JPS639972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、リードスイツチ、特に永久磁石及び
感温磁性体を組合せてなる感温リードスイツチの
保持金具に関するものである。

従来から知られている感温リードスイツチは、
第１図ａ及びｂに示すように強磁性体リード片
ａ，ｂを有し、その一部を接点としてガラス管内
に封入してリードスイツチ９を構成し、該リード
スイツチ９の外周に、リング状感温磁性体１を配
置すると共に、これを挾むようにして同一方向に
着磁された２個のリング状の永久磁石２及び３を
樹脂で固定して配置させ、更にその両端に固定管
４及び５を挿置してそれぞれリード線６及び７を
導出したものである。このように構成された感温
リードスイツチＡを、使用される装置の基板等に
取付けるに当つて、取付けに便利な保持金具が必
要となる。ところが感温リードスイツチを設置す
る取付け面は必ずしも平らな面だけに限らず、凹
状面或は凸状面の場合もあり得る。このような事
情に対応して従来は、取付け面に合う接触面をも
つ各種の金具を個々に用意しなければならないと
いう煩雑さと共に、凹状面や凸状面等に不一致の
金具を取付けてネジ固定した場合には、その無理
からリードスイツチを損傷することが多かつた。

本考案は上記不都合を解消する見地からなされ
たものであり、リードスイツチを設置する取付け
面の形状に適合可能に保持金具の接触面を適宜に
湾曲できる保持金具を提供することによつて、各
種形状の取付け面に対して単一種類の保持金具に
より簡単に取付け得るようにしたものである。

以下実施例により本考案を具体的に説明する。

第２図ａは本案金具の一実施例斜視図であり、
第２図ｂは感温リードスイツチを挿置固定した本
案金具の一実施例の斜視図である。

前記保持金具は、一端に感温リードスイツチを
保持する管状部８が設けられ、この管状部８に連
結された他端の一部に取付孔９を設けた取付板部
１０を有し、前記管状部８と取付板部１０との連
結部に管状部８の長手方向に沿うと共に中央部に
向つて楔形状となる相対向する一対の切込部１
２，１２が設けられているものである。これは伝
熱性を有する一連の板状体１１を加工したたもの
である。

本考案の感温リードスイツチの保持金具は上記
のように一対の楔状切込部１２を有する構造にな
つているから、基板の取付面の凹状面或は凸状面
の形状に合せて取付板部１０を容易に変形でき、
基板の取付面の湾曲面に合せることができる。即
ち、基板の取付面が凹状の場合には、第３図ａに
示すように、楔状切込部１２によつて管状部８と
仕切られた取付板部１０を、管状部８の軸方向に
対して交差する方向に内側に湾曲変形させること
によつて、基板の取付面に密接適合することが可
能となる。又、基板の取付面が凸状の場合には、
第３図ｂに示すように、上記の場合とは逆に取付
板部１０を外側に湾曲させることによつて取付面
の凸状面に密接することができる。基板の取付面
が平面状の場合には、保持金具の取付板１０を変
形さすことなくそのままの状態で取付面に密接可
能である。更に、取付面が角状を有している場合
には、第３図ｃに示すように、楔状切込部１２を
利用して管状部８に沿つた方向に取付板部１０を
折り曲げ、容易に屈曲面に保持金具を密接するこ
とができる。

このように基板取付面に保持金具の取付板部１
０を密接した後に、取付孔９にネジ１３を差し込
み、保持金具を基板取付面に密着固定する。

なお、対向して設けた楔状切込部１２は、取付
板部１０を内側或は外側に容易に湾曲できる程度
に深めに穿設するものとするが、あまり深く穿設
したことによつてリードスイツチの保持状態が弱
くならないように配慮するものとする。

以上のことから明らかなようにこの保持金具は
外力により容易に変形可能な金属材料からなるこ
とは言う迄もない。

以上詳述したように本考案の保持金具は、基板
の取付面に応じた平面、曲面或は屈曲面を簡便に
作り出すことができるので、従来のように取付面
形状に合つた各種の金具を用意しなければならな
い不便がなくなる。又、従来は凹状面或は凸状面
に取付ける際に、リードスイツチを保持する管状
部から帯状に連続して連なる平面の取付板部を無
理にネジ固定していたので、内部（リードスイツ
チ、マグネツト或はフエライト）に応力が加わ
り、リードスイツチ本体に割れや欠け或はひび割
れ等が生ずるおそれがあつたが、本考案の保持金
具はそれ自体で外力による変形が容易な上に、楔
状切込部の存在によつて取付面に密着した状態で
容易にネジ固定ができると共に、前記切込部によ
つてリードスイツチの収納された管状部と取付板
部とが仕切られた状態になつていると共にこの切
込部で応力が吸収されることとなるので、ネジ固
定の際に上記のような応力が伝わらずリードスイ
ツチ本体を損傷するおそれが全くない利点があ
る。更に本考案金具は、従来のように取付面状態
に合つた金具を個々に使用する煩雑さがなくな
り、各種の取付け曲面にも容易に使用でき、取付
け作業能率の向上を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及びｂは従来より使用され、かつ本考
案の実施例にも使用されるリードスイツチの構造
を示す断面図及び斜視図、第２図ａは本考案の保
持金具の一例を示す斜視図、第２図ｂはリードス
イツチを挿置固定した本考案の保持金具の一実施
例斜視図、第３図ａ，ｂは本考案保持金具の使用
状態を示す正面図、同図ｃは側面図である。 Ａ……リードスイツチ、８……管状部、９……
取付孔、１０……取付板部、１１……板状体、１
２……楔状切込部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に感温リードスイツチを保持する管状部が
   設けられ、この管状部に連結された他端の一部に
   取付孔を設けた取付板部を有し、前記管状部と取
   付板部との連結部に管状部の長手方向に沿うと共
   に中央部に向つて楔形状となる相対向する一対の
   切込部が設けられているものであつて、全体が折
   曲可能でかつ伝熱性を有する材料からなる感温リ
   ードスイツチの保持金具。