JPWO2003039074A1 - 通信管理方法、通信管理プログラム、通信管理プログラムを記録した記録媒体、通信装置、中央管理装置、およびネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複数の通信装置が1つのネットワーク経路を時分割で共用するネットワークにおける通信管理方法に関するものであり、特にIEEE802.11無線通信方式に関するものである。
背景技術
従来、コンピュータネットワークなどにおいては、パケット通信方式と呼ばれる通信方式によってパケットの送受信が行われている。昨今では、例えば家庭内LAN(Local Area Network)などにおいて、無線を利用したネットワークを構築する需要が高まっている。このような無線LANは、有線のLANと比較して、ケーブルなどの配線を設置する必要がなく、また、LANに接続される端末の移動の自由度が増大するという利点を有している。
このような無線LANなどのネットワークにおいては、ネットワークに接続される複数の通信装置は、パケットの送受信に関して、1つのネットワーク経路を時分割で共用していることになる。このようなシステムでは、送信権の管理方法によって、帯域利用の効率が大きく変化することになる。
例えば、無線LANのために規格化された標準であるIEEE802.11無線通信方式(ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionに準拠する方式)の仕様に対して、HCF(Hybrid Coordination Function)方式(IEEE Std 802.11e/D1.2,July 2001に準拠する方式)と呼ばれる、ネットワーク経路の帯域管理を行うための方式の追加が検討されている。
HCF方式においては、HC(Hybrid Coordinator)と呼ばれる中央管理装置がネットワークに属する全ての通信装置の送信権を管理することが前提となっている。ここで、ネットワークに属する通信装置のうち、HC以外の通信装置はESTA(Enhanced Station)と呼ばれる。
HCF方式は、動画像などのリアルタイムデータを送信するために策定された方式である。このHCF方式では、まず、各ESTAは、自局から送信しようとしているデータの特性に関する情報(ポーリング要求仕様)をHCに通知する。ここで言うデータの特性に関する情報とは、例えばどのような時間間隔で、どのような大きさのデータを送信したいか、というような情報である。このような情報を各ESTAから受信したHCは、各ESTAからの要求が満たされるように自主送信権の付与の順序とその期間をスケジューリングし、このスケジュールに基づいて各ESTAに対して自主送信権の付与が行われる。
上記のHCF方式においては、CFP(Contention Free Period)と呼ばれる期間とCP(Contention Period)と呼ばれる期間とが交互に設定される。CFPとはHCがネットワークに属する全ての通信装置の送信権を管理する期間で、CPとは中央管理装置による送信権管理が行われない期間である。
CFPにおいては、HCは、TXOP(Transmission Opportunity)と呼ばれる制限時間付きの自主送信権をESTAに付与し、それを通知するためにQoS CF−POLLと呼ばれるパケットを、自主送信権を与えようとするESTAに向けて送信する。QoS CF−POLLには、TXOP LIMITと呼ばれる、自主送信権が付与される期間の情報が含まれており、QoS CF−POLLの宛先となっているESTAは、この期間中データの送信が許される。
CPにおいては、送信権の管理はDCF(Distributed Coordination Function)と呼ばれる方式で行われる。データを送信しようとする各ESTAは、最後に無線メディアのビジー状態を検出してから、DIFS(Distributed Coordination Function Inter Frame Space)と呼ばれる期間、無線メディアがアイドルであることを検出すると、バックオフタイマと呼ばれるランダムの大きさを取るダウンタイマを開始し、このタイマが0となった時点で無線メディアがアイドルであれば、データの送信を開始する。
上記のCFPにおいては、HCによって送信権の割り当てが決定されるので、例えば動画データなどのリアルタイムデータを送信する場合のように、データの送信をある程度連続して行う必要のあるデータ送信局に対して、優先的に送信権が付与されるような管理を行うことが可能となる。しかしながら、全ての期間をCFPに割り当ててしまうと、HCFをサポートしていない従来機器のデータの送信がなかなか行われないというような弊害が生じるので、上記のようなCPを設けることによって、通常のデータの送信を行うデータ送信局が送信権を確保する機会を増やしている。このCFPとCPとの期間の割り当ては、そのネットワークシステムにおいて通信されるデータの種類の状態に応じて適宜設定されることになる。
以上のようなネットワークシステムでは、次に示すような課題が存在している。
まず、第1の課題について説明する。上記のHCF方式においては、複数のデータパケットに対する送達確認情報を1つのパケットにまとめて返送するためにDELAYED−ACKと呼ばれるパケットが設けられている。IEEE802.11eの方式によれば、全てのデータパケットに対して送信した順番に割り当てられるパケット番号が、各パケットのヘッダ部分に含まれる仕様となっているので、このヘッダ部分をチェックすることにより、データパケットを一意に判別することが可能となっている。
DELAYED−ACKは、連続する複数のデータパケットに関して、1つのパケット番号につき1ビットが割り当てられたビットマップを含んでいる。データ受信局は、上記のビットマップにおいて、受信に成功したデータパケットのパケット番号に割り当てられたビットに「1」を設定し、受信に失敗したデータパケットのパケット番号に割り当てられたビットには「0」を設定する。そして、データ受信局は、このビットマップを含んだDELAYED−ACKで送達確認情報を返送しようとするデータパケットの先頭パケット番号をDELAYED−ACKに含めた後に、該DELAYED−ACKを返送する。
送達確認は本来MAC層で実現されるべき機能であるが、DELAYED−ACK方式については、動画像伝送等の限られた環境でなければ、その効果を発揮しないため、MAC層での実現は必須のものとせず、MAC層よりも上位の層でその機能を実現する場合がある。つまり、DELAYED−ACK方式をMAC層で必須の機能であるものとすると、それを使用する必要の無い装置を実装する者までもがDELAYED−ACKの機能を備える必要があるため、DELAYED−ACK方式を用いる必要のある装置を実装する者だけが、上位層にてその機能を備えるということになる。IEEE802.11においても、DELAYED−ACKはMAC層よりも上位の層で実現することが検討されている。
このような場合、データ受信局側でDELAYED−ACKを送信する必要がある場合には、データ受信局においてMAC層よりも上位の層がその送信の要否を判断しMAC層に対して送信権を要求するように命じると、MAC層はHCに対して通常のデータのストリームと同様にDELAYED−ACKの送信要求を送信し、これに対してHCが他のストリームのスケジューリングを考慮した上で、QoS CF−POLLをデータ受信局に送信することになる。
IEEE802.11においては、HCにおいて定義されたストリームの種類(データであるかDELAYED−ACkであるか等)を識別することはできないので、HCは、通常のデータのストリームとDELAYED−ACKのストリームとを区別することなく、これらを同列のものとしてスケジューリングを行うことになる。すると、次に示すような問題が生じることになる。
図26(a)および(b)は、データ送信局およびデータ受信局に対するHCのスケジューリングの例を示す説明図である。これらの図において、P▲1▼およびP▲2▼は、データ送信局およびデータ受信局に対するQoS CF−POLLを示しており、DAは、データ受信局からのDELAYED−ACKを示している。
まず、図26(a)は、理想的なスケジューリングが行われた場合を示している。この場合では、データ送信局にQoS CF−POLLが付与された直後にデータ受信局にQoS CF−POLLが与えられるというシーケンスが連続していることになる。
まずデータ送信局に対してP▲1▼が付与され、QoS Data1〜3がデータ受信局に対して送信される。その後、データ受信局に対してP▲2▼が付与され、DELAYED−ACKの返送が行われる。ここで、データ受信局がQoS Data2の受信に失敗したとすると、DELAYED−ACKには、QoS Data2の受信に失敗したことが示されている。
次に、データ送信局にP▲1▼が付与されると、データ送信局は、送信に失敗したQoS Data2を再送するとともに、QoS Data4、5の送信を行う。その後、データ受信局に対してP▲2▼が付与され、DELAYED−ACKの返送が行われる。ここでデータ受信局が再びQoS Data2の受信に失敗し、かつ、QoS Data5の受信も失敗したとすると、その旨を示すDELAYED−ACKがデータ送信局に送信される。
その後、再びデータ送信局にP▲1▼が付与され、QoS Data2および5の再送ならびにQoS Data6の送信が行われ、これらがデータ受信局で確実に受信されたことがDELAYED−ACKによってデータ送信局に伝達される。
この場合、図中に示すQoS Data2のDelayBoundの期間内で、QoS Data2の再送が2回行われたことになる。なお、DelayBoundとは、そのQoS Dataの有効利用期間を示している。これは、例えば動画データの送信が行われている際などに、あるQoS Dataの送信が一定期間以上失敗してしまうと、そのデータが用いられるべき瞬間の動画の再生が終わってしまい、その後にそのデータの再送が行われても意味がない、ということを示している。
一方、図26(b)は、好ましくないスケジューリングが行われた場合を示している。この場合では、データ送信局に送信権が2回連続して付与され、次にデータ受信局に送信権が2回連続して付与され、その後、データ送信局、データ受信局の順で送信権が付与されている。
まず、データ送信局にP▲1▼が付与され、QoS Data1〜3の送信が行われ、さらにデータ送信局にP▲1▼が付与されて、QoS Data4〜6の送信が行われる。ここで、データ受信局が、QoS Data2および5の受信に失敗したとする。そして、データ受信局にP▲2▼が付与されると、QoS Data2および5の受信に失敗したことを示すDELAYED−ACKの送信が行われる。次に、再びデータ受信局にP▲2▼が付与されると、新たなデータの受信は行われていないので、前回と同じ内容のDELAYED−ACKがデータ送信局に向けて送信される。
その後、データ送信局にP▲1▼が付与されると、データ送信局は、送信に失敗したQoS Data2および5を再送するとともに、QoS Data6の送信を行う。その後、データ受信局に対してP▲2▼が付与され、DELAYED−ACKの返送が行われる。
この場合、図中に示すQoS Data2のDelayBoundの期間内で、QoS Data2の再送は1回しか行われないことになる。すなわち、図30(a)に示すスケジューリングと比較して、QoS Dataの再送の機会が減少することになり、DelayBoundの期間内で送信が成功できないQoS Dataが発生する確率が高くなる。よって、例えばデータ受信局側で動画の再生を行っている場合などには、データの欠落による画質の低下が生じるというような問題が発生することになる。
次に、第2の課題について説明する。データ送信局は、送信すべきデータとして、複数のストリームを有している場合が考えられる。具体的には、例えばそれぞれ異なるスペックの動画データを複数送信しようとしている場合が想定される。
一方、QoS CF−POLLには、TXOPの期間の情報とともに、送信権を与えるESTAの識別情報が含まれているが、ストリームを識別する情報は含まれていない。
ここで、データ送信局が、複数のストリームを送信しようとしている場合には、それぞれに対応する送信要求がHCに送信され、HCからは、それぞれに対応するQoS CF−POLLがデータ送信局に向けて送信されることになる。この際に、HCは、スケジューリングを行う際に、送信要求時にデータ送信局から通知されたストリームの平均パケットサイズを基準として、TXOPの長さを設定することになる。しかしながら、データ送信局は、受信した各QoS CF−POLLがどのストリームに対応したものであるかを認識することは不可能となっている。
一例として、データ送信局が、送信すべきストリームとして、ストリームα、およびストリームβを有している場合のパケット送信の状態を図27に示す。このときに、HCは、ストリームαおよびストリームβのそれぞれに最適なQoS CF−POLL(P▲1▼およびP▲2▼)をデータ送信局に向けて送信することになる。
ここで、HCにおいて、図27の上段に示すようなストリームの送信が行われるようにスケジューリングが行われたとする。すなわち、HCは、P▲1▼においてストリームαにおける2つのパケットの送信が行われ、P▲2▼においてストリームβにおける3つのパケットの送信が行われることを想定してスケジューリングを行ったとする。この際に、P▲1▼およびP▲2▼は、1つのPolling Intervalにそれぞれ1回送信されるようにスケジューリングが行われる。なお、Polling Intervalとは、あるストリームに対して、HCがQoS CF−POLLを送信する間隔を示している。
しかしながら、データ送信局は、P▲1▼がストリームαに対応しており、P▲2▼がストリームβに対応しているものと認識することができないので、図27の下段に示すようなストリームの送信を行ってしまうことが考えられる。すなわち、データ送信局は、P▲1▼においてストリームβの送信を行い、P▲2▼においてストリームαの送信を行っている。
この場合、P▲1▼によって設定されているTXOPは、ストリームαにおける2つのパケットに対応する期間となっており、この期間では、ストリームβにおけるパケットを2つしか送信できない期間となっているとする。すると、図27に示す例でいえば、3回分のPolling Interval中で、ストリームβに関して、HCが予定していたパケットの個数(9個)よりも、実際に送信されたパケットの個数(6個)の方が少なくなってしまうことになる。
すなわち、データ送信局が、複数のストリームを送信しようとしている場合、HCが各ストリームに対してQoS CF−POLLを送信した場合、データ送信局側で、どのストリームに対応するQoS CF−POLLを受信したのかを区別することができないので、HCのスケジュールとは異なるストリームの送信が行われる可能性がある。よって、ネットワークの利用効率が低下するという問題が生じることになる。
