JPWO2002056632A1 - データ通信システムおよび無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
この発明は、データ通信を行うデータ通信システムおよび無線通信装置、特にデータ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成されたものにおいて、前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号が得られない場合、または移動体でのデータ通信でハンドオーバに起因して前記受信確信信号が得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御することを特徴とする。
Description
技術分野
本発明は、データ通信システムまたは無線データ通信を行う無線通信装置に関するもので、特にデータの送信と受信確認応答の制御に関するものである。
背景技術
送信データに対し受信確認応答信号が送信されるデータ通信システムとしては、たとえば送信TCP(Transmission Control Protocol)データに対して受信側から受信確認信号であるTCP−ACK(Acknowledge)信号(以下、ACK信号とする)が送信されるTCPデータ通信システムがある。TCP通信システムでは、複数のユーザおよびポートが使用する回線が輻輳した場合、データ送信側にACK信号が未到達になることにより、回線輻輳を回避するためのスロースタート処理が行われデータ送信が抑制される。
第6図はTCPデータ通信システムにおけるスロースタート処理時のスループットの時間変化を表したもので、横軸が時間、縦軸がスループットを示す。回線を伝送するデータの増加により回線が輻輳すると、対向送受間で、受信側にTCPデータが、送信側にACK信号が正常に届かない状態が発生する。このとき送信側では、TCPデータを送信してからACK信号を受信するまでの時間が、所定の設定時間を超えてACKタイムアウトが発生すると、「回線が輻輳している」と判断し、送出するデータ量(すなわちスループット)を一旦下げて、その後一定時間をかけて送出データ量(スループット)を徐々に増やしていくスロースタート処理を行う。第6図において、矢印Aは、ACKタイムアウトが発生した時点を示し、矢印Bはその後のスロースタート処理期間を示す。
無線回線を含む回線でTCPデータ通信を行う場合、無線回線の品質劣化によって、TCPデータやACK信号が正常に到達しなくなることが起こる。ここで無線回線の品質劣化とは、フェージングや移動可能な受信側が基地局間で行うハンドオーバなどにより起こる、受信電界レベル、BER(Bit Error Rate)の劣化、瞬断などをいい、いずれもすぐに回復する性質のものである。このときTCP無線通信装置では、ACK信号未受信に基づき回線が輻輳していると判断し、前述のスロースタート処理を行うため、無線回線の品質がすぐに回復してもスループットはなかなか上がらないという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためなされたもので、第1の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号が得られない場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できるデータ通信システムを提供することである。
また、第2の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信側が誤りのあるデータを受信した場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できるデータ通信システムを提供することである。
また、第3の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号が得られない場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できる無線通信装置を提供することである。
また、第4の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号が得られない場合に、簡単な制御でスロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できる無線通信装置を提供することである。
また、第5の目的は、移動可能な受信側のハンドオーバに起因して受信確認信号が得られない場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できるデータ通信システムを提供することである。
発明の開示
この出願の第1の発明に係るデータ通信システムは、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成され、前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を得られない場合には、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御するものである。
また、この出願の第2の発明に係るデータ通信システムは、第1の発明において、前記データ送信側が前記擬似的な受信確認信号を受信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
これらの第1および第2の発明のデータ通信システムによれば、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号を得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いてスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
また、この出願の第3の発明に係るデータ通信システムは、第1の発明において、前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信側が誤りのあるデータを受信した場合、前記受信側の無線通信装置でエラー補償を行い前記受信側無線通信装置が擬似的な受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
この第3の発明のデータ通信システムによれば、無線回線の品質劣化に起因して受信側が誤りのあるデータを受信した場合に、受信側が擬似的な受信確認信号を送信することによりスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
また、この出願の第4の発明に係る無線通信装置は、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成されたデータ通信システムに用いられるものであって、前記データを前記無線回線へ送信する送信部、前記受信確認信号を受信する受信部、この受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるスループットの低下を避けるようにする制御部を備えたものである。
この第4の発明の無線通信装置によれば、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号を得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いてスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
また、この出願の第5の発明に係る無線通信装置は、第4の発明において、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合に、前記データ送信側へ前記擬似的な受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
また、この出願の第6の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、前記無線回線の品質劣化を判定する無線回線状態判定部を備え、この無線回線状態判定部によって無線回線の品質劣化が判定され、かつ前記受信部が前記受信確認信号を受信しない場合に、前記データ送信側へ擬似受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
また、この出願の第7の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、受信した受信確認信号を記憶する受信記憶部を備え、前記擬似的な受信確認信号は、前記受信記憶部に記憶された受信確認信号に基づくものである。
また、この出願の第8の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、前記受信側へ擬似的な送信データを送信するよう制御するものである。
また、この出願の第9の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、送信するデータを記憶する送信記憶部を備え、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、前記受信側へ前記送信記憶部に記憶されたデータを再送するよう制御するものである。
これらの第5、第6、第7、第8および第9発明の無線通信装置によれば、無線回線の品質劣化に起因して送信側が受信確認信号を受信できない場合、データ送信側に擬似的な受信確認信号を送信することによりスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
さらに、この出願の第10の発明に係るデータ通信システムは、データ送信側に接続された基地局制御装置、この基地局制御装置に接続された複数の基地局、この複数の基地局とハンドオーバにより切替可能で移動可能な受信側を含み、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、前記受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成され、前記受信側のハンドオーバに起因して前記受信確認信号を得られない場合には、前記データ送信側が擬似的な受信確認信号を受信することにより、前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御するものである。
この第10の発明のデータ通信システムによれば、移動可能な受信側のハンドオーバに起因して受信確認信号が得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いてスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
発明を実施するための最良の形態
実施の形態1.
