換装置。
  45. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記多層構造の側面へ入射する入力光放射を含むことを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  46. 前記入力光放射を前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段が、前記多層構造の表面または内部の周期的なグレーティング構造を備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  47. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記出力光放射を平行にするために用いるフォーカシング・システムを備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  48. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記多層構造の表面と接触して配置される誘電体材料を備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  49. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記多層構造と接触して配置される前記誘電体材料を備え、この前記誘電体材料は、プリズム、半球、または半円筒の形状であることを特徴とする請求項1又は48記載の光変換装置。
  50. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記多層構造と接触して配置される前記誘電体材料を備え、第2の誘電体材料が、前記誘電体材料と前記多層構造の表面との間に配置されることを特徴とする請求項1又は48記載の光変換装置。
  51. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記多層構造の側面から出射する前記出力光放射を含むことを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  52. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記多層構造の表面または内部の周期的なグレーティング構造を備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  53. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、光周波数フィルタリング・システムを備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
  54. 前記出力光放射を前記多層構造の外へ結合するための手段が、前記入力光放射を前記多層構造の前記表面プラズモン・ポラリトン・モード内へ結合するための前記手段と共通の要素を備えることを特徴とする請求項1記載の光変換装置。
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