次に、第3の課題について説明する。第2の課題でも示したように、データ送信局は、送信すべきデータとして、複数のストリームを有している場合が考えられる。例えばそれぞれ異なるスペックの動画データを複数送信しようとしている場合が想定される。また、他の例としては、データ送信局として、複数のESTAが存在し、各ESTAがそれぞれ異なるスペックのストリームの送信要求を行っている場合が考えられる。これらの場合、HCは、各ストリームのスペックを考慮してスケジューリングを行うことになる。
ここで、より具体的な例として、3つのストリーム、すなわちストリームα、ストリームβ、およびストリームγがHCに対して要求されている状態を想定する。そして、各ストリームのスペックが、次のように設定されているとする。ストリームαに関しては、Polling Intervalが3TU、TXOP durationが1TU、Jitter Boundが1TUとなっており、ストリームβに関しては、Polling Intervalが4TU、TXOP durationが1TU、Jitter Boundが1TUとなっており、ストリームγに関しては、Polling Intervalが5TU、TXOP durationが2TU、Jitter Boundが2TUとなっている。なお、TUとは、所定の時間単位を示しており、TXOP durationとは、TXOPの期間を示しており、Jitter Boundとは、Polling Intervalのずれの許容範囲を示している。
この場合のHCにおけるスケジューリングを、図28(a)ないし(d)に示す。同図(a)はストリームα、同図(b)はストリームβ、同図(c)はストリームγ、同図(d)は全てのストリームのスケジュール状態を示している。また、同図(a)ないし(c)おいて、上段は対応するストリームのPolling Intervalをそのままスケジュールした状態を示しており、下段は、全てのストリームを考慮して、Jitter Bound内でのずれを含んだ実際のスケジュール状態を示している。
このように、3つのストリーム全てがそれぞれ互いに異なるPolling Intervalとなっているので、スケジューリングがかなり複雑になっていることがわかる。この例では、各Polling Intervalが3TU、4TU、5TUとなっているので、スケジューリングのサイクルとしては、これらの値の最小公倍数である60TUに近い期間となっている。実際にはこれらとは独立的な周期で定期的に送信されるBeacon(ネットワーク内の全端末で使用する時計の同期等を行う)の送信スケジュールとの兼ね合いも必要となるので、さらにスケジューリングは複雑になる。
ここで、さらにストリームの数が増えたり、Polling Intervalの値が大きくなったりすると、スケジューリングの複雑さが著しく増大することが予想される。このようなスケジューリングは、HCに対して過度の負担を与えることになり、また、事実上、スケジューリングの演算処理時間として許容される時間内にスケジューリングを完了することは不可能となる。
以上のように、それぞれ異なるスペックを有するストリームがHCに対して複数送信要求される場合には、HCにおけるスケジューリング処理が過大となるという問題が生じることになる。
次に、第4の課題について説明する。ここで、Polling IntervalとJitter Boundとの関係について図29を参照しながら改めて説明する。図29では、ストリームA、B、Cが存在し、それぞれPolling IntervalとしてPIA、PIB、PICが設定されており、Jitter BoundとしてJBA、JBB、JBCが設定されているものとしている。この場合、HC1は、各ストリームに対して設定されているPolling Intervalになるようにスケジューリングを行うことになるが、これを確実に守ることは困難であるので、各ストリームに対して設定されているJitter Boundの範囲内でPolling Intervalがずれているようにスケジューリングを行うことになる。
ここで、前記したDCFによって送信を行おうとするSTAが存在する可能性がある。TXOPが終わってから次のQoS CF−POLLが送信されるまでの間に、このようなESTAによるデータ送信が行われると、HCにおけるスケジューリングが崩され、要求されているPolling IntervalおよびJitter Boundを満足できなくなる状態に陥ることがある。
図30は、このような場合のデータ送信シーケンスを示す説明図である。ここでは、Polling IntervalとしてPIA、Jitter BoundとしてJBAが設定されているストリームAが存在している状態となっている。そして、図中、破線で示すタイミングで次のストリームAのデータ送信が行われるようにスケジューリングが行われていたとする。ここで、他のESTAによって、図中のDで示すデータ送信が割り込まれたとすると、このDが終了するまではストリームAのデータ送信を行うことができないことになる。このDの終了時刻が、Polling IntervalPIAにJitter BoundJBAを足した時刻以降になった場合、ストリームAの要求は満足されないことになる。
次に、第5の課題について説明する。データ送信局から複数のQoS Dataが送信されると、データ受信局は、受信した複数のQoS Dataに対する送達確認情報を1つのDELAYED−ACKによって返信することになる。したがって、データ送信局がDELAYED−ACKの受信に失敗すると、複数のQoS Dataに関する送達確認情報を失うことになる。このように、複数のQoS Dataに関する送達確認情報を失ってしまうと、データ送信局は、これらのパケットに関する再送処理を行えなくなる。よって、例えばデータ受信局側で動画の再生を行っている場合などには、データの欠落による画質の低下が生じるというような問題が発生することになる。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、通信ネットワークにおいて、通信装置や中央管理装置における種々のデータの送受信に関して、相互に通信を確立することが困難であるような事態を抑制し、動画像伝送などの高い通信品質を要求されるデータであっても、確実に送受信を行うことを可能とする通信管理方法、通信管理プログラム、および通信管理プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
発明の開示
上記の課題を解決するために、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、データパケットを受信する通信装置は、受信するデータパケットに対する送達確認パケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、上記中央管理装置は、複数のポーリング要求仕様を受信した場合に、これらのポーリング要求仕様に対応する送信権を、それぞれ1回ずつ順番に並ぶように循環的にスケジューリングするものとすることを特徴としている。
上記の方法では、ある通信装置がデータパケットの送信を行いたい場合には、ポーリング要求仕様を中央管理装置に対して送信するようになっている。また、データパケットを受信した通信装置は、この送達確認パケットの送信のためのポーリング要求仕様を、中央管理装置に対して送信するようになっている。そして、中央管理装置は、受信したポーリング要求仕様に基づいて、該当通信装置に対して送信権を付与することになる。
ここで、中央管理装置は、複数のポーリング要求仕様を受信した場合に、これらのポーリング要求仕様に対応する送信権を、それぞれ1回ずつ順番に並ぶように循環的なスケジューリングをするものとしている。したがって、例えばデータパケットの送信のためのポーリング要求仕様と、このデータパケットを受信した場合の送達確認パケットの送信のためのポーリング要求仕様とが、中央管理装置に対して送信されている場合に、これらに対する送信権が交互に付与されるようにスケジューリングが行われることになる。よって、送達確認パケットの返信が著しく遅れるという状況が生じなくなるので、再送が必要なデータパケットを、データパケットの送信側の通信装置が比較的早い時期に認識することが可能となり、再送処理が迅速に行われるようにすることが可能となる。したがって、データパケットの再送が、該データパケットの有効利用期限を超えてしまう可能性を低減することができるので、例えばデータパケットの受信側で動画の再生を行っている場合などには、データの欠落による画質の低下が生じるというような問題の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、送信しようとしているデータの種類に応じたポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信することによって送信権を要求するものとし、ある通信装置が、複数の種類のデータに関する複数のポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信している場合、該中央管理装置は、1つのスケジューリング周期内における、各ポーリング要求仕様に応じた送信権の付与期間を合計した合計付与期間を算出し、この合計付与期間からなる送信権を上記スケジューリング周期内で1回該当通信装置に対して付与するものとすることを特徴としている。
上記の方法では、中央管理装置によって送信権が管理されており、データの送信を行う通信装置は、そのデータの種類に応じたポーリング要求仕様を中央管理装置に送信することによって送信権を要求するものとなっている。
ここで、複数の種類のデータに関する複数のポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信する通信装置が存在したとする。ここで、従来のように、それぞれの種類のデータに対して送信権を付与するようにした場合、送信権を付与された通信装置側では、どの種類のデータに対して送信権が付与されたのかを判別することができないので、中央管理装置が意図したとおりのデータ送信が行われない可能性があることになる。この場合、通信ネットワークにおける帯域の利用効率が低下する虞があることになる。
これに対して、上記の本発明の方法では、中央管理装置は、1つのスケジューリング期間内における、各ポーリング要求仕様に応じた送信権の付与期間を合計した合計付与期間を算出し、この合計付与期間からなる送信権を上記スケジューリング周期内で1回該当通信装置に対して付与するようにしている。そして、この合計付与期間からなる送信権を受信した上記通信装置は、受信した送信権の合計付与期間中に、送信すべき複数の種類のデータの送信を行うようにしている。すなわち、合計付与期間中において通信装置がどのような順番で複数の種類のデータの送信を行っても、中央管理装置によるスケジューリングは達成されることになるので、帯域の利用効率が低下するなどの問題を防止することができる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、送信しようとしているデータの種類に応じたポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信することによって送信権を要求するものとし、上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件が含まれているものとし、上記通信装置は、所定の種類のデータに関するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信する際には、上記時間間隔条件において設定されている時間間隔を所定の値に設定することを特徴としている。
上記の方法では、中央管理装置によって送信権が管理されており、データの送信を行う通信装置は、そのデータの種類に応じたポーリング要求仕様を中央管理装置に送信することによって送信権を要求するものとなっている。そして、通信装置は、所定の種類のデータに関するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信する際には、上記時間間隔条件において設定されている時間間隔を所定の値に設定するようになっている。したがって、中央管理装置は、複数のデータに関するポーリング要求仕様を受信した場合でも、送信要求されたデータが所定の種類のものだけである限りは、各ポーリング要求仕様における時間間隔が一定の値に統一されているので、スケジューリングを容易に行うことが可能となる。よって、中央管理装置におけるスケジューリング処理の負担を大幅に低減することが可能となり、より確実なスケジューリングを実現することができる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件と、上記時間間隔に対して実際に送信権が付与されるタイミングがずれた場合の許容範囲を示す許容ずれ時間条件とが含まれているものとし、上記中央管理装置が、上記通信装置から上記ポーリング要求仕様を受信した際に、上記許容ずれ時間条件に示される時間範囲よりも短い範囲の許容ずれ時間であるものとして、送信権のスケジューリングを行うことを特徴としている。
上記の方法では、中央管理装置によって送信権が管理されており、データの送信を行う通信装置は、そのデータの種類に応じたポーリング要求仕様を中央管理装置に送信することによって送信権を要求するものとなっている。ここで、このポーリング要求仕様は、時間間隔条件とともに、許容ずれ時間条件が含まれているものとなっている。
そして、中央管理装置は、通信装置から受信したポーリング要求仕様に含まれている許容ずれ時間条件よりも厳しい許容ずれ時間条件であるものとして、送信権のスケジューリングを行うようになっている。これにより、例えば、中央管理装置による送信権が管理されている期間中において、予期されていない通信装置からデータ送信の割り込みが行われた場合でも、送信権を付与する予定であった通信装置に対する送信権の付与のタイミングを、その通信装置が要求していた許容ずれ時間条件内に収めることが可能となる可能性を高めることができる。すなわち、上記の方法によれば、データ送信の割り込みという不慮の事態になっても、これを緩衝して、スケジューリングに対する影響を少なくすることができる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、第1の通信装置が、第2の通信装置に対してデータパケットの送信を行った場合、上記第2の通信装置が、受信したデータパケットに対する送達確認パケットを上記第1の通信装置に対して送信するものとし、上記送達確認パケットの送信で用いるデータ送信レートを、上記データパケットの送信で用いるデータ送信レートよりも低い値とすることを特徴としている。
上記の方法では、第1の通信装置から第2の通信装置に対してデータパケットの送信が行われると、第2の通信装置から第1の通信装置に対して送達確認パケットの送信が行われるものとなっている。ここで、送達確認パケットは、複数のデータパケットに関する送達確認情報が含まれ得る。そのような場合、第1の通信装置が送達確認パケットの受信に失敗した場合には、その送達確認パケットに含まれる全てのデータパケットに関しての再送処理を行うことができないことになる。よって、例えば第2の通信装置側で動画の再生を行っている場合などには、データの欠落による画質の低下が生じるというような問題が発生する可能性が高くなることになる。