第1図は本発明に係る無線通信装置の一実施の形態を示すブロック図である。第1図において、送信バッファ部1は送信するTCPデータを記憶するバッファメモリ3と、このバッファメモリ3に接続されTCPデータのバッファメモリ3への入出力を制御する送信バッファ制御部4から構成され、入力されたTCPデータ(TCP−DATA)を無線回線25へ送信する機能を持つ。受信バッファ部2は無線回線25からACK信号を受信し、受信したACK信号を記憶するバッファメモリ10と、このバッファメモリ10に接続されACK信号のバッファメモリ10への入出力を制御する受信バッファ制御部5と、この受信バッファ制御部5に接続され擬似的な受信確認信号である擬似ACK信号を生成し送信する擬似ACK制御部7とから構成される。
上位プロトコル種別判定部6は送信バッファ部1と受信バッファ部2に接続され、送信バッファ部1または受信バッファ部2に入力されるデータがTCPデータかどうかを判定する。TOPと同じトランスポートプロトコルにUDP(User Datagram Protocol)があるが、UDPはデータグラムの配送のみを行い、受信確認は行わない、すなわちACK信号が送受信されないため本発明は適用できない。したがって、通信するデータがTCPデータである場合にのみ本発明を適用するよう、データがTCPデータであるかどうかを判定する必要がある。
8はこの無線通信装置が接続される無線回線25の状態を監視するとともに判定する無線回線状態判定部で、例えば、BER(Bit Error Rate)を常時測定し、予め定めた閾値に対するBERの高低を判定した結果を受信バッファ部2へ通知する。許容遅延タイマ9は、送信バッファ部1と受信バッファ部2に接続され、TCPデータが送信バッファ部1から送信されたことによりカウントを開始し、所定時間以内に送信したTCPデータに対応したACK信号が受信バッファ部2に受信されない場合、タイムアウトし受信バッファ部2へ通知する。
次にこの無線通信装置の動作を説明する。まず、送信するデータが送信バッファ部1に入力されると、上位プロトコル種別判定部6が入力されたデータを判定し、TCPデータであれば送信バッファ制御部4はそのデータをバッファメモリ3に記憶するとともに回線25へ送信する。TCPデータが送信バッファ部1から送信されると同時に許容遅延タイマ9はカウントを開始する。
受信バッファ部2が、送信したTCPデータに対応するACK信号を正常に受信すると、送信バッファ部1のバッファメモリ3に記憶されており、対応するACK信号が受信されたTOPデータは、バッファメモリ3から削除される。受信バッファ制御部5は受信したACK信号をバッファメモリ10へ記憶するとともにデータ送信側へ送信する。送信したTCPデータに対応したACK信号が受信バッファ部2に受信されず、許容遅延タイマ9からタイムアウトしたことが通知された場合、受信バッファ部2は無線回線状態判定部8の判定結果に基づいて擬似ACK信号をデータ送信側へ送信する。すなわち、無線回線状態判定部8では受信される信号のBERを測定し、BERが予め定めた閾値より高い場合には回線品質が劣化していると判定し、受信バッファ部2ではこの判定結果に基づき、擬似ACK制御部7で擬似ACK信号を生成しデータ送信側へ送信する制御を行う。
なお、回線品質の劣化によって判定に使用される信号が受信されない場合には、無線回線状態判定部8はBERが最大値(1)であると認識し、回線品質が劣化していると判定する。また、無線回線状態の判定方法としては、前述の方法に限定されることはなく、例えば受信電界レベルを測定し、電界レベルが予め定めた劣化閾値bより低くなった場合には回線品質が劣化したと判定し、電界レベルが予め定めた回復閾値c(b<c)より高くなった場合に回線品質が回復したと判定するヒステリシス判定なども採用できる。
また第2図は、第1図に示す無線通信装置を用いたデータ通信システムの構成と動作の説明図であり、図において、データ通信システムはTCPデータ通信を行うクライアント・サーバシステムであって、サーバ21が基地局22に、クライアント24が移動局23に接続され、基地局22と移動局23が無線回線25を介して接続される構成となっている。基地局22は第1図に示す無線通信装置を内蔵しており、データ送信側であるサーバ21から入力されたTCPデータを無線回線25へ送信するとともに、後述するACK信号を受信しデータ送信側へ中継する。クライアント24はデータ受信側であり、移動局23を介してTCPデータを受信し、受信確認としてACK信号を送信する。
次にこのクライアント・サーバシステムの動作を説明する。ここで、基地局22の動作の詳細は、第1図に示す無線通信装置の動作と同じであるため、説明を省略する。サーバ21からTCPデータd1が送信されると、基地局22は入力されたTCPデータd1を無線回線25へ送信する。回線状態が良好な場合、このTCPデータd1は移動局23へ到達し、クライアント24へ配送される。TCPデータd1を配送されたクライアント24は受信確認としてACK信号a2を送出する。回線状態が良好な場合、このACK信号a2は移動局23から無線回線25を介して基地局22へ到達し、基地局22は受信したACK信号a2をサーバ21へ送信する。
上記のように回線状態が良好で正常なデータ通信が行われる場合、基地局22はTCPデータd1を無線回線25へ送信すると同時に許容遅延タイマ9のカウントを開始し、送信したTCPデータd1に対応するACK信号a2を許容遅延タイマ9がタイムアウトする前に受信することによりカウント値をクリアする。
次にサーバ21からTCPデータd2が送信されると、基地局22は入力されたTCPデータd2を無線回線25へ送信すると同時に、前述のとおり許容遅延タイマ9のカウントを開始する。このTCPデータd2が移動局23へ到達し、クライアント24へ配送されると、クライアント24は受信確認としてACK信号a3を送信する。何らかの原因により、移動局23から無線回線25へ送信されたACK信号a3が、基地局22の許容遅延タイマ9のカウントする所定時間t以内に基地局22へ到達しないと、この許容遅延タイマ9はタイムアウトする。
ACK信号a3が所定時間t以内に基地局22へ到達しない場合、基地局22では、無線回線状態判定部8における無線回線25の状態測定値を確認し、その結果、無線回線の品質が劣化していると判定されると、無線回線の品質劣化に起因してACK信号a3が得られなかったとして、擬似ACK信号a2’をサーバ21へ送信する制御を行う。サーバ21は、擬似ACK信号a2’を受信し、ACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd2をスループットを下げずに再送信する。これにより無線回線の品質劣化に起因してACK信号が得られないことによるスループットの低下を避けることができる。その後無線回線状態が回復し、正常にACK信号a3を受信した場合にも、スロースタート処理を行うことなく、速やかにTCPデータd3(図示せず)を送信することができる。
上記説明において、擬似ACK信号a2’を直前に受信した正常なACK信号と等しいACK番号とし、受信ウィンドウサイズをゼロとしてもよい。ACK番号とは次に送信を要求されるTCPデータのシーケンス番号を示し、受信ウィンドウサイズとは受信側の受信可能なバッファサイズを示している。擬似ACK信号a2’の受信ウィンドウサイズがゼロであると、サーバ21はクライアント側の処理が輻輳しているとみなし、送信するTCPデータd2をポーリング用の最少サイズとするため、送信処理の低減、回線使用の効率化が図れるという効果が得られる。また、受信バッファ部2からデータ送信側へ送信される擬似ACK信号には、擬似ACK制御部7で生成する信号のかわりに、すでに受信しバッファメモリ10に記憶されているACK信号を用いても良い。その場合、処理が簡便化される効果がある。
第2図では、移動局23から基地局22へ送信されるACK信号a3が喪失される例を示したが、基地局22から移動局23へ送信されるTCPデータd2が喪失される場合も、基地局22の許容遅延タイマ9がタイムアウトした後、上記と同様にスループットを下げずにTCPデータの再送信を行うことにより、無線回線品質に起因してACK信号が得られないことによるスループットの低下を避けることができる。
実施の形態2.
