JPS6365340B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6365340B2
JPS6365340B2 JP14272285A JP14272285A JPS6365340B2 JP S6365340 B2 JPS6365340 B2 JP S6365340B2 JP 14272285 A JP14272285 A JP 14272285A JP 14272285 A JP14272285 A JP 14272285A JP S6365340 B2 JPS6365340 B2 JP S6365340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
living body
electromagnetic wave
applicator
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP14272285A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS625366A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP14272285A priority Critical patent/JPS625366A/ja
Publication of JPS625366A publication Critical patent/JPS625366A/ja
Publication of JPS6365340B2 publication Critical patent/JPS6365340B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハイパーサーミア用加温装置に係
り、特に電磁波を利用して生体内の癌組織を局所
加温し、これによつて当該癌組織の再生機能を停
止せしめ致死に至らしめるためのハイパーサーミ
ア用加温装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、加温療法〔「ハイパーサーミア」ともい
う〕を用いた治療法が脚光を浴びており、特に悪
性腫瘍を例えば43℃付近で1時間ないし2時間の
間連続加温するとともに、一定周期でこれを繰り
返すことにより癌細胞の再生機能を阻害せしめ、
同時にその多くを致死せしめることができるとい
う研究報告が相次いでなされている(計測と制御
Vol.22,No.10)。この種の加温療法としては、全
体加温法と局所加温法とがある。この内、癌組織
およびその周辺だけを選択的に温める局所加温法
としては、電磁波による方法、電磁誘導による方
法、超音波による方法等が提案されている。
一方、癌組織への加温は、当業研究者間におい
ては既に知られているように43℃付近が加温効果
のある温度とされており、これより低いと効果が
薄れ、逆にこれにより高いと正常組織に対し害を
与え好ましくない。即ちハイパーサーミアでは、
癌組織に致死障害を与え、正常組織にはあまり害
を与えないような狭い範囲に生体を保たねばなら
ない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、生体内の深部加温については、
生体機能の特殊性より当該目的の部位を43℃前後
の一定温度に1時間ないし2時間の間保持するこ
とは容易でない。特に電磁波による加温療法は、
生体表面の電磁波吸収率が著しく大きいことか
ら、従来技術では深部加温に適さないとされ、長
い間放置されていた。
かかる不都合を改善するため、発明者らは、先
に生体内の所定の患部を電磁波を用いて予め定め
た所定の温度に継続して一定時間高精度に加温す
ることのできる制御機能を備えたハイパーサーミ
ア用加温装置を提案している(特願昭59―40793
号)。
しかしながら、患部の加温治療は43℃前後とい
う高精度であることから患部周囲の正常組織への
悪影響もあり、その防止策については、依然とし
て完全なものは存在していないのが現状である。
〔発明の目的〕
本発明は、かかる従来技術及びその後の動向を
勘案し、生体内患部の加温治療に際し、とくに患
部以外の正常組織に対する異常加温を防止すると
ともに、この異常加温を検知した場合は直ちに電
磁波の照射を迅速に停止せしめるとのできるハイ
パーサーミア用加温装置を提供することを、その
目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明では、電磁波を出力する電磁波
