JPS645847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はプリンタヘツドなどに装置されるコイ
ル、特にはボビンレス型コイルの端子板に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来からコイルはボビンの筒状のコイル保持部
に巻回され、このボビンの中心に鉄心が貫通して
いるものであつた。

またボビンを用いないでコイルを巻く、いわゆ
るボビンレスコイルも知られている。

［解決しようとする課題］ しかしボビンにコイルを巻く構成のものは、ボ
ビンのつば部や筒状のコイル保持部の肉厚の分だ
けコイルの巻数が減じ、特にアンペアターン数に
直接影響する鉄心との間に筒状のコイル保持部が
介在することはアンペアターン数がその分減少す
ることになり得策でない。また同一巻数のコイル
を作るためには、それだけ大型化することも問題
であつた。

またボビンレス型の方は、小型化のためには有
効であるが、コイルの両端を接続させる端子ピン
を設けるための端子板を別に設けなければなら
ず、さらにこの端子板とコイルとを接着させる工
程が必要になり不便であつた。

そこで本考案の目的は、大型化することなくコ
イルの巻数が十分に得られ、かつ端子ピンへの接
続を容易にし、コイルの取付け作業を簡単に行な
えるボビンレスコイルの端子板を提供することに
ある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の特徴は、ボビンレス型コイルにおい
て、板状部の貫通孔の縁部に設けてあるコイル保
持部の高さを、コイルの保持に十分かつ最小限と
するものであつて、さらに上記板状部の端子ピン
保持部には、端子ピンを設けたところにある。

［実施例］ 以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

コイルの端子板１の板状部２には、鉄心３が貫
通する貫通孔４が設けてあり、この貫通孔は後ヨ
ークプレート５および補助板６に穿設してある鉄
心保持孔７に一致しこの孔と連通する状態で位置
している。

端子板１の貫通孔４の縁部には、第２図示のよ
うに、この端子板の板面に垂直にコイル保持部８
が屈成してある。コイル保持部８の高さは、コイ
ル９を保持するに十分な長さは必要であるが、可
能な限り最小限に設定されるもので、この最小限
とは、コイル９の内周面の大部分は、従来のよう
に筒状のコイル保持部が存在しないということを
意味するものである。実施例によると、コイル９
の高さが６mmであれば、コイル保持部８の突出高
さは0.5mm、つまりコイル高さの8.3％で十分にこ
のコイルを保持することができる。

板状部２には、端子ピン保持部１０が設けてあ
り、この保持部は板状部の板面に垂直に立設され
る端子ピン１１，１２を圧入保持するに十分な肉
厚となつているものである。コイル９の両端部、
つまり巻初めと巻終りは、凹溝１３，１４を通つ
て端子ピン１１，１２にそれぞれ接続されるもの
である。

本考案の端子板１は、巻線機によつてコイル保
持部８からコイル９を巻回し、このコイルを焼結
することによりこの端子板と一体化するものであ
る。

［効果］ このように本考案によれば、コイルの内周面の
大部分は、従来のような筒状のコイル保持部が存
在しない端子板であるため、必要なコイル巻数を
小さなスペースで得られ、しかもコイルは鉄心に
接して巻回させることができ、かつアンペアター
ン数を稼ぐことができる。コイルを形成した後
は、コイルと端子板とが一体化するので、持ち運
びと取扱いとが容易かつ便利であり、そのため例
えばプリンタヘツドのコイルの組込み作業も極め
て容易となる。また端子ピンが端子板に設けてあ
るため、コイル両端の接続作業が簡単になり、作
業コストの点でも有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面図、第２図は第１図−線断面
図である。 １……端子板、２……板状部、３……鉄心、４
……貫通孔、８……コイル保持部、９……コイ
ル、１０……端子ピン保持部、１１，１２……端
子ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 板状部に穿設され鉄心が嵌合するための貫通孔
   と、 上記貫通孔の縁部から上記板状部の板面に垂直
   に屈成し、コイルの保持に十分かつ最小限の高さ
   のコイル保持部と、 上記板状部に設けてある端子ピン保持部に立設
   され、上記コイルの両端がそれぞれ接続される端
   子ピンと から構成されたボビンレス型コイルの端子板。