JPS643378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は口枠式鞄の改良に関するものである。

（従来技術とその問題点） 口枠式鞄は、芯材を有する前壁と後壁とを、左
右襠及び底襠を構成する比較的柔軟な素材の周側
布で以て接続して、上部を開口した略箱状の鞄本
体を形成し、上記鞄本体の上部開口縁に、抱嵌及
び展開可能にした口枠を一体に取付けて成るのが
通例である。

ところで、上記口枠式鞄において、前、後壁が
硬く、鞄本体の変形が困難であるため、口枠を構
成する内、外枠体に側壁上縁との縫着が極めて困
難であり、特殊の技術と熟練を要するという問題
があつた。

そこで、両側壁の上縁を中高で、かつ上方に延
長して、この延長した傾斜部分を、抱嵌及び展開
可能にした口枠の左右側部に巻着縫止可能にした
ものも提案されている。しかし、両側壁の上縁の
裁断に手数を要するばかりか、両側壁上縁及び前
後壁の上縁を、夫々別々に口枠に縫着しなければ
ならないという問題点がある。

本考案の目的は上記問題点を解決した口枠と鞄
本体との縫製を極めて容易にした口枠式鞄を提供
することにある。

（問題点の解決手段） 本考案に係る口枠式鞄は上部を開口した略箱状
の鞄本体の上部開口縁に抱嵌及び展開可能な口枠
を取付けた口枠式鞄において、上記口枠を構成す
る内、外枠片の両端部分下部に略三角形の襠布部
を形成し、上記各襠布部の斜辺を鞄本体の側壁の
水平な上縁の左、右半部に夫々縫着したことを特
徴とする。

（実施例） 次に、添付図面に示す実施例について説明す
る。

Ｂは上部を開口したる箱状の鞄本体で、この鞄
本体Ｂは、芯材を有して硬直にした前壁１と後壁
２とを、左右襠及び底襠を構成する周側布で以て
接続して、上記前壁１と後壁２の両側に上縁を水
平にした側壁３，４を一体に樹立して成る。上記
周側布は比較的柔軟な素材から成り、その長手方
向に縫着部分を所要間隔をおいて形成して、鞄本
体を扁平・拡開可能にする。上記鞄本体Ｂの上部
開口縁には、内、外枠片を抱嵌及び水平に展開可
能にした口枠５を縫着する。

上記口枠５を構成する内、外枠片５１，５２
は、金属製の帯状の芯鈑６と覆布７とから成る。
即ち、内、外枠片は芯鈑６の中央部分下部に縫代
部７ａを、かつ芯鈑の両端部分下部に側辺を垂直
にした略三角形の襠布部７ｂ，７ｂを形成して、
覆布７を芯鈑６に被覆して成る。なお、８は、
内、外枠片の端部に設けた枢着用の孔である。

次に、上記内、外枠片５１，５２と鞄本体Ｂと
の縫製手順について説明する。

まず、一方の枠片、例えば内枠片５１の一方の
襠布部７ｂの斜辺ａを、鞄本体の側壁４の上縁左
半（中央部分を除く以下同じ）内面に当接して縫
着し始め、縫代部７ａと前壁１の上縁内面及び他
方の襠布部７ｂの斜辺ａと側壁３の上縁左半内面
を順次連続縫着する。次に、もう一方の外枠片５
２も上述と同様にして、一方の襠布部７ｂの斜辺
ａと側壁３の上縁右半（中央部分を除く以下同
じ）内面、縫代部７ａと後壁２の上縁内面、他方
の襠布部７ｂの斜辺ａと側壁４の上縁右半内面を
順次連続縫着する。そして、上記内、外枠片５
１，５２の両端部分を内方に夫々屈曲して、内、
外枠片を略コ字状になし、その端部に金具を夫々
嵌装して重合し、孔８に鋲９等を挿通して、内、
外枠片５１，５２を枢着して、所望の口枠を鞄本
体に取付けることができる。

なお、図中１０は外枠の中央上面に設けた提手
である。

よつて、本考案に係る口枠式鞄を用いるとき
は、内、外枠片５１，５２を立ち上がらせると、
スムースに抱嵌でき、また、展開すると襠布部で
以て側壁上部中央部分を自然に内方へ膨出して
内、外枠片は無理なく水平になり、鞄本体の上部
を大きく開口することができる。

以上は本考案の一実施例を説明したもので、本
考案はこの実施例に限定されることなく、考案の
要旨内において設計変更できる。

（考案の効果） 本考案によるときは、口枠を構成する内、外枠
片の両側部分に襠布部を設けたので、水平になし
た側壁上縁の左右半部と襠布部の斜辺とを無理な
く当接して簡単に縫製でき、更に側壁の上縁を特
殊形状に裁断する手数が不要となるので、より一
層生産能率を向上することができる等の利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は開口状態の要部斜視図、第２図は枠片
の縫着状態を示す要部斜視図、第３図は枠片の正
面図、第４図は全体斜視図である。 Ｂは鞄本体、１は前壁、２は後壁、３，４は側
壁、５は口枠、５１は内枠片、５２は外枠片、６
は芯鈑、７は覆布、７ａは縫代部、７ｂは襠布部
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部を開口した略箱状の鞄本体の上部開口縁に
   抱嵌及び展開可能な口枠を取付けた口枠式鞄にお
   いて、上記口枠を構成する内、外枠片の両端部分
   下部に略三角形の襠布部を形成し、上記各襠布部
   の斜辺を鞄本体の側壁の水平な上縁の左右半部に
   夫々縫着したことを特徴とする口枠式鞄。