これに対して上記の方法によれば、送達確認パケットの送信で用いるデータ送信レートを、上記データパケットの送信で用いるデータ送信レートよりも低い値としている。データ送信レートが低くなればなるほど、パケットの送受信の成功確率は向上するものであるので、上記のような方法によれば、送達確認パケットの送受信の成功確率を上げることができる。よって、上記したような問題を抑制することが可能となる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
発明を実施するための最良の形態
[実施の形態1]
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図2は、本実施形態に係るネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、HC1、データ送信局としてのESTA−a2、およびデータ受信局としてのESTA−b3を備えた構成となっている。なお、同図においては、説明の簡単のために、ネットワークシステムに1つのデータ送信局と1つのデータ受信局が備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステムには、複数のデータ送信局およびデータ受信局が設けられていることになる。また、データ送信局とデータ受信局とを区別して示しているが、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となる場合も考えられる。また、データ送信局または、データ受信局の内の1つが中央管理装置としての機能を含んでいても良い。
なお、本実施形態に示すネットワークシステムは、様々な通信ネットワークシステムで適用可能なものであるが、一例としては、家庭用電化製品に無線通信機能が内蔵され、これらを家庭内ネットワークとして相互に接続するようなネットワークシステムなどに好適に用いることができるものである。この例でいえば、HC1を、家庭内の全ての無線通信機器の管理を行うためのセットトップボックスに対応させ、データ送信局としてのESTA−a2を、DVDプレイヤーに対応させ、データ受信局としてのESTA−b3をTVに対応させ、DVDプレイヤーがTVに対して動画像を送信していて、セットトップボックスがその通信を管理しているという具体的な実施例が想定される。
このネットワークシステムでは、ESTA−a2がESTA−b3に対してデータ送信を行う際に、HC1に対して、送信すべきQoS Dataのためのストリーム情報(ポーリング要求仕様)を送信する。また、ESTA−b3がESTA−a2に対してDELAYED−ACKの送信を行う際にも、HC1に対して、送信すべきDELAYED−ACKのためのストリーム情報を送信する。そして、HC1は、受信したストリーム情報に基づいてスケジューリングを行い、このスケジューリングに基づいて、ESTA−a2およびESTA−b3に対して、QoS CF−POLL▲1▼および▲2▼をそれぞれ送信する。
ESTA−a2は、QoS CF−POLL▲1▼をHC1から付与されると、複数のデータパケットからなるQoS Data群をESTA−b3に対して送信する。ESTA−b3は、QoS Data群の受信が終了した後に、HC1からQoS CF−POLL▲2▼を受信し、DELAYED−ACKの返送を開始する。ESTA−a2は、ESTA−b3からDELAYED−ACKを受信すると、該DELAYED−ACKから送信が失敗しているQoS Dataを認識し、該QoS DataをESTA−b3に向けて再送する。
ここで、本実施形態では、DELAYED−ACKの機能は、MAC(Media Access Control)層よりも上位の層に持たせたものとしている、すなわち、HC1は、ESTA−a2からストリーム情報を受信したときに、これがQoS Dataの送信に関するものなのか、DELAYED−ACKの送信に関するものなのかを区別できないことになる。
次に、HC1におけるスケジューリングについて説明する。図1は、HC1におけるスケジューリング処理の流れを示すフローチャートである。まず、ステップ1(以降、S1のように称する)において、各ESTA(図2に示す例ではESTA−a2およびESTA−b3)からストリーム情報が受信される。ここでのストリーム情報としては、ESTA−a2からのQoS Dataのためのストリーム(データ送信ストリーム)情報、および、ESTA−b3からのDELAYED−ACKのためのストリーム(送達確認ストリーム)情報が挙げられる。
次に、S2において、受信されたストリーム情報に対応するストリームが、それぞれ交互に並ぶようにスケジューリングが行われる(S2)。上記の例では、ESTA−a2からのQoS Dataのためのストリームと、ESTA−b3からのDELAYED−ACKのためのストリームとが交互に並ぶようにスケジューリングが行われる。また、例えば3つ以上のストリームが存在する場合には、これらが1回ずつ順番に並ぶようにスケジューリングが行われることになる。その後、このスケジューリングに基づいて、QoS CF−POLLの送信が行われる(S3)。
以上のようなスケジューリングに基づいて行われた、ESTA−a2およびESTA−b3における送信シーケンスを図3に示す。同図に示すように、ESTA−a2にQoS CF−POLLが付与された直後にESTA−b3にQoS CF−POLLが与えられるというシーケンスが連続していることになる。
まずESTA−a2に対してP▲1▼が付与され、QoS Data1〜3がESTA−b3に対して送信される。ここで、P▲1▼によってESTA−a2に付与されたTXOPの期間は、3つのQoS Dataの送信が可能な時間となっているものとしている。その後、ESTA−b3に対してP▲2▼が付与され、DELAYED−ACKの返送が行われる。ここで、ESTA−b3がQoS Data2の受信に失敗したとすると、DELAYED−ACKには、QoS Data2の受信に失敗したことが示されている。
次に、ESTA−a2にP▲1▼が付与されると、ESTA−a2は、送信に失敗したQoS Data2を再送するとともに、QoS Data4、5の送信を行う。その後、ESTA−b3に対してP▲2▼が付与され、DELAYED−ACKの返送が行われる。ここでESTA−b3が再びQoS Data2の受信に失敗し、かつ、QoS Data5の受信も失敗したとすると、その旨を示すDELAYED−ACKがESTA−a2に送信される。
その後、再びESTA−a2にP▲1▼が付与され、QoS Data2および5の再送ならびにQoS Data6の送信が行われ、これらがESTA−b3で確実に受信されたことがDELAYED−ACKによってESTA−a2に伝達される。
この場合、図中に示すQoS Data2のDelayBoundの期間内で、QoS Data2の再送が2回行われたことになる。なお、DelayBoundとは、前記したように、そのQoS Dataの有効利用期間を示している。
このように、本実施形態におけるHC1のスケジューリングによれば、ESTA−a2による1つのTXOP期間中でのQoS Data群の送信が行われた後に、ESTA−b3によるDELAYED−ACKの返信が行われ、これらが繰り返されるようになる。したがって、従来の技術において図26(b)に示したように、2回続けてESTA−a2によるQoS Data群の送信が行われた後に、2回続けてESTA−b3によるDELAYED−ACKの返信が行われる、というようなスケジューリングになることを防止することができる。
言い換えれば、1回ESTA−a2にQoS CF−POLLが与えられ、それに対応するデータ送信が行われた後は、ESTA−b3によるDELAYED−ACKの返信が行われてから、ESTA−a2に対して次のQoS CF−POLLが与えられるように、HC1はスケジューリングを行うことになる。これにより、ESTA−b3によるDELAYED−ACKの返信が著しく遅れるという状況が生じなくなるので、再送が必要なQoS DataをESTA−a2が比較的早い時期に認識することが可能となり、再送処理が迅速に行われるようにすることが可能となる。したがって、QoS Dataの再送がDelayBoundを超えてしまう可能性を低減することができるので、例えばESTA−b3側で動画の再生を行っている場合などには、データの欠落による画質の低下が生じるというような問題の発生を抑制することが可能となる。
なお、DELAYED−ACKの返信タイミングは、対応するQoS Data群の送信完了の直後であれば最も好ましいが、これに限定されるものではない。つまり、QoS Data群の送信と、それに対応するDELAYED−ACKの返信とが交互に行われるようにスケジューリングを行えばよく、例えば、QoS Data群の送信の後に、何らかの他のデータ送信が行われ、その後、DELAYED−ACKの返信が行われてもよい。
[実施の形態2]
本発明の実施の一形態について図4ないし図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図4は、本実施形態に係るネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、前記した図1に示す構成と同様に、HC1、データ送信局としてのESTA−a2、およびデータ受信局としてのESTA−b3を備えた構成となっている。なお、前記したのと同様に、同図においては、説明の簡単のために、ネットワークシステムに1つのデータ送信局と1つのデータ受信局が備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステムには、複数のデータ送信局およびデータ受信局が設けられていることになる。また、データ送信局とデータ受信局とを区別して示しているが、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となる場合も考えられる。
本実施形態では、データ送信局としてのESTA−a2が、複数のストリームの送信を行うようになっている。ここでは、具体的な例として、ESTA−a2が、ESTA−b3に対してストリームαおよびストリームβを送信するものとする。そして、HCは、ESTA−a2からストリームαおよびストリームβの送信要求を受信すると、1つのPolling Interval中に1回だけESTA−a2に対してQoS CF−POLLを送信するようにしている。そして、ESTA−a2は、QoS CF−POLLを受信すると、ストリームαおよびストリームβの両方におけるパケットをTXOP中に送信する。なお、本実施形態では、Polling Intervalは、ストリームによらず常に一定値4TUであるものとする。なお、TUとは、IEEE802.11において規定されている所定の時間単位を示しており、1.024msの時間を示している。
ここで、ストリームαおよびストリームβのスペックを次のように設定している。ストリームαにおいて、平均パケットサイズを2000byte、データレートを2000×2byte/4TUとし、ストリームβにおいて、平均パケットサイズを1500byte、データレートを1500×3byte/4TUとする。なお、本実施形態では、データレートは固定であるものとする。つまりストリームの途中でデータレートが変化する事の無いCBR(Constant Bit Rate)のストリームであるものとする。
このようなストリームαおよびストリームβの送信要求がHC1に送信された場合、1つのPolling Intervalにおいて、ストリームαおよびストリームβに関する上記のスペックを満たすことが可能となる期間をTXOPとしたQoS CF−POLLが、ESTA−a2に送信される。
すなわち、図5の上段に示すような送信シーケンスが行われるように、HC1はスケジューリングを行うことになる。すなわち、HC1は、各Polling Intervalにおいて、ストリームαのパケットが2つ送信され、ストリームβのパケットが3つ送信されることを想定したTXOPとなるように、ESTA−a2にQoS CF−POLLを付与する。
一方、ESTA−a2は、HC1からQoS CF−POLLを受け取ると、これによって定義されているTXOP中において、ストリームαおよびストリームβの両方のパケット送信を行うように動作を行う。具体的には、ESTA−a2は、与えられたTXOPにおいて、各ストリームにおけるスペックを満たすようにパケットの送信を行うことになる。すなわち、1つのTXOPにおいて、ストリームαに関しては2個分のパケットが送信され、ストリームβに関しては3個分のパケットが送信されることになる。
ここで、1つのTXOP中で送信するパケットの順番は、ESTA−a2における処理状態に応じて、どのように変更されてもよい。例えば、図5の中段に示す例では、ストリームβのパケットが3つ送信された後に、ストリームαのパケットが2つ送信されている。また、図5の下段に示す例では、各Polling Intervalにおいて、パケットの送信順がランダムに変化している。
このように、HC1が意図したパケットの送信順と、実際にESTA−a2が送信を行ったパケットの送信順とが異なっていたとしても、1つのPolling Intervalにおいて送信されるストリームαおよびストリームβのそれぞれのパケット数は、全て同じものとなっている。したがって、図5に示す3つのPolling Intervalからなる期間で送信されるストリームαおよびストリームβの総パケット数は、どの場合においても、ストリームαが6個、ストリームβが9個で等しくなっている。
以上のように、本実施形態におけるネットワークシステムによれば、ESTA−a2が複数のストリームを送信しようとしている場合に、HC1は、各Polling Intervalにおいて、全てのストリームのスペックを満たすことが可能な程度の1つのTXOPを該当ESTA−a2に付与するようにスケジューリングを行っている。これにより、従来の技術で示したような、HCが各ストリームに対してQoS CF−POLLを送信する場合に、データ送信局側で、どのストリームに対応するQoS CF−POLLを受信したのかを区別することができず、HCのスケジュールとは異なるストリームの送信が行われ、帯域の利用効率が低下することを防止することが可能となる。
[実施の形態3]
本発明の実施の一形態について図6ないし図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図6は、本実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、前記した図1に示す構成と同様に、HC1、データ送信局としてのESTA−a2、およびデータ受信局としてのESTA−b3を備えた構成となっている。なお、前記したのと同様に、同図においては、説明の簡単のために、ネットワークシステムに1つのデータ送信局と1つのデータ受信局が備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステムには、複数のデータ送信局およびデータ受信局が設けられていることになる。また、データ送信局とデータ受信局とを区別して示しているが、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となる場合も考えられる。
