JPH0241979B2 - - Google Patents

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JPH0241979B2
JPH0241979B2 JP60142720A JP14272085A JPH0241979B2 JP H0241979 B2 JPH0241979 B2 JP H0241979B2 JP 60142720 A JP60142720 A JP 60142720A JP 14272085 A JP14272085 A JP 14272085A JP H0241979 B2 JPH0241979 B2 JP H0241979B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハイパーサーミア用加温装置に係
り、特に複数の患者に対し、個々に好適な治療が
できるように構成されたハイパーサーミア用加温
装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、加温療法〔「ハイパーサーミア」ともい
う〕を用いた治療法が脚光を浴びており、特に悪
性腫瘍を例えば43〔℃〕付近で1時間ないし2時
間の間連続加温するとともに、一定周期でこれを
繰り返すことにより癌細胞の再生機能を阻害せし
め、同時にその多くを致死せしめることができる
という研究報告が相次いでなされている(計測と
制御Vol.22、No.10)。この種の加温療法としては、
全体加温法と局所加温法とがある。この内、癌組
織およびその周辺だけを選択的に温める局所加温
法としては、電磁波による方法、電磁誘導による
方法、超音波による方法等が提案されている。
一方、癌組織への加温は、当業研究者間におい
ては既に知られているように43〔℃〕付近が加温
効果のある温度とされており、これより低いと効
果が薄れ、逆にこれより高いと正常組織に対し害
を与え好ましくない。即ち、ハイパーサーミアで
は、癌組織に致死障害を与え、正常組織にはあま
り害を与えないような狭い範囲に加温温度を保た
ねばならない。
しかしながら、従来技術においては、生体の特
に深部加温については、生体機能の特殊性より当
該目的の部位を43〔℃〕前後の一定温度に1時間
ないし2時間の間保持することは容易でない。特
に電磁波により加温療法は、生体表面の電磁波吸
収率が著しく大きいことから、従来技術では深部
加温に適さないとされ、長い間放置されていた。
そこで、発明者らは、先に生体内の所定の加温
箇所を電磁波を用いて予め定めた所定の温度に継
続して一定時間高温度に加温することのできる制
御機能を備えたハイパーサーミア用加温装置(特
願昭59―40793号)を提案している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
加温療法は、1回の治療時間が比較的長く(約
1時間)、また治療回数も一定期間をおいて複数
回(約5〜7回)繰り返して成されるため、患者
一人に対する合計治療時間が非常に長い。このた
め、多くの患者に対して早期に且つ迅速に治療を
行うには、必然的に複数の治療設備が必要とな
る。
一方、このことは、同時に莫大な設備投資を要
するばかりでなく、複数の設備に対してはそれら
を的確に操作して各患者に対応した最適な治療条
件を設定する必要があることを意味する。そのた
めには多くの時間と労力を要するという治療用医
療機器特有の課題があり、また、加温治療におけ
る患部治療中に、いかにしてその患部周囲の正常
組織を保護するかという技術的課題が残されてい
る。これがため、設備の負担を少なくするととも
に複数の加温装置をいかに迅速に管理し、且つい
かにして多くの患者に対して正常組織を保護しな
がら迅速に治療をなし得るかが、従来より加温療
法に課せられた重要な課題とされていた。
〔発明の目的〕
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、
複数の患者を同時に平行して治療し得るととも
に、装置全体の設備投資を抑え、とくに、生体内
