JPS638323B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、曲がりくねつた溝を有するブラケツ
トおよびこの溝の中を摺動するピンによつて可動
成分が固定成分に取りつけられる型式の安全な取
付具に関する。

鏡あるいは絵画の如き可動物を固定壁に取り付
け可能にする装置は多数記述されている。一般に
これらの装置は釣鈎と針金との組合わせから成
り、可動物を固定壁に保持するのに可動物の重量
に依存する。場合によつてブラケツトあるいは他
の取付け金具は、許可のない人が壁から絵画ある
いは鏡を取り外すのを防ぐような性質のものであ
ることが重要である。

不正な移動を防ぐ取付装置は数多く記述されて
おり、代表的な例として米国特許第1908174号、
第3952436号および第2928199号記載の装置が挙げ
られる。これらの装置は非常に実利的であると考
えられるけれども、壁等から可動物を取り外すの
に工具を使用しなければならない。鏡を壁に永続
的に取り付けるのが望まれる公共的な研究室の如
き場所において、この型式の取付け装置は非常に
有益である。しかしながらこれらの物品を取り外
すのに特別の工具を必要とし、これらの工具はし
ばしば紛失し易いので、この型式の取付け装置が
実用的ではない場合がある。

油絵、エツチングおよび彫刻品が売物として陳
列されている画廊等において、これらの美術品は
許可されていない者が取外すのを防止する取付け
装置を利用して公然と陳列されていることが非常
に望ましいと考えられる。しかしながらこれらの
品物を客に売るときあるいは陳列を改善するため
再配置するとき、品物を容易に取り外すことが必
要である。

法律事務所および医療事務所の応接室のような
場合、高価なシマメノウ灰皿等の如き品物は、許
可されていない者が取り外すことができないよう
にテーブルに取り付けられ且つ又掃除のため事務
員によつて容易に取り外されることが望ましい。
同様にしばしば、電話およびランプのような品物
を、子供あるいはペツトが動かしたり不注意に乱
したりできないようにするが、必要なときには容
易に取り外し可等であるように台座に取付けるこ
とが望ましい。

絵画および鏡を掛けるのに一般に使用されてい
る取付けブラケツトは、灰皿および電話のような
定置物用の取付けブラケツトと交替させることは
できない。更に通常高価であることの他に数個の
成分の正確な配置あるいは整列を必要とする取付
けブラケツトは、この型式の取付け装置の成分を
正確に配置させるのに使用しなければならない水
準器および定規の如き必要な補助設備を使用者が
有していない場合、しばしば実用的ではない。

上記の点を考慮すれば、新しく改良された確実
な取付装置を必要とすることが十分考えられる。
本発明の目的は、垂直面および水平面の両方に物
を取付けるのに使用することができる確実な取付
け装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、物および面の両方に容易に取り付けられ、物
を面に取りつけるあるいは取り外す際に特別の工
具を何も必要としない確実な取付け装置を提供す
ることにある。本発明の更に他の目的は、作るの
が簡単でかくて消費者には安価となり、貴重品お
よび準貴重品の両方に使用することができる確実
な取付け装置を提供することにある。

これらのおよび他の目的は、固定成分あるいは
可動成分の一方に取り付けられるブラケツトと、
他方の成分に取り付けられブラケツトと相互作用
するピンとを有する確実な取付装置を提供するこ
とによつて達成される。ブラケツトは、曲がりく
ねつた溝が板の面を横切つて通つている面板を有
している。ピンは拡大頭を有し、溝は拡大頭を溝
を通して挿入可能にする開口を有している。それ
からピンを曲がりくねつた通路に沿つて摺動さ
せ、ピンを静止可能にする溝の帰着板路の方へ向
ける。この位置において可動物は固定物に確実に
取り付けられる。

可動物を取り外すためには、ピンを曲がりくね
つた溝を通して反対向きに摺動させることが必要
である。しかしながら可動物を移動させる者が溝
の形状を知らない場合、ピンを溝内で動かすこと
および結果として可動物を定置支持体から離すこ
とが防止される。

曲がりくねつた溝によつて構成される迷路を通
してピンを良好に移動させるためにどの方向へピ
ンを移動させねばならないかを、ただ一人の者だ
けが正確に知つているように、各々がいくらか異
なつた形状の溝を有する種々のブラケツトを使用
できることは明らかである。

本発明は、添付図面を参照するとき最も良く説
明される。本発明は、特許請求の範囲に記載され
ている一定の作動原理および概念を使用する。こ
れらの原理および概念を多数の異なる実施態様に
適用できることが当業者に理解されることは明ら
かである。このため本発明は説明された態様のみ
に限定されると解釈すべきではなく、特許請求の
範囲に照らして定められるべきである。

