JPS637027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は洗濯槽内部に正逆転する衣類撹拌用の
撹拌翼に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の洗濯槽内の衣類撹拌用の撹拌翼は、中央
部を頂点とした凸型の形状が主流であつた。

しかし、最近では洗浄方式が種々考案され、衣
類の傷みの少ない水流、または衣類の布がらみの
少ない水流、均等に洗える水流等を追求していく
中で、従来の形状である中央部が凸状の撹拌翼で
は充分な性能が得られず、中央部付近を最下面と
した半球面形状の撹拌翼が開発され一般化されて
いる。

また、この中央部付近を最下面とした半球面形
状の撹拌翼は従来の凸形状の撹拌翼より前記の水
流を生じさせるため直径を大きくしている。その
ため撹拌翼の変形が大きくなり、強度も不足する
ので、第１図に示すように撹拌翼底部の外周方向
に、略環状のリブ１を複数個形成させ、変形の防
止と強度を上げていた。

また、中央部付近を最下面とした半球面形状の
撹拌翼底部には、ポンプの役目をする放射状にリ
ブ２が複数本形成されている。前記リブ２は、洗
濯中に洗濯槽内で発生、または外部より持ち込ま
れた糸くずなどを、撹拌翼の回転により、水流を
起こし、水路へ導き、水路の終端に形成されたフ
イルターに、ろ過させる役目をしている。この水
流は、槽内から撹拌翼、水路からフイルターへ再
び槽内へと循環している。この循環水流は、多い
ほど、糸くずや異物、ゴミなどを除去出来るため
都合がよい。

しかし、上記構成では前記撹拌翼には、変形を
防止するためと、強度を上げるために前記略環状
のリブ１を取り付けたため、糸くずや異物を除去
する循環水流を発生させるリブ２の羽根としての
有効面積が小さくなり、循環水流が少なくなると
いう問題があつた。

考案の目的 本考案は、従来の欠点を解消し、撹拌翼の強度
を維持したままで、異物や糸くずなどをろ過する
循環水流の水量を増加させることを目的とする。

考案の構成 本考案は、撹拌翼の底部に撹拌翼の強度を増
し、さらに変形を防止するため、撹拌翼の外周方
向に略環状のリブを複数個形成させ、前記略環状
の最も外側にあるリブを、撹拌翼山部で取りはず
し、糸くずや異物を取り除く循環水量を発生さ
せ、撹拌翼底部に形成された放射状のリブの羽根
としての面積を増やすことにより、強度を維持し
たままで、循環水流の水量を増加させるものであ
る。

実施例の説明 以下、本考案の実施例について第２図〜第４図
を参照して説明する。

第２図〜第４図において、洗濯槽１１の内底部
には、衣類撹拌用の合成樹脂で成形した撹拌翼１
２が、正転、逆転自在に配している。この撹拌翼
１２には、洗濯槽１１内の洗濯物の洗濯運転時発
生する洗濯物の布がらみ、または布傷みを軽減す
るために中央付近を最下面部１３とした半球面形
状の撹拌翼１２で形成され、その半球面状の表面
側１４に突起部１５が複数個形成されている。

撹拌翼１２の裏側１６には、撹拌翼１２の変形
および強度を高くするために、補強リブ１７を外
周方向に略環状に複数個形成させる。この補強リ
ブ１７は撹拌翼１２の外周方向で外側にあるほ
ど、撹拌翼１２の変形や、強度を高める効果があ
るので、補強リブ１７のさらに外側に、複数個の
断続した補強リブ１８を形成させる。

撹拌翼１２の表面側１４の突起部１５は、裏側
１６では中をくりぬいた形状の谷部１９を形成し
ている。前記断続した複数の補強リブ１８を谷部
１９を除く補強リブ１７の外周側へ形成すること
により強度を上げ、変形を防止する。また谷部１
９は、これ自体リブの役目をしているので、最も
外周部の補強リブを断続した複数の補強リブ１８
とする。この構成により、撹拌翼１２の裏側１６
に形成された循環水流をおこす複数個のポンプ翼
２０の長さは、１１部の長さだけ長くなり循環水
流の水量を増すことが出来る。また、このポンプ
翼２０は撹拌翼の強度、変形を防止することが期
待出来る。

以上の構成における動作を説明すると、第４図
に示すように撹拌翼１２が回転しポンプ翼２０も
回転する。点Ａにある水は、ポンプ翼２０により
すい上げられ、ポンプ翼２０，２１の遠心力によ
り水は点Ｂへと流れる。ここで、ポンプ翼２１を
取付けた分だけ、より多くの循環水流の流量が得
られる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、撹拌翼底部の外周方向に略環状のリブを数個
形成させ、さらに前記略環状のリブの外側に谷部
を除いた部分に断続的にリブを設けることによ
り、撹拌翼の変形を防止し、さらに強度も上げる
ことが出来る。また、循環水流を生じさせる撹拌
翼裏側のポンプ翼も、前記断続したリブにより、
翼長も長くすることが出来るため循環水流の流量
も多くすることが出来るため、糸くずや異物の除
去する能力を高めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の撹拌翼の下面図、第２図は本考
案の一実施例を示す洗濯機全体の断面図、第３図
は同洗濯機の撹拌翼の下面図、第４図は同洗濯機
の要部拡大断面図である。 １２……撹拌翼、１５……突起部、１７……補
強リブ、１８……断続した補強リブ、１９……谷
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽の底部に装着され、基盤の中央付近を最
   下面とし、かつ基盤上に複数個の上方に突出した
   山部を一体に形成し、基盤裏面の中央近傍には複
   数個の環状リブを形成し、前記環状リブの外側
   に、基盤上に形成した山部の裏面を除いた部分に
   断続した複数個のリブを円周方向に設けた洗濯機
   の撹拌翼。