患部の加温治療時に周囲の正常組織を有効に保護
することのできるハイパーサーミア用加温装置を
提供することを、その目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明では、複数の患者に対応して装
備された複数の電磁波発生手段と、これらの各電
磁波発生手段から出力される電磁波を生体へ照射
せしめる複数のアプリケータと、この各アプリケ
ータに装備される生体表面冷却用の冷却機構と、
アプリケータが当接される部分の生体内加温治療
部の温度測定を行う第1の温度計測手段と、各ア
プリケータが当接する生体表面部分の温度測定を
行う第2の温度計測手段と、各加温治療部と生体
表面との間の生体内中間部の温度測定を行う第3
の温度計測手段とを備えている。また、これらの
温度計測手段の出力により各電磁波発生手段の出
力を増減もしくは切換え制御する単一の主制御部
を設けるとともに、いづれかのアプリケータに係
る第3の温度計測手段が予め設定した所定温度以
上の温度を検出した場合、直ちに主制御部が作動
して該当する電磁波発生手段を選択しその出力を
一時的に中断制御するという構成を採つている。
これによつて前述した目的を達成しようとするも
のである。
〔作 用〕
各アプリケータを各患者の加温部の表面に当接
したのち各患者に対応する各電磁波発生手段より
電磁波が各患者の加温治療部に出力されると、当
接面における生体表面、その直下の生体内中間部
および加温治療部である生体内患部の各温度が上
昇する。この場合、生体表面、その直下の生体内
中間部および生体内患部の温度がこれら各部に設
けた温度計測手段により所定時間ごとに常時計測
され、各患者の全情報が単一の主制御部に送られ
て切換え処理される。そして各患者に対する加温
制御が各別に順次行われる。例えば、いづれかの
患者の生体表面の必要以上の過熱に対しては、主
制御部の指示により、当該患者に対応する電磁波
発生手段の出力が降下制御される。この場合、生
体表面は冷却機構によつて、常時冷却されている
ので、該生体表面の熱傷は有効に防止される。ま
た、前述した生体内中間部における設定温度以上
の加温状態においては、主制御部の指示により直
ちにこれに対応する電磁波発生手段の出力が所定
時間、中断制御される。このため、複数の患者に
対する生体内患部の加温治療が、各患者の生体内
中間部の正常組織を保護しながら、患者の苦痛を
伴うことなく、1つの主制御部に時系列的に集中
管理されて同時進行され、効率よくしかも長時間
安全に行われる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図ないし第10
図に基づいて説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す一部省略した
全体的系統図である。このハイパーサーミア用加
温装置は、電磁波発生部としてのマイクロ波発生
部2と、制御手段を含む単一の制御部4と、マイ
クロ波照射出力する複数のアプリケータ20と、
生体表面を各別に冷却する表面冷却手段6とから
構成されている。
マイクロ波発生部2は、複数人の患者(本実施
例では3人)に同時に電磁波を照射する電磁波発
生手段としての複数のマグネトロン8と、これに
対応してそれぞれ装備された方向性結合器10、
ダイオード12およびパワーコントロールユニツ
ト14とからなる。この内、パワーコントロール
ユニツト14は、サイリスタによる制御でマグネ
トロン8のアノード電圧を変化させ、マグネトロ
ン8の出力を調整する制御回路である。また、方
向性結合器10は、入射波と反射波を別々に分離
して取り出す装置であり、ここで取り出された電
磁波はダイオード12で検波され、電圧変換され
た後、A/D変換器(図示せず)を介して単一の
主制御部18へ送出されるようになつている。
この主制御部18は、取り出された入射波のパ
ワーレベル値と反射波のパワーレベル値との差を
とり、後述するアプリケータ20に有効に供給さ
れるマイクロ波のパワーを算出して、この結果か
らマグネトロン8の出力を調整する機能を備えて
いる。