発生手段と、この電磁波発生手段から出力される
電磁波を生体へ照射するアプリケータと、このア
プリケータの電磁波照射開口部側に装備される生
体表面冷却用の冷却機構とを備えたハイパーサー
ミア用加温装置において、前記電磁波発生手段と
アプリケータとの間に電磁波を吸収するダミーロ
ードを装備した電磁波切換手段を設け、前記アプ
リケータが当接される部分の生体内加温治療部の
温度測定を行う第1の温度計測手段と、前記アプ
リケータの当接部における生体表面の温度測定を
行う第2の温度計測手段と、前記加温治療部と生
体表面との間の生体内中間部の温度測定を行う第
3の温度計測手段とを設けるととともに、前記第
1および第2の各温度計測手段からの温度情報に
基づいて前記アプリケータからの電磁波出力を増
減制御する主制御部を装備し、前記第3の温度計
測手段が所定温度以上の温度を検出した場合、前
記主制御部の制御によつて前記電磁波切換手段を
作動せしめて電磁波の伝送先をダミーロード側に
切換え制御し、前記生体へのマイクロ波照射を一
時的に中断制御するという構成を採り、これによ
つて前記目的を達成しようとするものである。
〔作用〕
アプリケータを患部の加温部の表面に当接した
のち電磁波発生手段より電磁波を出力すると、当
接面における生体表面、その直下の生体内中間部
および加温治療部である生体内患部の温度が各々
上昇する。この場合、前記生体表面、その直下の
生体内中間部および生体内患部の温度が各部に設
けた温度計測手段により所定時間ごとに常時計測
されているので、例えば生体表面の必要以上の過
熱に対しては、前記主制御部の作用により電磁波
発生手段が降下制御され、同時に冷却機構の冷却
効果と併合し、生体表面の熱傷が有効に防止され
る。一方、生体内中間部における設定温度以上の
加温状態においては、主制御部の指示により直ち
に電磁波切換手段がダミーロード側に切換制御さ
れ、生体に対する電磁波の照射が所定時間中断制
御される。
このため、かかる点において少なくともこの第
3の温度計測手段が装備された部分の正常組織は
熱破壊等をおこすことなく有効に保護される。そ
して、当該生体内中間部の温度が設定値より下降
した場合は再び前記電磁波切換手段が主制御部に
より切換制御されて直ちに電磁波をアプリケータ
側へ送るように作動し、これによつて患部への加
温治療が迅速に再開される。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図ないし第8図
に基づいて説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す全体的系統図
である。この実施例におけるハイパーサーミア用
加温装置は、電磁波出力部としてのマイクロ波出
力部2と、主制御部を含む制御手段4と、アプリ
ケータを含むマイクロ波照射部6とから構成され
ている。
前記マイクロ波出力部2は、電磁波発生手段と
してのマイクロ波発振器(以下発振器という)8
と、この発振器8より出力されるマイクロ波をア
プリケータ20側又はダミーロードDM1側に切
換える電磁波切換手段としての同軸スイツチ12
と、該同軸スイツチ12を介して供給されるマイ
クロ波の出力を調整する電磁波可変減衰手段とし
ての減衰器14と、反射波が分岐回路10に混入
しないように反射波の影響を防止するアイソレー
タ17と、方向性結合器18と、ダイオード19
とから構成されている。
前記発振器8から出力されるマイクロ波は、各
患者の治療状況に合せて前記減衰器14で調整さ
れアプリケータ20を介して癌部に供給される一
方、後述するように生体内中間部温度が設定値を
越えた時等における同軸スイツチ12の切換えに
よりダミーロードDM1側に供給され、生体への
照射を中断できるようになつている。この同軸ス
イツチ12の切換えと前記減衰器14の衰量の調
整は主制御部25からの情報により逐次行なわれ
るようになつている。また、前記方向性結合器1
8は、入射波と反射波を別々に分離して取り出す
装置であり、ここで取り出されたマイクロ波は前
記ダイオード19で検波され、電圧変換された
後、A/D変換器16を介して主制御部25へ送
出されるようになつている。この主制御部25
は、取り出された入射波のパワーレベル値から反
射波のパワーレベル値を引き、後述するアプリケ
ータ20に有効に供給されるマイクロ波のパワー
を算出して、この結果から前記減衰器14の減衰
量を調整する機能を備えている。
一方、前記マイクロ波照射部6は、本実施例で
は、マイクロ波を生体32へ照射するアプリケー