第3図は本発明に係るデータ通信システムの他の実施の形態の構成と動作の説明図である。図において、データ通信システムは第2図と同じくTCPデータ通信を行うクライアント・サーバシステムであり、第2図のものと同一符号は同一部を示すので説明を省略する。基地局22が実施の形態1に記載の無線通信装置を内蔵していることは実施の形態1と同様であるが、本実施の形態2では、この無線通信装置のバッファメモリ3(第1図)が複数の送信TCPデータを記憶する容量を備えている。すなわち、本クライアント・サーバシステムにおいては、基地局22は、サーバ21から入力される複数のTCPデータを蓄積する機能を持ち、ACK信号が所定時間内に得られなかった場合、ACK番号を進めた擬似ACK信号をサーバ21へ送信することにより順次新規のTCPデータの入力を促し、サーバ21の動作によらず、クライアント24に対し蓄積したTCPデータを送信、再送信するように制御することを特徴とする。
次にこのクライアント・サーバシステムの詳細な動作を説明する。
3a〜3eは第1図における送信バッファ部のバッファメモリ3の内容、すなわち記憶されているデータを示している。基地局22の動作の詳細は、第1図に示す無線通信装置の動作と同じであるため、説明を省略する。
サーバ21からTCPデータd1が送信されると、基地局22は入力されたTCPデータd1をバッファメモリ3に記憶するとともに、無線回線25へ送信する。同時に、前述のとおり許容遅延タイマ9のカウントを開始する。バッファメモリ3の内容は符号3aの通りデータd1となる。このTCPデータd1が移動局23へ到達し、クライアント24へ配送されると、クライアント24は受信確認としてACK信号a2を送出する。何らかの原因により、移動局23から無線回線25へ送信されたACK信号a2が、基地局22の許容遅延タイマ9のカウントする所定時間t以内に基地局22へ到達しないと、この許容遅延タイマ9はタイムアウトする。
このとき、基地局22では、無線回線状態判定部8において無線回線25の状態を測定し、その結果回線品質が劣化していると判定されると、無線回線の品質劣化に起因してACK信号a2が得られなかったとして、直前にサーバ21から受信したTCPデータd1に対応するACK信号a2と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a2’をサーバ21へ送信する制御を行う。サーバ21は、擬似ACK信号a2’を受信し、この擬似ACK信号a2’のACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd2を基地局22へ送信する。すなわちサーバ21は、送信したTCPデータd1に対応するACK信号a2が得られた場合と同様の動作を行う。
次にサーバ21からTCPデータd2を受信した基地局22は、これをバッファメモリ3に記憶するとともに、バッファメモリ3に記憶されている最古のTCPデータ、すなわち対応する正常なACK信号が受信されていない最古のTCPデータd1を無線回線25へ再送信する。バッファメモリ3の内容は符号3bで示す通り、データd1にデータd2をプラスしたものとなる。同時に、許容遅延タイマ9のカウントを開始する。このとき再送信したTCPデータd1に対するACK信号a2が再び得られず許容遅延タイマ9がタイムアウトし、かつ無線回線品質が劣化していると判定された場合は、直前にサーバ21から受信したTCPデータd2に対応するACK信号a3と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a3’をサーバ21へ送信する。サーバ21は、擬似ACK信号a3’を受信し、ACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd3を基地局22へ送信する。すなわちサーバ21は、送信したTCPデータd2に対応するACK信号a3が得られた場合と同様の動作を行う。
また、サーバ21からTCPデータd3を受信した基地局22は、これをバッファメモリ3に記憶するとともに、バッファメモリ3に記憶されている最古のTCPデータd1を無線回線25へさらに再送信する。バッファメモリ3の内容は符号3cの通り、データd1、d2にデータd3をプラスしたものとなる。同時に、許容遅延タイマ9のカウントを開始する。無線回線の品質劣化が回復し、許容遅延タイマ9がタイムアウトする前にACK信号a2を受信すると、サーバ21へはこのACK信号a2ではなく、直前にサーバ21から受信したTCPデータd3に対応するACK信号a4と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a4’を送信する。このとき、対応するACK信号a2が受信されたTCPデータd1は、バッファメモリ3から削除される。そしてサーバ21の動作とは無関係に、ACK信号a2によって要求されるTCPデータd2がバッファメモリ3より読み出されて無線回線25へ送信される。
ここでさらに基地局22が正常にACK信号a3を受信すると、対応するTCPデータd2はバッファメモリ3から削除され、バッファメモリ3の内容は符号3dの通り、データd3となり、サーバ21の動作とは無関係に、ACK信号a3によって要求されるTCPデータd3がバッファメモリ3より読み出されて無線回線25へ送信される。直前にサーバ21から受信したTCPデータd3に対応する擬似ACK信号a4’はすでにサーバ21へ対し送信されているので、このときにはサーバ21へは何も送信されない。
一方、基地局22から擬似ACK信号a4’を受信したサーバ21は、ACK番号に基づいてTCPデータd4を基地局22へ送信する。すなわちサーバ21は、送信したTCPデータd3に対応するACK信号a4が得られた場合と同様の動作を行う。サーバ21からTCPデータd4を受信すると、基地局22はこれを一旦バッファメモリ3に記憶し、ACK信号a4が受信されるのを待ってバッファメモリ3より読み出し無線回線25へ送信する。バッファメモリ3の内容は符号3eの通り、データd4となる。そしてACK信号a5を受信すると、直前にサーバ21から受信したTCPデータd4に対応するACK信号でもあるACK信号a5をそのままサーバ21へ送信する。
以上のように制御されるクライアント・サーバシステムにおいては、サーバ21は無線回線の品質劣化に関係なく動作するため、スループットの低下を避けることができ、またこの構成においてはACK信号のウィンドウサイズをゼロとせず、ゼロ・ウィンドウ探査によるポーリング周期の伸長も防ぐことができるため、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を開始することができる。
第3図では、移動局23から基地局22へ送信されるACK信号が喪失される例を示したが、基地局22から移動局23へ送信されるTCPデータが喪失される場合では、例えばTCPデータに対し、特にヘッダ部分をFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)強化、HEC(Header Error Control:ヘッダ誤り制御)拡張、またはヘッダをデータ部分にビットインタリーブするなどの処理を行う手段を送信側無線通信装置に、ヘッダ部分を回復する手段を受信側無線通信装置に備えることが考えられる。このようにすると、受信側無線通信装置である移動局23では、何らかの原因で誤りを生じたTCPデータから少なくともヘッダ部分を誤り訂正で回復でき読み取れる場合が生じる。この場合、移動局23は最近送信したACK信号を記憶しておき、上記読み取ることができたTCPヘッダに対応するACK信号をコピーし基地局22を介してサーバ21へ返送するように制御してもよい。さらに上記ACK信号のウィンドウサイズをゼロに変更してもよい。
上記の場合、サーバ21は上記ACK信号を受信すると、TCPデータを再送するか、あるいはゼロ・ウィンドウACK信号に対するポーリング用のTCPデータを送信する。すなわちサーバ21は基地局22の許容遅延タイマ9がタイムアウトするのを待たずに移動局23から返送されたACK信号を受信することができるので、スループットの低下を避けられるとともに、無線回線の品質劣化回復後、さらに速やかな通信再開が可能となる。
以上の構成においては、基地局22に第1図に示す無線通信装置が内蔵され、基地局22から移動局23方向へTCPデータを送信し、移動局23から基地局22方向へACK信号が返送される場合を示したが、もちろんこれに限定されることなく、移動局23に第1図に示す無線通信装置を内蔵し、移動局23から基地局22方向へTCPデータが、基地局22から移動局23方向へACK信号が送信されるように構成しても上記と同様の効果が得られる。また、サーバ21が無線通信装置と同じく基地局22に内蔵され、クライアント24が移動局23に内蔵される構成などの場合も同様の動作、および効果を得ることが可能である。
実施の形態3.
