JPWO2004053240A1 - 基礎底盤の構造計算方法と、その計算プログラム及び該プログラムの記録媒体 - Google Patents

基礎底盤の構造計算方法と、その計算プログラム及び該プログラムの記録媒体 Download PDF

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Abstract

本発明の構造計算方法は、まず基礎底面を、中心軸に関し左右対称で、かつ中心軸に沿って配列されたn個の長方形ブロックからなる形状モデルと見做す。そして、基礎底面に作用する力とモーメントのつり合い条件から導かれた一次方程式、三次方程式を解いて、中立軸の位置を判別する。一次方程式は中立軸が基礎底面外にある場合の解を与え、三次方程式は中立軸が基礎底面内にある場合の解を与える。これらの方程式の係数項及び定数は、基礎底面モデルを構成する各ブロックの辺長と、鉛直荷重及びその作用位置までの距離の関数として表現され、nに関して一定の規則性を有する。こうして得られた中立軸の位置をもとに、接地圧分布や水平力分布等を計算する。

Description

本発明は、各種構造物の基礎底盤に作用する接地圧や水平力、モーメント等の分布状態、あるいはこれらと関連する基礎底盤の断面性能や地盤の変位量を簡便に計算する構造計算方法に関し、より詳細には、中心軸について対象または対象と仮定される剛体基礎底盤に偏心荷重が作用する際、接地圧がゼロとなる中立軸の位置を解析して、それをもとに各種の力学的要素を計算する方法と、該構造計算方法を実行するための計算プログラム、及び該計算プログラムを記録した電子情報記録媒体に関する。
構築物の基礎構造に関しては、上部構造に働く外力の影響により、その基礎底面には偏心荷重が作用する可能性が高い。こうした場合の接地圧分布や水平力分を求める計算方法としては、例えば下記参考文献1記載の方法などが知られているが、今日では、基礎底面に作用する鉛直力と曲げモーメント、及び基礎底盤の形状を考慮し、また支持地盤を弾性体と考えて、力学的なつり合い条件から接地圧や水平力を推定し、最大接地圧や最大水平力を求める計算方法が受け継がれている。その方法は、例えば下記参考文献2などの指針類で取り扱われる構造物の具体的な基礎構造設計において、長年にわたり実用に供されている。かかる計算方法の概略を以下に説明する。
参考文献1:大崎順彦・川崎孝人、「偏心荷重をうけた基礎盤に関する一実験」、建築研究報告、建設省建築研究所、1956年、No.18、p.1−23
参考文献2:日本建築学会、「建築基礎構造設計指針」、日本建築学会、1995年、p.181−196
<計算の基本的条件>
前記従来の計算方法においては、基礎底面に作用する荷重を支える地盤をHookeの法則に従うバネに例えた弾性体とし、このバネに外力を加えると、隣り合うバネの影響を受けることなく、そのバネだけが離散的に伸縮するというWincklerモデルが一般に採用されている。この離散型のバネモデルは、連続性を有する実際の地盤とは性質が異なるにもかかわらず、地盤の弾性を表すパラメータが一つで計算が簡単になる(下記参考文献3参照)ことから、その後における地盤係数理論(例えば下記参考文献4参照)の発展の基礎となっている。この地盤係数理論は、くい基礎やケーソン基礎、直接基礎の地盤反力計算等においては、実用的手法として最も広く採用されている。
また、かかる地盤反力の計算においては、基礎スラブ及び地盤の剛性に関係なく、地盤反力が一様に分布するという仮定も広く採用されている(例えば下記参考文献5参照)。
参考文献3:横山幸満、「くい構造物の計算法と計算例」、山海堂、1977年、p.19−20
参考文献4:大崎順彦、「建築基礎構造」、技報堂出版、1991年、p.170−191
参考文献5:大崎順彦、「地盤係数の実測値と地盤係数理論の基礎盤設計への適用について」、日本建築学会論文報告集、1956年、No.54、p.385−388
これらを踏まえて、単純な長方形状を有する通常の基礎底盤の接地圧分布計算においてよく用いられている仮定条件を以下のように整理する。
▲1▼基礎底面に作用する外力は静的に作用するものとする。
(震度法による地震入力を含む)。
▲2▼基礎の底盤は変形を無視して剛体とする。
▲3▼接地圧のうち基礎底面と支持地盤との間では引張力は作用しないものとする。
▲4▼基礎底面の形状は中心軸に関して左右対称で、かつ鉛直荷重のみ基礎底面に作用することとし、傾斜荷重などは考えないものとする。
▲5▼支持地盤は弾性地盤とし、接地圧は直線的に変化し、かつ平面的に分布するものとする。
<接地圧の推定式1>
一般に、静的状態での接地圧は梁理論により、次の式で表現される。
Figure 2004053240
ここに、
σmax:地盤に生じる最大接地圧
σmin:地盤に生じる最小接地圧
N:基礎底面に作用する全鉛直荷重
M:底面の図心に作用する転倒モーメント=N・e
(e:図心からの偏心距離)
A:基礎底面の総面積
,k:偏心(中心)軸における底面の図心から両縁端までの距離
I:底面の断面二次モーメント
である。
そして、σminは、図1(a)のように全底面圧縮状態(Nの作用点が底面の核内)である場合、
Figure 2004053240
一方、図1(b)のように底面の一部が引張状態(Nの作用点が底面の核外)である場合、
Figure 2004053240
となる。
なお、図1中の記号は、
O:圧縮縁端
L:偏心方向における基礎底面の全幅
G:底面の図心
T:中立軸
:圧縮縁端O点から中立軸Tまでの距離
である。
このように梁理論式を単純に応用すると、地盤と底面との間に、一般には生じ得ない引張力が、式(4)のように計算上作用して矛盾することとなる。このため、直接基礎の実際の設計では、地盤と接触するフーチングの底面形状を考えた修正モデルを適用し、力とモーメントとのつり合いから接地圧分布を求めている。かかる修正モデルでは、式(4)のような引張応力状態が現れないと仮定して接地圧分布を推定する。その場合に対するO点から接地圧ゼロの位置までの距離を、前記Xと区別すべくxとする。
前記梁理論式と、修正モデルの接地圧分布で仮定する応力状態の関係を図2に示す。いま、図2でxに対応する分布荷重を修正モデルに基づく応力状態で表すと、長方形底盤の場合の最大接地圧は、次の式(5)及び(6)のように非常に簡単になる。
Figure 2004053240
ここに、
d:圧縮縁端O点から全鉛直荷重Nが作用する点までの距離
N’:全鉛直荷重Nに対する地盤反力
(すなわち、N=N’=σmax・x/2)
である。また、☆印の部分は底面が地盤から浮き上っていて接地圧がゼロとなる領域を示している。
つまり、梁理論でいう推定式が単純に適用できるのは、地盤と底面との間に見かけ上の引張力の作用しない式(3)の条件に限られる。
<接地圧の推定式2(複雑形状の底盤の場合)>
一方、基礎底盤の形状が複雑になる場合は、計算方法もかなり煩雑になり、以下に述べるような計算方法が採用されている。図3(a)は複雑な底盤形状の一例を示し、図3(b)は接地圧の分布形状が台形状の場合、図3(c)は同じく三角形状の場合を示す。