タ20と、このアプリケータ20を開口部側すな
わち生体32の表面を冷却するための冷却機構3
4とによつて構成されている。30は、加温治療
部である癌組織の温度を検出する第1の温度計測
手段としての温度センサを示し、また、31は生
体表面と前記癌組織とのほぼ中間部の温度を検出
する第3の温度計測手段としての温度センサを示
す。そして、前記冷却機構34には、当該冷却機
構34に流通する冷却液の液温を調整する冷却装
置21と、この冷却装置21と前記冷却機構34
との間に冷却液を循環せしめるポンプ22と、こ
のポンプ22を駆動制御するためのポンプ駆動制
御手段としてのポンプコントローラユニツト24
と、前記冷却液の流量を検出する流量センサ26
と、冷却液の温度を検出する第2の温度計測手段
としての温度センサ28と、前記冷却装置21を
制御し、冷却水の冷却調整を行う冷却制御回路2
3とが、各々が第1図に示すように連結装備され
ている。
これを更に詳述すると、まず、前記アプリケー
タ20は、第2図に示すように生体32に当接し
て該生体32内にマイクロ波を照射し、目的の癌
組織を加温するためのアンテナである。このた
め、このアプリケータ20には、皮膚部分での誘
電損失による過熱によつて皮膚に熱傷が起きない
ようにする必要性から、前述した冷却機構34が
設けられている。この冷却機構34には、本実施
例で冷却液として使用している水を通すためのパ
イプ36が装備されており、前記冷却装置21で
冷却された水を前記ポンプ22で強制的に循環さ
せている。このポンプ22の回転数は前記ポンプ
コントロールユニツト24によつて一定流量に制
御されており、必要に応じてこの回転数の増減に
より冷却水の流量を変化させるとともに、この冷
却水の温度を前記冷却装置21により制御し、こ
れら冷却水の流量及び水温の変化により冷却水の
温度を調整して生体32の表面温度を調整してい
る。また、冷却水の流量は流量センサ26によつ
て検出され、この検出された情報はA/D変換器
38を介して主制御部25へ送られ、前記ポンプ
22の回転数を制御するための1つの基準値とな
つている。更に、前記冷却機構34の水温を検出
するための温度センサ28が当該冷却機構34の
水の排出側に設けられており、ここで検出される
温度情報を基にしてアプリケータ20と接触して
いる生体32の表面温度を求める構成となつてい
る。この表面温度は前記ポンプ22の回転数及び
前記冷却装置21の水温を調整するためのメイン
情報となる。
前記温度センサ30は前述したように、加温治
療部としての癌組織の温度を検出するためのセン
サであり、一方、前記温度センサ31は癌組織と
生体32表面との間の生体内中間部の温度を検出
するセンサであり、これら各センサで得られる情
報を基にして、前記減衰記14の減衰量の調整が
主制御部25で行われるようになつている。
一方、前記制御手段4は、オペレータからの各
情報を入力し、また、治療状況をオペレータに知
らせるための入出力部44と、プログラムメモリ
及びデータメモリに基づいて、入出力装置等を制
御・管理する本システムの中枢となる主制御部2
5とからなる。この主制御部25は、本実施例で
は減衰器14の減衰量を制御する第1の制御手段
と、同軸スイツチ12を切換制御する第2の制御
手段と、マイクロ波発振器8を「オン」・「オフ」
制御する第3の制御手段と、ポンプコントロール
ユニツト24を介してポンプ22の回転数を制御
する第4の制御手段と、冷却制御回路23を介し
て冷却装置21を駆動し前記冷却機構34に流通
する冷却液の液温を制御する第5の制御手段とを
備え、上記各センサ19,26,28,30,3
1で得られた情報をアナログ・デジタル変換器
(以下、単に「A/D変換器」という)16,3
8,40,41,42を介して入力し、この情報
とオペレータの指示を受けた入出力部44とから
の情報に基づいて癌組織の温度、生体内中間部温
度及び生体表面温度が所望の値に保たれるよう
に、ポンプ22の回転数と冷却装置21の出力と
減衰器14の減衰量と同量スイツチ12の切換え
とを制御するとともに、加温状態をオペレータに
知らせるべく上述した各情報を入出力部44に送
出するようになつている。
次に、第3図に基づいて上記装置の全体的な動
作について説明する。なお、アプリケータ20と
接触する生体表面温度を20℃、生体内中間部温度
を40℃、癌組織に対しての加温を43.5℃とする。
まず、冷却装置21及びポンプ22を始動させ
(同図50)、十分に水が冷却された後、流量セン
サ26から検出される情報によつて主制御部25
内の第4の制御手段が機能し、冷却水が最小循環
