JPS643920Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧縮空気除湿装置内等に溜まつたド
レンを自動的に排出するドレン排出装置に関す
る。

大気を圧縮すると飽和水量が変化することによ
り空気中に含まれていた水蒸気が露結する。さら
に、空気圧縮機の潤滑油、空気中に含まれる塵埃
及び配管の錆等が前記水分に混入してドレンとな
る。このようなドレンが各種空気作動機器に送ら
れると、該機器の作動不良及び故障を誘発するの
で、エアタンク、アフタークーラ、除湿装置又は
配管等のドレンが溜まりやすい箇所の配管等の底
部からドレンを排出する必要がある。

このようなドレンを排出する装置として、従来
では例えば第１図に示すようなドレン排出装置が
使用されていた。

この第１図に示す装置において、図示しない配
管等からドレン入口１を通つて容器１８内に流入
したドレンは、ストレーナ４によりゴミが分離さ
れ、ストレーナ４下部に吊設された円板状のバツ
フル５により拡散されてボール３の内面及びフロ
ート７の側面を伝わつてボール３の底部に流れ
る。ドレンが溜まるとフロート７が上昇し、これ
に伴なつてパイロツト孔８を塞いでいた閉子片１
３も上昇してパイロツト孔８を開口させる。パイ
ロツト孔８が開口すると、ボール３内の圧縮空気
がピストン９の上室９ａに入りピストン９を押し
下げる。ピストン９が押し下げられると主排出弁
１０が開き、ボール３内のドレンがストレーナ１
１を通つて排出通路１２から大気中へ排出され
る。

ボール３内のドレンの減少に伴なつてフロート
７が下降してくるとパイロツト孔８は閉子片１３
により閉鎖されるが、ピストン９の上室には圧縮
空気が残つているのでピストン９は押し下げられ
た状態を維持しドレン排出が続く。その間ピスト
ン９の上室９ａ内の圧縮空気は小孔１４を介して
僅かづつ大気に流出しており、上室９ａが大気圧
近くになると、ピストンの下室９ｂに作用する圧
縮空気のためにピストン９が押し上げられて主排
出弁１０が閉鎖される。

上記従来のドレン排出装置によると、バツフル
５によつて大部分のドレンはボール３の内面及び
フロート７の側面を伝わつてボール３の底部に流
下するが、一部のドレンはバツフル５の内方に飛
散して自動排出機構の上方からフロート７の上部
さらには小孔１４の上に落下してしまう。このこ
とはフロート７の重量変化や、ドレンに含まれる
ゴミによる小孔１４の詰まりを引き起こす。フロ
ート７の重量変化は、フロート７の上部にドレン
の水滴が付いてフロート７としての重量が増し
て、ボール３に溜まつたドレンによるフロート７
の浮力に対してフロート７の上昇する割合が少な
くなるため、正常時に比べてドレンが必要以上に
溜まつてしまうという動作不良を引き起こすこと
になる。又、小孔１４が詰まると、フロート７が
下降してパイロツト孔８を閉鎖してもピストン９
の上室９ａ内の圧縮空気は小孔１４を介して大気
に流出されないため、主排出弁１０を開いたまま
となつてエアーブローの状態になるものである。

本考案は上記従来の問題に鑑みて成されたもの
であり、バツフルを、下端が自動排出機構の上端
よりも下方に位置すると共に側面に開孔を設けた
円筒体を円板の下面に一体的に形成した構造とす
ることにより、ドレンが自動排出機構上に落下し
ないようにしたドレン排出装置を提供しようとす
るものである。

以下に本考案の実施例を図面に従がい詳細に説
明する。第２図乃至第４図は本考案の実施例を示
すもので、ドレン入口１を有する本体２とドレン
排出口１５を有するボール３とで形成された容器
１８内にストレーナ４がドレン入口１を覆うよう
に本体２に吊設されている。５はストレーナ４の
下部に吊設されたバツフルであり、周縁方向が下
方に傾斜した円板状をなし、周縁には排出口１５
に接続された自動排出機構６を覆うように構成さ
れた円筒体１６が形成され、円筒体１６の下端は
自動排出機構６のフロートが最も下降した位置に
あつてもその上端よりも下方に位置している。１
７は円筒体１６の内外を連絡する開孔であり、例
えば第３図に示すような穴または第４図に示すよ
うなスリツトとして形成されている。７はフロー
トであり、パイロツト孔８を開閉する閉子片１３
を作動させる。９は下方に主排出弁１０を有する
ピストンであり、上下摺動自在に支持され、ピス
トン９の上室９ａはパイロツト孔８を介して容器
１８内に連通し、ピストン９の下室９ｂはストレ
ーナ１１を介して容器１８内に連通している。１
４はピストン９に設けられた小孔であり、上室９
ａと排出通路１２を連通させている。容器１８内
はストレーナ１１と主排出弁１０を介して排出通
路１２に連通している。

上記構成による本考案の装置は次のように作用
する。

本体２のドレン入口１から流入したドレンはス
トレーナ４を通過し、バツフル５によつて拡散さ
れ、円筒体１６外面及びボール３内面又は両者間
を通過してボール３の底部に溜まる。このときの
ストレーナ４からボール３底部に流下するドレン
はストレーナ７の上部に付着したり、小孔１４内
に落下することはなく確実にボール３の底部に溜
まる。ボール３底部に溜まつたドレンはフロート
７を押し上げ、従来装置と同様に自動排出機構６
を作動させ、主排出弁１０を介して大気に排出さ
れる。この際、フロート７の上昇に伴ないバツフ
ル５とフロート７によつて囲われる空間の空気は
開孔１７を介してバツフル５外に流出するのでフ
ロート７の上昇を妨げることはない。

以上説明したように本考案によれば自動排出機
構６の上部にドレンが流れることが無いため、フ
ロートの重量変化による作動不良及び小孔１４の
詰まりによる作動不良が無くなる。

また円筒体１６に開孔１７を設けたので、円筒
体１６内をフロート７が上昇するとき円筒体１６
と自動排出機構６の上部とによつて囲われる空間
内の空気をバツフル５外に流出させることができ
るためエアーロツクが起つてフロートの上昇が妨
げられることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドレン排出装置を示す断面図で
あり、第２図乃至第４図は本考案の実施例を示す
もので第２図はドレン排出装置の断面図、第３図
は円筒体の部分断面図、第４図は円筒体の部分斜
視図である。 １……ドレン入口、２……本体、３……ボー
ル、４……ストレーナ、５……バツフル、６……
自動排出機構、７……フロート、８……パイロツ
ト孔、９……ピストン、９ａ……ピストン上室、
９ｂ……ピストン下室、１０……主排出弁、１１
……ストレーナ、１２……排出通路、１３……閉
止片、１４……小孔、１５……排出口、１６……
円筒体、１７……開孔、１８……容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドレン入口を有する本体とドレン排出口を有す
   るボールとで形成される容器内に、該ドレン入口
   を覆うように設けたストレーナと、前記ドレン排
   出口を開閉する自動排出機構と、ストレーナと自
   動排出機構間にバツフルを設けてなるドレン排出
   装置において、バツフルを、下端が自動排出機構
   の上端よりも下方に位置すると共に側面に開孔を
   設けた円筒体を円板の下面に一体的に形成した構
   造としたことを特徴とするドレン排出装置。