いま、圧縮縁端O点を原点とするz軸を図3のように基礎左端よりとる。原点Oから基礎底面上の着目点までの距離をzとすると、
Figure 2004053240
である。
次に、図3(b),(c)のような台形分布、あるいは三角形分布の場合を仮定する。最大接地圧や底面の接触領域における幾何学的な関係から、着目点での地盤反力σ(z)は次の式(8)で表せる。
Figure 2004053240
ここに、
η:図3(b),(c)に示す圧縮縁端O点から中立軸Tまでの距離
である。
すると、鉛直方向の力のつり合い条件およびモーメントのつり合い条件から、次の式(9)及び(10)が得られる。
Figure 2004053240
ここに、
B(z):z軸上の着目点に対する直角方向の基礎幅
である。
基本的には、これら式(9)及び(10)の両辺を連立して未知数σmaxとηを決定する。しかし、これらの式は抽象的な概念を示すものであり、具体的な計算手順を与えるものではない。実際には、σmaxとηの二つを未知数として、有限要素法による行列計算等を利用しながら、式(9)及び(10)の左辺と右辺との差を徐々に縮めてゆくという面倒な繰り返し計算を実施する必要がある。
また、建物一体化機能の確保にその効果が期待される強剛な基礎梁などを設けることにより、建物の荷重をできるだけ分散させて地盤に影響する荷重を小さくする工夫も試みられているが、このような場合、これらの計算は煩雑をきわめることが多い。さらに、その理論的なこととなると、具体的で確立された簡便な計算手法が必ずしも明確ではない(例えば下記参考文献6参照)。そして、パーソナルコンピュータがこれほどまでに普及してきた今日でも、パーソナルコンピュータなどを使った合理的な設計手法が見当たらないことから、従来より、この手法に対する改善が望まれてきた。
参考文献6:日本建築学会、「壁構造関係設計基準・同解説」、1989年、p.111−115、p.168−170、p.253−254、p.388−389、p.532、p.625
つまり、前記従来の計算方法は、幅や長さが任意に変る基礎底面に偏心荷重が作用し、基礎底面の一部で接地圧がゼロとなる部分を生じるような場合の接地圧分布、あるいはそれに対応する水平力やモーメント等の分布を簡便に求められるようなものではなかった。このため、支持地盤の性状や強度によって変化させなければならない基礎設計の際、あるいは既存施設の用途変更による増設荷重や耐震上の補強のために基礎構造を検討する際、実用上きわめて不便となっている。
さらに従来は、基礎底面の一部に浮き上がりを生じて接地圧が三角形分布となる場合、その分布状態を的確に予測することが困難であったがゆえに、浮き上がり部分にアンカーを設けて引張力を強制的に付加し、接地圧を台形状分布にするような基礎設計が行われてきた。しかし、このような対応では、結果的に安全性の過大評価につながり、不経済になるという可能性もある。
以上のような点に鑑み、本発明では、従来からよく知られている構造計算方法を力学的なベースとしながら、新たに複雑な形状を有する基礎構造に作用する力学的要素を簡便な手順で容易に推定できる構造計算方法を提案する。ここで対象とする基礎は、中心軸に関して左右対称で、かつ中心軸に沿って配列された任意の大きさの長方形の組合せからなる底面形状を有するものと仮定している。同時に、本発明では、提案する構造計算方法の実用性を検証するため、実際的な寸法をもつフーチング基礎構造を対象として具体的な数値計算を行い、その計算手順をとりまとめて、実務の設計において十分活用できることを示す。
なお、実際の構造計算実務では、鉛直荷重と水平荷重、場合によってはモーメントが作用する複合条件下での総合的な力学的要素を解析する場合が多いが、水平荷重やモーメントは、通常、基礎底面に作用する鉛直応力に着目し、この底面と地盤との間に発現する摩擦抵抗力の相互関係等により扱われる。したがって、前記のように、偏心荷重の影響によって基礎底面に浮き上がりの生じるような場合には、その部分で水平力やモーメントも分担できなくなるため、結局、地盤と接触する圧縮領域で全水平荷重やモーメントを負担させるなどの工夫が必要となる。同様に、地盤の改良を必要とする場合などでも、地盤改良部分における基礎底面に作用する鉛直荷重の分布は極めて重要なファクターとなる。
このような場合、水平力分布やモーメントの計算において生じる煩雑さは、前記した接地圧分布の計算の場合と全く同様である。そこで本発明は、まず、これらの力学的要素の解析において必要不可欠、かつ最も重要な中立軸Tの位置を求めるための簡便な計算方法と、これに基づいて接地圧分布を求める計算方法を重点的に説明し、併せて、水平力分布の簡便な計算方法も提案する。ただし、中立軸Tの位置が確定できれば、水平荷重やモーメントを鉛直荷重に比例させて扱う概念は従来公知の計算理論と変わらないので、水平荷重やモーメントの基本的な計算手順は鉛直荷重の計算方法を準用することとする。
前記課題を解決するため、本発明の基礎底盤の構造計算方法は、基礎底盤基礎底盤に偏心荷重が作用する際に、この偏心荷重によって接地圧がゼロとなる中立軸の位置を、以下の手順によって求めることを特徴とする。
(1)基礎底面に作用する荷重の偏心方向に沿って中心軸を設定するとともに、基礎底面の形状を、前記中心軸に関して左右対称で、かつ前記中心軸に沿って配列されたn個(n≧2)の長方形ブロックの集合体と見做した底面形状モデルを設定する。
(2)偏心荷重によって生じる接地圧ゼロの位置に中立軸を想定し、基礎の圧縮縁端の反対縁端から前記中立軸までの距離をyとおく。
(3)力及びモーメントのつり合い条件を示す前記yの一次方程式であって、yの係数及び定数が、鉛直荷重N、基礎の圧縮縁端から前記Nの作用位置までの距離d、及び前記底面形状モデルを構成する各長方形ブロックの辺長a,bのみの関数として表される一次方程式を解いて、yを求める。
(4)前記(3)で得られたyが正の解であれば、前記中立軸が基礎底面の外に位置して、接地圧が中心軸方向に沿って台形分布をなすものと判定する。
(5)前記(3)で得られたyがゼロまたは負の解であれば、前記中立軸が基礎底面内に位置して、接地圧が中心軸方向に沿って三角形分布をなすものと判定する。
(6)前記(5)の判定においてyが負の解であれば、力及びモーメントのつり合い条件を示す前記yの三次方程式であって、yの係数及び定数が、前記N、前記d、及び前記a,bのみの関数として表される三次方程式を解いて、yを求める。
(7)圧縮縁端の反対縁端側ブロックにおける中心軸方向の辺長をaとしたとき、前記(6)で得られたyのうち少なくとも一つの実数根yが0≦y<aを満たせば、当該yの位置が中立軸の位置になるものと判定する。
(8)前記(6)で得られたyの実数根yが0≦y<aを満たさなければ、aに対応する圧縮縁端の反対縁端側ブロックには地盤反力が作用しないものと見做し、当該ブロックを無視したn−1個の長方形ブロックの集合体からなる底面形状モデルについて、再度、前記(3)から(7)の計算を実行する。