されるようにポンプ22の回転数制御を行う(同
図54,56)。そして、この後オペレータが癌
組織の深部に合わせて入力した値を減衰器14の
最小減衰量として設定する(同図58)。
このように減衰器14の最小減衰量を癌組織の
深部に合わせて設定するのは、マイクロ波の出力
が大(この場合、最小減衰量の値は小)であると
加温時の温度ピークが表面近くになるのに対し
て、マイクロ波の出力が小(最小減衰量の値は
大)であると温度が徐々に深部へ浸透するように
温度ピークが深部へ移行することから、各患者に
適した値に設定する必要があるからである。第6
図は2450〔MHz〕のマイクロ波をある基準量に基
づいて照射した場合に得られる温度分布(A)と、こ
の場合の基準量に対し3〔dB〕出力を減じた場合
のマイクロ波の照射によつて得られる温度分布(B)
との比較を示す。かかる周波帯は加温療法用とし
ては最も周波数の高い領域であり、従つて加温深
さは表層に限定されている。それにもかかわらず
出力を減じた方が約0.25〔cm〕奥で温度ピークに
達していることがわかる。但し、出力を減じると
癌組織を目的の温度にするのにより多くの時間を
要する。第7図一定時間ごとの温度分布上昇を示
しており、時間の経過とともに、上昇率が下降し
ている。これは生体表面が冷却されていることか
ら内部の温度が上がるにつれて外部へ熱が奪われ
てしまうことと、生体の血流作用に影響されるか
らである。
上述した減衰器14の最小減衰量の設定は、前
記方向性結合器18からの情報に基づいて主制御
部25で行なわれる。即ち、該方向性結合記18
で検出される入射波と反射波のパワー値の差か
ら、アプリケータ20に有効に供給されるマイク
ロ波の出力を求め、この出力を入出力部44でオ
ペレータによつて設定された値に合わせることで
減衰器14の最小減衰量の設定が行われる。な
お、この場合、予めフアントムモデルを使つて最
小減衰量の設定を行なつておいてもよい。最小減
衰量の設定が行われた後、この最小減衰量に基づ
いてマイクロ波照射を開始し(第3図60)、生
体各部の温度計測を行う(同図62)。この場合、
オペレータが予め入力した所定時間経過後に温度
計測に入る。これは、マイクロ波照射における生
体加温には、マイクロ波照射開始後ある程度時間
が経過しないと生体各部が設定値近くまで加温さ
れないためである。
温度計測がなさた後は、まず生体内中間部の温
度がオペレータによつて予め入力された設定値
(40℃)より高いか否かが判断される(同図6
4)。そしてこの温度が設定値より高い場合、直
ちに主制御部25の第2の制御手段により前記同
軸スイツチ12がダミーロードDM1側に切換え
られ、生体に対するマイクロ波の照射を中断し
(同図)、再び生体内中間部温度を計測した後、生
体内中間部温度が低レベル設定値に下るまで温度
計測ループを繰返す(同図68,70)。この場
合、マイクロ波照射を中断し、所定温度に下るま
で次の処理に移らないのは、生体内中間部が設定
値(40℃)以上に加温された状態で、これ以上マ
イクロ波を継続照射すると、たとえマイクロ波出
力を降下制御したとしても、生体内中間患部の温
度が上昇し続け、正常組織に悪影響を及ぼす温度
に容易に到達することが実験的に明らかなので、
これを事前に防止する為に行なつている。そして
この温度が低レベル設定値まで下つたならば、主
制御部25の第1の制御手段は減衰器14の減衰
量を1ステツプ上げるとともに前記同軸スイツチ
12をアプリケータ20側に切換え、生体32に
対するマイクロ波照射を再開し(同図72,7
4)再び図中ステツプ62に戻り温度計測を行
う。
一方、生体内中間部温度がオペレータによつて
入力された中間部温度設定値(40℃)よりも低い
場合は、生体32表面温度がオペレータによつて
予め入力された表面温度の設定値(20℃)より高
いか否かが判断される(第3図76)。表面温度
が設定値より高い場合、主制御部25内の第4の
制御手段は、ポンプコントロールユニツト24へ
ポンプ22の回転数を上げるべく指示を与えると
ともに、主制御部25内の第5の制御手段は冷却
制御回路23へ冷却水の水温を下げるべく指示を
与え、生体表面温度が設定値より下がるまでポン
プ22の回転数及び冷却装置21の出力(冷却効
果)を1ステツプごとに上げ(同図78)、水温
を下げることで生体表面の冷却を行う。この結
果、表面温度が設定値より下がつた後は、生体3
2の表面を冷却しすぎないようにポンプ22の回
転数を1ステツプ下げる(但し水流の最小循環を
下まわることはない)とともに冷却装置21の出
