JPS636594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガスと燃焼用空気との混合をノズル
部で行う拡散混合型ガス・バーナにおける燃焼用
補助空気流速調整装置に関するもので、その目的
とするところは、燃焼用補助空気吹出口面積を負
荷に応じて可変させることにより、流速を一定に
保ち燃焼効率を向上させることができる構造の比
較的簡単な流速調整機構を提供することにある。

従来の補助空気を用いた拡散混合型ガス・バー
ナ燃焼装置は、第１図に示すようなものであつ
た。すなわち、配管２よりノズルキヤツプ１に供
給された燃料は、吹出口１０および１１から供給
される１次、２次空気と反応して燃焼する。この
際、配管４から補助空気を送り、バーナ周囲から
火炎を包み込むように流す事により、燃料と燃焼
用空気の撹拌混合が促進され、燃焼効率を向上さ
せることができる。なお、この装置では、燃焼負
荷の変化に対し、燃焼用空気はダンパ８で調整さ
れ、補助空気および燃料は第２図、第３図に示す
ように、流入口を持つ相接触する内外２重同心円
筒管の一方（この図では内側）の回転により、流
入口１２，１３の開度を変化され、流量を調整さ
れる。また、２つの調整レバー６，７は連結棒９
により同期して作動する。ここで、補助空気は、
その流量は調整されるが、その吹出口面積（外側
円筒部１５の先端口縁５とノズルキヤツプ１の外
周部分とのすきまＡの面積）が変化しないため、
吹出速度が負荷により大きく変動し、最適速度を
維持することができない。したがつて、すべての
負荷に対して適正な燃焼状態を得ることが難しか
つた。

本考案は、従来装置のこのような欠点を解消
し、燃焼用空気の流速をほぼ一定の最適状態に保
ち、燃焼効率を向上させようとするものである。
以下、本考案をその一実施例である第４図を使つ
て説明する。

第４図はバーナ中心部のみを拡大したものであ
り、残りの機構はすべて第１図と同じである。中
心の内側円筒部１４と外側円筒部１５の接触部に
図の如くネジ１６を切る。両ネジは、前記補助空
気の流入口１２の重なりが広がる方向の前記両円
筒部１４，１５の相対的回転時には、内側円筒部
１４の先端のノズルキヤツプ１の外周部と外側円
筒部１５の先端口縁５との間の補助空気の吹出し
面積１７が広くなり、前記補助空気の流入口１２
の重なりが狭まる方向の相対的回転時には、前記
吹出し面積１７が狭くなるよう前記両円筒部１
４，１５の相対的軸方向移動を生起させうるネジ
結合とされている。

この構造により、内側円筒部１４が外側円筒部
１５の回転に同期して軸方向に動くようになり、
ノズルキヤツプ１の外周部分と外側円筒部１５の
先端口縁５とのすきま、すなわち補助空気吹出し
面積１７を可変とすることができる。つまり、第
２図に示すように、燃焼負荷に応じて補助空気入
口開度を回転によつて変化させ、流量を調整して
いるので、本考案システムで、ネジのピツチを適
正な値に選定すれば、吹出し流速をほぼ一定の最
適値に保つべく吹出し面積を流量と同期して調整
することができる。

第５図には、本考案装置と従来装置との比較を
表わすグラフが示されている。従来装置では、曲
線Ｂ，Ｃ，Ｄで示されるように、補助空気吹出し
面積一定の中低負荷では、その流速が低下し、燃
料と燃焼用空気の混合が悪化するので高い空気比
での燃焼が必要となり、排ガス損失の増大で燃焼
効率が悪化する。しかし、本考案装置では、曲線
Ｅ，Ｆ，Ｇで示されるように、補助空気吹出し面
積が負荷に対し可変であるから、その流速はほぼ
一定に保たれ、中低負荷でも混合が悪化せず、低
空気比燃焼が可能になり、高い燃焼効率を維持す
ることができる。

また構造的には、従来から存在する外側円筒部
の内周面にネジを形成し、このネジに同じく従来
から使用されている内側円筒部の外周面に形成し
たネジを螺合させるという簡単な機構のみで、両
円筒部の相対的回転による補助空気の流量の調整
と同時に、両円筒部の先端の間に形成されている
補助空気の吹出し面積を流量に対応して広狭に調
整されるので、機構を簡単としうる効果も有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の拡散混合型ガス・バーナの燃焼
負荷調整装置の略示縦断面図、第２図は第１図中
−線断面図、第３図は第１図中−線断面
図、第４図は本考案の実施の１例の要部の略示縦
断面図、第５図は燃焼負荷と燃焼効率、空気比、
補助空気流速の関係を示す線図である。 １：ノズルキヤツプ、２：燃料配管、３：燃焼
用空気配管、４：補助空気配管、５：外側円筒部
の先端口縁、６：開度調整レバー、７：ダンパ調
整レバー、８：ダンパ、９：連結棒、１０：１次
空気吹出口、１１：２次空気吹出口、１２：燃料
流量調整口、１３：補助空気流量調整口、１４：
内側円筒部、１５：外側円筒部、１６：ネジ、１
７：吹出し面積。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼用空気と燃料と補助空気との混合物をガス
   バーナのノズルで燃焼する拡散混合型ガスバーナ
   であつて、しかも、燃焼用空気の流量調整はダン
   パで行ない、相接触した外側と内側との２重同心
   の各円筒部のそれぞれにあけられた流入口を介
   し、外側円筒部の外部から内側円筒部の内部へ流
   れ込んでノズルまで達する燃料の流量調整は、２
   重同心円筒部を相対的に回転させることにより上
   記流入口の重なりの開度を変化させて行ない、前
   記外側円筒部と内側円筒部との間の空間がノズル
   キヤツプの外周部にまで達する補助空気の流路と
   され、その流量調整は、相接触した前記外側円筒
   部と内側円筒部とを相対的に回転させてそれぞれ
   にあけられた補助空気の流入口の重なりあいを変
   えることにより行なうガスバーナにおいて、前記
   外側円筒部の内周面に形成されたネジが、前記内
   側円筒部の外周面に形成されたネジに螺合され、
   両ネジは、前記補助空気の流入口の重なりが広が
   る方向の前記両円筒部の相対的回転時には、内側
   円筒部の先端のノズルキヤツプの外周部と外側円
   筒部の先端口縁との間の補助空気の吹出し面積が
   広くなり、前記補助空気の流入口の重なりが狭ま
   る方向の相対的回転時には、前記吹出し面積が狭
   くなるよう前記両円筒部の相対的軸方向移動を生
   起させうるネジ結合とされているガスバーナ燃焼
   用補助空気流速調整装置。