図7は、本実施形態において図6に示す例とは異なる形態として想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、HC1、ESTA−a2、ESTA−b3、ESTA−c4、およびESTA−?5を備えた構成となっている。そして、ESTA−a2、ESTA−b3およびESTA−c4が、それぞれストリームα、ストリームβ、およびストリームγを送信するデータ送信局として機能しており、これらのデータ送信局が、それぞれ任意のESTAであるESTA−?5に対してデータの送信を行っている。ESTA−a2、ESTA−b3、およびESTA−c4は、それぞれストリームの送信要求をHC1に対して送信し、HC1は、各ストリームに対応するQoS CF−POLL▲1▼〜▲3▼を、対応するESTAに対して送信する。そして、ESTA−a2、ESTA−b3、およびESTA−c4は、付与されたQoS CF−POLLに応じて、ストリームをESTA−?5に対して送信することになる。
以上をまとめると、本実施形態では、HC1に対して、それぞれ異なるスペックからなる複数のストリームの送信要求が行われ、HC1は、これらの送信要求を考慮してスケジューリングを行い、各ストリームに対応するQoS CF−POLLを該当するESTAに対して送信するようになっている。
そして、本実施形態では、HC1においてスケジューリングが行われるストリームのスペックにおいて、Polling Interval(時間間隔条件)の値を固定値とするように設定している。すなわち、ストリームを送信するESTAは、送信しようとするストリーム全てに対して、Polling Intervalを所定の固定値に設定したスペックに定義する。また、HC1は、所定の固定値ではないPolling Intervalに設定されているストリームの送信要求を受信しても、これを拒否し、QoS CF−POLLを付与しないようにする。
なお、Polling Intervalの固定値は、各ストリームにおけるTXOP durationを合計した長さより長くなっているものとする。
ここで、具体的な例として、ストリームα、ストリームβ、およびストリームγのスペックが、次のように設定されているとする。ストリームαに関しては、Polling Intervalが4TU、TXOP durationが(4/3)TU、Jitter Boundが1TUとなっており、ストリームβに関しては、Polling Intervalが4TU、TXOP durationが1TU、Jitter Boundが1TUとなっており、ストリームγに関しては、Polling Intervalが4TU、TXOP durationが2×(4/5)TU、Jitter Boundが2TUとなっている。この例では、Polling Intervalが固定値として4TUに設定されており、各ストリームにおけるTXOP durationの値の合計は、4TU以下となるように設定されている。
この場合のHC1におけるスケジューリングを、図8(a)ないし(d)に示す。同図(a)はストリームα、同図(b)はストリームβ、同図(c)はストリームγ、同図(d)は全てのストリームのスケジュール状態を示している。また、同図(a)ないし(c)おいて、上段は対応するストリームのPolling Intervalをそのままスケジュールした状態を示しており、下段は、全てのストリームを考慮して、Jitter Bound内でのずれを含んだ実際のスケジュール状態を示している。
以上のように、各ストリームにおけるスペックが設定されていれば、図8(d)に示すように、TXOPのスケジュールのサイクルは4TUとなる。したがって、HC1は、4TUを1サイクルとするスケジュールを算出する処理を行えばよいことになる。したがって、従来の技術における第3の課題で示したような、60TU程度を1サイクルとするスケジュールを算出する処理と比較して、格段に処理内容を簡素化することが可能となり、HC1に対する負担を著しく低減することが可能となっている。
次に、固定値としてのPolling Intervalの選定に関して説明する。Polling Intervalを選定する際に留意すべき事項としては、次の4つの事項が挙げられる。
▲1▼Polling Intervalを大きな値に設定すると、データ送信局での再送用バッファのサイズを大きくする必要が生じ、必要とされるバッファメモリの容量が増大することになる。よって、データ送信局の装置コストが上昇するので、Polling Intervalの値は、なるべく大きくしない方が好ましい。
▲2▼Polling Intervalを2TU以上にしないと、パケットを送信する際のビットレートであるPHY Data Rateが36Mbpsである場合に、24Mbpsのストリームを送信することができなくなる。
▲3▼Polling Intervalを4TU以上に大きくしても、得られるスループットの向上は少ない。
▲4▼日本の電波法の規定によれば、Polling Intervalを5TU以上にすると問題が生じる。
まず、上記の▲1▼の事項に関して説明する。まず、Polling Interval、DelayBound、および、各パケットの再送チャンスの関係は、(再送チャンス)=(DelayBound)/(Polling Interval)
という式で表される。なお、DelayBoundとは、前記したように、データ送信局が、送信したパケットを破棄するまでの時間を示しており、この時間内でしか再送を行うことができないことになる。
上記の関係において、Polling Intervalの値を大きくすると、DelayBoundの値が一定であれば、送信するパケットの再送のチャンスが減少することになる。しかしながら、パケットの再送のチャンスを減少させてしまうと、パケットの送信成功確率が減少することになるので、パケットの再送チャンスは、所定の値に維持する必要がある。そこで、再送チャンスを減少させずにPolling Intervalを増大させるためには、上記の関係より、DelayBoundの値を大きくすることになる。
ここで、データ送信局ではDelay Boundの期間はデータを保存しておかなければならないので、データ送信局に必要とされるバッファサイズはDelayBoundに比例することになる。したがって、DelayBoundの値を大きくすると、必要とされるバッファサイズが大きくなる。
以上より、Polling Intervalの値を大きくすると、データ送信局に必要とされるバッファサイズが大きくなることがわかる。バッファサイズが大きくなるということは、データ送信局に備えられるバッファメモリの容量を大きくしなければならなくなり、大きな容量を有するメモリを具備することによる装置コストの増大を招くことになる。
次に、上記の▲2▼の事項について説明する。本実施形態では、無線による通信が行われることが想定されており、データ信号を電波に乗せて送信が行われることになる。ここで、電波の出力パワーは、電波法によってある値以下にしなければならないことが決められている。
電波の出力パワーを抑制すると、電波の到達可能距離が短くなる。一方、必要とされる電波の到達可能距離を一定とした場合、PHY Data Rateを高くすればするほど、必要とされる電波の出力パワーが増大する。実際に、電波法で規定されている最大出力パワーで、PHY Data Rateを54Mbpsのデータ送信を行う実験を行ったところ、電波の到達可能距離としては、数メートル程度であることがわかった。つまり、PHY Data Rateを54Mbpsとすると、例えば一般的な家庭家屋において、隣の部屋程度にまでしか電波が届かないことになる。
本実施形態におけるネットワークシステムは、主に家庭内での使用を前提としているが、PHY Data Rateを54Mbpsとしてしまうと、上記の結果より、家全体に無線ネットワークを構築することは不可能であることがわかる。したがって、このような無線ネットワークを実現するためには、PHY Data Rateを最大36Mbps程度にする必要があることが予測される。
また、本実施形態におけるネットワークシステムでは、前記したように、動画データの送受信を行うことが想定されている。現状では、動画データを送信する際のデータ形式としては、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2規格が広く普及している。このMPEG−2規格を使用してデジタルハイビジョン放送に相当するHDTVの映像を送るためには、現在24Mbpsというデータレートが業界標準的に用いられている。MPEG−2自体は既に標準化されている規格であり、また、HDTVの映像の仕様(走査線数やアスペクト比など)も標準化されているものなので、HDTV映像をMPEG−2規格で伝送する際に必要なデータレートとしての24Mbpsという数字も将来的に変化しないであろうと予測されるものである。
ここで、Polling Intervalとスループットの関係について、図9ないし図12にグラフとして示す。図9ないし図12は、それぞれPHY Data Rateが54Mbps、36Mbps、24Mbps、12Mbpsである場合のPolling Intervalとスループットの関係を示すグラフである。これらのグラフにおいて、横軸は、Number of Burstsを示しており、縦軸は、映像信号のスループット、および、Polling Intervalを示している。これらの図中において、丸で示す点がスループットの値を示しており、四角で示す点がPolling Intervalを示している。また、Number of Burstsとは、1つのPolling Intervalにおいて送信されるパケット数を示している。
これらのグラフにおいて、上記の議論に関連するのは、図10に示す、PHY Data Rateが36Mbpsであるグラフになる。このグラフにおいて、Number of Burstsが3以上のときに、26Mbps以上のスループットが出ていることがわかる。そして、このときのPolling Intervalは2TU以上となっている。すなわち、PHY Data Rateが36Mbpsの場合、スループットを24Mbps以上とするためには、Polling Intervalを2TU以上にする必要があることがわかる。
ここで、Polling Intervalを3TUにした場合、および4TUにした場合について、より詳しく説明する。図13および図14は、PHY Data Rateが36Mbpsであるときに、それぞれPolling Intervalが3TUおよび4TUの場合における実際のデータの送信状態を示す説明図である。
次に、上記の▲3▼の事項について説明する。まず、前記した図9ないし図12を見ると、PHY Data Rateがどの値であっても、Polling Intervalが4TU以上では、Polling Intervalが上昇しても、スループットの上昇はわずかなものとなっていることがわかる。以下に、このことについて詳細に検証する。
ここでは、PHY Data Rateが54Mbps、36Mbps、24Mbps、および12Mbpsのそれぞれの場合において、スループットが飽和する値と、Polling Intervalが4TUの場合のスループットの値とを比較する。
図15は、データ送信局からデータ送信が行われ、データ受信局からDELAYED−ACKの返信が行われるまでに送受信が行われるパケットの状態を示している。同図に示すように、PIFS(Point coordination function Inter Frame Space)は25μs、SIFS(Short Inter Frame Space)は16μsとなっている。これらの値は、IEEE802.11において規定されている値である。IEEE802.11においては、送信したいビット数と、PHY Data Rateが決定すれば、そのビット列を送信するために必要な時間を、仕様に記述されている式から一意に算出できる。CF−POLLは固定長のパケットであるので、その送信時間は一意に決まりPHY Data Rateが36Mbpsの場合は、CF−POLLの送信時間は32μsと算出できる。また、QoS Dataの送信時間をTqdとし、DELAYED−ACKの送信時間をTdaとしている。これらのTqdおよびTdaの値は、パケット長及びPHY Data Rateに応じて変化するものである。
ここで、1つのQoS Dataのパケットサイズは、1つのQoS Dataパケットに含めるMPEG2−TSの個数を10個とすると、次のように、
QoS Dataのパケットサイズ=(MPEG2−TS+SPH)×10+IV/ICV+LLCH+CIPH+Timestamp
という式で算出される。
上式において、MPEG2−TSは、MPEG2におけるデータの単位であり、前記したように188byteとなっている。SPHは、Source Packet Headerの略であり、MPEG2−TSの出力予定時刻を表すタイムスタンプを格納するフィールドである。IVは、Initialization Vectorの略であり、WEP暗号化方式に必要な暗号キーである。ICVは、Integrity Check Valueの略であり、WEP暗号化された部分にかけられる誤り検出符号であり、実体としてはCRC符号に相当する。LLCHは、LLC(Logical Link Control)層におけるパケット種別の識別に用いられるヘッダである。CIPHは、Common Isochronous Packet Headerの略であり、IEC−61833の規格(IEEE−1394上での画像、音声伝送の規格)に準拠して、MPEG2−TS等のリアルタイムデータ先に述べたPolling Intervalを4TUとした場合に先に述べたPolling Intervalを4TUとした場合にを送信するときに付加するヘッダである。Timestampは、パケットのデッドライン(使用期限)をあらわすフィールドであり、DELAYED−ACKによってパケットの順番が入れ替わることに対応するために新たに定義されたフィールドである。なお、ここでは、Reed Solomon符号化処理が行われる状態を想定している。以上より、1つのQoS Dataのパケットサイズを算出すると、1946byteになる。なお、DELAYED−ACKのパケットサイズは本来は可変長であるが、この変化による送信時間の変化は微小なものであるので、簡単のためDELAYED−ACKのパケットサイズは固定長である物として計算する。
1Polling Interval内で送信できるQoS Dataの個数をNとすると、Nは、
N=Polling Interval/Tqd
という式で算出された値よりも小さい整数の中で最大のものとなる。
