JPS637037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、和裁地等地のし用のローラープレ
ス機における嵌脱式の吸気式巻取装置に関し、プ
レス熱処理された反物を吸気式巻取装置により、
巻取り作業が容易で、かつ傷調べ等の点検作業も
容易正確にでき、実効性に富む吸気式巻取装置を
提供せんとするにある。

（従来の技術） 従来一般の和裁地地のし用のローラープレス機
においては巻取装置がなく、最近に至つてそれを
装備するものもできたが、その巻取装置において
は吸気能力を有しないため、反物の巻取作業と検
品作業に多くの手間と時間を要し、かつ反物に不
整状態が生ずるなど、次のような多くの欠点があ
つた。

反物はアイロンにかけられ熱を帯びて出てく
るので、つかみ難く、作業に手間取つた。

反物の端部をつかんで手作業で巻取らねばな
らなかつた。

反物の出てくる速度が速いので、手作業でも
たついていると、反物がたるんだり、布端が再
びドラムに巻込まれることが屡々あつた。

反物が部分的に強く巻かれたりして、折角縮
んだ反物が伸びることが時々起つた。

巻取作業は殆んど和裁学校の女学生等により
行われ、経験が乏しく、作業中に反物が左右に
ぶれてシワを発生するなどの欠点があり、かつ
多くの時間を要した。

上記のような問題があるので、検品作業も容
易でなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は前記のような従来のものの欠点を除去
し、反物の導入から巻取りに至る作業を人手によ
らず、手縫前工程の機械活用と巻取装置に吸気性
を付与することにより、作業時間を短縮し、反物
にシワ等の不整状態の発生を防止するなど被処理
反物の巻取作業を合理化することを目的とする。

（問題点を解決するための手段、作用及び実施
例） そこで本考案においては種々研究の末、和裁地
等布地地のし用ローラープレス機において、その
前方部の左右に配する縦状アーム１，１′に導入
用芯木２″受け部２，２′を介して反物導入装置３
を設け、これに連ねて、ローラープレス熱処理ド
ラム装置５の外周を施回せしめるローラープレス
機無端ベルト６を各ローラー２５…により設け、
該ベルト６の反物導入装置３寄り側にガイド（固
定式７，或いは可動式８を装置し、ローラープレ
ス熱処理ドラム装置５に連ねた送りベルト装置１
０に連ねて、地のしローラープレス機後方部の左
右に配した横状のアーム１１，１１′に取付けた
巻取用芯木受け部１２，１２′に、その外周の複
数個所に夫々その対角線位置部に各一対の吸気孔
１５，１５′を複数組配設した合成樹脂製等によ
る巻取用芯木（エンビ管）１３を嵌脱自在に装着
して吸気巻取装置１４を構成し、該吸気孔１５，
１５′が送気管１６を介して吸気機械１７に連絡
するようにして、プレス熱処理された八掛地等の
被処理反物を吸気作用により吸着して容易にかつ
整正に巻取らせることができ又傷調べ等の検品も
容易に行なえるように構成した嵌脱式の吸気式巻
取装置を開発するに至り、前記問題点を解決する
に至つた。

この考案は、上記せる要旨のものであつて、反
物導入装置３よりの被処理反物２１は、ローラー
プレス機無端ベルト６上を運行される間に、ガイ
ド（固定式７、可動式８）を経てローラープレス
熱処理ドラム装置５によりプレス熱処理が施さ
れ、送りベルト装置１０を経て、吸気巻取装置１
４にかゝつて、該装置１４における巻取用芯木１
３外周の複数個所に夫々一対の吸気孔１５，１
５′を配設することによる適度な吸気作用により、
被処理反物は良好な仕上がりの状態で巻取られる
ようにしたものであつて、概ね次のような作用効
果がある。

反物に手を触れずに巻取り得るので熱い思い
をしなくてもよい。

巻取用芯木（エンビ管）に反物の端が降りて
くる所で吸気装置を回すので、反物がエンビ管
の吸気口にスムーズに吸いついて巻きつく。

上記の如く簡単に巻きつけられるので反物の
出てくる速度が速くても反物がゆるんだり、布
端が再びドラムに巻込まれることはない。

第１クラツチｃ１、第２クラツチｃ２、の滑
りによつて地のし後に縮んだ反物が再び伸びる
ことはない。

上部左位置アジヤスタａ１、と下部左位置ア
ジヤスタａ２、によつて上部と下部の左側位置
合せをすることにより奇麗に巻取れる。

しかして、本考案における導入用と巻取り用の
各芯木受け部２，２′，１２，１２′はそれぞれの
一方においてばね１８応用等により各芯木２″，
１３の着脱が容易であるように構成してある。