力(冷却効果)を1ステツプ下げ(同図80)、
その後、生体内患部温度の調整にはいる(同図8
6)。この場合、ポンプ22によつて水が循環さ
れていることから、生体32の表層に熱傷が生ず
ることがないため冷却装置21の出力をオフとし
てもよい。
ここで、患部温度がオペレータによつて入力さ
れた温度設定値(43.5℃)よりも低いとき、主制
御部25内の第1の制御手段は減衰器14の減衰
量を1ステツプダウンし、マイクロ波の照射出力
を上げる。但し、この場合、最初に設定した最小
減衰量(同図58参照)を下まわることはない
(同図88,90)。そして加温終了か否かを判断
し(同図92)、終了ならば全ての治療を終了し
(同図94)、終了でなければ直ちにこの減衰量に
基づいてマイクロ波の照射を行い、同図62に戻
り温度計測を行い、癌組織が設定温度よりも高く
なるまで、減衰器14の減衰量を1ステツプ毎ダ
ウンし、マイクロ波の照射がなされる。この結
果、癌組織の温度が設定値以上になつたならば、
初めて設定値を越えたかどうか判断し(同図8
1)、初めてならば主制御部25は加温時間の測
定を開始し(同図82)、図中84に進み、そう
でなければ、そのまま図中84に進む。即ち癌組
織の温度が患部温度設定値より高くなつた場合
は、主制御部25内の第1の制御手段は減衰器1
4の減衰量を1ステツプ毎アツプし(同図84)、
次に第4及び第5の制御手段によりポンプコント
ロールユニツト24及び冷却制御回路23を介し
て、それぞれポンプ22の回転数及び冷却装置2
1の出力を1ステツプ毎アツプする(同図78)。
これは、図中80でポンプ22の回転数及び冷却
装置21の出力を1ステツプ下げたことを填補す
るためである。つまり、癌組織の温度が設定値よ
り高くなつたときはなるべく早く癌組織の温度を
設定値に近づけるように生体32の表面温度を冷
やす必要があるからである。
ところで、加温時間と癌組織を致死に至らしめ
るための相関関係は癌組織が43℃付近の温度にな
つてからの時間によつて左右される。したがつ
て、本実施例では、癌組織が設定値を越えた時点
から加温時間を計測し(同図82)、予めオペレ
ータによつて入力された加温時間が到来したとき
に加温を終了する(同図94)。
第6図は、各マイクロ波照射時と計測時の癌組
織の温度状態と、マイクロ波の出力状態とを示し
ている。この図において、温度分布が上昇してい
る間隔がマイクロ波出力上昇時であり、温度分布
が下降している間隔がマイクロ波出力降下時であ
る。図中A点は減衰器14の最小減衰量によるマ
イクロ波の照射の結果、患部温度が初めて設定温
度を越え、計測が始まつた時点を示しており、こ
こから上述した加温時間が開始される。そして、
この後は内部温度が43.5℃以下になるまでマイク
ロ波出力降下制御を続ける(図中BC)。従つて、
BC間ではAB間に対して傾きが下がつている。
また減衰器14の減衰量を上げすぎてしまつたた
め早急に温度が43.5℃に達しなかつた場合(例え
ば図中CD)は、第3図のフローチヤートのステ
ツプ90で示したようにただちに減衰量を下げマ
イクロ波の出力のアツプが図られることから、再
び傾きが上昇する(例えば図中DE)。このような
制御の繰り返しによつて、ほとんどリツプルのな
い温度制御が得られる。
なお、マイクロ波照射中、最初に43.5℃を越え
る時点で43.5℃を越えても1.5℃以上上昇しない
ように減衰器14の最小減衰量と照射時間を設定
しておく必要がある。1.5℃以上上昇すると45℃
を越えることとなり、正常組織に悪影響を与えて
しまうからである。この設定値を定める方法とし
て、例えばマイクロ波の照射の初期を段階(第6
図中OP)の温度上昇を3℃以下にするという設
定方法が考えられる。これは第5図に示したよう
に、各時間の温度上昇率が初期の段階では上昇し
易く、43.5℃付近では上昇率が1/2程度になつて
いることが根拠となつている。
一方、第7図は比較的深部に癌組織があるた
め、減衰器14の最小減衰量を高く設定した場
合、即ちマイクロ波の最大出力を低く設定した場
合の癌組織の温度状態を示している。
第8図は中間部温度が設定値以上の温度を検出
した場合にマイクロ波を継続照射したときの生体
深部の温度状態を示す。この図において仮に
A′点において中間部温度が設定値を越えた場合、
マイクロ波を継続照射すると、そのマイクロ波の
強弱に関係なく、生体内中間部は大幅に設定温度
を越え(図中B′点)てしまう。すなわちこのよ
うな状態になると、生体内中間部の正常組織が正
常組織に悪影響を及ぼす温度に加温されてまうの