第4図は本発明に係るデータ通信システムの他の実施の形態を示す構成図である。図において、本データ通信システムはサーバ41、基地局制御装置42、基地局A43、基地局B44、および移動局45から構成され、サーバ41、基地局A43、基地局B44がそれぞれ基地局制御装置42に接続され、移動局45は、基地局Aおよび基地局Bとハンドオーバにより切替可能に、無線回線46を介して接続される。第4図において、符号45a、45b、45c、45dは移動局が複数あることを示しているのではなく、一つの移動局45が矢印Mの方向に時間的に移動している様を示している。なお、ここで移動局にはTCPクライアント機能が内臓あるいは接続されているものとする。
基地局A43および基地局B44は基地局制御装置42に対して無線回線品質情報と、移動局45のハンドオーバ情報を通知する機能を有する。移動局45は移動可能な受信側であり、無線回線46を介してTCPデータを受信し、受信確認としてACK信号を送信する。基地局制御装置42は実施の形態1に記載の無線通信装置を内蔵しており、データ送信側であるサーバ41から入力されたTCPデータを基地局42を介して無線回線46へ送信するとともに、ACK信号を基地局42を介して受信しサーバ41へ中継する。本実施の形態3における無線通信装置では、特に受信バッファ部2は基地局A43および基地局B44から移動局45のハンドオーバ情報を得る機能を有する。すなわち本データ通信システムにおいては、基地局制御装置42は、無線回線の品質劣化に起因して、または移動局45が基地局Aから基地局Bへハンドオーバする際に生じるTCP通信の途切れ(瞬断)によりACK信号が所定時間内に得られない場合に、擬似ACK信号を用いてサーバ41のスループットの低下を避けるように制御することを特徴とする。
第5図は、本データ通信システムの動作を示す動作説明図であり、この図を用いて、本データ通信システムの詳細な動作を説明する。第4図のものと同一符号は同一部を示すので説明を省略する。また、基地局制御装置42の動作の詳細は、第1図に示す無線通信装置の動作と同じであるため、説明を省略する。なお、第5図で,THは移動局45のハンドオーバ期間を示す。
サーバ41からTCPデータd1が送信されると、基地局制御装置42は入力されたTCPデータd1を基地局A43を介して無線回線46へ送信する。回線状態が良好な場合、このTCPデータd1は移動局45へ到達し、移動局45は受信確認としてACK信号a2を送信する。回線状態が良好な場合、このACK信号a2は無線回線46、基地局A43を介して基地局制御装置42へ到達し、基地局制御装置42は受信したACK信号a2をサーバ41へ送信する。
基地局42はTCPデータd1を基地局A43へ送信すると同時に許容遅延タイマ9のカウントを開始し、上記のように回線状態が良好で正常なデータ通信が行われる場合、送信したTCPデータd1に対応するACK信号a1を許容遅延タイマ9がタイムアウトする前に受信することによりカウント値をクリアする。
次にサーバ41からTCPデータd2が送信されると、基地局制御装置42は入力されたTCPデータd2を基地局A43へ送信すると同時に、前述のとおり許容遅延タイマ9のカウントを開始する。このTCPデータd2が移動局45へ到達すると、移動局45は受信確認としてACK信号a3を送信する。何らかの原因により、このACK信号a3が基地局制御装置42の許容遅延タイマ9のカウントする所定時間t以内に基地局制御装置42へ到達しないと、この許容遅延タイマ9はタイムアウトする。
このとき、基地局制御装置42では、無線回線状態判定部8において無線回線46の状態を測定するとともに、基地局A43または基地局B44からのハンドオーバ情報の有無を確認する。その結果、無線回線の品質が劣化しているとの情報SLが得られるか、または移動局45のハンドオーバ情報SHが得られると、直前に受信した正常なACK信号と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a2’をサーバ41へ送信する制御を行う。サーバ41は、擬似ACK信号a2’を受信し、ACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd2を再送信する。これにより無線回線の品質劣化(移動局45のハンドオーバによる回線瞬断を含む)に起因してACK信号が得られないことによるスループットの低下を避けることができる。その後、前記無線回線の品質劣化が回復し、正常にACK信号a3を受信すると、スロースタート処理を行うことなく、速やかにTCPデータd3(図示せず)を送信することができる。
なお、上記基地局制御装置42が、実施の形態2の基地局22と同様に送信する複数のTCPデータを蓄積可能なバッファメモリ3を備え、擬似ACK信号制御機能とTCPデータバッファリング機能を内臓する場合は、サーバ21はハンドオーバによる回線瞬断などの無線回線の品質劣化に関係なく動作するため、本データ通信システムにおいても実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
さらに第5図では、移動局45から基地局A43または基地局B44へ送信されるACK信号a3が喪失される例を示したが、基地局A43から移動局45へ送信されるTCPデータd2が喪失される場合も、基地局制御装置42の許容遅延タイマ9がタイムアウトした後、上記と同様の処理を行うことにより、同様の効果を得ることができる。
産業上の利用可能性
この発明は、データ通信を行う各種のデータ通信システム、またはデータ通信を行う各種の無線通信装置として利用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施の形態1における無線通信装置を示すブロック図、第2図は本発明の実施の形態1におけるデータ通信システムの構成と動作の説明図、第3図は本発明の実施の形態2におけるデータ通信システムの構成と動作の説明図、第4図は本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの構成図、第5図は本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの動作説明図、第6図は従来技術におけるスロースタート処理時のスループットの時間変化を示すグラフである。
本発明は、データ通信システムまたは無線データ通信を行う無線通信装置に関するもので、特にデータの送信と受信確認応答の制御に関するものである。
背景技術
送信データに対し受信確認応答信号が送信されるデータ通信システムとしては、たとえば送信TCP(Transmission Control Protocol)データに対して受信側から受信確認信号であるTCP−ACK(Acknowledge)信号(以下、ACK信号とする)が送信されるTCPデータ通信システムがある。TCP通信システムでは、複数のユーザおよびポートが使用する回線が輻輳した場合、データ送信側にACK信号が未到達になることにより、回線輻輳を回避するためのスロースタート処理が行われデータ送信が抑制される。
第6図はTCPデータ通信システムにおけるスロースタート処理時のスループットの時間変化を表したもので、横軸が時間、縦軸がスループットを示す。回線を伝送するデータの増加により回線が輻輳すると、対向送受間で、受信側にTCPデータが、送信側にACK信号が正常に届かない状態が発生する。このとき送信側では、TCPデータを送信してからACK信号を受信するまでの時間が、所定の設定時間を超えてACKタイムアウトが発生すると、「回線が輻輳している」と判断し、送出するデータ量(すなわちスループット)を一旦下げて、その後一定時間をかけて送出データ量(スループット)を徐々に増やしていくスロースタート処理を行う。第6図において、矢印Aは、ACKタイムアウトが発生した時点を示し、矢印Bはその後のスロースタート処理期間を示す。