さらに本発明の構造計算方法は、上記計算方法によって解析された中立軸の位置に基づいて、接地圧の分布状態を確定し、力のつり合い条件から、各部の接地圧、水平力またはモーメントを求めることを特徴とする。
また、本発明の基礎底盤の構造計算プログラムは、コンピュタ上で、上記構造計算方法における(1)及び(2)の手順によって与えられた底面形状モデルの初期条件に基き、同(3)以下の手順を順次、実行して、その処理結果を出力するように構成されたことを特徴とする。
そして、この構造計算プログラムは、コンピュータで読み取り可能な電子情報記録媒体として活用することもできる。
図1は、従来の梁理論式における接地圧分布を示す説明図であり、(a)は全底面圧縮状態、(b)は底面の一部が引張状態となるときの図である。
図2は、従来の梁理論式と修正モデルの接地圧分布の関係を示す説明図である。
図3は、複雑な形状の基礎底面について、つり合い条件から地盤反力を求める従来の解法を示す説明図であり、(a)は基礎底面の形状の例、(b)は地盤反力が台形分布となる場合、(c)は地盤反力が三角形分布となる場合を示す。
図4は、本計算方法によって地盤反力を求める場合の説明図であり、(a)は基礎底面の形状の例、(b)は地盤反力が台形分布となる場合、(c)は地盤反力が三角形分布となる場合を示す。
図5は、複雑な形状にかかわる様々な基礎底面(ブロック数n=1〜4)の例を示す図である。
図6は、同じく、様々な基礎底面(ブロック数n=5)の例を示す図である。
図7は、同じく、ブロック数nがさらに高次の場合の基礎底面の例を示す図である。
図8は、ブロック数nを基準にして整理した基礎底面の形状モデルを示す図である。
図9は、本計算方法で得られる基本式の解yと地盤反力との関係を示す図である。
図10は、本計算方法を用いた基礎設計計算のフローチャートである。
図11は、本計算方法によって異形H形底面の接地圧分布を具体的に計算する手順を示した説明図である。
図12は、本計算方法によって分割型底面の接地圧分布を具体的に計算する手順を示した説明図である。
図13は、具体的な基礎構造プランの説明図であり、(a)はロ字形底面の直接基礎、(b)は逆T式擁壁の群ぐい基礎を示す。
図14は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図15は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図16は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図17は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図18は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図19は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図20は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図21は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図22は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図23は、表3に示した計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
以下、本発明の構成や具体的な展開等について詳細に説明する。
<1.本計算方法の基本的な特徴>
本発明の構造計算方法は、前記従来の技術において説明した計算理論の基本的条件を力学的モデルの基礎としている。つまり、中心軸に関して左右対称で、かつ中心軸に沿って配列された任意の大きさの長方形の組み合せからなる直接基礎底盤を対象とし、中心軸方向のみの接地圧変動に着眼するものである。
本計算方法では、地盤と基礎底面との間に生じる圧縮応力領域の接触面の形状が、転倒モーメントの影響により幾何学的に変化することに着目し、その性状を特徴づける変数が三次のべき級数等で表現できることを利用している。したがって、本計算方法は、基礎底面の形状に制約はあるものの、与えられた条件に対して簡便な三次式等に基づく解を直ちに見出し得るという便利さを有する。
なお、以下の説明では、基礎底面に作用する鉛直荷重を優先的に扱うが、水平荷重やモーメントについては鉛直荷重に比例するものとして、全く同様の手順により求めることができる。
<2.仮定条件>
本発明の構造計算方法を説明するため、図4(a)に示すような比較的単純な異形H形底面形状を有する基礎底盤を例にとる。図4(b)は鉛直荷重Nの作用位置が基礎底面の核内にあって、地盤反力が台形状に分布すると仮定した場合を表している。また図4(c)は、鉛直荷重Nの作用位置が底面の核外にあって、地盤反力が三角形状に分布すると仮定した場合を表す。
<3.変数、パラメータの定義>
計算にあたり、図4における変数やパラメータをつぎのように定義する。
L:偏心方向における基礎底面の全幅
N:基礎底面に作用する全鉛直荷重
d:圧縮縁端O点から全鉛直荷重Nが作用する点までの距離
n:基礎底面形状を構成する長方形の組み合せ数(この例ではn=3)
(a,a,a):Lをn分割した各長方形の偏心方向の底面幅
(b,b,b):各aに対応する直交方向の底面幅
T:接地圧=0となる中立軸
y:圧縮縁端O点の反対縁端から中立軸Tまでの距離
(図4(b)のように中立軸Tが基礎底盤の外側になる場合を正の値で定義する。ただし、このyを、圧縮縁端O点から中立軸Tまでの距離とした場合でも、以下の計算式は全く同じになる。)
σmax:圧縮縁端O点における接地圧(=最大接地圧)
σmin:地盤に生じる最小接地圧
σ(σ,σ):基礎底面形状が変化する境界点での接地圧
(N,N,N):n分割された各長方形領域の鉛直地盤反力
(l,l,l):圧縮縁端O点からn分割された各長方形領域の重心までの距離
<4.計算手順>
本計算方法では、結局、圧縮縁端O点の反対縁端から中立軸Tまでの距離yを求めることが主眼となる。これを以下の手順にしたがって進める。
i)鉛直方向の力のつり合いに基づく定式化
基礎底面に作用する鉛直方向の力のつり合いは、次式(11)で表される。
Figure 2004053240
式(11)を具体的に解くことによって、例えば、圧縮縁端O点における最大接地圧σmaxが次のように求められる。
Figure 2004053240
,Bは、接地圧がゼロとなる圧縮縁端O点の反対縁端から中立軸Tまでの距離yや、基礎底面形状を構成する長方形の底面幅a,b等の関数で、例えば、図4(c)の三角形分布に関しては次式(12−1)及び(12−2)のように表現できる。
Figure 2004053240
ii)圧縮縁端O点を中心とするモーメントのつり合いに基づく定式化
圧縮縁端O点を中心とするモーメントのつり合いを考えると、次式(13)が得られる。