で、すみやかにマイクロ波の照射を中断しなけれ
ばならない。
なお、深部加温を行うには比較的低い周波数を
用いればよいことから、上記実施例で用いたマイ
クロ波発振器の代わりに低い周波数のマイクロ波
の発振を行うのに適した発振器およびリニアアン
プを用いてもよい。その場合パワー出力の可変
は、減衰器14により減衰量を制御して行う。但
し、この場合反射波による影響をなくすためアイ
ソレータを用いる必要がある。
また上述した実施例において特に生体表面の温
度計測を冷却機構34の水温を検出して判断して
いたが、本実施例はこれに限らず、生体表面を直
接温度センサで計測するようにしてもよい。更
に、生体表面を冷却するために、ポンプ22の回
転数及び冷却装置21の出力を可変制御し冷却水
温を調整しているが、これはどちらか一方を制御
するようにして冷却水温の調整を行つてもよい。
第9図は、上記実施例において生体各部の温度
計測時にマイクロ波の照射を中断した場合のフロ
ーチヤート(第3図のフローチヤートの点線部分
を変更したものである)を示す。
即ち、この第9図においては、減衰器14の最
小減衰量設定後、一定時間マイクロ波を生体に対
して照射し(第9図100)、その後同軸スイツ
チ12をDM1側に切換えてマイクロ波の照射を
中断(同図101)し、生体表面、生体内中間
部、患部の温度計測を行い(同図102)、生体
中間部温度が設定値より高い場合は、該生体中間
部温度が低レベル設定値に下るまで中間部温度計
測ループを繰り返し(同図104,105)、下
つたならば減衰器14の減衰量を1ステツプアツ
プするようにに設定して、再び一定時間マイクロ
波照射を行うようにする(同図100)。一方、
中間部温度が設定値より低い場合は、前述した第
3図に示すフローチヤート同様の処理がなされる
が、生体表面温度又は生体患部温度が設定値より
も高かつた場合(同図107,110参照)、そ
れぞれ温度を下げるために温度計測ループ(同図
111,112,113,108参照)に入る
が、この時、第9図では、表面温度及び患部温度
が設定値に下るまで温度計測ループを繰り返し、
前記これらの温度が設定値以下に下つたならば、
再びこの間に調整した減衰記14の減衰量に従つ
て図中100に戻り一定時間マイクロ波を照射す
る。その他の構成は、第3図と同様である。
以上のように構成しても、第10図に示すよう
に癌組織の加温に対し、多少立上り時間が長くな
るが、ほぼ第3図のものと同様の効果が得られ、
特に高い周波数の電磁波を使用する加温治療に有
利となる。
このように、本実施例では、主制御部において
マグネトロンの出力制御及び冷却機構の出力制御
を行つているので、加温箇所の深部が異なる加温
治療法に対しても、これに対応して各加温設定値
を主制御部に入力れば容易に加温療法が実施でき
ると共に、生体表面及び生体内中間部を必要以上
に過熱することが少なく、しかも過熱時には冷却
水の流量及び液温制御を同時に行うので冷却効果
が大きい。更に、生体中間部の温度を常時計測し
ているので、生体内中間部の正常組織に対する異
常過熱を事前に防止できるので、高精度な加温治
療法が実施できる。
また、マイクロ波の照射出力を減衰器により可
変制御しているので、構造が簡単であるととも
に、マイクロ波の照射中断制御時も単に同軸スイ
ツチでダミーロード側に切換え制御するだけなの
で信頼性が高く、しかも温度計測時にマイクロ波
の出力を中断制御しないのでエネルギー損失を少
なくすることができる。
なお、上記実施例では、とくに減衰器14を使
用した場合を例示したが、本発明はこの減衰器1
4を使用しない場合にも、そのまま適用されるも
のである。
〔発明の効果〕
本発明は以上のように構成され作用するので、
これによると、とくに、主制御部の働きにより、
電磁波発生手段を止めることなく電磁波切換手段
を制御するだけで電磁波がアプリケータ側に送ら
れるのを一時的に且つ迅速に中断制御することが
でき、これがため、生体表面の過熱はもとより生
体内中間部分の正常組織の過熱をも有効に防止す
ることができるという従来にない優れたハイパー
サーミア用加温装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体的系統
図、第2図はアプリケータの使用状態を示す斜視
図、第3図は第1図の動作例を示すフローチヤー
ト、第4図は生体に対するマイクロ波の最大出力
レベルを変えた場合の生体内における温度ピーク
の変化を示す説明図、第5図は各加温時における
生体内の温度分布上昇を示す説明図、第6図ない
し第7図は各マイクロ波照射時における癌組織の
