JPS642828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電車線等を張線する際にターンバツ
クルによる張線の捩れを防止する装置に関するも
のである。

従来、電車線や電線その他の線等を張線する際
にはターンバツクルにより張線するが、ターンバ
ツクルを回すと張線に捩れが生じ、張線が撚線の
場合は過度に捩れると長期の間には素線に損傷を
生ずるおそれがあるので捩れが生じないように張
線することが必要であり、殊に電車線を張線する
場合には、電車線にハンガーイヤー用の側溝が設
けてあるためにこれが捩れると正常な吊下ができ
なくなるので、捩れないように張線しなければな
らず、張線作業を迅速に行なうことが困難であつ
た。

本考案は、ターンバツクルを回しても張線の引
止連結点が回動しないようにして捩れを防止した
装置を提供するものであり、以下にその構成を図
示の実施例により説明する。

第１図は本考案の装置の斜視図であり、第２図
は滑動体の断面を示したものである。図において
１は直状の長杆であり、角パイプ等によりターン
バツクルよりも若干長尺に形成し、その１端部に
掛止片２を垂下して設け、その掛止片には下端に
開口する掛止溝３を設ける。４は掛止片２の補強
片である。５は長杆１の上面に溶接または螺子等
により植設した把持部であり、図示のように棒状
体もしくは適宜把持し易い形状に形成し、６は長
杆１の表面に表示した目盛等の指標である。７は
ワイヤよりなる掛紐であり、その１端は環８によ
り輪部を形成して前記把持部５に嵌挿して取りつ
け、他端にはフツク９を連結する。

１０は前記長杆に滑動自在に嵌挿した滑動体で
あり、下端に開口する嵌合溝１１を設けた側板１
２と下端に開口する嵌合溝１３を設けた側板１４
とを平行に相対向させ、上部間隔板１５、下部間
隔板１６の両端縁に前記両側板１２，１４を溶接
して１体に結合するとともに、両側板１２，１４
の間隔は両側板間に前記長杆１が嵌入し得る間隔
に形成したものである。前記両側板１２，１４間
には、上部に回転カラー１７，１８を軸１９，２
０により取りつけ、下部にも回転カラー２１，２
２を軸２３，２４により取りつけ、この上部回転
カラー１７，１８が前記長杆１の上面に接し、下
部回転カラー２１，２２が前記長杆１の下面に対
向するようにする。２５は前記側板１２に螺合し
た蝶ナツトであり、滑動しないときにはその螺子
杆先端を前記長杆１の側面に押しつけて滑動体１
０を長杆１に固定し移動、脱落を防止するもので
ある。

本考案は捩れ防止装置は前述のように構成して
なり、第３図示のようにターンバツクルに掛合さ
せて張線の捩れを防止する。第３図示のＰは支
柱、Ａはターンバツクル取付バンド、Ｂはターン
バツクル、Ｃはターンバツクル後端に突出する取
付板部、Ｄはターンバツクルの回動部、Ｅはター
ンバツクル先端の連結ボルト、Ｆは連結ボルトＥ
によりターンバツクル先端に連結した引止ロツ
ド、Ｇは電車線である。先づターンバツクルを回
動する前に本考案の装置の長杆１をターンバツク
ルの上側に置き、長杆１の端部の掛止片２の掛止
溝３をターンバツクル後端の取付板部Ｃに嵌挿し
て掛止させ、滑動体１０を長杆１に沿つてスライ
ドさせて連結ボルトＥの上方に位置させ、滑動体
１０の両側板１２，１４の嵌合溝１１，１３を連
結ボルトＥのボルト頭部とナツトに嵌合させる。
なおこのとき掛紐７は図示のようにターンバツク
ルを巻いてフツク９を把持部５に掛止させておき
本考案装置が地上に落下しないようにする。そし
て把持部５を手で把持しターンバツクルの回動部
Ｄを矢印のように回動して電車線Ｇを引張り張線
する。このようにして張線すると、連結ボルトＥ
の部分は滑動体１０の側板１２，１４に嵌合係止
しているのでターンバツクルの回動部Ｄを回して
も連結ボルトＥの部分は回動せず、したがつて電
車線は捩れることなく所定の張力に張線されるの
である。滑動体１０の両側板１２，１４の各嵌合
溝１１，１３は、その上縁を第２図示のようにボ
ルト、ナツトに適合する形状の縁部１１′に形成
しておけばボルト頭部とナツトの角縁が上方中央
位置にある場合に良好に適合するので便利であ
る。

前述のように、本考案のターンバツクル用捩れ
防止装置は、長杆１の１端部に設けた掛止片２と
滑動体１０の両側板１２，１４をターンバツクル
の両端部に嵌合掛止させ、把持部５を把持してタ
ーンバツクルの回動操作を行なうようにしたので
取り扱いが容易であり、しかも電車線等の張線の
捩れを完全に防止することができ、滑動体１０は
長杆１をスライドするのでターンバツクルの連結
ボルトＥの位置が前後に変化しても、両側板１
２，１４を連結ボルトに掛合させておくことがで
きる。また、掛紐７を用いるので落下の危険がな
く、長杆１の表面に設けた指標６を利用すれば滑
動体１０の位置を定めるのに便利である。このよ
うに、本考案の装置によれば張線の捩れを防止す
ることができるのでターンバツクルによる張線の
緊張作業の容易、迅速化が可能となるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の斜視図、第２図は滑動
体の断面図、第３図は使用状態図である。 １：長杆、２：掛止片、３：掛止溝、５：把持
部、７：掛紐、１０：滑動体、１１：嵌合溝、１
２：側板、１３：嵌合溝、１４：側板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端に掛止溝を有する掛止片を１端部に設ける
   とともに把持部と掛紐を取りつけた長杆と、下端
   に嵌合溝を有する側板を相対向させた滑動体とを
   具備し、前記長杆に前記滑動体を嵌挿してなり、
   前記掛止溝と嵌合溝をターンバツクルに掛合させ
   てターンバツクルの回動による張線の捩れを防止
   するようにしたことを特徴とするターンバツクル
   用捩れ防止装置。