図15に示す状態を考慮すると、1つのQoS Dataを送信する際に、実際のQoS Data以外に必要とされる平均のオーバーヘッド時間OHは、OH=(25+32+16×N+25+32+16+Tda)/N=16+(130+Tda)/Nとなる。また、このオーバーヘッド時間OHと、Tqdと、1つのQoS Dataに含まれる実データサイズとによって、トータルスループットTPが算出できる。すなわち、TH=(188×10×8)/(Tqd+OH)となる。
パケットサイズは固定であるので、PHY Data Rateさえ解ればQoS Dataの送信時間Tqdと、DELAYED−ACKの送信時間TdaはIEEE802.11の仕様に記述されている式より計算できる。
以上より、PHY Data Rateが54Mpbsの場合、Tdaは28μsとなり、Tqdは344μsとなるので、OH=16+158/N、TP=188×10×8/(344+(16+158/N))となる。また、PHY Data Rateが36Mpbsの場合、Tdaは32μsとなり、Tqdは504μsとなるので、OH=16+162/N、TP=188×10×8/(504+(16+162/N))となる。また、PHY Data Rateが24Mpbsの場合、Tdaは36μsとなり、Tqdは744μsとなるので、OH=16+166/N、TP=188×10×8/(744+(16+166/N))となる。また、PHY Data Rateが12Mpbsの場合、Tdaは48μsとなり、Tqdは1464μsとなるので、OH=16+178/N、TP=188×10×8/(1464+(16+178/N))となる。
以上のTPの式において、Nを無限大にしたときが、スループットが飽和する値となる。また、Polling Intervalを4TUとしたときのスループットは、各データレートにおいてとりうるNの値の最大値でのTPとなる。このことに基づいて、各データレートでのスループット飽和値、およびPolling Intervalを4TUとしたときのスループットを求める。
PHY Data Rateが54Mbpsの時には、スループットの飽和値が41.78Mbps、4TUでのスループットが40.02Mbps(N=10)となり、スループットの飽和値に対する4TUでのスループットの割合は95.8%となる。
PHY Data Rateが36Mbpsの時には、スループットの飽和値が28.92Mbps、4TUでのスループットが27.69Mbps(N=7)となり、スループットの飽和値に対する4TUでのスループットの割合は95.7%となる。
PHY Data Rateが24Mbpsの時には、スループットの飽和値が19.79Mbps、4TUでのスループットが18.96Mbps(N=5)となり、スループットの飽和値に対する4TUでのスループットの割合は95.8%となる。
PHY Data Rateが12Mbpsの時には、スループットの飽和値が10.16Mbps、4TUでのスループットが9.59Mbps(N=2)となり、スループットの飽和値に対する4TUでのスループットの割合は94.4%となる。
以上より、Polling Intervalを4TUとすれば、全てのPHY Data Rateにおいて、飽和値の約95%のスループットが得られることがわかる。したがって、Polling Intervalを4TU以上としても、スループットの上昇はわずかであることになる。
次に、上記の▲4▼の事項について説明する。日本の電波法では、5GHz帯で通信を行う機器は、4msに1回はキャリアセンスを行わなければならないと規定されている。なお、日本以外の国では、このような規定はない。IEEE802.11では、PIFS期間無線メディアを監視する事を持ってキャリアセンスをした事になる。すなわち、日本で、IEEE802.11規格に準拠する機器を用いる場合は、キャリアセンスを行うために4msに一度PIFS期間送信を中止して、無線メディアをセンスしなければならないことになる。
この場合、4msよりも長いTXOPを与えられたESTAは、データ送信の途中で4ms間隔でPIFSの期間だけ送信を中断しなければならないことになる。また、そのキャリアセンスのための判定回路も実装しなければならない。また、HCは、あるESTAに対してTXOPを与える際に、それが日本で使用されていて、かつ、4ms以上のTXOPを与える場合に限り、途中で4ms間隔でPIFSが入ることを見越してTXOPの長さを決定しなければならない。
この日本におけるローカルルールを想定して実装されていないHCは、上記のような4msごとに必要とされるPIFSについて考慮しない可能性がある。すなわち、HCは、送信される各パケットの間隔であるSIFSの代わりにPIFSを与えなければならないことを認識していないことになる。つまり、1回PIFSを挟む必要がある場合では、ESTAが必要としているTXOPの長さよりも、(PIFS−SIFS)の分だけ短いTXOPがESTAに付与されることが考えられる。
ここで、IEEE802.11では、HCは必ず、PIFS期間無線メディアがアイドルとなっているかどうかを確認した上でQoS CF−POLLを送信することが規定されている。すなわちQoS CF−POLLを送信する前には必ずキャリアセンスを行う。したがって、DELAYED−ACKを使用する場合、Polling Intervalを4TUにしておけば、4ms以内に必ずQoS CF−POLLが送信されることになるので、日本の電波法に則ったキャリアセンスを行うことが可能となる。これに対して、Polling Intervalが5TU以上である場合には、4ms以内に必ずQoS CF−POLLが送信されるとは限らない。
すなわち、Polling Intervalを4TUにしておけば、日本のローカルルールを想定して実装されていないHCであっても、ESTAから要求されたとおりにスケジューリングを行うことのみで、日本のローカルルールに従うことが可能となる。以下に、このことについて図16および図17に基づいて説明する。
図16は、54MbpsのPHY Data Rateを用いて、Polling Intervalを4TUとした場合に、QoS Dataを最大数送信する場合のデータパケットの送信シーケンスを示す説明図である。同図に示すように、Polling Intervalは、4TU、すなわち4.096msとなる。また、最後のQoS Dataの送信が終わってから、Polling Intervalが終了するまでの期間は、PIFS、CF−POLL、SIFS、およびDELAYED−ACKの総時間である97μsとなる。
したがって、Polling Intervalの最初のPIFSから、最後のQoS Dataの送信が終わった後のPIFSまでの期間は、3999μs=3.999msとなる。よって、このPIFSでキャリアセンスが行われるので、Polling Intervalを4TUとした場合には、キャリアセンスの間隔は、最悪でも3.999msとなる。これは、日本の電波法に規定されている4msのキャリアセンスの間隔を満たすことになる。IEEE802.11におけるPHY Data Rateの最大値は54Mbpsであり、PHY Data Rateが低下すると各パケットの送信時間は長くなるので、PHY Data Rateを低下させても、キャリアセンスの間隔が3.999ms以下となる事は自明である。
一方、図17は、54MbpsのPHY Data Rateを用いて、Polling Intervalを5TUとした場合に、QoS Dataを最大数送信する場合のデータパケットの送信シーケンスを示す説明図である。同図に示すように、Polling Intervalは、5TU、すなわち5.120msとなる。また、最後のQoS Dataの送信が終わってから、Polling Intervalが終了するまでの期間は、PIFS、CF−POLL、SIFS、およびDELAYED−ACKの総時間である97μsとなる。
したがって、Polling Intervalの最初のPIFSから、最後のQoS Dataの送信が終わった後のPIFSまでの期間は、5023μs=5.023msとなる。よって、PIFSにキャリアセンスが行われたとしても、Polling Intervalを5TUとした場合には、キャリアセンスの間隔は、最悪の場合、5.023msとなってしまう。これは、日本の電波法に規定されている4msのキャリアセンスの間隔を満たさないことになる。なお、Polling Intervalを6TU以上にすると、さらにPIFSの間隔が大きくなることは言うまでも無い。
以上のように、Polling Intervalを5TU以上としてしまうと、最悪の場合には、PIFSの間隔が4msを超えてしまうことになるので、日本のローカルルールに則ったキャリアセンスを行うために、与えられたTXOPが4ms以上であった場合に、ESTAが時間を計測し、4ms経過する直前に、キャリアセンスを行うために通常のSIFSよりも長いPIFS期間、送信を停止する等の特別な処理を実装する必要がある。
[実施の形態4]
本発明の実施の一形態について図18ないし図20に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図18は、本実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、前記した図1に示す構成と同様に、HC1、データ送信局としてのESTA−a2、およびデータ受信局としてのESTA−b3を備えた構成となっている。なお、前記したのと同様に、同図においては、説明の簡単のために、ネットワークシステムに1つのデータ送信局と1つのデータ受信局が備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステムには、複数のデータ送信局およびデータ受信局が設けられていることになる。また、データ送信局とデータ受信局とを区別して示しているが、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となる場合も考えられる。
また、本実施形態では、CFPにおいて、前記したDCFによってHCのスケジューリングでは考慮されていない送信を行おうとするESTA−d6が存在している状態を仮定している。このようなESTA−d6は、例えばQoS CF−POLLの受信に失敗して、他のESTAにTXOPが付与されていることに気づいていない場合や、新たに無線ネットワーク内に参入してきた場合などによって生じるものである。このようなESTA−d6が存在すると、前記したように、ESTA−a2からのストリームαに関するPolling IntervalおよびJitter Bound(許容ずれ時間条件)の要求が満たされなくなる可能性が生じることになる。
そこで、本実施形態では、HC1は、スケジューリングの際に考慮していなかった送信が割り込まれたとしても、ESTA−a2から要求されたPolling IntervalおよびJitter Boundを保証できるように、要求されたものよりも厳しいJitter Boundでスケジューリングを行うようにする。
ここで、スケジューリングの際に考慮していなかった送信が割り込まれた場合の最大時間について説明する。この最大時間は、▲1▼最大サイズのパケットが、▲2▼最小のフラグメントサイズでフラグメントされ、▲3▼最低のPHY Data Rateで、▲4▼RTS−CTSを伴う1つのパケットが送信された時の時間に相当することになる。
IEEE802.11では、MSDU(MAC service data unit)の最大サイズは、2304byteと規定されている。MSDUとは上位層からMAC層に入ってくるデータのことである。また、最小のフラグメントサイズは、256byteと規定されている。なお、この最小のフラグメントサイズは、ヘッダなどを含む長さであるので、実際にMSDUから取り出されてフラグメントとなるのは、ヘッダ分を引いた228byte分となる。
すなわち、図19においてA1で示すように、上位のアプリケーションからMAC層に送られてきたデータは、最大MSDUサイズである2304byteのMSDUは、228byteずつに分割されることになる。そして、同図のA2で示すように、228byteのデータにMAC Header32byteと、FCS4byteとが付加されることによって、256byteのフラグメントが生成される。なお、最後のフラグメントについては余った24byteだけが含まれたフラグメントとなり、これにMAC Header32byteと、FCS4byteとが付加されることによって、60byteのフラグメントとなる。
また、フラグメントに対しては、ACKされる場合があるので、ここでは全てのフラグメントに対してACKされる状態を想定する。さらに、あるESTAがパケットを送信する際には、その送信の前に、RTSと呼ばれるパケットを送信する場合がある。このRTSはあるESTAが今から送信しようとするパケットの送信に要する時間を通知するためのパケットで、他のESTAは、他のESTAが送信を行っているかどうかを知る事ができる。RTSを受信したESTAはCTSと呼ばれる応答パケットを返信する。なお、各パケットの送信間隔はSIFSに設定される。これらの全てのパケットが送信される状態を、図19におけるA3に示す。
このA3に示すパケットの送信が行われる総時間をIEEE802.11で用いられる最低のPHY Data Rateである6Mbpsとして計算した時間が、DCFによって割り込まれた場合の最大時間となる。具体的には、20byteのRTSの送信に52μs、14byteのCTSの送信に44μs、256byteのフラグメントの送信に376μs、14byteのACKの送信に44μs、60byteのフラグメントの送信に104μs、SIFSが16μsとなるので、最大の割り込み時間は、52+44+(376+44)×10+104+44+16×23=4812μsと算出される。
なお、IEEE802.11aでは、5GHz帯のPHY層の仕様として、次のようなパケット送信時間の式が定義されている。
パケット送信時間=16+4+4×CEALING((16+8×パケット長さ[byte]+6)/(PHY Data Rate[Mbps]×4))
この式は、OFDM変調方式などの効果も考慮した精密な送信時間の計算式となっている。上記の送信時間はすべてこの式より計算されたものである。
次に、上記で求めた最大の割り込み時間に基づいて、Jitter Boundを設定する方法について説明する。図20は、理想的なスケジューリング、HCが意図したスケジューリング、および実際のスケジューリングの状態を示す説明図である。図20の上段には、要求されたPolling Intervalどおりにスケジューリングが行われた場合を示している。そして、HCは、他のESTAからの要求なども考慮した上で、図20の中段に示すようにスケジューリングを行ったとする。ここで、Jitter BoundをHC_JBとしてスケジューリングが行われている。
これに対して、最大の割り込み時間である、4812μs、すなわち、4.69TUでデータ送信が割り込まれた場合が、図20の下段に示すスケジューリングとなる。この場合、同図に示すように、Polling Intervalから時間方向でプラス方向にHC_JBとなるようにスケジューリングされたTXOPは、上記の割り込みによって、Polling Intervalから時間方向でプラス方向にHC_JB+4.69TUだけずれることになり、これが、時間方向でプラス方向に最大にずれる場合となる。すなわち、時間方向でプラス方向の最大のずれαは、α=HC_JB+4.69TUとなる。一方、時間方向でマイナス方向の最大のずれβは、β=HC_JBとなる。