一方、表面冷却手段6は、本実施例では各アプ
リケータ20の開口部側すなわち生体表面部分を
冷却するための冷却液を各別に冷却する複数の冷
却装置16と、該冷却装置16を制御し冷却液の
冷却調整を各別に行なう冷却制御回路15とを備
えている。そして、これらに対応して、該冷却装
置16で冷却された冷却液を循環させるポンプ1
8と、冷却液の流量を調整するためのバルブ24
と、該バルブ24を制御するためのバルブコント
ロールユニツト25と、冷却液の流量を検出する
流量センサ26と、冷却液の温度を検出する第2
の温度計測手段としての温度センサ28と、加温
治療部である癌組織の温度を検出する第1の温度
計測手段としての温度センサ30と、生体32表
面と癌組織の生体内中間部の温度を検出する第3
の温度計測手段としての温度センサ31とを備え
た構成となつている。なお、他の2人の患者にお
けるアプリケータ20、各種センサ等は省略して
ある。
アプリケータ20は、第2図に示すように生体
32に当接して、該生体32に電磁波を照射し、
目的物である癌組織を加温するためのアンテナで
あり、生体32との接触面には皮膚部分での誘電
損失による加熱によつて皮膚に熱傷が起きないよ
うにする必要性から、冷却機構34が設けられて
いる。該冷却機構34には、本実施例で冷却液と
して使用している水を通すためのパイプ36が設
けられている。冷却装置16で冷却された水はポ
ンプ22で強制的に循環させられ、バルブ24に
よつて流量が調整され、該冷却機構34内を通過
させることでアプリケータ20の開口面に位置す
る生体表面を冷却している。
一方、バルブ24の開閉度は、バルブコントロ
ールユニツト25によつて制御されている。この
バルブ24の開閉度によつて冷却水の流量を変化
させるとともに、冷却制御回路15を介して、冷
却装置16の出力(冷却能力)の調整を行われ、
冷却液の水温を調整することにより、生体表面の
温度調整をしている。
冷却水の流量は流量センサ26によつて検出さ
れており、この検出された情報はA/D変換器
(図示せず)を介して後述する単一の主制御部1
8へ送出され、バルブ24の開閉度を制御するた
めの1つの基準値となる。また、冷却機構34の
水温を検出するための温度センサ28が当該冷却
機構34の水の排出側に設けられており、ここで
検出される温度情報を基にしてアプリケータ20
と接触している生体表面温度を求める構成となつ
ている。更に、この生体表面温度はバルブ24の
開閉度及び冷却装置16の出力を調整するための
メイン情報となる。
温度センサ30は、加温治療部としての癌組織
の温度を検出するためのセンサであり、また温度
センサ31は生体表面と癌組織の間の生体内中間
部の温度を検出するためのセンサであり、これら
各センサで得られる情報を基にして、マグネトロ
ン8の出力調整が後述する単一の主制御部18で
行われるようになつている。
一方、制御部4は、オペレータからの各情報を
入力し、また、治療状況をオペレータに知らせる
ための単一の入出力部44と、プログラムメモリ
及びデータメモリに基づいて入出力装置などを制
御・管理し本システムの中枢となる単一の主制御
部18とからなつている。
この主制御部18には、本実施例では3人の患
者からそれぞれ3系統(3台からの情報、3台へ
の情報)の情報が入出力されており、この3系統
からの情報を主制御部18内のマルチプレクサに
より順次切り換え、3系統が1台のA/D変換器
およびD/A変換器(図示せず)で処理できるよ
うになつている。
つまり、主制御部18は、上記3名の患者の各
センサ12,26,28,30,31で得られた
情報をマルチプレクサにより順次切り換えてA/
D変換器を介して入力する。そして、この情報と
オペレータの指示を受けた入力部44からの情報
とに基づいて、癌組織の温度と、生体表面の温度
と、生体内中間部の温度とが所望の値に保たれる
ように、D/A変換器を介してマルチプレクサに
より順次切り換えながら、バルブ24の開閉度と
冷却装置16の出力とマグネトロン8の出力を制
御するとともに、加温状態をオペレータに知らせ