Figure 2004053240
この式(13)を解くことによって、式(12)の場合と同様に、圧縮縁端O点における最大接地圧σmaxが次のように求められる。
Figure 2004053240
,Bも、yや基礎底面形状a,b等の関数で、図4(c)の三角形分布に関しては次式(14−1)及び(14−2)のように表現できる。
Figure 2004053240
iii)力とモーメントのつり合い条件の連成
以上の式(12)及び(14)を連立して解くと、最終的には、次のような形式の一次方程式(15)及び三次方程式(16)が得られる。
Figure 2004053240
一次方程式(15)は、図4(b)に示されるような台形分布、つまり全鉛直荷重Nが基礎底面の全面に分布して作用する場合の応力状態にに対応し、三次方程式(16)は図4(c)に示されるような三角形分布、つまり支持地盤から基礎底面の一部が浮き上がっている場合の応力状態に対応する。
前記一次方程式(15)及び三次方程式(16)におけるα,β,γ及びcは、それぞれの基礎底面形状に関するパラメータa,b及びdのみの関数として表すことができる。表1に一次方程式(15)のγおよびcの値を示す。また、表2に三次方程式(16)のα,β,γ及びcの値を示す。
Figure 2004053240
Figure 2004053240
表1及び表2で示したα,β,γ及びcは、パラメータa,bとdに関して一定の規則性があるため、n≧5の場合もプログラミングは容易である。
iv)中立軸Tまでの距離yの決定
前記基本方程式(15)、(16)のうち、未知数yの一次式で与えられる基本式(15)については、γ≠0なら、
Figure 2004053240
によりyが決定できる。
一方、未知数yの三次式で与えられる基本式(16)については、カルダノによる三次方程式の解法を利用する。以下、簡単に説明する。
まず、三次の項の係数がα≠0ならば、式(16)は、
Figure 2004053240
で表せる。簡略化のため、第2項〜第4項の係数をa,b,cと置き換えて
Figure 2004053240
で表し、また、y=x−a/3を代入して、xについて2乗の項のない形の三次方程式(20)に変形する。
Figure 2004053240
さらに、
Figure 2004053240
で整理すると、式(20)は次式(23)で表現できる。
Figure 2004053240
ここで、x=u+vと置き、式(23)に代入すると、次式(24)を得る。
Figure 2004053240
この式(24)が成立するためには、次式(25)、(26)を満たせばよいこととなる。
Figure 2004053240
いま式(26)をu=−pで書き換える。するとuとvは、式(27)のように二次式を因数分解する形で表せる。
Figure 2004053240
すなわち、
Figure 2004053240
である。uとvの立方根をとると、uとvは式(29)で表現できる。
Figure 2004053240
これは関係式x=u+vから式(30)で表せる。
Figure 2004053240
結局、三次方程式(16)の3つの解は、最終的に、
Figure 2004053240
なる式より決定できる。ここに、a=β/αである。
ここまでの手順により、中立軸Tまでの距離yの具体的決定が可能となるが、本計算方法を実際の設計で適用する際には、いくつか考慮しなければならない点がある。それらについて以下に説明する。
<5.底面形状の分類とモデル化>
実際の設計で扱われる基礎構造は多岐にわたる。ここでは、本計算方法の手順を具体的に説明するために、まず、本発明の対象となる具体的な基礎底面形状の例を図5〜図7に示す。図5は、基礎底面形状を構成する長方形領域(ブロック)の組み合せ数nが1〜4の場合の例であり、図6は同じくnが5の場合、図7は同じくnがさらに高次の場合の例である。
例示した基礎底面形状は、いずれも中心軸方向に延びるウェブの有無と、中心軸に関して対称に配置される長方形部分のサイズにより特徴づけることができる。例えば、中心軸を一つと仮定していることから、図5におけるn=3の場合の(I)のように、中心軸に関して対称位置に分離された底面部分を有する基礎も、それらを中心軸に直交する方向に移動させて同図(J)のように一体化させた基礎も、同一の基礎と見なすことができる。
したがって、中心軸に関して整理すれば、種々の複雑な基礎底面形状も、基本的には図8のような形状モデルに単純化できる。
<6.設計上仮定するパラメータ>
基礎の構造設計は、まず、既知の技術データを収集することからはじまる。図4に対する具体的な底面形状の一例として、図5におけるn=3の場合の(A)〜(J)を考える。
(B)、(C)、(D)、(H)及び(I)の底面のように、中心軸直交方向にウェブが連続していない場合も、先に述べたように中心軸に関して図8におけるn=3の場合のように再整理することが可能である。また、図5・n=3の(F)に示すように基礎底面が長方形であっても、基礎を設置する地盤の性状などにより、その一部を無効と考えて設計する場合もある。
このように、設計上仮定する多くの基礎底面も、結局は、任意サイズの長方形3つを偏心方向に単純に組み合せてモデル化した、図8・n=3の場合に考える形状、すなわち図4(a)に示した異形H形底面として分類できる。
すると結局、単純化された基礎底面モデルに対応する中心軸方向(偏心方向)の辺長a,a,aと、中心軸直交方向の辺長b,b,bを決定できることになる。また、鉛直荷重Nやその作用位置dも、計画する構築物の用途や形態が明らかになれば容易に決定できる。
<7.計算の実行>
前項でモデル化した具体的な底面形状に関するパラメータa,bなどを、基本方程式(15),(16)の係数α,β,γ及び定数cを決定する式(例えば表1、表2)のそれぞれの項に代入して基本式(15),(16)を展開すると、中立軸Tまでの距離yが直ちに決定できる。
計算を実行する際、図4の異形H形底面形状を計算例として誘導した基本式(15),(16)から得られる解において、圧縮縁端O点の反対側縁端から中立軸Tまでの距離yと地盤反力分布との関係を図9に示す。
i)一次方程式(15)によるyの計算
まず、一次方程式(15)によってyを計算する。もし図9(a)−aに示すように、0<yならば地盤反力は台形分布を示すことになり、これで正しい接地圧分布は得られたと判断する。y=0ならば地盤反力は三角形分布となるが、この場合、中立軸Tは圧縮縁端O点の反対側縁端に一致するので、地盤反力に負の部分は生じず、0<yの場合と同様に正しい接地圧分布は得られたと判断する。
もし、図9(a)−bに示すように、y<0ならば地盤反力に負の部分が生じることになるため、この負の部分をゼロとして接地圧分布を再計算する次のステップに移る。
ii)三次方程式(16)によるyの計算
y<0ならば、地盤反力は三角形分布となり、三次方程式(16)によってyを計算する。三次方程式(16)を解いて得られる根は、判別式Dによって次のようなパターンに分類できる。
Figure 2004053240
