JPS636637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ライフルスコープ等に装着されるス
コープラチカルに関する。

一般的なライフルスコープにおいては、外筒内
に透明なラチカル板が設置され、このラチカル板
には照準点を表示する像が描かれている。そし
て、射手がライフルスコープをのぞいた時に、標
的像とともに照準点表示像を視認できるようにな
つている。このようなライフルスコープにあつて
は、特に夜明、夕方に使用する際、上記ラチカル
板の照準点表示像が視認しにくいという欠点があ
つた。

そこで、照準点表示像を明確に視認できるよう
にするための工夫をしたスコープラチカルが開発
されている。その従来例の一つは次のようであつ
た。すなわち、外筒内に２個の三角プリズムの傾
射面を接合してなる組プリズムが設置されてお
り、上記組プリズムの傾斜面には照準点を表示す
る像が彫刻またはプリントによつて形成されてい
る。また、外筒において上記組プリズムに対向し
た位置には光導入孔が形成され、この孔からラン
プの光が入り込むようになつている。そして、標
的からの反射光は組プリズムを透過して射手の目
に至り、これにより標的像を射手が視認でき、他
方、光導入光からの光は組プリズムの傾斜面で反
射して射手の目に至り、これにより照準点表示像
を射手が視認できるようになつている。

しかしながら、このような従来構成では、ラチ
カルとして高価で重い組プリズムを用いるため、
ライフルスコープの低価格化、軽量化の要請に反
していた。また、組プリズムが重いため、この組
プリズムを支持する部位が射撃時に強い衝撃を受
け、この結果、たとえば組プリズムの傾斜面の傾
斜角（45゜）が狂い照準機能が低下する欠点があ
つた。

また、従来の他の構成として昭和29年実用新案
公告第3972号がある。これは、組プリズムの代わ
りにハーフミラーを用いたものである。しかしな
がら、この構成では標的からの反射光がハーフミ
ラーによつて減衰する欠点があつた。

本考案はこのような事情にもとづきなされたも
のでその目的とするところは、照準点表示像を常
に明確に視認でき、標的からの光も減衰されず、
しかも安価、軽量で耐衝撃性のあるスコープラチ
カルを提供することにある。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図はライフルスコープの全体図を示し、符
号１はライフル本体に取りつけられる外筒であ
る。外筒１の図中左端が対物側、右端が接眼側で
ある。また、符号２ａはズームミング環であり、
符号２ｂは標的像と照準点表示像の相対的位置関
係を調節するためのつまみである。

上記外筒１内にはスコープラチカル３が装置さ
れている。すなわち、支持筒４がビス５等の手段
により固定されている。支持筒４の接眼側の端部
には第３図に示すように傾斜面６が形成されてお
り、この傾斜面６は外筒１の中心軸１ａに対して
45゜傾いている。傾斜面６の先端側はカツトされ
ており、これにより支持筒４の全長は比較的短か
いものとなり、ライフルスコープの短縮化を図る
ことができる。上記支持筒４の傾斜面６およびこ
れに連続する端面７には、第２図、第３図に示す
ように金属箔８が接着されている。金属箔８はニ
ツケル等の金属材料により形成されており、支持
筒４に接着される側の面は接着に適した表面処理
がなされ、他方の露出する側の面は金属光沢を有
している。金属箔８は、環状の枠部９とこの枠部
９から中央に延びる照準点表示部１０とを有して
いる。これら枠部９および照準点表示部１０は互
に同一面をなすようにして形成されている。照準
点表示部１０は、巾狭な帯状部１０ａとこの帯状
部１０ａの中央部に形成された円形部１０ｂとか
らなる。第４図には、この照準点表示部１０を誇
張して示してある。

第３図に示すように、金属箔８の枠部９は支持
筒４の傾斜面６、端面７に接着されている。この
場合、枠部９と照準点表示部１０は同一面をなし
ているため、枠部９を傾斜面６に接着すると、照
準点表示部１０が傾斜面６と同一角度（外筒１の
中心軸１ａに対してθ＝45゜）傾いて支持される。
また、この支持状態で照準点表示部１０の円形部
１０ｂが、外筒１の中心軸１ａ上にあり、照準点
を表示するようになつている。

上記外筒１において、上記支持筒４に対向した
位置には光導入孔１１が形成されている。また外
筒１には、この光導入孔１１を塞ぐようにしてケ
ース１２が取りつけられている。ケース１２内に
はランプ１３および電池等が収納されている。

このような構成をなすライフルスコープの作用
を説明する。

標的からの反射光は外筒１の対物側から入りス
コープラチカル３等を経て接眼側に至り、さらに
射手の目に達する。これにより射手は標的像を視
認することができる。この際、スコープラチカル
３の支持筒４はハーフミラーのように標的からの
反射光を減衰させることがない。

ランプ１３からの光は支持筒４に接着された金
属箔８に至り、この金属箔８の金属光沢面により
反射されて射手の目に至る。これにより射手は、
金属箔８の照準点表示部１０の像を視認し、その
中心の円径部１０ｂに標的像を合致させることに
よつて照準を行なうことができる。上記照準点表
示部１０は光つて見えるため、特に夜明、夕方の
射撃の際に抜群の照準機能を発揮する。

また、射撃の際、スコープラチカル３は軽量で
あるためその支持部位が受ける衝撃は小さい。し
たがつて、支持筒４の傾斜面６の傾斜角および箔
体８の照準点表示部１０の傾斜角θは、上記射撃
時の衝撃によつて狂うことがなく、常に外筒１の
中心軸１ａに対して45゜に維持されており、安定
した照準機能を確保できる。

なお、本考案は上述した実施例に制約されず、
本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可
能である。

たとえば、ランプを用いずに単に外部光を光導
入孔から導入することにより、金属箔を照らすよ
うにしてもよい。

また、金属箔の照準点表示部は十字形であつて
もよい。さらに、枠部は完全な還状でなくてもよ
く傾斜面の一部に接着されるようなものであつて
もよい。

さらにまた、本考案のスコープラチカルはライ
フルスコープ以外の標的スコープにも用いること
ができる。

以上説明したように本考案のスコープラチカル
によれば、安価、軽量で耐衝撃性があり、しかも
照準点表示像を常に明確に視認でき、標的からの
光も減衰しない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はライ
フルスコープの側面図、第２図はスコープラチカ
ルを接眼側から見た図、第３図はスコープラチカ
ルの分解斜視図、第４図は金属箔の照準点表示部
を拡大して示す斜視図である。 ３……スコープラチカル、４……支持筒、６…
…傾斜面、８……金属箔、９……金属箔の枠部、
１０……金属箔の照準点表示部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 端部が傾斜するように形成された支持筒と、 (ロ) 枠部とこの枠部から中央に延びる照準点表示
   部とを有し、この枠部が上記支持筒の傾斜面に
   接着された金属箔 とを具備したことを特徴とするスコープラチカ
   ル。