JPS636731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、目鏡のレンズ枠入れ加工に於けるレ
ンズ加工時のひとみ位置を簡単且正確に計測でき
る計測器に係るもので、図に示したように摺動縦
筒１を中心に水平に固定した水平軸２の両側対称
的に夫々目盛３′，４′を附した正確な水平線３と
垂直線４からなる十字線を刻設した基準板５，６
の裏面に設けた摺動筒５′，６′を摺動自在に嵌挿
し、基準板５，６の上下縁は、摺動溝７，７，
８，８となしてこれに摺動計測板９，１０を摺動
自在に嵌挿し、該摺動計測板９，１０には十字目
盛１１，１２と、その縁線に沿つて十字溝孔１
３，１４及び、その夫々の交叉基準点１５，１６
を中心にして夫々順次半径を異にし、互に外側に
対称的に半円線１７，１７，１８，１８を刻設し
全体を透明体とした構造を特徴としたものであ
る。１９は瞳孔間距離測定装置、２０は顎載せ
板、２１は中心棒を示した。

本来目鏡レンズの枠入れ加工に際しては使用者
自身に対して完全に装用状態を調節されたフレー
ムを基準として左右別々に該フレームのどの位置
に瞳孔が位置するかを計測し、これを型板にうつ
し取つて、この型板の瞳孔位置にレンズ焦点を合
わせ、レンズを加工して枠入れすることを必要と
する。しかし、従来フレームに対して瞳孔が左右
別々にどの位置にくるかの測定は無視され、ただ
単に瞳孔間距離の測定のみで眼鏡レンズの枠入れ
加工が行なわれており、型取りの段階で、フレー
ムの中心をうつし取る場合、かなり時間をかけ慎
重に計測するにも抱らず、必ずしも正確でないた
め、その型取りの狂いが瞳位置のずれと乱視軸の
狂いを伴い、又加工時間も長くかかつてしまう欠
点があつた。又最近大型フレームの流行にともな
い使用レンズの径と偏心値の測定も重要となり、
瞳孔間距離測定と同時に行なえる測定器、測定法
の開発が待たれている。

本願は型取りの場合の瞳位置の計測と印刻が極
めて正確且容易であるため、型取作業が極めて短
時間能率的であり、フレームに対しての使用レン
ズ径、偏心値がたちどころに計測できるもので、
これを例えば図の如き瞳孔間距離測定装置に併用
して用いる時は極めて正確能率的となるものであ
る。

即ち、本願の摺動縦筒１を瞳孔間距離計測定置
の顎載せ板２０の中心棒２１に挿着し、その上下
摺動と水平軸２上の左右摺動により基準板５，６
の十字線を瞳孔の中心に合せ、中心より、上下左
右のフレームの縁までの目盛を読みとり、次に基
準板内を左右摺動する摺動計測板９，１０により
瞳孔位置及び瞳孔間距離を計測して目鏡枠に印刻
して位置決めし、次に目鏡枠に合せて型取りした
型板２２を基準板面に上下左右の測定値を合せた
状態で瞳孔位置をその十字溝孔１１，１１′内を
なぞつて型板上に印刻し、この型板によつてレン
ズを削り加工する。

例えば右目でＡが18mmＢが17mmＣが23mmＤが31
mmとすると第５図の如くレンズに合せ十字の切目
に沿つて線を引くことにより瞳の中心がすぐ決ま
る。従つて装用状態を調整したフレームを被測者
にかけさせて計測する為、乱視軸の90゜、180゜が
正確に出て乱視軸の狂いが生じない、又遠近両用
多焦点レンズの枠入れ加工における位置決定も容
易且迅速に出来る。

以上の如く本願によれば型板は単に目鏡枠に合
せて型取りすればよく、瞳孔位置は摺動計測板の
十字溝孔の印刻によつて簡単にしかも極めて正確
に位置決めでき、レンズ加工の生命である瞳孔位
置測定加工が極めて正確且迅速能率的に行うこと
ができる効果があるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願の正面図、第２図は使用状態の斜
視図、第３図は型板の正面図、第４図第５図は計
測状態を示す正面図である。 １……摺動縦筒、２……水平軸、３……水平
線、４……垂直線、５，６……基準板、５′，
６′……摺動筒、７，７、８，８……摺動筒、９，
１０……摺動計測板、１１，１２……十字目盛、
１３，１４……十字溝孔、１５，１６……交叉基
準点、１７，１７、１８，１８……半円線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下縁に摺動溝を設けた基準板に摺動計測板を
   摺動自在に嵌挿し、基準板面に夫々目盛を附した
   水平線と垂直線からなる十字線を該設し、摺動計
   測板には夫々十字縁線に沿つて目盛を附した十字
   溝孔を設け、該十字溝孔の交叉基準点を中心とし
   て順次半径を異にした半円線を該設し、全体を透
   明体としたひとみの位置決め兼用枠入れ加工計測
   器。