るべく上述した各情報を入出力部44に送出する
ようになつている。
次に、第3図ないし第10図に基づいて、上記
装置の全体的な動作について説明する。ここで、
アプリケータ20と接触する生体表面温度を20
〔℃〕、生体内中間部温度40〔℃〕,癌組織に対して
の加温を43.5〔℃〕とする。
まず、冷却装置を始動させ(第3図50)、充
分に水が冷却された後、ポンプを始動させ(同図
52)、流量センサ26から検出される情報によ
つて、冷却水が最小循環されるように各バルブ2
4の制御を行なう(同図54,56)。そして、
この後オペレータが各患者の癌組織の深部に合わ
せて入力した値をマグネトロン8の最大出力とし
て設定する(同図58)。このようにマグネトロ
ンの最大出力を癌組織の深部を合わせて設定する
のは、マイクロ波の出力が大であると加温時の温
度ピークが表面近くになるのに対し、出力が小で
あると温度が徐々に深部へ浸透するように温度ピ
ークが深部へ移行することから、各患者に適した
値に設定する必要があるからである。
第6図は2450〔MHz〕のマイクロ波をある基準
量に基づいて照射した場合に得られる温度分布(A)
と、この場合の基準量に対して出力を3〔dB〕減
じた場合のマイクロ波の照射によつて得られる温
度分布(B)との比較を示す。かかる周波数帯は加温
治療用としては最も周波数の高い領域であり、従
つて加温深さは表層に限定されている。それにも
かかわらず出力を減じた方が0.25〔cm〕奥で温度
ピークに達していることがわかる。但し、出力を
減じると癌組織を目的の温度にするのにより多く
の時間を要する。第7図は一定時間ごとの温度分
布上昇を示しており、時間の経過とともに、上昇
率が下降している。これは生体表面が冷却されて
いることから内部の温度が上がるにつれて外部へ
熱が奪われてしまうことと、生体の血流作用に影
響されるからである。
上述したマグネトロン8の最大出力の設定は、
方向性結合器10からの情報に基づいて主制御部
18で行なわれる。即ち、該方向性結合器10で
検出される入射波と反射波のパワー値の差から、
アプリケータ20に有効に供給されるマイクロ波
の出力を求め、この出力を入出力部44でオペレ
ータによつて設定された値に合わせることでマグ
ネトロン8の最大出力の設定が行われる。
なお、この場合予めフアントムモデルを使つて
最大出力の設定を行なつておいてもよい。また、
ここでの各患者に対する最大出力をそれぞれ、
P1,P2,P3とする。
このようにして、マグネトロン8の最大出力が
設定された後は、オペレータから入力された各患
者に対する加温時間を設定する(第3図60)。
これも、各患者の病状に合わせて治療時間を決め
る必要があるからである。
以上のように初期値が設定された後は、各患者
に対してマイクロ波照射が行なわれる(同図6
2)。この詳細なフローチヤートは第4図に示し
てある。但し、この場合、予めオペレータにより
設定された所定時間,マイクロ波を照射してから
第4図のフローチヤートに入る。これは、生体に
対する加温がマイクロ波の最大出力照射であつて
も、急には加温されず、時間を要するためであ
る。
ところで、この第4図のシステムソフトウエア
は、第5図に示す主制御部内のシステムクロツク
に同期して、行なわれるようになつている。
即ち、システムクロツク(例えば1)が入力さ
れると、第5図に示す「Δh」なるわずかな時間
で第4図に示すシステムソフトウエアの処理がな
され、このシステムソフトウエアにおける判断に
より、生体各部の加温状態に対応したマグネトロ
ン8の出力等の決定がなされる。そして、これに
基づいて一定時間(第5図H参照)マイクロ波の
照射が行われた後(システムソフトウエアの判断
によりマイクロ波照射を行なわない場合も当然あ
る)、次に来るシステムクロツク1に同期して、
再びシステムソフトウエアの処理が行なわれる。
つまり、この一連の処理によつて患者1人の治療
が行なわれ、他方、他の患者に対してはシステム
クロツク2またはシステムクロツク3に同期して
システムソフトウエアの処理で行なわれ、複数人
の患者を1つの制御部で同時に治療できるように
なつている。