又、吸気巻取装置１４を構成する前記巻取用芯
木１３には、円周面対角位置に一対の吸気孔１
５，１５′を複数組（図例では五組）を配設して
巻取り作業の機能合理化に寄与するように図られ
ており、そして、該吸気巻取装置１４には送気管
１６を介して吸気機械１７、吸引部自動遅延停止
リレーボツクス１９、吸気開始用押ボタンスイツ
チ２０の各吸気用部材（電源と連絡）を各絡設し
てある。

図面中、４はブレーキローラー装置、９は山形
部材、９′は山形膨出部、２２は巻取り部駆動用
チエーン、２３は受け皿、２４はコンベア駆動チ
エーン、２５はローラープレス熱処理ドラム装置
駆動ローラー、２６は同駆動モーター、２７は巻
込み防止ブラシである。

（考案の効果） 本考案の効果については一部既述しているが、
以下にこれを取りまとめて説明する。

巻取り部を嵌脱式にしたから、作業準備が簡
単容易である。

巻取りは、吸気作用により自動的に行なわ
れ、省力化される。

反物導入部、巻取り部共、正しく平行位置に
配置されていて、運行仕法が合理的であるの
で、巻取りが整正にかつ正確にできる。

巻取用芯木１３は樹脂材故に、摩擦が少ない
ので適度にすべり、従つて、適度な柔軟状態で
巻取られ得るものである。

反物をガイド（可動式８）等の作用効果によ
り、しわよらずにローラープレス熱処理ドラム
装置５に導入することができる。

反物導入部からローラープレス熱処理ドラム
装置５を介して巻取部へ直接巻取らせるかたち
をとるので、被処理反物の傷、柄の位置等の検
査が容易にできる便益がある。

巻取り作業が簡素な作業でできるので、初心
者でも作業は容易にでき、又反物導入装置、吸
気巻取装置は嵌脱式にしてコンパクトで経済的
に構成され、地のし作業の経済的合理化、省力
化に継がり、手縫前工程の合理化に寄与し、和
装大衆化に貢献し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であつて、第１図は正面
態様説明図、第２図は側面態様説明図、第３図は
巻取完了までの反物の流れの概略説明図、第４図
は反物導入装置の説明図、第５図は吸気巻取装置
部の説明図、第６図は巻取用芯木（エンビ管）１
３の一例図、第７図は同Ｓ部断面図、第８図は同
縦断面図、第９図はローラープレス機無端ベルト
の膨出部９′の山形部材９を示す説明図である。 １，１′……縦状アーム、３……反物導入装置、
〔２，２′……導入用芯木受け部、２″……導入用
芯木〕、５……ローラープレス熱処理ドラム装置、
６……ローラープレス機無端ベルト、７，８……
ガイド、１０……送りベルト装置、１１，１１′
……横状アーム、１４……吸気巻取装置〔１２，
１２′……巻取用芯木受け部、１３……巻取用芯
木（エンビ管）、１５，１５′……吸気孔〕、１６
……送気管、１７……吸気機械、１８……ばね。
２８は反物ボツクス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 布地の地のし用ローラープレス機に、その前方
   部左右に配する縦状アームに導入用芯木受け部を
   介して反物導入装置を設け、これに連ねて、ロー
   ラープレス熱処理ドラム装置の外周を旋回せしめ
   るローラープレス機無端ベルトを設け、該ベルト
   の反物導入装置寄り側に固定式、或いは可動式の
   ガイドを装置し、ローラープレス熱処理ドラム装
   置５に連ねた送りベルト装置１０に連ねて、地の
   し用ローラープレス機後方部の左右に配した横状
   のアーム１１，１１′に取付けた巻取用芯木受け
   部１２，１２′に、その外周の複数個所に夫々そ
   の対角線位置部に各一対の吸気孔１５，１５′を
   複数組配設した合成樹脂製等による巻取用芯木１
   ３を嵌脱自在に装着して吸気巻取装置１４を構成
   し、該吸気孔１５，１５′が送気管１６を介して
   吸気機械１７に連絡するようにして、プレス熱処
   理された八掛地等の被処理反物を吸着して容易に
   巻取らせることにより傷調べ等の検品も容易に行
   なえるように構成して成ることを特徴とする和裁
   地等地のし用ローラープレス機における嵌脱式の
   吸気式巻取装置。