D>0の場合、一つの実数根と二つの虚数根
D=0の場合、三つの実数根でそのうち二つは重根
D<0の場合、値の異なる三つの実数根
数学的に厳密に証明した訳ではないが、すでに検証した大量の計算ケースで明らかになったこれらの根の性質を、以下詳細に述べる。
まず、図9(b)の具体的な基礎区分の各領域に対応してyの値を次のように分類する。
Figure 2004053240
複数の実数根が得られた場合、これらが式(34)〜(36)で表すそれぞれのyの範囲に重複して入ることはなかった。勿論、重根は1つの解と考える。
iii)0≦y<aなるyが得られた場合
既に述べたように、本発明の計算方法は、想定している基礎底面のうち、最も右側のブロックにおいて接地圧がゼロとなる場合(図9(b)−aのような場合)に、三次方程式(16)の解をもって適切なyが決定できるというものである。
これに対して、例えば図9(b)−bのような場合は、そもそも図4(c)の修正モデルにおける右端ブロック(式(34)に対応する領域)内に中立軸Tが存在せず、少なくとも式(35)に対応する領域よりも左側に中立軸Tが存在することになるため、その中立軸Tの位置よりも右側の任意の点での地盤反力はマイナスとなり、結局、地盤と基礎底面との間に引張力が作用して矛盾することとなる。したがって、このような場合は、右端のブロックが基礎としての役割を果たさないと考えられるから、このブロックは存在しないものとして再計算することとなる。この場合、基礎ブロックの総数nは、3−1=2とカウントすることになる。つまり、基礎底面の形状そのものを、図8に示した形状モデルのうちn=2のパターンに見直し、改めて三次方程式(16)を適用すれば、正しい接地圧分布を求められることが確かめられている。これらの対応については後でさらに述べる。
よって、いくつ実数根が得られたとしても、基本的に意味のある解は、図9(b)−aに示すように、右端のブロックで接地圧がゼロとなるような場合、つまり0≦y<aの場合のみである。
本出願人のこれまでの検証では、0≦y<aの領域でyが2つ以上の解を持つことはなかった。結局、三次方程式(16)で0≦y<aなる解が得られた場合、基礎底面の右側縁端から距離yに相当する部分までの範囲は、接地圧がゼロと算定されているから、適切な地盤反力が得られたものと判断できる。
iv)0≦y<aなるyが得られなかった場合
仮に図9(b)−b〜cのように、右から2番目ないし3番目のブロックに中立軸Tが存在する場合は、地盤反力に負の部分が生じることとなる。したがって、中立軸Tが存在するブロックよりも右側のブロックは、基礎として意味をなさないため、計算のためのブロック数nを1つ、あるいは、2つ減じる。また、図9(b)−dのように極端な場合にあっても、基礎として意味をなさないブロックを右側縁端から逐次1つ目、2つ目と減じ、その実質的なブロック数nに対応する三次方程式(16)を用いて再計算を行う。
現在までの多数の計算によれば、ほぼこうした1回の再計算で、適切な接地圧分布、つまり0≦y<aなるyを求めることができた。ただし、基礎底面のブロック数nがさらに高次の場合は、前記のようにブロック数nを低減して基礎底面の実質的形状を見直す再計算行程が増える可能性はある。
これまでの計算の流れを図10にフローチャートとして示す。実際の構造設計はこのフローチャートに沿って実施される。
<8.数値計算の具体例>
以下、前記計算手順に沿って、具体的な基礎底面に対する本計算方法を実施し、その適応性や妥当性を検証する。
ブロック数n=3である異形H形底面の具体例として、図5・n=3の(A)のようなウェブを有する異形H形底面と、同図(J)のようなウェブのない分割型底面をとり上げ、それぞれについての地盤反力を実際に計算した。その計算結果を図11及び図12に示す。
異形H形底面(図11)については、パラメータを以下のように設定した。
基礎底面に作用する全鉛直荷重N=9.209(KN)
圧縮縁端O点から全鉛直荷重Nの作用点までの距離d=0.9(m)
基礎底面の各部の縦横辺長
=1.0(m) , b=3.0(m)
=1.0(m) , b=1.0(m)
=1.0(m) , b=2.0(m)
図10の手順に従って、一次方程式(15)によりyを計算する。前記基礎底面のパラメータを表1にあてはめると、一次方程式(15)の係数γ,cは以下のようになる。
Figure 2004053240
よって、
y=−c/γ=0.385(m)>0
となる。これは、基礎底面の右側縁端よりもさらに右方に中立軸Tが位置することを意味する。つまり、図9(a)−aに示すように、接地圧が台形分布となり、基礎の全底面が地盤と接触して、基礎底面に作用する外力と地盤反力とがつり合う状態であるため、これで正しい接地圧分布は求められたものと判断できる。
このようにして得られたyに基づき、基礎底面の接地状態及び接地圧分布は以下のように算出される。
基礎底面の接地面積A=6.0(m
図心からの偏心距離e=0.433(m)
断面二次モーメント I=5.333(m
圧縮縁端から中立軸Tまでの距離x=3.385(m)
圧縮縁端における接地圧σmax=2.532(KN/m
変化点における接地圧 σ=1.784(KN/m
変化点における接地圧 σ=1.036(KN/m
右側縁端における接地圧σmin=0.288(KN/m
分割型底面(図12)については、パラメータを以下のように設定した。
基礎底面に作用する全鉛直荷重N=9.209(KN)
圧縮縁端O点から全鉛直荷重Nの作用点までの距離d=0.6(m)
基礎底面の各部の縦横辺長
=1.0(m) , b=3.0(m)
=1.0(m) , b=0.0(m)
=1.0(m) , b=2.0(m)
この例についても、まず、中立軸Tまでの距離yを決定する一次方程式(15)を最初に適用する。求められた一次方程式(15)の解は、
y=−0.210(m)<0
となる。これはつまり、図9(a)−bに示すように、基礎底面の右側縁端よりも左方に中立軸Tが位置して、一部の接地圧がマイナスの三角形分布となることを意味する。したがって、右側の負の接地圧部分をゼロとして再計算する次のステップに移行する必要がある。
すなわち、前記三次方程式(16)を図10のフローに沿って適用し、適切な中立軸yを決定するのである。前記基礎底面のパラメータを表2にあてはめてα,β,γ,cを算出すると、三次方程式(16)の具体的な形は以下のようになる。
Figure 2004053240
この三次方程式(38)を解くと、以下の三つの解を得る。
=0.251(m)
=1.653(m)
=5.296(m)
これらの解y,y,yは、それぞれa,a,aで分割された各ブロックに対応しているものの、一番右側のブロックに対応する解、つまり0≦y<aを満たす解はy=0.251のみであり、重複して算出されてないことが確認できる。
結局、中立軸Tは一番右側のブロック内に位置して、この状態で底面に作用する外力と地盤反力とがつり合い、接地圧分布は図12の最下図に示すような三角形と台形により表されることとなる。