ここで、あるストリームに関して、Polling Interval±J(Jitter Bound)の間隔でPollされることがESTAから要求されている場合は、αおよびβのうちの大きい方が、Jitter BoundとしてのJよりも小さければよいことになる。すなわち、max(α,β)≦Jなる関係を満たせばよい。なお、上記のように、αとβとでは、αの方が大きくなるので、最大の割り込み時間をMTとすると、上式は、HC_JB+MT≦Jとなる。すなわち、HCは、HC_JB≦J−MTなる関係を満たすJitter BoundとしてのHC_JBを設定すればよいことになる。具体的には、Polling Intervalが4TU、Jitter Boundが6TUとして要求された場合、HC_JB≦6−4.69=1.31となるJitter Boundを設定すればよい。
なお、Jitter Boundを大きくするとスケジューリングの複雑さが増す等の弊害が生じるため、Jitter Boundはなるべく小さい方が望ましいが、上記の場合には、ESTAが要求するJitter BoundとしてのJを5TUとすれば、IEEE802.11で考え得る最大の割り込み時間である4.69TUの割り込みが行われた場合でも、max(α,β)≦Jなる関係を満たす最低のJとすることができる。
また、あるストリームに関して、Pollの時間間隔のずれがある幅(これをTotal Jitterと呼ぶ)以内に収まることをESTAから要求されている場合には、−β〜+αの幅がTotal Jitterに収まればよいことになる。すなわち、α+β≦Total Jitterなる関係を満たせばよい。したがって、2×HC_JB−MT≦Total Jitterより、HC_JB≦(Total Jitter+MT)/2となる関係を満たすJitter BoundとしてのHC_JBを設定すればよいことになる。具体的には、Polling Intervalが4TU、Total Jitterが12TUとして要求された場合、HC_JB≦3.65となるJitter Boundを設定すればよい。
なお、Jitter Boundを大きくするとスケジューリングの複雑さが増す等の弊害が生じるため、Jitter Boundはなるべく小さい方が望ましいが、上記の場合には、ESTAが要求するTotal Jitterを3TUとすれば、IEEE802.11で考え得る最大の割り込み時間である4.69TUの割り込みが行われた場合でも、α+β≦Total Jitterなる関係を満たす最低のJとすることができる。
なお、IEEE802.11におけるJitter Boundが上記の何れにあたるかは、現時点の仕様(IEEE Std 802.11e/D1.2 July 2001)では明らかでは無い。
[実施の形態5]
本発明の実施の一形態について図21および図22に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図21は、本実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、データ送信局としてのESTA−a2、およびデータ受信局としてのESTA−b3を備えた構成となっている。ここで、図21においては図示していないが、HC1も存在している。しかしながら、本実施形態では、HC1の関連は少なくなっている。なお、前記したのと同様に、同図においては、説明の簡単のために、ネットワークシステムに1つのデータ送信局と1つのデータ受信局が備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステムには、複数のデータ送信局およびデータ受信局が設けられていることになる。また、データ送信局とデータ受信局とを区別して示しているが、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となる場合も考えられる。
本実施形態では、QoS Dataを送信する際のPHY Data Rateと、DELAYED−ACKを送信する際のPHY Data Rateとが異なるように設定している。より具体的には、QoS Dataを送信する際のPHY Data Rateよりも、DELAYED−ACKを送信する際のPHY Data Rateが小さくなるように設定している。これにより、高速に送信を行う必要があるQoS Dataの送信時には、高速のPHY Data Rateによって送信を行い、確実な送信が要求されるDELAYED−ACKの送信時には、比較的低速のPHY Data Rateによって送信を行うことが可能となる。
図22は、Polling Intervalが4TUであり、QoS Dataを送信する際のPHY Data Rateを36Mbpsとし、DELAYED−ACKを送信する際のPHY Data Rateを24Mbpsとした際の、パケットの送信シーケンスを示す説明図である。この図に示すように、本実施形態では、DELAYED−ACKのパケットを送信するときのみ、PHY Data Rateを24Mbpsとし、その他のパケット、すなわち、QoS CF−POLLおよびQoS Dataを送信するときには、PHY Data Rateを36Mbpsとしている。
Polling Intervalが4TUの場合、DELAYED−ACKのパケット長さは常に32byteとなる。このときのデータレートと送信時間との関係は次のようになる。
表1に示すように、DELAYED−ACKの送信に関して、PHY Data Rateを低くすることによる送信時間の増加は、TXOP全体では無視できるレベルのものであるといえる。すなわち、DELAYED−ACKの送信におけるデータレートを低くしても、使用する帯域幅は僅かなものであり、帯域の利用効率を下げることはほとんどないことがわかる。
以上、実施の形態1〜5において、本発明の実施に好適な形態について説明した。以下では、これらの実施の形態に基づいて、IEEE Std 802.11e/D1.2,July 2001に準拠する方式(以下802.11eと記述する)を用いたネットワークシステムにおいて送受信されるストリームの推奨スペックについて説明する。IEEE802.11eにおいて、ストリームのスペックはTraffic Specification(TSPEC)と呼ばれるパラメータ群によって規定される。
TSPECにおいては、パラメータとして、PHY Data Rate、Traffic Type、ACK Policy、FEC、Delivery Priority、Retry Interval、Inactivity Interval、Polling Interval、Nominal MSDU Size、Minimum Data Rate,Mean Data Rate,Maximum Burst Size、Delay Bound、およびJitter Boundが規定されている。
まず、PHY Data Rateとは、上記したように、パケットを送信する際のビットレートを示すパラメータである。ここで、HDTVの映像の送信を行う場合には、推奨値は54または36Mbpsとする。これは、HDTV(24MbpsのMPEG2ストリーム)の伝送には、36Mbps以上の帯域が必要とされるからである。また、CS Tuner/DVDの映像の送信を行う場合には、推奨値は54、36、または24Mbpsとする。これは、CS Tuner/DVDで用いられている方式(11MbpsのMPEG2ストリーム)の伝送には、24Mbps以上の帯域が必要とされるからである。また、SDTVの映像の送信を行う場合には、推奨値は54、36、24、または12Mbpsとする。これは、SDTV(現行のTV並の画質の映像、6.6MbpsのMPEG2ストリーム)の映像の伝送には、12Mbps以上の帯域が必要とされるからである。
Traffic Typeとは、周期的なトラフィックと非周期的なトラフィックとのどちらを用いるかを示すパラメータであり、推奨値としては、周期的なトラフィックを用いることにする。これは、動画伝送などにおいては、定期的にTXOPが必要とされるからである。
ACK Policyとは、どのようなACK方式を用いるかを示すパラメータである。選択肢としては、Normal ACK、方式を定めない、DELAYED−ACK、No Ackなどが挙げられる。推奨値としては、DELAYED−ACKとする。これは、動画像伝送においては、データの直後に毎回ACKを返していると、帯域が不足することになり、また、再生品質の確保のためには再送が必要なので、DELAYED−ACKを採用している。
FECとは、Foward Error Correction(Reed Solomon符号化)をするか否かを示すパラメータである。推奨値としては、FECを使用しないこととする。
Delivery Priorityとは、Ethernet(登録商標)において、パケットが送信される際の優先度を示すパラメータである。この優先度が高いほど、先に送信されることになる。推奨値としては6とする。
Retry Intervalとは、DELAYED−ACKを使用している場合に、この時間までに受信に成功したことが通知されなければ再送を開始することを示すパラメータである。これが0の場合には、Negative DELAYED−ACKを用いることを示し、DELAYED−ACKを受信した直後に再送が行われることになる。推奨値としては、0とする。これは、データ受信局は、受信失敗したパケットを示す情報をDELAYED−ACKに含めるNegative DELAYED−ACKを返送し、データ送信局は、受信に失敗したと通知されたパケットをすぐに再送するようにすべきであるからである。
Inactivity Intervalとは、Pollをしたが、ESTAから応答がなかったという状態がこの回数分続いた場合に、HCがPollを中止することを示すパラメータである。推奨値としては、10[super frame]とする。
Polling Intervalとは、このストリームに対して、HCがQoS CF−POLLを送信する間隔を示すパラメータである。推奨値としては、4TUとする。これは、実施の形態3において示したとおりである。
Nominal MSDU Sizeとは、そのストリームにおいて、ESTAが送信しようとしているQoS Dataパケットの一般的なサイズを示すパラメータである。このパラメータは、HCがTXOPのサイズを計算する際に、いくつのSIFSを含める必要があるかを計算する際に用いられる。推奨値としては、N≦10において、192(MPEG2−TS+SPH)×N+8(LLCH)+8(CIPH)+2(Timestamp)なる式で表される値とする。
Minimum Data Rate,Mean Data Rate,Maximum Burst Sizeとは、Polling Intervalの時間内にESTAが送信を希望するデータレートを示すパラメータである。可変ビットレートのコンテンツを伝送する場合は、Minimum、Mean、Maximumがそれぞれ異なる値となるが、固定ビットレートのコンテンツの場合は、全て同じ値となる。本推奨値は固定ビットレートのコンテンツを伝送する場合を想定しているので、これらは同じ値であるものとする。HDTVの映像の送信を行う場合には、推奨値は4TU(Polling Intervalの値)の間にMPEG2−TSが70個以上送信できるようなデータレートとする。つまり、データレートが25.7Mbps以上となり、HDTV(24Mbpsのストリーム)を再送用の帯域を含めて伝送するのに十分な値となるからである。
また、CS TunerやDVDで用いられている方式の映像の送信を行う場合には、推奨値は4TUの間にMPEG2−TSが32個以上送信できるようなデータレートとする。つまり、データレートが11.75Mbps以上となり、CS TunerやDVDで用いられている方式(11Mbpsのストリーム)を再送用の帯域を含めて伝送するのに十分な値となるからである。また、SDTVの映像の送信を行う場合には、推奨値は4TUの間にMPEG2−TSが20個以上送信できるようなデータレートとする。つまり、データレートが7.34Mbps以上となり、SDTV(現行のTV並の画質の映像、6.6Mbps程度のストリーム)を再送用の帯域を含めて伝送するのに十分な値となるからである。
Delay Boundとは、送信局において、あるパケットを送信してからこの時間が経過すると、そのパケットは破棄されることを示すパラメータである。つまり、それ以降は再送はできないことになる。推奨値としては、20TU以上とする。これは、少なくとも4回の再送を行うことが好ましいからである。4回の再送とは、エラー発生率を10時間に1回程度にするために必要な再送回数である。
Jitter Boundとは、±Jitter Boundの幅でPollの間隔がずれることが許されることを示すパラメータである。つまり、HCは、Polling Interval±Jitter Boundの間隔で、QoS CF−POLLを送信しなければならないことになる。推奨値としては、5TUとする。これは、実施の形態4で示したように、最大割り込み時間が4.69TUなので、それが収まるようにする値とするためである。
以上のような推奨スペックに設定した場合の、実際のパケット送信のシーケンスを図23ないし図25に示す。図23は、HDTVの映像の送受信を行う際のパケット送信のシーケンスを示す説明図である。この場合には、データ送信のスループットとしては、25.7Mbpsとなる。図24は、CS Tuner/DVDの映像の送受信を行う際のパケット送信のシーケンスを示す説明図である。この場合には、データ送信のスループットとしては、11.75Mbpsとなる。図25は、SDTVの映像の送受信を行う際のパケット送信のシーケンスを示す説明図である。この場合には、データ送信のスループットとしては、7.34Mbpsとなる。これらに示すように、以上のような推奨スペックに設定すれば、各映像に必要とされるスループットを満たしていることがわかる。
(本発明の作用・効果)