無線回線を含む回線でTCPデータ通信を行う場合、無線回線の品質劣化によって、TCPデータやACK信号が正常に到達しなくなることが起こる。ここで無線回線の品質劣化とは、フェージングや移動可能な受信側が基地局間で行うハンドオーバなどにより起こる、受信電界レベル、BER(Bit Error Rate)の劣化、瞬断などをいい、いずれもすぐに回復する性質のものである。このときTCP無線通信装置では、ACK信号未受信に基づき回線が輻輳していると判断し、前述のスロースタート処理を行うため、無線回線の品質がすぐに回復してもスループットはなかなか上がらないという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためなされたもので、第1の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号が得られない場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できるデータ通信システムを提供することである。
また、第2の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信側が誤りのあるデータを受信した場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できるデータ通信システムを提供することである。
また、第3の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号が得られない場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できる無線通信装置を提供することである。
また、第4の目的は、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号が得られない場合に、簡単な制御でスロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できる無線通信装置を提供することである。
また、第5の目的は、移動可能な受信側のハンドオーバに起因して受信確認信号が得られない場合に、スロースタート処理を避け、速やかにデータ通信を再開できるデータ通信システムを提供することである。
発明の開示
この出願の第1の発明に係るデータ通信システムは、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成され、前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を得られない場合には、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御するものである。
また、この出願の第2の発明に係るデータ通信システムは、第1の発明において、前記データ送信側が前記擬似的な受信確認信号を受信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
これらの第1および第2の発明のデータ通信システムによれば、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号を得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いてスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
また、この出願の第3の発明に係るデータ通信システムは、第1の発明において、前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信側が誤りのあるデータを受信した場合、前記受信側の無線通信装置でエラー補償を行い前記受信側無線通信装置が擬似的な受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
この第3の発明のデータ通信システムによれば、無線回線の品質劣化に起因して受信側が誤りのあるデータを受信した場合に、受信側が擬似的な受信確認信号を送信することによりスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
また、この出願の第4の発明に係る無線通信装置は、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成されたデータ通信システムに用いられるものであって、前記データを前記無線回線へ送信する送信部、前記受信確認信号を受信する受信部、この受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるスループットの低下を避けるようにする制御部を備えたものである。
この第4の発明の無線通信装置によれば、無線回線の品質劣化に起因して受信確認信号を得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いてスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
また、この出願の第5の発明に係る無線通信装置は、第4の発明において、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合に、前記データ送信側へ前記擬似的な受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
また、この出願の第6の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、前記無線回線の品質劣化を判定する無線回線状態判定部を備え、この無線回線状態判定部によって無線回線の品質劣化が判定され、かつ前記受信部が前記受信確認信号を受信しない場合に、前記データ送信側へ擬似受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御するものである。
また、この出願の第7の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、受信した受信確認信号を記憶する受信記憶部を備え、前記擬似的な受信確認信号は、前記受信記憶部に記憶された受信確認信号に基づくものである。
また、この出願の第8の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、前記受信側へ擬似的な送信データを送信するよう制御するものである。
また、この出願の第9の発明に係る無線通信装置は、第5の発明において、送信するデータを記憶する送信記憶部を備え、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、前記受信側へ前記送信記憶部に記憶されたデータを再送するよう制御するものである。
これらの第5、第6、第7、第8および第9発明の無線通信装置によれば、無線回線の品質劣化に起因して送信側が受信確認信号を受信できない場合、データ送信側に擬似的な受信確認信号を送信することによりスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
さらに、この出願の第10の発明に係るデータ通信システムは、データ送信側に接続された基地局制御装置、この基地局制御装置に接続された複数の基地局、この複数の基地局とハンドオーバにより切替可能で移動可能な受信側を含み、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、前記受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成され、前記受信側のハンドオーバに起因して前記受信確認信号を得られない場合には、前記データ送信側が擬似的な受信確認信号を受信することにより、前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御するものである。
この第10の発明のデータ通信システムによれば、移動可能な受信側のハンドオーバに起因して受信確認信号が得られない場合に、擬似的な受信確認信号を用いてスロースタート処理を避けるようにしたので、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を再開することができる。
発明を実施するための最良の形態
実施の形態1.