次に、第4図のフローチヤートを具体的に説明
する。上述したシステムクロツク(例えば1)が
入力されると、生体表面、その直下の生体内中間
部及び生体内患部の各温度を温度センサ28,3
1,30により各別に測定する(第4図64)。
この場合、温度計測時においてもマイクロ波は照
射されている。そして先に設定した加温時間(第
3図60参照)に到達したか否かを判断しされ
る。(第4図66)、到達している場合は、その患
者の治療(システムソフトウエア)のみを終了
し、他の患者を治療するためのステツプに移る
(同図68,第3図98)。一方、加温時間が到達
していない場合は、今までマイクロ波照射が中断
されていたか否か判断され(同図70)、マイク
ロ波照射が中断されていた場合は、生体内の中間
部温度が低レベル設定値より高いか否かが判断さ
れ(同図72)、高い場合には他の患者を治療す
るためのステツプに移る(第3図98参照)。ま
た低い場合には、今まで中断していたマイクロ波
の照射を再開し(同図74)、生体内中間部の温
度が設定値より高い否かが判断される(同図7
6)。
一方、第4図中の符号70のステツプにおいて
マイクロ波の照射が中断されていなければ、次に
生体内中間部の温度が設定値より高いか否かを判
断するために同図中のステツプ76に移る。生体
内中間部の温度が設定値より高い場合には、直ち
に主制御部18の出力降下制御手段の指示により
マグネトロン8の出力レベルが1ステツプダウン
され(同図78)、同じく主制御部18内の出力
中断制御機能の指示により、マグネトロン8の出
力、すなわちマイクロ波の照射を中断し(同図8
0)、これによつて生体内中間部の正常組織を保
護し、しかるのち他の患者を治療するためのステ
ツプに移る(第3図98)。
ここで前述した「第4図70ないし80」の処
理は、マイクロ波照射中に生体内の中間部の温度
が予め設定された設定値(本実施例では40
〔℃〕)を超えた場合に、それ以上マイクロ波を継
続照射すると、第11図に示すように生体内中間
部すなわち正常組織が、マイクロ波の出力を下げ
ているにもかかわらず正常組織の温度を同図
B′点に示すように許容温度43.5〔℃〕を超え、正
常組織に悪影響を及ぼす45〔℃〕以上にまで加温
されてしまうことが実験的に明らかなので、これ
を事前に防ぐためになされている。このような場
合には、マイクロ波のパワーを1ステツプ下げ、
マイクロ波の出力を中断し、生体内中間部温度が
予め設定されて低レベル設定温度にまで下つたな
らば、マイクロ波出力の中断を解除するようにし
ている(第4図70ないし80)。
次に、先に計測した生体表面温度がオペレータ
によつて予め入力された表面温度の設定値より高
いか否かが判断され(同図82)、表面温度が設
定値より高い場合、主制御部18は、生体表面温
度を下げるためにこれに対応するバルブコントロ
ールユニツト25へバルブ24の開度を1ステツ
プ上げるべく指示を与えるとともに、冷却制御回
路15に指示を与えて冷却装置16の出力を1ス
テツプ上げ(同図96)、主制御部18における
マルチプレクサの切換えを行い、該主制御部18
の入出力ポートを他の患者の各センサ26,2
8,30,31及び各コントロールユニツト1
4,15,25、に切換え(第3図98)、他の
患者に対する処理を続けて行う。
そして、上述した次のシステムクロツク(例え
ば1)が入力されたときに、ステツプ64,6
6,70,76を介して再び表面温度の判断が行
なわれる(第4図82)。
この一定時間の経過により、表面温度が設定値
より下がつたならば、次のシステムクロツク時に
生体表面を冷却しすぎないように、主制御部18
はバルブ24を1ステツプ閉鎖(但し、冷却水の
流れが、最小循環を下まわらないようにする)す
るとともに、冷却制御回路15を介して冷却装置
16の出力を1ステツプ下げ(同図84)、生体
内患部温度(癌組織の温度)の調整にはいる(同
図86)。
ここで、患部温度がオペレータによつて入力さ
れた患部温度設定値(43.5℃)よりも低いとき、
主制御部18は、パワーコントロールユニツト1
4に指示を与えることによつて、マグネトロン8