以上のように、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、データパケットを受信する通信装置は、受信するデータパケットに対する送達確認パケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、上記中央管理装置は、複数のポーリング要求仕様を受信した場合に、これらのポーリング要求仕様に対応する送信権を、それぞれ1回ずつ順番に並ぶように循環的にスケジューリングするものとする方法である。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、送信しようとしているデータの種類に応じたポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信することによって送信権を要求するものとし、ある通信装置が、複数の種類のデータに関する複数のポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信している場合、該中央管理装置は、1つのスケジューリング周期内における、各ポーリング要求仕様に応じた送信権の付与期間を合計した合計付与期間を算出し、この合計付与期間からなる送信権を上記スケジューリング周期内で1回該当通信装置に対して付与するものとする方法である。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、送信しようとしているデータの種類に応じたポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信することによって送信権を要求するものとし、上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件が含まれているものとし、上記通信装置は、所定の種類のデータに関するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信する際には、上記時間間隔条件において設定されている時間間隔を所定の値に設定する方法である。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記中央管理装置が、ある通信装置から、あるデータに関するポーリング要求仕様として、上記時間間隔条件が、上記所定の値に設定されていないポーリング要求仕様を受信した場合に、そのポーリング要求仕様に対する送信権の付与を拒否する方法としてもよい。
上記の方法によれば、例えば、時間間隔を所定の値に設定するということを想定して実装されていない通信装置が存在したとし、この通信装置が、あるデータに関するポーリング要求仕様として、上記時間間隔条件が、上記所定の値に設定されていないポーリング要求仕様を中央管理装置に対して送信してきたとしても、これを拒否することが可能となる。したがって、このような通信装置が存在した場合でも、中央管理装置におけるスケジューリングが乱されることをなくすことができる。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記所定の種類のデータがリアルタイム動画像データである方法としてもよい。
上記の方法では、所定の種類のデータとして、リアルタイム動画像データを設定している。このようなデータを送信する通信装置は、定期的でかつ確実な送信権の付与を必要としていることになる。したがって、上記のように、中央管理装置におけるスケジューリングが確実に行われることによって、データの欠落などによる画像の画質の劣化を防止することができる。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記時間間隔条件として設定される所定の時間間隔が、2TU以上4TU以下の時間である方法としてもよい。
上記のTUとは、前記したように、IEEE802.11において規定されている所定の時間単位を示しており、1.024msの時間を示している。まず、上記の時間間隔を大きくすると、通信装置における再送用バッファのサイズを大きくする必要が生じるので、装置コストが増大するというデメリットがある。また、上記の時間間隔を2TU以上にしないと、PHY Data Rateが36Mbpsの場合に、24Mbpsのストリームを送信できない場合が生じる。ここで、24Mbpsのストリームとは、HDTV形式の映像をMPEG2で符号化した場合に必要とされる伝送スピードである。また、上記の時間間隔を4TUよりも大きくしても、得られるスループットの向上は少ないことがわかっている。また、上記の時間間隔を4TUより大きくすると、日本の電波法の規定に則ることができなくなる場合が生じる。したがって、上記の方法のように、所定の時間間隔を2TU以上4TU以下の時間とすることによって、上記の条件を満足することが可能となる。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記時間間隔条件として設定される所定の時間間隔が、4TUである方法としてもよい。
上記の方法のように、時間間隔条件として設定される所定の時間間隔を4TUとすれば、例えばPHY Data Rateが54Mbps、36Mbps、24Mbps、12Mbpsの全ての場合において、スループットの飽和値の約95%のスループットが得られるようになる。よって、十分に高いスループットを実現することが可能となる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件と、上記時間間隔に対して実際に送信権が付与されるタイミングがずれた場合の許容範囲を示す許容ずれ時間条件とが含まれているものとし、上記中央管理装置が、上記通信装置から上記ポーリング要求仕様を受信した際に、上記許容ずれ時間条件に示される時間範囲よりも短い範囲の許容ずれ時間であるものとして、送信権のスケジューリングを行う方法である。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記中央管理装置が、予期されていない通信装置からのデータ送信の割り込みとして想定される最大の割り込み時間を考慮し、この最大の割り込み時間で割り込みが行われても、送信権を付与する予定の通信装置に対する許容ずれ時間条件を満足することができるように、送信権のスケジューリングを行う方法としてもよい。
上記の方法によれば、予期されていない通信装置からのデータ送信の割り込みが生じた場合でも、送信権を付与する予定の通信装置に対して、要求された許容ずれ時間条件を確実に満足させることのできる送信権スケジューリングを実現することが可能となる。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、IEEE802.11eに準拠する通信管理方法であって、HCが、ESTAから受信したTSPECに含まれているJitter Boundを2倍した期間から、IEEE802.11において考え得る最大の割り込み時間を減じた値よりも、実際にTXOPを付与する際のPolling Intervalのずれ幅が小さくなるように、TXOPのスケジューリングを行う方法としてもよい。
上記の方法によれば、IEEE802.11eに準拠する通信管理方法において、予期されていない通信装置からのデータ送信の割り込みが生じた場合でも、送信権を付与する予定の通信装置に対して、要求された許容ずれ時間条件を確実に満足させることのできる送信権スケジューリングを実現する際の具体的な演算方法が提示されることになり、送信権のスケジューリングに役立てることが可能となる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件と、上記時間間隔に対して実際に送信権が付与されるタイミングがずれた場合の許容範囲を示す許容ずれ時間条件と、データ送信を行う通信装置において1つのデータパケットの送信が完了してから、そのデータパケットを破棄するまでの期間である有効利用期間条件(Delay Bound)が含まれているものとし、通信装置が、リアルタイム動画像データを伝送する際に、有効利用期間条件(Delay Bound)が、時間間隔条件(Polling Interval)で示される期間の4倍した期間以上となるように設定したポーリング要求仕様を中央管理装置に送信し、該ポーリング要求仕様に含まれる有効利用期間条件(Delay Bound)で示される期間中に、自局が送信したパケットを全て保存するのに十分なバッファサイズを持つ方法としても良い。
上記の方法によれば、データパケットを送信した通信装置が、パケットを送信してから、4回の再送を行うまでは、送信したパケットをバッファに保存しておく事が可能となり、エラー発生率を10時間に1回程度にすることが可能となる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、第1の通信装置が、第2の通信装置に対してデータパケットの送信を行った場合、上記第2の通信装置が、受信したデータパケットに対する送達確認パケットを上記第1の通信装置に対して送信するものとし、上記送達確認パケットの送信で用いるデータ送信レートを、上記データパケットの送信で用いるデータ送信レートよりも低い値とする方法である。
ここで、上記の方法において、上記第2の通信装置が、上記送達確認パケットを、DELAYED−ACK方式を用いて返送するものとし、ビットレートが24Mbpsの動画像のためのデータ伝送が、36Mbps以上のPHY Data Rateを用いて行われる場合に、上記送達確認パケットが、24Mbps以下のPHY Data Rateを用いて送信されるようにしてもよい。
また、上記の方法において、上記第2の通信装置が、上記送達確認パケットを、DELAYED−ACK方式を用いて返送するものとし、ビットレートが11Mbpsの動画像を同時に2本伝送するデータ伝送が、36Mbps以上のPHY Data Rateを用いて行われる場合に、上記送達確認パケットが、24Mbps以下のPHY Data Rateを用いて送信されるようにしてもよい。
また、上記の方法において、上記第2の通信装置が、上記送達確認パケットを、DELAYED−ACK方式を用いて返送するものとし、ビットレートが6Mbpsの動画像を同時に3本伝送するデータ伝送が、36Mbps以上のPHY Data Rateを用いて行われる場合に、上記送達確認パケットが、24Mbps以下のPHY Data Rateを用いて送信されるようにしてもよい。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、中央管理装置が特定の通信端末に対して送信権を付与する際に、該通信端末宛てに、送信権を付与する期間の情報を含んだ送信権付与パケットを送信し、通信装置が、4ms以上の期間の送信権を付与された事を検出した場合に、中央管理装置が送信権付与パケットの送信を開始した時点から、4msが経過するまでにキャリアセンスを行う方法としても良い。
上記の方法によれば、中央管理装置が日本の電波法の規定を考慮して4TU以上の期間の送信権を付与しないような場合にも、通信装置が自主的にキャリアセンスを行う事となり、日本の電波法の規定に則って通信を行うことができる。
また、上記した本発明に係る各通信管理方法は、IEEE Std 802.11e/D1.2 July 2001に準拠する通信方法を用いているものとしてもよい。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、IEEE802.11eに準拠する通信管理方法であって、ESTAがある所定の種類のデータを伝送する際には、TSPECのJitter Boundを3TUとして常にTSPECの定義を行うものとしても良い。これにより、要求されたJitter Boundを2倍した期間からIEEE802.11において考え得る最大の割り込み時間である、4.69TUを減算した値を、HCがPolling Intevalのずれとしてスケジューリングする場合に、ESTAから要求されたJitter Boundを満たしてスケジューリングを行うことができ、かつ整数値でJitter Boundが定義される場合には最低のJitter Boundとして定義できる。
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、IEEE802.11eに準拠する通信管理方法であって、ESTAがある所定の種類のデータを伝送する際には、TSPECのJitter Boundを5TUとして常にTSPECの定義を行うものとしても良い。
これにより、要求されたJitter BoundからIEEE802.11において考え得る最大の割り込み時間である、4.69TUを減算した値HC_JBとすると、HCがPolling Inteval±HC_JBの範囲内でPollが行われるようにスケジューリングする場合に、ESTAから要求されたJitter Boundを満たしてスケジューリングを行うことができ、かつ整数値でJitter Boundが定義される場合には最低のJitter Boundとして定義できる。
また、本発明に係る通信管理プログラムは、上記の通信管理方法をコンピュータに実行させるものである。
上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記通信管理方法をユーザに提供することが可能となる。
また、本発明に係る通信管理プログラムを記録した記録媒体は、上記の通信管理方法をコンピュータに実行させる通信管理プログラムを記録してものである。
上記記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記通信管理方法をユーザに提供することが可能となる。
(結語)
発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
産業上の利用の可能性
本発明に係る通信管理方法は、例えば家庭用電化製品に無線通信機能が内蔵され、これらを家庭内LANとして相互に接続するようなネットワークシステムなどに好適に用いることができるものである。より具体的には、DVDプレイヤー、ケーブルテレビジョン用モデムなどの、映像データを出力する装置、および、このような映像データに基づいて映像を表示するディスプレイ装置などが通信ネットワークを介して接続されるシステムなどに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムにおいて、HCにおけるスケジューリング処理の流れを示すフローチャートである。
図2は、本実施形態に係るネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。
図3は、上記のスケジューリングに基づいて行われた、ESTA−aおよびESTA−bにおける送信シーケンスを示す説明図である。
図4は、本発明の他の実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。
図5は、2つのストリームの送信要求がHCに送信された場合の送信シーケンスを示す説明図である。
図6は、本発明のさらに他の実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。
図7は、図6に示す例とは異なる形態として想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。
図8(a)はストリームα、図8(b)はストリームβ、図8(c)はストリームγ、図8(d)は全てのストリームの上記実施形態におけるスケジュール状態を示す説明図である。
図9は、PHY Data Rateが54Mbpsである場合のPolling Intervalとスループットの関係を示すグラフである。
図10は、PHY Data Rateが36Mbpsである場合のPolling Intervalとスループットの関係を示すグラフである。
図11は、PHY Data Rateが24Mbpsである場合のPolling Intervalとスループットの関係を示すグラフである。