温度状態とマイクロ波の照射出力状態とを示す説
明図、第8図は生体中間部の異常加温状態を示す
説明図、第9図はその他の実施例を示すフローチ
ヤート、第10図はその他の実施例におけるマイ
クロ波照射時と温度計測時の癌組織の温度状態と
マイクロ波の照射出力状態とを示す説明図であ
る。 8……電磁波発生手段としてのマイクロ波発振
器、12……電磁波切換手段としての同軸スイツ
チ、20……アプリケータ、25……主制御部、
28……第2の温度計測手段としての温度セン
サ、30……第1の温度計測手段としての温度セ
ンサ、31……第3の温度計測手段としての温度
センサ、32……生体、34……冷却機構、DM
1……ダミーロード。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 電磁波を出力する電磁波発生手段と、この電
    磁波発生手段から出力される電磁波を生体へ照射
    するアプリケータと、このアプリケータの電磁波
    照射開口部側に装備される生体表面冷却用の冷却
    機構とを備えたハイパーサーミア用加温装置にお
    いて、 前記電磁波発生手段とアプリケータとの間に、
    電磁波を吸収するダミーロードを装備した電磁波
    切換手段を設け、 前記アプリケータが当接される部分の生体内加
    温治療部の温度測定を行う第1の温度計測手段
    と、前記アプリケータの当接部における生体表面
    の温度測定を行う第2の温度計測手段と、前記加
    温治療部と生体表面との間の生体内中間部の温度
    測定を行う第3の温度計測手段とを設けるととも
    に、前記第1及び第2の各温度計測手段からの温
    度情報に基づいて前記アプリケータからの電磁波
    出力を増減制御する主制御部を装備し、 前記第3の温度計測手段が所定温度以上の温度
    を検出した場合、前記主制御部の制御によつて前
    記電磁波切換手段を作動せしめて電磁波の伝送先
    をダミーロード側に切換え制御し、前記生体への
    マイクロ波照射を一時的に中断せしめることを特
    徴とするハイパーサーミア用加温装置。
JP14272285A 1985-06-30 1985-06-30 ハイパ−サ−ミア用加温装置 Granted JPS625366A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14272285A JPS625366A (ja) 1985-06-30 1985-06-30 ハイパ−サ−ミア用加温装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14272285A JPS625366A (ja) 1985-06-30 1985-06-30 ハイパ−サ−ミア用加温装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS625366A JPS625366A (ja) 1987-01-12
JPS6365340B2 true JPS6365340B2 (ja) 1988-12-15

Family

ID=15322056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14272285A Granted JPS625366A (ja) 1985-06-30 1985-06-30 ハイパ−サ−ミア用加温装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS625366A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS625366A (ja) 1987-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0138507B2 (ja)
JPS6236710B2 (ja)
JPS6362225B2 (ja)
JPH0356747B2 (ja)
JPH0241976B2 (ja)
JPS6365340B2 (ja)
JPH0241979B2 (ja)
JPH0241972B2 (ja)
JPH0241975B2 (ja)
JPH0241977B2 (ja)
JPH0241980B2 (ja)
JPS6133669A (ja) ハイパーサ−ミア用加温装置
JPH0241978B2 (ja)
JPH0241974B2 (ja)
JPH0256106B2 (ja)
JPH0241973B2 (ja)