JPS64897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜考案の技術分野＞ 本考案は血液透析等における患者の内シヤン
ト、表在化動脈、グラフト血管等の抜針後の止血
に使用される止血器に関する。

＜従来技術および問題点＞ 血液透析等の処置後に抜針された血管を止血す
る必要がある。従来この止血は抜針部にガーゼを
当て指先で押えることによつて行われていた。こ
の押え操作は長時間を要するので実用的でなく、
しばしば適当な止血が行われなかつた。この欠点
を解決するために抜針部をカバーするガーゼを圧
迫端子で押えるバンドを腕等の周囲に締めつける
方法が採用されている。しかしこの方法において
は、前記のガーゼの押えが、前記バンドの周方向
の収縮力によつて行われるため、垂直方向の圧迫
端子の押え力が不足して充分な効果が得られず、
また前記圧迫端子を前記抜針部に正しく配置する
操作が困難であり、さらに前記周方迫の収縮圧迫
のためうつ血によりシヤント等の寿命が短かくな
る欠点があつた。

＜考案の目的＞ 本考案は正しい位置においてガーゼ押えができ
かつ充分な圧迫力が得られる圧迫端子を備え、か
つ止血操作が容易であり、かつシヤフト等の寿命
が長い止血器の提供を目的とする。

＜考案の構成＞ 本考案の止血器は弛く彎曲し、この彎曲内面に
圧迫端子を設けた硬質の横長の圧迫プレートと、
この圧迫プレートの彎曲内面と対向して配置され
るべき彎曲内面を備えた弛い彎曲の巾広横長の硬
質の対向プレートと、前記両プレートを前記対向
関係においてループ状に接続する可撓性ベルト
と、前記接続を接続長変更自在に着脱可能とする
係止手段とを備え、前記圧迫端子は前記圧迫プレ
ートの長手方向の任意の位置への移動を可能とす
るスライダに取付けられ、このスライダはこのス
ライダを前記圧迫プレートに固定するねじを備え
る。

＜実施態様＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。第１図は本実施例の組合わせ状態の平面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ方向図、第３図は第
１図のＢ−Ｂ方向図である。

本実施例の止血帯１は弛く彎曲し、この彎曲内
面８に好ましくは硬質性のゴム材の圧迫端子５を
設けた例えば硬質塩化ビニルあるいはABS樹脂
等の硬質の横長の圧迫プレート２と、この圧迫プ
レート２の彎曲内面８に対向して配置されるべき
彎曲内面９を備えた弛い彎曲の巾広横長の例えば
硬質塩化ビニルあるいはABS樹脂等の硬質の対
向プレート３と、前記両プレート２，３を前記対
向関係においてそれぞれの両端で接続してループ
状とする可撓性ベルト４，４と、前記接続を接続
長変更自在に着脱可能とする係止手段、例えばマ
ジツクテープという商標で知られている係止手段
１０，１０，１０，１０を前記両プレート２，３
の両端部と前記ベルト４，４の両端部に備える。
前記圧迫端子５はこの圧迫端子５を前記圧迫プレ
ート２の長手方向の任意の位置への移動を可能と
するスライダ６に取付けられる。このスライダ６
は例えば前記圧迫プレート２に騎乗するための溝
を備えたモノレール形式のものであり、前記圧迫
端子５を前記圧迫プレート２の彎曲内面側に配置
し、該外面側に固定用のねじ７を備える。前記両
プレート２，３は適用される腕または大腿部１１
に前記プレート２，３のそれぞれの両端部が当接
しないだけの充分な彎曲度をもち、使用時の緊張
状態の前記ベルト４，４が腕１１等と過大な接触
がなく、ほぼ直線状となるだけの充分な長さでな
ければならぬ。

上記構成において前記係止手段１０は前記両プ
レート２，３を接続長変更自在に着脱可能とする
ものであるから、前記両プレート２，３の何れか
の両端部のみを着脱可能とし、他の両端部を永久
接続としたり、あるいは前記両プレート２，３の
それぞれの１端部を永久接続としておいてもよ
い。

本実施例の止血器１は止血に先立つて、抜針部
をガーゼで押えながら止血器の少なくとも１ケ所
の係止手段１０を解除する。解除場所として取付
けに有利な場所を選ぶ。解除された止血器を抜針
部まわりに配置する。該配置の止血器１の前記解
除部の仮係止を行う。前記ガーゼの上面に前記圧
迫端子５を位置させる。必要に応じて前記スライ
ダ６を移動させて位置決めする。前記係止手段を
適当な順序で着脱して前記接続長を調節し、前記
圧迫端子６によつて適当な圧迫力が得られるよう
にする。必要に応じて前記スライダ６の位置修正
を再度実施する。またこのスライダ６の移動中の
脱落防止のために前記ねじ７の内端部に沿うガイ
ド溝１２を前記圧迫プレート２に設け、このガイ
ド溝１２によつて前記ねじ７先端を保持させても
よい。

＜考案の効果＞ 本考案は圧迫プレートと、対向プレートと、前
記両プレートを接続するベルトと、前記接続を接
続長変更自在に着脱可能とする係止手段と、前記
圧迫プレートに移動固定可能な圧迫端子を設けた
ものであるから止血操作および圧迫端子の位置修
正が容易であり、前記圧迫端子には前記ベルトの
接続方向の引張力が与えられて充分な圧迫力が得
られ、前記引張力は前記対向プレートと前記圧迫
プレートを介した圧迫端子間の前記ベルトによつ
て行われ、前記対向プレートは広巾硬質のため
腕、大腿部等の適用部への喰い込みがないので止
血中に弛みを生じて前記圧迫力の低下を生じるこ
とはなくまた適用部の全周を締めつけないのでう
つ血を生じないのでシヤント等の短命化が解消さ
れる。

さらに本考案の止血器は、分割化と圧迫端子の
移動ができるのでとくに大腿シヤント用として適
当であり、患者自身が容易に装着することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に係り、第１図は組合わ
せ平面図、第２図および第３図はそれぞれ第１図
のＡ−ＡおよびＢ−Ｂ方向図であり、２は圧迫プ
レート、３は対向プレート、４はベルト、５は圧
迫端子、６はスライダ、７はねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弛く彎曲し、この彎曲内面に圧迫端子を設けた
   硬質の横長の圧迫プレートと、この圧迫プレート
   の彎曲内面と対向して配置されるべき彎曲内面を
   備えた弛い彎曲の巾広横長の硬質の対向プレート
   と、前記両プレートを前記対向関係においてルー
   プ状に接続する可撓性ベルトと、前記接続を接続
   長変更自在に着脱可能とする係止手段とを備え、
   前記圧迫端子はこの圧迫端子を前記圧迫プレート
   の長手方向の任意の位置への移動を可能とするス
   ライダに取付けられ、このスライダはこのスライ
   ダを前記圧迫プレートに固定するねじを備えたこ
   とを特徴とする止血器。