第1図は本発明に係る無線通信装置の一実施の形態を示すブロック図である。第1図において、送信バッファ部1は送信するTCPデータを記憶するバッファメモリ3と、このバッファメモリ3に接続されTCPデータのバッファメモリ3への入出力を制御する送信バッファ制御部4から構成され、入力されたTCPデータ(TCP−DATA)を無線回線25へ送信する機能を持つ。受信バッファ部2は無線回線25からACK信号を受信し、受信したACK信号を記憶するバッファメモリ10と、このバッファメモリ10に接続されACK信号のバッファメモリ10への入出力を制御する受信バッファ制御部5と、この受信バッファ制御部5に接続され擬似的な受信確認信号である擬似ACK信号を生成し送信する擬似ACK制御部7とから構成される。
上位プロトコル種別判定部6は送信バッファ部1と受信バッファ部2に接続され、送信バッファ部1または受信バッファ部2に入力されるデータがTCPデータかどうかを判定する。TOPと同じトランスポートプロトコルにUDP(User Datagram Protocol)があるが、UDPはデータグラムの配送のみを行い、受信確認は行わない、すなわちACK信号が送受信されないため本発明は適用できない。したがって、通信するデータがTCPデータである場合にのみ本発明を適用するよう、データがTCPデータであるかどうかを判定する必要がある。
8はこの無線通信装置が接続される無線回線25の状態を監視するとともに判定する無線回線状態判定部で、例えば、BER(Bit Error Rate)を常時測定し、予め定めた閾値に対するBERの高低を判定した結果を受信バッファ部2へ通知する。許容遅延タイマ9は、送信バッファ部1と受信バッファ部2に接続され、TCPデータが送信バッファ部1から送信されたことによりカウントを開始し、所定時間以内に送信したTCPデータに対応したACK信号が受信バッファ部2に受信されない場合、タイムアウトし受信バッファ部2へ通知する。
次にこの無線通信装置の動作を説明する。まず、送信するデータが送信バッファ部1に入力されると、上位プロトコル種別判定部6が入力されたデータを判定し、TCPデータであれば送信バッファ制御部4はそのデータをバッファメモリ3に記憶するとともに回線25へ送信する。TCPデータが送信バッファ部1から送信されると同時に許容遅延タイマ9はカウントを開始する。
受信バッファ部2が、送信したTCPデータに対応するACK信号を正常に受信すると、送信バッファ部1のバッファメモリ3に記憶されており、対応するACK信号が受信されたTOPデータは、バッファメモリ3から削除される。受信バッファ制御部5は受信したACK信号をバッファメモリ10へ記憶するとともにデータ送信側へ送信する。送信したTCPデータに対応したACK信号が受信バッファ部2に受信されず、許容遅延タイマ9からタイムアウトしたことが通知された場合、受信バッファ部2は無線回線状態判定部8の判定結果に基づいて擬似ACK信号をデータ送信側へ送信する。すなわち、無線回線状態判定部8では受信される信号のBERを測定し、BERが予め定めた閾値より高い場合には回線品質が劣化していると判定し、受信バッファ部2ではこの判定結果に基づき、擬似ACK制御部7で擬似ACK信号を生成しデータ送信側へ送信する制御を行う。
なお、回線品質の劣化によって判定に使用される信号が受信されない場合には、無線回線状態判定部8はBERが最大値(1)であると認識し、回線品質が劣化していると判定する。また、無線回線状態の判定方法としては、前述の方法に限定されることはなく、例えば受信電界レベルを測定し、電界レベルが予め定めた劣化閾値bより低くなった場合には回線品質が劣化したと判定し、電界レベルが予め定めた回復閾値c(b<c)より高くなった場合に回線品質が回復したと判定するヒステリシス判定なども採用できる。
また第2図は、第1図に示す無線通信装置を用いたデータ通信システムの構成と動作の説明図であり、図において、データ通信システムはTCPデータ通信を行うクライアント・サーバシステムであって、サーバ21が基地局22に、クライアント24が移動局23に接続され、基地局22と移動局23が無線回線25を介して接続される構成となっている。基地局22は第1図に示す無線通信装置を内蔵しており、データ送信側であるサーバ21から入力されたTCPデータを無線回線25へ送信するとともに、後述するACK信号を受信しデータ送信側へ中継する。クライアント24はデータ受信側であり、移動局23を介してTCPデータを受信し、受信確認としてACK信号を送信する。
次にこのクライアント・サーバシステムの動作を説明する。ここで、基地局22の動作の詳細は、第1図に示す無線通信装置の動作と同じであるため、説明を省略する。サーバ21からTCPデータd1が送信されると、基地局22は入力されたTCPデータd1を無線回線25へ送信する。回線状態が良好な場合、このTCPデータd1は移動局23へ到達し、クライアント24へ配送される。TCPデータd1を配送されたクライアント24は受信確認としてACK信号a2を送出する。回線状態が良好な場合、このACK信号a2は移動局23から無線回線25を介して基地局22へ到達し、基地局22は受信したACK信号a2をサーバ21へ送信する。
上記のように回線状態が良好で正常なデータ通信が行われる場合、基地局22はTCPデータd1を無線回線25へ送信すると同時に許容遅延タイマ9のカウントを開始し、送信したTCPデータd1に対応するACK信号a2を許容遅延タイマ9がタイムアウトする前に受信することによりカウント値をクリアする。
次にサーバ21からTCPデータd2が送信されると、基地局22は入力されたTCPデータd2を無線回線25へ送信すると同時に、前述のとおり許容遅延タイマ9のカウントを開始する。このTCPデータd2が移動局23へ到達し、クライアント24へ配送されると、クライアント24は受信確認としてACK信号a3を送信する。何らかの原因により、移動局23から無線回線25へ送信されたACK信号a3が、基地局22の許容遅延タイマ9のカウントする所定時間t以内に基地局22へ到達しないと、この許容遅延タイマ9はタイムアウトする。
ACK信号a3が所定時間t以内に基地局22へ到達しない場合、基地局22では、無線回線状態判定部8における無線回線25の状態測定値を確認し、その結果、無線回線の品質が劣化していると判定されると、無線回線の品質劣化に起因してACK信号a3が得られなかったとして、擬似ACK信号a2’をサーバ21へ送信する制御を行う。サーバ21は、擬似ACK信号a2’を受信し、ACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd2をスループットを下げずに再送信する。これにより無線回線の品質劣化に起因してACK信号が得られないことによるスループットの低下を避けることができる。その後無線回線状態が回復し、正常にACK信号a3を受信した場合にも、スロースタート処理を行うことなく、速やかにTCPデータd3(図示せず)を送信することができる。
上記説明において、擬似ACK信号a2’を直前に受信した正常なACK信号と等しいACK番号とし、受信ウィンドウサイズをゼロとしてもよい。ACK番号とは次に送信を要求されるTCPデータのシーケンス番号を示し、受信ウィンドウサイズとは受信側の受信可能なバッファサイズを示している。擬似ACK信号a2’の受信ウィンドウサイズがゼロであると、サーバ21はクライアント側の処理が輻輳しているとみなし、送信するTCPデータd2をポーリング用の最少サイズとするため、送信処理の低減、回線使用の効率化が図れるという効果が得られる。また、受信バッファ部2からデータ送信側へ送信される擬似ACK信号には、擬似ACK制御部7で生成する信号のかわりに、すでに受信しバッファメモリ10に記憶されているACK信号を用いても良い。その場合、処理が簡便化される効果がある。
第2図では、移動局23から基地局22へ送信されるACK信号a3が喪失される例を示したが、基地局22から移動局23へ送信されるTCPデータd2が喪失される場合も、基地局22の許容遅延タイマ9がタイムアウトした後、上記と同様にスループットを下げずにTCPデータの再送信を行うことにより、無線回線品質に起因してACK信号が得られないことによるスループットの低下を避けることができる。
実施の形態2.