このようにして得られたyに基づき、基礎底面の接地状態及び接地圧分布は以下のように算出される。
基礎底面の接地面積A=4.497(m)(浮き上がっている右端部を除く)
図心からの偏心距離e=0.524(m)
断面二次モーメントI=3.829(m
圧縮縁端から中立軸Tまでの距離x=2.749(m)
圧縮縁端における接地圧σmax=3.464(KN/m
変化点における接地圧 σ=2.204(KN/m
変化点における接地圧 σ=0.944(KN/m
<9.本計算方法の実務への適用例>
i)実際の基礎構造プラン
この項では、本計算方法を実務で展開する場合の手順について、図13に示す具体的な構築物の基礎プランを例にとって説明する。
図13(a)に示した基礎構造は、上部に水槽を設けた高さ9.5mの構築物を支える直接基礎であり、この底面は図5・n=3の(H)タイプである。
また、図13(b)に示した基礎構造は、逆T式擁壁であり、高さ4.5m・幅3.3mの剛体フーチング底面に、径φ300mm・長さ11mのコンクリート製くい2本をつないで、偏心方向に3列配置した群ぐい基礎である。事例ではφ300mmと同面積の正方形断面に換算したくい形状を仮定している。
これらの基礎構造について、図10のフローチャートに示した手順[S1]〜[S2]〜[S3]〜[S4]に沿って方程式(15)、(16)を適用・展開した計算結果を表3及び表4に示す。ちなみに表3〜表4では、その手順を一通りの計算サイクルと考えて計算ケース(No.)をカウントしている。つまり、基礎ブロック総数nに対する一次方程式(15)の解がy<0なら負の地盤反力が発現するため、引き続いて三次方程式(16)を展開するが、これらをそれぞれ一回の計算サイクルとしてカウントしたものである。
Figure 2004053240
Figure 2004053240
ii)図13(a)の直接基礎の場合
本発明では、前述のように基礎底面の中心軸を一つと仮定していることから、中心軸に関して対称的な位置に離れている基礎ブロックを中心軸の直交方向に移動させて寄せ集めても、同一の基礎と見なすことができる。すなわち、中心軸に直交する図心(重心)軸に沿って、対称の基礎底面を平行移動しても、結局、断面一次モーメントの値が変化しないと仮定している。この仮定に基づいて図13(a)の最上段に示した基礎底面形状を中心軸側に寄せ集めると、比較的単純な異形H形で表すことが可能である。したがって、具体的な底面が決まれば、一つの形状モデルが定まる。形状モデルは、図8で説明したように、図5〜図7で示した実際の底面形状を単純化したものである。
そこで、まず計算ケース(1)として、図8を参考に、単純化された異形H形底面モデルを構成するブロックの総数をn=3に設定する(手順[S1])。
そして、異形H形底面モデルにおける各辺長パラメータを決定する。さらに、上部工から伝達された基礎底面に作用する鉛直荷重N、及びその作用位置dを逐次決定する(手順[S2])。
続く手順[S3]においては、前記辺長パラメータを表1にあてはめて算出した係数γ,cにより、一次方程式(15)を解いてyを求める。中立軸yの位置が算出されると、このyに対応する着目点での接地圧分布、すなわち地盤反力の分布が推定できる。この事例では、一次方程式(15)の解がy=−1.546<0で負の解となることから、前記<7>i)で述べたように、三次方程式(16)を用いて接地圧分布を再計算する次の手順[S4]へと移行する。
手順[S4]では、前記辺長パラメータを表2にあてはめて算出した係数α,β,γ,cにより、三次方程式(16)を解いてyを求める。この事例では、三つの根のうち二つの根(y,y)が虚数根で、意味がありそうな実数根は一つ(y=13.895)しかない。しかし、a=2.000<y=13.895であるから、前記<7>iv)で述べたように、地盤反力に負の部分が生じて、右端のブロックは基礎としての意味をなさないことになる。したがって、計算上は、nを一つ減じた異形T形底面と見なし、再度、底面に対する計算を計算ケース(2)で実行する必要がある。
計算ケース(2)でも、まず、右端ブロックのないn=2の基礎と見做した一次方程式(15)を展開する(手順[S3])。すると、y=−0.966<0となり、前記計算ケース(1)の場合と同様に負解を得る。そこで、再度、n=2に対応する三次方程式(16)を展開することとなる(手順[S4])。
三次方程式(16)を解くと、三つの実数根を得るが、そのうちの一つy=1.387が0≦y<a=4.000を満たすので、このyをもって直接基礎の接地圧分布が決定される。
iii)計算ケース(3):特殊な条件下での設計計算
基礎底面に生じる接地圧分布は、一般的に構築物の設計条件から推定される地盤等に影響する荷重強度である。これは、構造物を支える基礎地盤などの条件に対応して比較・検討される。
例えば、仮定した設計地盤の支持力が軟弱(耐力不足)であったり、地中障害物が出現した場合などで、この対策の一つの手段として、必要な場合には地盤を改良したり、基礎構造を変更して検討する場合が少なくない。ここでは、図13(a)の直接基礎を対象に、構築物周辺のそうした状況に対応して提案式を適用した事例について説明する。
まず、表3の最上段に示すような具体的な底面形状から、計算のための形状モデルを設定し、この形状モデルを構成するブロック総数をn=4に設定する(手順[S1])。左から3番目の領域(aに相当)は未改良地盤であると仮定して、その部分の地盤の支持力は考えないものとする。そして、各ブロックの辺長パラメータ及び鉛直荷重N、その作用位置dを逐次決定し(手順[S2])、n=4に対応する一次方程式(15)及び三次方程式(16)を順に適用して、中立軸Tの位置yを求める。この展開では、一次方程式(15)の適用(手順[S3])でy=−0.823なる負解を得るので、三次方程式(16)による再計算を行う(手順[S4])。すると、三次方程式(16)の1回目の適用で、0≦y<aの条件を満たすy=1.255を得る。
結局、地盤と接触する基礎底面の各着目点における接地圧分布は、表3の最下段右側で示すような台形および三角形の形状で推定できることとなる。
iv)図13(b)逆T式擁壁(群ぐい基礎)の場合
図13(b)に示した逆T式擁壁の群ぐい構造においては、フーチングとくいとが緊結されていない場合、またはくい基礎が被災した場合を想定し、その支持力を定量的にとらえることを目的として提案式を適用する。
そこで、計算ケース(4)では、まず中心軸に沿うくいの配列形状により、基礎底面の形状をn=5のパターンでモデル化(手順[S1])し、鉛直荷重Nとその作用位置d、及びa,b等に対応する各辺長パラメータを決定する(手順[S2])。
そして、まず、くい頭ヒンジ結合を想定した一次方程式(15)(n=5に対応)を適用して、中立軸Tの位置yを求める(手順[S3])。するとy=−0.522なる負解を得るので、圧縮縁端の反対側(最右側)のくいには引抜力(引張力)が作用していることが分かる。
こうした場合、これ以降の手順としては次のような取り組みが可能である。
