JPS644111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この実用新案は、主にデザインカメラ（又はト
レーススコープ）を利用して使用するためのもの
で、文字や図形の輪郭線を太らせる（細らせる）
ためのものである。

従来文字や図形の輪郭線（アウトライン）を制
作するためには希望通りに描き起こすか、ストロ
ボ等を使つて光学的ににじませる方法やネガとボ
ジの間に透明板をはさんで斜めから光りを当てる
方式や高価な精密機械によつて制作されていた、
それらの方法によると膨大な時間が必要であつた
り、細部がにじんでつぶれてしまつたり、機械が
高価であつたり広い設置場所が必要であつたり、
なかなか現実的なものではなかつた。

本考案はそれらの欠点を除くためになされたも
ので遮光性のある平面の板に感光紙（拡散転写
式）をはり、光り透過性平面板にネガフイルムを
貼り両方の平面板を密着状態に保ちながら、ごく
僅かの円軌道運動とともに露光を与えることによ
り図形の輪郭を太らせ（細らせ）て、出来上がつ
た図形に元の図形のポジフイルムを重ねることに
より制作するものである。

その基本的な使用例を図面にて説明すると 円柱軸（丸穴の直径より小さい）を取り付
けた光り透過性平面板にネガフイルムをセロ
テープ等で張り付けたものと、丸穴（円柱軸
の直径より大きい）をあけた遮光性平面板に感
光紙をセロテープなどで張り付けたものを密着
させ下方向から露光を与えながら円柱軸の外径
を丸穴の内径に添わせて各々の直径の差の分だ
けの円軌道運動を行なつて得るものである。

円柱軸と丸穴は定位置に正確に取り付けら
れていなければならない。

図形変形の実際を第４図にて説明すると ネガフイルムの透過光を受けた感光紙に円軌
道運動を与えるとの図形が出来上がる（丸穴
と円柱軸が２か所以上ついているので原稿図
形との水平と垂直の関係は変わらない）、元の図
形のポジフイルムと重ねあわせるとが出来る、
反転すると輪郭線ができ上る。

露光原理としては感光材（ハイコントラスト感
光材）に、ある一定量の露光を与えると露光部分
が移動しても臨界量を超えた軌道上の露光部分は
ハイコントラストな図形になるという性質を応用
したものである。本案は上述のような構造作用で
あるから、簡易に、しかも安価にて製造が可能な
ので必要多方面に有意義であると思われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図である。 第２図は本考案の側断面図である。 １はつまみ、２は遮光性平面版、３は感光紙
（拡散転写式）、４は丸穴、５はネガフイルム、６
は光り透過性平面板、７は円柱軸、８は光り、９
は丸穴の直径、１０は円柱軸の直径 （丸穴と円柱軸は図面では４隅に取り付け
てあるが、各々の平面上に２ケ所以上であればい
くつでもよい。） 第３図は円軌道運動の原理説明図である。 ◇図３−Ａは丸穴と円柱軸がそれぞれの平面
板に各々同じ中心位置を保つている状態を表わし
ている。 ◇図３−Ｂの，，，は丸穴の内径を円
柱軸の外形に添わせて円軌道運動をしている状
態を表わしている。丸穴と円柱軸の組み合わ
せが２ケ所以上あるので、図形の水平・垂直の関
係は変わらない。 ◇図３−Ｃは三角図形（斜線）が円軌道運動を描
いている状態を表わしている。 第４図は本考案の原稿ネガフイルム図形とその
透過光により感光紙が感光していく過程、及び、
出来上がつた図形を利用してアウトライン図形の
制作過程を示したものである。 図４のはネガフイルムの図形をあらわしてい
る。 図４のは感光紙が円軌道運動をしながらネガ
フイルムよりの透過光を感光している状態をあら
わしている。 図４のは原稿ネガの図形の輪郭が拡大したこ
とをしめしている。 図４のは原稿のポジ図形フイルムを周囲より
等距離の位置に貼り付けた状態を表わしている。 図４のは反転することによりポジ状態のアウ
トライン図形が出来上がることをしめしている。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 遮光性平面板２と光り透過性平面板６があ
   り、そのどちらか片方の板に丸穴４もう片方の
   板に円柱軸７を、それぞれの板面を密着させた
   とき、丸穴４の中心に円柱軸７の中心が正確に
   合うように、丸穴４と円柱軸７の組み合わせを
   ２組以上、できるだけ離れた位置に各々取りつ
   ける。 (ロ) 丸穴４の内径を円柱軸７の外径より大きく設
   定することにより、それぞれの直径の差の分だ
   けの移動により遮光性平面板２と光り透過性平
   面板６を密着状態に保ちながら丸穴４の内径と
   円柱軸７の外径をこすりあわせることにより円
   軌道運動を得る。 (ハ) 光り透過性平面板６側からの光りにより、光
   り透過性平面板６に貼りつけたネガフイルム５
   の透明部分より通過した光りを遮光性平面板２
   に貼りつけた感光紙３に円軌道運動を与えなが
   ら焼き付けることにより図形の輪郭を太らせ
   る、又は、細らせる。 以上の如く構成された光学利用の図形輪郭拡大
   縮小道具の構造。