第3図は本発明に係るデータ通信システムの他の実施の形態の構成と動作の説明図である。図において、データ通信システムは第2図と同じくTCPデータ通信を行うクライアント・サーバシステムであり、第2図のものと同一符号は同一部を示すので説明を省略する。基地局22が実施の形態1に記載の無線通信装置を内蔵していることは実施の形態1と同様であるが、本実施の形態2では、この無線通信装置のバッファメモリ3(第1図)が複数の送信TCPデータを記憶する容量を備えている。すなわち、本クライアント・サーバシステムにおいては、基地局22は、サーバ21から入力される複数のTCPデータを蓄積する機能を持ち、ACK信号が所定時間内に得られなかった場合、ACK番号を進めた擬似ACK信号をサーバ21へ送信することにより順次新規のTCPデータの入力を促し、サーバ21の動作によらず、クライアント24に対し蓄積したTCPデータを送信、再送信するように制御することを特徴とする。
次にこのクライアント・サーバシステムの詳細な動作を説明する。
3a〜3eは第1図における送信バッファ部のバッファメモリ3の内容、すなわち記憶されているデータを示している。基地局22の動作の詳細は、第1図に示す無線通信装置の動作と同じであるため、説明を省略する。
サーバ21からTCPデータd1が送信されると、基地局22は入力されたTCPデータd1をバッファメモリ3に記憶するとともに、無線回線25へ送信する。同時に、前述のとおり許容遅延タイマ9のカウントを開始する。バッファメモリ3の内容は符号3aの通りデータd1となる。このTCPデータd1が移動局23へ到達し、クライアント24へ配送されると、クライアント24は受信確認としてACK信号a2を送出する。何らかの原因により、移動局23から無線回線25へ送信されたACK信号a2が、基地局22の許容遅延タイマ9のカウントする所定時間t以内に基地局22へ到達しないと、この許容遅延タイマ9はタイムアウトする。
このとき、基地局22では、無線回線状態判定部8において無線回線25の状態を測定し、その結果回線品質が劣化していると判定されると、無線回線の品質劣化に起因してACK信号a2が得られなかったとして、直前にサーバ21から受信したTCPデータd1に対応するACK信号a2と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a2’をサーバ21へ送信する制御を行う。サーバ21は、擬似ACK信号a2’を受信し、この擬似ACK信号a2’のACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd2を基地局22へ送信する。すなわちサーバ21は、送信したTCPデータd1に対応するACK信号a2が得られた場合と同様の動作を行う。
次にサーバ21からTCPデータd2を受信した基地局22は、これをバッファメモリ3に記憶するとともに、バッファメモリ3に記憶されている最古のTCPデータ、すなわち対応する正常なACK信号が受信されていない最古のTCPデータd1を無線回線25へ再送信する。バッファメモリ3の内容は符号3bで示す通り、データd1にデータd2をプラスしたものとなる。同時に、許容遅延タイマ9のカウントを開始する。このとき再送信したTCPデータd1に対するACK信号a2が再び得られず許容遅延タイマ9がタイムアウトし、かつ無線回線品質が劣化していると判定された場合は、直前にサーバ21から受信したTCPデータd2に対応するACK信号a3と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a3’をサーバ21へ送信する。サーバ21は、擬似ACK信号a3’を受信し、ACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd3を基地局22へ送信する。すなわちサーバ21は、送信したTCPデータd2に対応するACK信号a3が得られた場合と同様の動作を行う。
また、サーバ21からTCPデータd3を受信した基地局22は、これをバッファメモリ3に記憶するとともに、バッファメモリ3に記憶されている最古のTCPデータd1を無線回線25へさらに再送信する。バッファメモリ3の内容は符号3cの通り、データd1、d2にデータd3をプラスしたものとなる。同時に、許容遅延タイマ9のカウントを開始する。無線回線の品質劣化が回復し、許容遅延タイマ9がタイムアウトする前にACK信号a2を受信すると、サーバ21へはこのACK信号a2ではなく、直前にサーバ21から受信したTCPデータd3に対応するACK信号a4と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a4’を送信する。このとき、対応するACK信号a2が受信されたTCPデータd1は、バッファメモリ3から削除される。そしてサーバ21の動作とは無関係に、ACK信号a2によって要求されるTCPデータd2がバッファメモリ3より読み出されて無線回線25へ送信される。
ここでさらに基地局22が正常にACK信号a3を受信すると、対応するTCPデータd2はバッファメモリ3から削除され、バッファメモリ3の内容は符号3dの通り、データd3となり、サーバ21の動作とは無関係に、ACK信号a3によって要求されるTCPデータd3がバッファメモリ3より読み出されて無線回線25へ送信される。直前にサーバ21から受信したTCPデータd3に対応する擬似ACK信号a4’はすでにサーバ21へ対し送信されているので、このときにはサーバ21へは何も送信されない。
一方、基地局22から擬似ACK信号a4’を受信したサーバ21は、ACK番号に基づいてTCPデータd4を基地局22へ送信する。すなわちサーバ21は、送信したTCPデータd3に対応するACK信号a4が得られた場合と同様の動作を行う。サーバ21からTCPデータd4を受信すると、基地局22はこれを一旦バッファメモリ3に記憶し、ACK信号a4が受信されるのを待ってバッファメモリ3より読み出し無線回線25へ送信する。バッファメモリ3の内容は符号3eの通り、データd4となる。そしてACK信号a5を受信すると、直前にサーバ21から受信したTCPデータd4に対応するACK信号でもあるACK信号a5をそのままサーバ21へ送信する。
以上のように制御されるクライアント・サーバシステムにおいては、サーバ21は無線回線の品質劣化に関係なく動作するため、スループットの低下を避けることができ、またこの構成においてはACK信号のウィンドウサイズをゼロとせず、ゼロ・ウィンドウ探査によるポーリング周期の伸長も防ぐことができるため、無線回線の品質劣化の回復後、速やかにデータ通信を開始することができる。
第3図では、移動局23から基地局22へ送信されるACK信号が喪失される例を示したが、基地局22から移動局23へ送信されるTCPデータが喪失される場合では、例えばTCPデータに対し、特にヘッダ部分をFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)強化、HEC(Header Error Control:ヘッダ誤り制御)拡張、またはヘッダをデータ部分にビットインタリーブするなどの処理を行う手段を送信側無線通信装置に、ヘッダ部分を回復する手段を受信側無線通信装置に備えることが考えられる。このようにすると、受信側無線通信装置である移動局23では、何らかの原因で誤りを生じたTCPデータから少なくともヘッダ部分を誤り訂正で回復でき読み取れる場合が生じる。この場合、移動局23は最近送信したACK信号を記憶しておき、上記読み取ることができたTCPヘッダに対応するACK信号をコピーし基地局22を介してサーバ21へ返送するように制御してもよい。さらに上記ACK信号のウィンドウサイズをゼロに変更してもよい。
上記の場合、サーバ21は上記ACK信号を受信すると、TCPデータを再送するか、あるいはゼロ・ウィンドウACK信号に対するポーリング用のTCPデータを送信する。すなわちサーバ21は基地局22の許容遅延タイマ9がタイムアウトするのを待たずに移動局23から返送されたACK信号を受信することができるので、スループットの低下を避けられるとともに、無線回線の品質劣化回復後、さらに速やかな通信再開が可能となる。
以上の構成においては、基地局22に第1図に示す無線通信装置が内蔵され、基地局22から移動局23方向へTCPデータを送信し、移動局23から基地局22方向へACK信号が返送される場合を示したが、もちろんこれに限定されることなく、移動局23に第1図に示す無線通信装置を内蔵し、移動局23から基地局22方向へTCPデータが、基地局22から移動局23方向へACK信号が送信されるように構成しても上記と同様の効果が得られる。また、サーバ21が無線通信装置と同じく基地局22に内蔵され、クライアント24が移動局23に内蔵される構成などの場合も同様の動作、および効果を得ることが可能である。
実施の形態3.