イ)フーチングから連続して伝わる引抜力に耐える引張力を負担させるくい(a,bに対応)として検討する場合。
ロ)連続して伝わる引抜力に相当する引張力をくいに期待しない場合。
すなわち、圧縮状態のみに着眼して基礎構造を検討する場合である。例えば、松ぐいを用いた設計などにおいては、フーチングと右端のくい頭とが緊結されていないものと想定して、くいには引張力を作用させない。また、くい基礎被災を想定したリスクに配慮する場合などでも、くいに引張力は作用させないのが普通である。
ハ)構築物に要求される品質水準に照らして検討する場合。つまり、支持地盤の強度が接地圧分布と比較して小さい場合の対応策等で、地盤強度に見合う接地圧分布を確保するために必要な保有耐力を、構築物に求められる品質性能に合せて任意に設定し、検討する場合。
この実施例では、手順[S3]の結果に対する取り組みとして、前記ロ)における各くいが、どの程度の負担率をもって圧縮力を保持しているかを定量的にとらえるための試算を行う。
すなわち、手順[S3]において一次方程式(15)から得られたyが負解であるから、n=5の設定で三次方程式(16)による再計算を行う(手順[S4])こととなる。しかし、この三次方程式(16)の解は、唯一の実数根であるy=6.560が、条件0≦y<aを満たしていない。このため、すでに述べたように、ブロック総数nを減じて、最右端の領域(a,bに対応)にくいのない基礎構造を考える。しかし、この場合、n=4に該当する領域には基礎(a,bに対応)が存在しないため、結局、基礎ブロック総数nは、さらに1が減じられて、n=3となる。つまりこのくい基礎は、この段階で左側二列のくいだけが圧縮機能に役立っているものと推定する。
そこで、改めてn=3に対応する一次方程式(15)を計算する(手順[S3])。すると、y=−0.121<0で負解を得るので、引き続き、n=3に対応する三次方程式(16)を計算する。この結果、0≦y=0.207<a=0.266で、条件を満たすy=0.207が最終解として得られる。
このyが示す中立軸Tの位置を基に、くい基礎の各着目点における接地圧分布を調べると、最も左側のくいは台形分布をなしていて全断面で、また、中央のくいは三角形分布をなしており、そのくいの一部分の断面で、フーチング底面に作用する荷重に対する圧縮力を負担していることが分かる。つまり、この群ぐい基礎は、3本のうち2本のくいで逆T式擁壁のフーチングを支えていることとなる。
このことは、最も右側のくい(a,bに対応)の引抜き抵抗機能が無くなった場合、最も左側及び中央のくいが支持ぐいとしてはたらき、それらの接地圧分布が三次方程式(16)の解によって定量的にとらえられることを意味する。つまり本計算方法によれば、前記ロ)のように、くい基礎の被災等によって引き抜き抵抗機能が失われるような設計条件下でも、煩雑な繰り返し計算が必要であった従来法に比べて合理的に、かつ容易に、くいの支持力を定量的に予測することが可能になる。
ただし、図10のフローチャートに沿って実際の基礎設計を行うに際しては、基礎ブロック総数nは、地盤強度などの周辺状況により、当初、できるだけ大きめの数を仮定しておくと便利である。すると、逐一変化する設計条件への対応がさらに容易になり、適切なyの条件(一次方程式(15)の場合0<y、三次方程式(16)の場合0≦y<a)を満たす解を合理的に決定しやすくなる。
<10.本計算方法のまとめ>
本発明の構造計算方法は、転倒モーメントの影響によって逐次変化する接地圧分布を明らかにするもので、従来からよく知られている静力学的平衡条件下における梁理論式や修正モデルにおける計算上の煩雑さを改善した点に特長がある。
基礎底面に発現する接地圧の分布状態は、地盤と接触する基礎底面の形状と力及びモーメントのつり合い条件から導かれた基本方程式を解いて中立軸の位置を求めることにより、簡便に判別できる。
そこで、まず基礎底面を、任意サイズのブロック(長方形領域)の集合体と見做し、各ブロックを中心軸に関して左右対称に配置して、中心軸の方向に沿ってn個に分割・組合せした形状モデルを設定する。
そして、この基礎底面モデルに作用する力及びモーメントのつり合い条件から導かれた一次方程式(15)、三次方程式(16)を解くことによって、中立軸の位置を判別する。一次方程式(15)は、想定される中立軸が基礎底面の外にある場合、つまり圧縮縁端から中立軸までの距離が偏心方向の基礎の幅Lに比べてyだけ長い場合の解を求める基本式である。また、三次方程式(16)は、想定される中立軸が基礎底面の内にある場合、つまり圧縮縁端から中立軸までの距離がLよりyだけ短い場合の解を算出する基本式である。中立軸の位置が判明すると、そこから直ちに接地圧分布を求めることができる。これらの基本式(15),(16)の解と、それにより判別される接地圧の分布状態との関係を表5にとりまとめて示す。
Figure 2004053240
これら一次方程式(15)及び三次方程式(16)の係数項及び定数は、基礎底面モデルを構成する各ブロックの辺長a,b、及び鉛直荷重Nとその作用位置までの距離dの関数として表現され(表1,2)、かつ、基礎底面モデルのブロック数nに関して一定の規則性を有する。したがって、基礎底面の形状が複雑化してブロック数nが増加する場合でも、前記規則性に基づいて基本式(15),(16)を容易に拡張することができる。
<11.本計算方法の展開>
これまでの説明は、基礎底面に作用する鉛直荷重Nのみを取り扱ってきたが、水平力分布についても、水平荷重の大きさΣHを鉛直荷重Nと同様に扱い、その合力が鉛直荷重Nの作用位置と同じ位置に作用するものとして、上述の一次方程式(15)及び三次方程式(16)を解くことにより、全く同じ手順で求めることが可能である。また、モーメント分布も同様である。
さらに、本計算方法によって解析される中立軸の位置をもとに、地盤沈下量や回転角等の変位を推定したり、基礎構造物の断面性能(断面二次モーメント、慣性モーメント、ねじり定数等)の検証、設計等を行うこともできる。これらの展開に用いられる計算理論や公式は従来公知のもので足りる。
<12.コンピュータを利用した本計算方法の実施>
続いて、上記した本計算方法をコンピュータ上で実行する場合のプログラムについて説明する。図14〜図23は、表3に示した接地圧分布の計算例をコンピュータの画面上で処理したときの表示例である。
図14〜図15は、基礎底面モデルの偏心方向の底面幅L(=8.000)やブロック数n(=3)を入力する画面の例で、表3における計算ケース(1)の手順[S1]に該当する。
図16は、基礎底面モデルを構成する各ブロックの辺長a,b、鉛直荷重Nとその作用位置までの距離d等を入力して確認する画面の例であり、表3における計算ケース(1)の手順[S2]に該当する。
図17は、上記手順[S1]〜[S2]によって与えられた初期条件に基づき、一次方程式(15)を解いて求めたyの値を表示する画面の例で、表3における計算ケース(1)の手順[S3]に該当する。なお、図示の例では、x=L−y=8.000−1.546=6.454を表示している。