図12は、PHY Data Rateが12Mbpsである場合のPolling Intervalとスループットの関係を示すグラフである。
図13は、Polling Intervalが3TUの場合における実際のデータの送信状態を示す説明図である。
図14は、Polling Intervalが4TUの場合における実際のデータの送信状態を示す説明図である。
図15は、データ送信局からデータ送信が行われ、データ受信局からDELAYED−ACKの返信が行われるまでに送受信が行われるパケットの状態を示す説明図である。
図16は、Polling Intervalを4TUとした場合に、QoS Dataを最大数送信する場合のデータパケットの送信シーケンスを示す説明図である。
図17は、Polling Intervalを5TUとした場合に、QoS Dataを最大数送信する場合のデータパケットの送信シーケンスを示す説明図である。
図18は、本発明のさらに他の実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。
図19は、DCFによって割り込まれた場合の最大時間を説明するための説明図である。
図20は、理想的なスケジューリング、HCが意図したスケジューリング、および実際のスケジューリングの状態を示す説明図である。
図21は、本発明のさらに他の実施形態において想定されるネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。
図22は、Polling Intervalが4TUであり、QoS Dataを送信する際のPHY Data Rateを36Mbpsとし、DELAYED−ACKを送信する際のPHY Data Rateを24Mbpsとした際の、パケットの送信シーケンスを示す説明図である。
図23は、推奨スペックを適用した際の、HDTVの映像の送受信を行う際のパケット送信のシーケンスを示す説明図である。
図24は、推奨スペックを適用した際の、CS Tuner/DVDの映像の送受信を行う際のパケット送信のシーケンスを示す説明図である。
図25は、推奨スペックを適用した際の、SDTVの映像の送受信を行う際のパケット送信のシーケンスを示す説明図である。
図26(a)および図26(b)は、データ送信局およびデータ受信局に対するHCの従来のスケジューリングの例を示す説明図である。
図27は、データ送信局が、送信すべきストリームとして、2つのストリームを有している場合の従来の送信シーケンスの例を示す説明図である。
図28(a)はストリームα、図28(b)はストリームβ、図28(c)はストリームγ、図28(d)は全てのストリームの従来のスケジュール状態を示す説明図である。
図29は、Polling IntervalとJitter Boundとの関係を説明する説明図である。
図30は、CFP中にデータ送信が割り込まれると、HCにおけるスケジューリングが崩され、要求されているPolling IntervalおよびJitter Boundを満足できなくなる状態となった場合のデータ送信シーケンスを示す説明図である。
Claims (27)
- 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、
上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、
データパケットを受信する通信装置は、受信するデータパケットに対する送達確認パケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、
上記中央管理装置は、複数のポーリング要求仕様を受信した場合に、これらのポーリング要求仕様に対応する送信権を、それぞれ1回ずつ順番に並ぶように循環的にスケジューリングするものとすることを特徴とする通信管理方法。 - 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、
上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
データパケットを送信する通信装置は、送信しようとしているデータの種類に応じたポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信することによって送信権を要求するものとし、
ある通信装置が、複数の種類のデータに関する複数のポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信している場合、該中央管理装置は、1つのスケジューリング周期内における、各ポーリング要求仕様に応じた送信権の付与期間を合計した合計付与期間を算出し、この合計付与期間からなる送信権を上記スケジューリング周期内で1回該当通信装置に対して付与するものとすることを特徴とする通信管理方法。 - 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、
上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
データパケットを送信する通信装置は、送信しようとしているデータの種類に応じたポーリング要求仕様を上記中央管理装置に対して送信することによって送信権を要求するものとし、
上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件が含まれているものとし、
上記通信装置は、所定の種類のデータに関するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信する際には、上記時間間隔条件において設定されている時間間隔を所定の値に設定することを特徴とする通信管理方法。 - 上記中央管理装置が、ある通信装置から、あるデータに関するポーリング要求仕様として、上記時間間隔条件が、上記所定の値に設定されていないポーリング要求仕様を受信した場合に、その送信要求を拒否することを特徴とする請求の範囲3記載の通信管理方法。
- 上記所定の種類のデータが、リアルタイム動画像データであることを特徴とする請求の範囲3または4記載の通信管理方法。
- 上記時間間隔条件として設定される所定の時間間隔が、2TU以上の時間であることを特徴とする請求の範囲3または4記載の通信管理方法。
- 上記時間間隔条件として設定される所定の時間間隔が、2TU以上4TU以下の時間であることを特徴とする請求の範囲3または4記載の通信管理方法。
- 上記時間間隔条件として設定される所定の時間間隔が、4TUであることを特徴とする請求の範囲7記載の通信管理方法。
- 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、
上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、
上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件と、上記時間間隔に対して実際に送信権が付与されるタイミングがずれた場合の許容範囲を示す許容ずれ時間条件とが含まれているものとし、
上記中央管理装置が、上記通信装置から上記ポーリング要求仕様を受信した際に、上記許容ずれ時間条件に示される時間範囲よりも短い範囲の許容ずれ時間であるものとして、送信権のスケジューリングを行うことを特徴とする通信管理方法。 - 上記中央管理装置が、予期されていない通信装置からのデータ送信の割り込みとして想定される最大の割り込み時間を考慮し、この最大の割り込み時間で割り込みが行われても、送信権を付与する予定の通信装置に対する許容ずれ時間条件を満足することができるように、送信権のスケジューリングを行うことを特徴とする請求の範囲9記載の通信管理方法。
- ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionと共存する事が可能である通信管理方法であって、上記中央管理装置としてのHCが、上記通信装置としてのESTAから受信した、ポーリング要求仕様としてのTSPECに含まれている許容ずれ時間としてのJitter Boundを2倍した期間から、ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionにおいて考え得る最大の割り込み時間を減じた値よりも、上記時間間隔条件としてのPolling Intervalのずれ幅が小さくなるように送信権としてのTXOP付与のスケジューリングを行うことを特徴とする請求の範囲10記載の通信管理方法。
- 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、
上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
データパケットを送信する通信装置は、該データパケットを送信するための送信権を要求するポーリング要求仕様を上記中央管理装置に送信するものとし、
上記ポーリング要求仕様に、一度送信権が付与されてから次に送信権が付与されるまでの時間間隔として要求される時間間隔条件と、上記時間間隔に対して実際に送信権が付与されるタイミングがずれた場合の許容範囲を示す許容ずれ時間条件と、データ送信を行う通信装置において1つのデータパケットの送信が完了してから、そのデータパケットを破棄するまでの期間である有効利用期間条件が含まれているものとし、
通信装置が、リアルタイム動画像データを伝送する際に、有効利用期間条件が、時間間隔条件で示される期間を4倍した期間以上となるように設定したポーリング要求仕様を中央管理装置に送信し、
該ポーリング要求仕様に含まれる有効利用期間条件で示される期間中に、自局が送信したパケットを全て保存するのに十分なバッファサイズを持つことを特徴とする通信管理方法。 - 複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
第1の通信装置が、第2の通信装置に対してデータパケットの送信を行った場合、上記第2の通信装置が、受信したデータパケットに対する送達確認パケットを上記第1の通信装置に対して送信するものとし、
上記送達確認パケットの送信で用いるデータ送信レートを、上記データパケットの送信で用いるデータ送信レートよりも低い値とすることを特徴とする通信管理方法。 - 上記第2の通信装置が、上記送達確認パケットを、複数のデータパケットに対する送達確認情報をまとめて返送する送達確認方式を用いて返送するものとし、
上記第1の通信装置がHDTVの動画像のMPEG−2形式での伝送を、36Mbpsから54MbpsのPHY Data Rateを用いて行うことを特徴とする請求の範囲13記載の通信管理方法。 - 上記第2の通信装置が、上記送達確認パケットを、複数のデータパケットに対する送達確認情報をまとめて返送する送達確認方式を用いて返送するものとし、
SDTVの動画像のMPEG−2形式での伝送を、12Mbpsから54MbpsのPHY Data Rateを用いて行うことを特徴とする請求の範囲14記載の通信管理方法。 - 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、
上記中央管理装置は、上記ネットワークシステムにおける送信権を管理するものとし、
上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
中央管理装置が特定の通信端末に対して送信権を付与する際に、該通信端末宛てに、送信権を付与する期間の情報を含んだ送信権付与パケットを送信し、通信装置が、4ms以上の期間の送信権を付与された事を検出した場合に、中央管理装置が送信権付与パケットの送信を開始した時点から、4msが経過するまでにキャリアセンスを行うことを特徴とする通信管理方法。 - ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionと共存する事が可能である通信方法を用いていることを特徴とする請求の範囲1、2、3、9、12、13、および16のいずれか一項に記載の通信管理方法。
- ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionと共存する事が可能である通信管理方法であって、上記中央管理装置としてのHCが、複数のポーリング要求仕様としてのTSPECを定義されている際には、各TSPECのための送信権付与としてのPollingをそれぞれ1回ずつ順番に並ぶように循環的にスケジューリングする事を特徴とする請求の範囲1記載の通信管理方法。
- ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionと共存する事が可能である通信管理方法であって、上記中央管理装置としてのHCにおいて、上記通信装置としてのESTAから複数のポーリング要求仕様としてのTSPECを定義されている場合には、1Polling Intervalにおける、各TSPECの要求に応じた送信権を付与するためのTXOP期間を合計した合計TXOP期間を算出し、この合計TXOP期間からなるTXOPを1Polling Intervalで1回、該ESTAに対して付与するものとすることを特徴とする請求の範囲2記載の通信管理方法。
- ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionと共存する事が可能である通信管理方法であって、ESTAが、ある所定の種類のデータを送信する場合には、常にJitter Boundを3TUとしてTSPECの定義を行う事を特徴とする請求の範囲11記載の通信管理方法。
- ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionと共存する事が可能である通信管理方法であって、ESTAが、ある所定の種類のデータを送信する場合には、常にJitter Boundを5TUとしてTSPECの定義を行う事を特徴とする請求の範囲10記載の通信管理方法。
- 請求の範囲1ないし21のいずれか一項に記載の通信管理方法をコンピュータに実行させる通信管理プログラム。
- 請求の範囲1ないし21のいずれか一項に記載の通信管理方法をコンピュータに実行させる通信管理プログラムを記録した記録媒体。
- 請求の範囲1、2、3、9、12、13、および16のいずれか一項に記載の通信管理方法に基づいて動作する通信装置。
- 請求の範囲1、2、3、9、12、または16記載の通信管理方法に基づいて動作する中央管理装置。
- 複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムであって、
請求の範囲1、2、3、9、12、13、および16のいずれか一項に記載の通信管理方法に基づいて通信が行われることを特徴とする通信システム。 - 複数の通信装置および中央管理装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムであって、
請求の範囲1、2、3、9、12、または16記載の通信管理方法に基づいて通信が行われることを特徴とする通信システム。
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