第4図は本発明に係るデータ通信システムの他の実施の形態を示す構成図である。図において、本データ通信システムはサーバ41、基地局制御装置42、基地局A43、基地局B44、および移動局45から構成され、サーバ41、基地局A43、基地局B44がそれぞれ基地局制御装置42に接続され、移動局45は、基地局Aおよび基地局Bとハンドオーバにより切替可能に、無線回線46を介して接続される。第4図において、符号45a、45b、45c、45dは移動局が複数あることを示しているのではなく、一つの移動局45が矢印Mの方向に時間的に移動している様を示している。なお、ここで移動局にはTCPクライアント機能が内臓あるいは接続されているものとする。
基地局A43および基地局B44は基地局制御装置42に対して無線回線品質情報と、移動局45のハンドオーバ情報を通知する機能を有する。移動局45は移動可能な受信側であり、無線回線46を介してTCPデータを受信し、受信確認としてACK信号を送信する。基地局制御装置42は実施の形態1に記載の無線通信装置を内蔵しており、データ送信側であるサーバ41から入力されたTCPデータを基地局42を介して無線回線46へ送信するとともに、ACK信号を基地局42を介して受信しサーバ41へ中継する。本実施の形態3における無線通信装置では、特に受信バッファ部2は基地局A43および基地局B44から移動局45のハンドオーバ情報を得る機能を有する。すなわち本データ通信システムにおいては、基地局制御装置42は、無線回線の品質劣化に起因して、または移動局45が基地局Aから基地局Bへハンドオーバする際に生じるTCP通信の途切れ(瞬断)によりACK信号が所定時間内に得られない場合に、擬似ACK信号を用いてサーバ41のスループットの低下を避けるように制御することを特徴とする。
第5図は、本データ通信システムの動作を示す動作説明図であり、この図を用いて、本データ通信システムの詳細な動作を説明する。第4図のものと同一符号は同一部を示すので説明を省略する。また、基地局制御装置42の動作の詳細は、第1図に示す無線通信装置の動作と同じであるため、説明を省略する。なお、第5図で,THは移動局45のハンドオーバ期間を示す。
サーバ41からTCPデータd1が送信されると、基地局制御装置42は入力されたTCPデータd1を基地局A43を介して無線回線46へ送信する。回線状態が良好な場合、このTCPデータd1は移動局45へ到達し、移動局45は受信確認としてACK信号a2を送信する。回線状態が良好な場合、このACK信号a2は無線回線46、基地局A43を介して基地局制御装置42へ到達し、基地局制御装置42は受信したACK信号a2をサーバ41へ送信する。
基地局42はTCPデータd1を基地局A43へ送信すると同時に許容遅延タイマ9のカウントを開始し、上記のように回線状態が良好で正常なデータ通信が行われる場合、送信したTCPデータd1に対応するACK信号a1を許容遅延タイマ9がタイムアウトする前に受信することによりカウント値をクリアする。
次にサーバ41からTCPデータd2が送信されると、基地局制御装置42は入力されたTCPデータd2を基地局A43へ送信すると同時に、前述のとおり許容遅延タイマ9のカウントを開始する。このTCPデータd2が移動局45へ到達すると、移動局45は受信確認としてACK信号a3を送信する。何らかの原因により、このACK信号a3が基地局制御装置42の許容遅延タイマ9のカウントする所定時間t以内に基地局制御装置42へ到達しないと、この許容遅延タイマ9はタイムアウトする。
このとき、基地局制御装置42では、無線回線状態判定部8において無線回線46の状態を測定するとともに、基地局A43または基地局B44からのハンドオーバ情報の有無を確認する。その結果、無線回線の品質が劣化しているとの情報SLが得られるか、または移動局45のハンドオーバ情報SHが得られると、直前に受信した正常なACK信号と等しいACK番号を備えた擬似ACK信号a2’をサーバ41へ送信する制御を行う。サーバ41は、擬似ACK信号a2’を受信し、ACK番号に基づいて要求されたシーケンス番号のTCPデータd2を再送信する。これにより無線回線の品質劣化(移動局45のハンドオーバによる回線瞬断を含む)に起因してACK信号が得られないことによるスループットの低下を避けることができる。その後、前記無線回線の品質劣化が回復し、正常にACK信号a3を受信すると、スロースタート処理を行うことなく、速やかにTCPデータd3(図示せず)を送信することができる。
なお、上記基地局制御装置42が、実施の形態2の基地局22と同様に送信する複数のTCPデータを蓄積可能なバッファメモリ3を備え、擬似ACK信号制御機能とTCPデータバッファリング機能を内臓する場合は、サーバ21はハンドオーバによる回線瞬断などの無線回線の品質劣化に関係なく動作するため、本データ通信システムにおいても実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
さらに第5図では、移動局45から基地局A43または基地局B44へ送信されるACK信号a3が喪失される例を示したが、基地局A43から移動局45へ送信されるTCPデータd2が喪失される場合も、基地局制御装置42の許容遅延タイマ9がタイムアウトした後、上記と同様の処理を行うことにより、同様の効果を得ることができる。
産業上の利用可能性
この発明は、データ通信を行う各種のデータ通信システム、またはデータ通信を行う各種の無線通信装置として利用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施の形態1における無線通信装置を示すブロック図、第2図は本発明の実施の形態1におけるデータ通信システムの構成と動作の説明図、第3図は本発明の実施の形態2におけるデータ通信システムの構成と動作の説明図、第4図は本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの構成図、第5図は本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの動作説明図、第6図は従来技術におけるスロースタート処理時のスループットの時間変化を示すグラフである。
Claims (10)
- データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成され、前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を得られない場合には、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御することを特徴とするデータ通信システム。
- 前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号が得られない場合には、前記データ送信側が前記擬似的な受信確認信号を受信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御することを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
- 前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信側が誤りのあるデータを受信した場合、この誤りを補償する手段を有する受信側無線通信装置が擬似的な受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるよう制御することを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
- データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成されたデータ通信システムに用いられるものであって、前記データを前記無線回線へ送信する送信部、前記受信確認信号を受信する受信部、この受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、擬似的な受信確認信号を用いて前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるスループットの低下を避けるようにする制御部を備えたことを特徴とする無線通信装置。
- 前記制御部は、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合に、前記データ送信側へ前記擬似的な受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるようにすることを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
- 前記無線回線の品質劣化を判定する無線回線状態判定部を備え、前記制御部は、この無線回線状態判定部によって無線回線の品質劣化が判定され、かつ前記受信部が前記受信確認信号を受信しない場合に、前記データ送信側へ擬似受信確認信号を送信することにより前記スループットの低下を避けるようにすることを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
- 受信した受信確認信号を記憶する受信記憶部を備え、前記擬似的な受信確認信号は、前記受信記憶部に記憶された受信確認信号に基づくものであることを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
- 前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、前記制御部は、前記受信側へ擬似的な送信データを送信することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
- 送信するデータを記憶する送信記憶部を備え、前記受信部が前記無線回線の品質劣化に起因して前記受信確認信号を受信しない場合には、前記制御部は、前記受信側へ前記送信記憶部に記憶されたデータを再送することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
- データ送信側に接続された基地局制御装置、この基地局制御装置に接続された複数の基地局、この複数の基地局とハンドオーバにより切替可能で移動可能な受信側を含み、データ送信側が無線回線を介してデータを送信し、前記受信側が受信したことを通知する受信確認信号を返送するように構成され、前記受信側のハンドオーバに起因して前記受信確認信号を得られない場合には、前記データ送信側が擬似的な受信確認信号を受信することにより、前記受信確認信号を得られなかった場合に起こるデータ送信側からのスループットの低下を避けるよう制御することを特徴とするデータ通信システム。
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