図18は、手順[S3]で得られたyの値が負の解であるため、さらに三次方程式(16)を用いて求めたyの値を表示する画面の例で、表3における計算ケース(1)の手順[S4]に該当する。ここで、yが、一つの実数根と二つの虚数根であることが示されている。
図19〜図20は、上記手順[S4]の計算結果に基づき、右端のブロックには地盤反力が作用しないものと見做して、nを一つ減じ(n=2)た場合の各パラメータを再表示した例である。これは、表3における計算ケース(2)の手順[S1]〜[S2]に該当する。
図21は、n=2としたときの一次方程式(15)を解いて求めたyの値を表示する画面の例で、表3における計算ケース(2)の手順[S3]に該当する。図示の例では、x=L−y=6.000−0.966=5.034を表示している。
図22は、上記手順[S3]で得られたyの値も再び負の解であるため、さらに三次方程式(16)を用いて求めたyの値を表示する画面の例で、表3における計算ケース(2)の手順[S4]に該当する。ここで、yが、三つの実数根をもつことが示されている。
図23は、yに関する三つの実数根のうちの一つy=1.387が0≦y<a=4.000を満たすので、このyをもって最終結果を再表示した例である。
このように本発明の接地圧分布計算方法は、底面形状モデルの初期条件を入力しさえすれば、コンピュータ上で正確かつ迅速に実施することができる。コンピュータで実行可能なプログラムとすることにより、一次方程式(15)及び三次方程式(16)の係数(表1、表2)やその解の反復的な計算(式(17)〜(31))も簡単になる。かかるプログラムは、コンピュータで読み取り可能な各種の電磁的記録媒体に格納して頒布することもできる。
<13.本発明の効果>
本発明の構造計算方法では、基礎底面に作用する力とモーメントのつり合いから導かれた基本式(15),(16)を解いて、接地圧がゼロとなる中立軸の位置を求めることにより、従来から用いられている梁理論式や修正モデルの計算に比べて、より簡便に、基礎底面に作用する力学的要素を計算することができる。そして、これらの基本式を構成する係数項及び定数項は、基礎底面を中心軸に関して左右対称な長方形ブロックの集合体と見做したときの各ブロックの辺長a,bと、鉛直荷重N及びその作用位置までの距離dの関数として表現されるので、基礎底面の形状が複雑化しても、基本式を容易に拡張することができる。
したがって、この計算方法を基礎設計の実務に利用すると、支持地盤の性状や強度に応じて基礎の形態を変更したり、上部構造物の用途変更や耐震補強などの目的で基礎構造を見直したりするといった設計条件の多様な変化に対して、合理的かつ的確な評価・判断が可能になる。また、安全性の過大評価を回避することができるので、経済的な基礎設計も可能になる。
ただし、上部工を支える地盤を、均質で、等方性を有し、かつ弾性体であるとした単一的な仮定は、基礎底盤に生じる応力状態を土質力学的分野から詳しく解析することの適用領域には、いみじくも限界を有している。しかし、基礎底面と地盤との接触面領域における計算は著しく簡便になるので、試験及び試掘などの地質調査を行うことが困難で地盤データの工学的評価を十分に得られない場合や、あるいは他の分野(例えば電気・機械設備等の設計)に展開する場合の適用可能性は大きい。このように本発明の計算方法は、現場サイドで短時間に試みる概略の基礎設計に対する合理的手法として、実務では十分な有用性があるものと考えられる。
なお、本計算方法は、いわゆる剛体基礎と地盤との間に作用する力学的要素の解析を目的としたものであるが、本計算方法の適用対象となる「剛体」とは、構造計算の実務上、質点系相互の位置関係が変わらないと仮定し得るもの全般をいい、有限剛性構造物、絶対剛性構造物、剛体と見做し得る弾性体構造物などを特に区別なく包括する概念である。
以上のように本発明の構造計算方法は、建築・土木構造物の基礎設計や耐震補強、あるいは地盤改良計画等において好適に活用することができる。また、建築物ほど規模の大きくない電気機械設備等の設置に際しても、その支持構造の設計に利用することができる。

Claims (4)

  1. 基礎底盤に偏心荷重が作用する際に、この偏心荷重によって接地圧がゼロとなる中立軸の位置を、以下の手順によって求めることを特徴とする基礎底盤の構造計算方法。
    (1)基礎底面に作用する荷重の偏心方向に沿って中心軸を設定するとともに、基礎底面の形状を、前記中心軸に関して左右対称で、かつ前記中心軸に沿って配列されたn個(n≧2)の長方形ブロックの集合体と見做した底面形状モデルを設定する。
    (2)偏心荷重によって生じる接地圧ゼロの位置に中立軸を想定し、基礎の圧縮縁端の反対縁端から前記中立軸までの距離をyとおく。
    (3)力及びモーメントのつり合い条件を示す前記yの一次方程式であって、yの係数及び定数が、鉛直荷重N、基礎の圧縮縁端から前記Nの作用位置までの距離d、及び前記底面形状モデルを構成する各長方形ブロックの辺長a,bのみの関数として表される一次方程式を解いて、yを求める。
    (4)前記(3)で得られたyが正の解であれば、前記中立軸が基礎底面の外に位置して、接地圧が中心軸方向に沿って台形分布をなすものと判定する。
    (5)前記(3)で得られたyがゼロまたは負の解であれば、前記中立軸が基礎底面内に位置して、接地圧が中心軸方向に沿って三角形分布をなすものと判定する。
    (6)前記(5)の判定においてyが負の解であれば、力及びモーメントのつり合い条件を示す前記yの三次方程式であって、yの係数及び定数が、前記N、前記d、及び前記a,bのみの関数として表される三次方程式を解いて、yを求める。
    (7)圧縮縁端の反対縁端側ブロックにおける中心軸方向の辺長をaとしたとき、前記(6)で得られたyのうち少なくとも一つの実数根yが0≦y<aを満たせば、当該yの位置が中立軸の位置になるものと判定する。
    (8)前記(6)で得られたyの実数根yが0≦y<aを満たさなければ、aに対応する圧縮縁端の反対縁端側ブロックには地盤反力が作用しないものと見做し、当該ブロックを無視したn−1個の長方形ブロックの集合体からなる底面形状モデルについて、再度、前記(3)から(7)の計算を実行する。
  2. 請求の範囲第1項記載の構造計算方法によって解析された中立軸の位置に基づいて、力のつり合い条件から、各部の接地圧分布、水平力分布またはモーメント分布を求めることを特徴とする基礎底盤の構造計算方法。
  3. コンピュータ上で、請求の範囲第1項記載の構造計算方法における(1)及び(2)の手順によって与えられた底面形状モデルの初期条件に基き、同(3)以下の手順を順次、実行して、その処理結果を出力するように構成された基礎底盤の構造計算プログラム。
  4. 請求の範囲第3項記載の基礎底盤の構造計算プログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した電子情報記録媒体。
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