今第１図乃至第３図を参照するとブラケツト１
０が示されており、このブラケツト１０はピン１
２と相互作用して、可動物と固定物との間に安全
な取付けを形成する。第２図および第３図に示さ
れているように壁１４は固定物として利用され、
画枠１６は可動物を表わす。ここで、ブラケツト
１０は可動物１６に取付けられ、ピン１２は固定
物１４に取付けられることが強制的でないことを
強調しなければならない。本発明は、ブラケツト
１０が固定物１４に、ピン１２が可動物１６に取
り付けられても、同じく効果的に作用する。

ブラケツト１０は面板１８を有しており、この
面板１８に２つの側壁２０および２２が取付けら
れている。取付け耳部２４および２６が側壁２０
および２２に取付けられている。図示されている
ように、側壁２０および２２は面板１８に、耳部
２４および２６は側部２０および２２に90゜の角
度をなして取り付けられている。一般的にこれが
好ましい形状であるけれども、これらの取付け角
度は、耳部２４および２６の在る面が面板１８の
在る面と平行である限り90度から変えることがで
きる。

耳部２４および２６は穴２８を備えている。ブ
ラケツト１０は、ねじあるいは他の類似した取付
け装置によつて穴２８を介して可動物あるいは固
定物のどちらか一方に取り付けられる。曲がりく
ねつた溝３０が面板１８の面を横切つて通つてい
る。溝３０は、面板１８が側壁２０と合する縁３
２と交わつており、側壁２０には溝３０と連通す
る穴３４が設けられている。穴３４は、以下に一
層詳細に説明するようにピン１２の端３６が通過
できるのに十分な寸法から成る。溝３０の反対側
の端に、この溝の帰着枝路３８がある。一般にこ
の帰着枝路の端４０の形状は、ピン１２の軸４２
が溝３０の帰着枝路３８の端の内側に具合よく適
合するように丸味をつけるかあるいは鋭くとがら
せる。

説明されているように、ピン１２は拡大端３６
を備えた軸４２を有している。軸４２は、それに
よつてピン１２を固定物１４に取付けるねじ山を
有するように第３図に示されている。かくてピン
１２は実質的に丸頭ねじである。溝３０内に適合
し、頭部がピンをブラケツトに保持するのに十分
な大きさから成るように選択されたくぎあるいは
丸頭ボルトも同様に実用的である。

第１図において、帰着枝路３８の端４０は上向
きに先をとがらせて示されている。この形状にお
いて、可動物を固定壁あるいは他の支持体に吊る
すとき、一般にブラケツト１０は可動物に取付け
られる。可動物は、この帰着枝路３８の中に適合
するピン１２のまわりでブラケツト１０によつて
滑らかに吊り下げられる。ブラケツトを固定物に
ピンを可動物に取付けたいときには、ブラケツト
は第１図に示されている位置と逆に上側を下にし
て固定物に取付けられる。かくて帰着端４０は下
向きに位置し、物体の重量はピンをこの帰着端に
固定させ保持する。

第４図および第５図に示された他の態様におい
て前述の成分と類似の機能を有するこれらの成分
は、第４図では“４”および第５図では“５”を
前に付けた先に使用した番号によつて特定され
る。第４図および第５図に記載されている他の態
様は、前述の態様と２つの点、即ち曲がりくねつ
た溝４３０と５３０および物体へのブラケツトの
取付け方法、において異なつている。曲がりくね
つた溝４３０および５３０の形状は曲がりくねつ
た溝３０の形状と異なつており、曲がりくねつた
溝の他の形状も又可能で大いに望ましい。本発明
による確実な取付けを利用して可動物を固定物に
設けるとき、曲がりくねつた溝は外から見えなく
なるので、許可のない人々は確実な取付けに利用
されている曲がりくねつた溝の形状がわからな
い。種々の曲がりくねつた溝を有することによつ
て、許可されていない取外しを更に防ぐことがで
きる。

第４図に示されている曲がりくねつた溝４３０
はまた、穴４３４が面板４１８の面内に在るが面
板の縁に沿つていない点において、前述の曲がり
くねつた溝３０と相違している。同じく曲がりく
ねつた溝４３０は盲枝路４４４を有している。許
可されていない人が、取付けブラケツト４１０に
取り付けられた物体を取り外そうとしても、盲枝
路４４４に当惑する。

ブラケツト４１０は番号４４６によつて集合的
に特定された４つの耳部を備えており、これらの
耳部４４６によつてブラケツト４１０が取りつけ
られる。これらの耳部４４６は面板４１８と一体
に形成され、面板４１８のまわりに対称的に隔置
されている。第５図を参照するとこれらの取付け
耳部４４６の代りに、面板５１８は２つの隔置板
５４６および５４８に取付けられている。番号５
２８によつて集合的に特定された取付け穴が、面
板５１８と隔置板５４６および５４８の両方を通
過している。前述の態様に関し隔置板は、ブラケ
ツトが取付けられる支持体と面板５１８との間に
ピン５１２の拡大端５３６のための空間を提供す
る。溝５３０は開放空間へ直接開いているので、
穴３４に対応する拡大穴を必要としない。

最も一般的にはブラケツト１０およびピン１２
の両方とも金属から形成されるが、硬質プラスチ
ツクの如き他の強固な材料をブラケツト１０のた
めに使用することができる。ブラケツト部分１０
は、絵画等を掛けるのに使用されるプラスチツク
製あるいは金属製枠と一体に形成できることが予
想される。

本発明の付加的な特徴は、ピン１２がブラケツ
ト１０から自由になるために曲がりくねつた通路
を通らなければならないので、地震その他による
固定支持体の他の突然の移動の際、ピンが偶然に
曲がりくねつた溝を通つて移動するようなことは
略皆無であることである。このことは偶発的な損
傷から可動物を保護する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第１の態様のブラケツト成
分の前方等角投影図である。第２図は、可動物が
固定されるべき定置物に取り付けられた第１図の
ブラケツト成分およびピン成分の後方等角投影図
である。第３図は、ブラケツトを可動物に固定さ
せた状態の第２図に示されたブラケツトおよびピ
ンの部分的断面図である。第４図は、本発明の第
２の態様のブラケツト成分の前方等角投影図であ
る。第５図は、本発明の第３の態様のブラケツト
成分の前方等角投影図である。 １０……ブラケツト、１２……ピン、１４……
固定物、１６……可動物、１８……面板、２４，
２６……取付け耳部、２８……穴、３０……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動成分を固定成分にあるいは固定成分を可
   動成分に取り付ける型式の確実な取付け装置であ
   つて、 拡大頭を有し、前記可動成分あるいは固定成分
   の一方に取り付けられるピン手段と、 取り付け手段を備えたブラケツト部材とを有
   し、 前記取付け手段は、前記可動成分あるいは固定
   成分の他方に前記ブラケツト部材を取り付け、 前記ブラケツト部材は面板を備え、 前記面板が面板を横切つて曲がりくねつた溝を
   有し、 前記曲がりくねつた溝は、前記ピン手段の直径
   と拡大頭の寸法の中間の寸法の幅を有し、 前記曲がりくねつた溝は、前記ピン手段を曲が
   りくねつた溝の中へ挿入可能にする開口を備えた
   第１枝路と、曲がりくねつた溝の前記第１枝路と
   反対側の端にある帰着枝路と、前記第１枝路と帰
   着枝路との間に配置された他の複数の枝路とを有
   し、 前記曲がりくねつた溝の形状は、前記ピン手段
   が前記開口の中へ挿入され、前記可動成分を固定
   成分に取り付ける前記帰着枝路に位置するまで曲
   がりくねつた溝に沿つて摺動するような迷路を形
   成する、取付け装置。 ２ 前記溝は、可動物を固定物に固定するとき前
   記ピンが位置する帰着枝路を有する、特許請求の
   範囲第１項記載の取付け装置。 ３ 前記ブラケツト部材が面板と、取付け用耳部
   と、前記取付け用耳部を面板に連結する面板と取
   付け用耳部との間のスペーサー手段とを有し、前
   記取付け用耳部は、取付けねじあるいはくぎが穴
   を貫通してブラケツト部材を前記成分の一方に取
   付けるような複数の穴を備える、特許請求の範囲
   第１項記載の取付け装置。 ４ 前記溝が盲枝路を有する、特許請求の範囲第
   １項記載の取付け装置。 ５ 前記ピンが前記成分の一方へねじ込むための
   ねじ山を有する、特許請求の範囲第１項記載の取
   付け装置。 ６ 前記ブラケツト部材が面板を有し、前記面板
   は面板を横切つて通る曲がりくねつた溝を有し、
   前記曲がりくねつた溝は前記ピン手段の直径と拡
   大頭の寸法の中間の寸法の幅を油脂、前記取付け
   手段は２つのスペーサー板を有し、一方のスペー
   サー板は面板の一端に、他方のスペーサー板は面
   板の他端に取付けられ、 前記面板およびスペーサー板は、取付けねじあ
   るいはくぎが穴を貫通してブラケツト部材を前記
   成分の一方に取付けるような、前記面板およびス
   ペーサー板に共通の複数の取付け用穴を有する、
   特許請求の範囲第１項記載の取付け装置。