の出力レベルを1ステツプ上げる。但しこの場
合、最初に設定した最大出力パワーを超えないよ
うにする(同図88,90)。そして、この設定
値に基づいて次のシステムクロツク(例えば1)
が来るまで、この設定値でマイクロ波を照射す
る。即ち、癌組織が設定値よりも高くなるまで温
度計測の値に基づいてマイクロ波の照射出力を1
ステツプ毎上げ(但し、生体内中間部温度が設定
値を超えた場合はマイクロ波の照射を中断し、生
体表面温度が設定値を越えた場合は、マイクロ波
の出力を下げる)、この値に基づいてマイクロ波
の照射がなされる。
この結果、癌組織が加温され、設定値より高く
なつた場合は、初めて設定値を越えたかとをか判
断され(同図91)、初めてならば主制御部18
により加温時間の測定が開始されて図中94に進
む(同図92)。また、初めてでなければ、直ち
に図中94に進む。即ち癌組織の温度が生体内患
部設定温度より高くなつた場合は、システムクロ
ツクに同期して行なわれる温度計測時を利用して
マグネトロン8の出力設定値を1ステツプ毎下げ
(同図94)、バルブを1ステツプ毎に開放すると
ともに冷却装置16の出力を1ステツプ毎に上
げ、マグネトロン8の出力調整を行う(同図9
6)。
ここでマグネトロン8の出力を1ステツプ下げ
た後、バルブ24を1ステツプ毎に開放し冷却装
置16の出力を1ステツプ毎に上げているのは、
図中のステツプ84でバルブ24を1ステツプ下
げたことを填補するためである。つまり、癌組織
の温度が設定値より高くなつたときは、なるべく
早く癌組織の温度を設定値に近づけるように生体
表面温度を冷やす必要があるからである。
ところで、加温時間と癌組織を致死に至らしめ
るための相関関係は、癌組織が43〔℃〕付近の温
度になつてからの時期によつて左右される。した
がつて、本実施例では、癌組織が初めて設定値を
越えた時点から加温時間を計測し(同図92)、
上述したようにオペレータによつて入力された加
温時間が到来したときに、該当する患者に対す加
温を終了する(同図66,68)。
第8図は患者一人に対する各マイクロ波照射
等,非照射時と温度計測時(第4図に示したシス
テムソフトウエアの処理時)の癌組織の温度状態
と、マグネトロン8の出力状態とを示している。
この第8図において、温度分布の上昇曲絵がマ
イクロ波出力上昇時を示す。図中A点は、マグネ
トロン8の最大出力P1によるマイクロ波の照射
の結果、患部温度が初めて設定温度を越え、計測
が始まつた時点を示しており、ここから上述した
加温時間が開始される。そして、この後は患部温
度が43.5〔℃〕以下になるまで温度計測時におい
てマグネトロン8の出力を下げる判断をし続け
(第4図94参照)、患部温度が43.5〔℃〕以下に
なつた時点でマグネトロン8の出力を上げる(第
4図90)。図中CD間では、BC間においてマグ
ネトロン8の出力設定が下げられたことから、
AB間に対して傾きが下がつている。またD点で
は、マグネトロン8の出力設定値を下げすぎてし
まつたため設定値を下まわつてしまつたので、第
4図のフローチヤート90で示したように出力ア
ツプが図られることから、再び傾きが上昇する
(例えば第8図DF)。このような制御の繰り返し
によつて、各患者に対してはほとんどリツプルの
ない温度制御が得られる。
一方、第9図は比較的深部に癌組織があるた
め、マグネトロン8の最大出力を低く設定した場
合(P2)の癌組織の温度状態を示している。こ
のような病状をもつ患者に対しては、例えば第5
図に示したシステムクロツク2に同期して治療が
行なわれる。
ところで、上述した実施例では、3名の患者を
対象としたが、患者数が増える場合(例えば5
人)はシステムクロツクを第10図1のように変
更すればよい。一方、このクロツクの周期をコン
トロールすることで、各装置の1回の温度計測か
ら温度計測までの時間を決定することができる。
したがつて、第10図2のようにクロツクの周期
を短縮すれば、当然温度計測から温度計測までの
間隔が短くなることから、より多数の患者の同時
治療を行うことが可能となり、温度計測時間
「Δh」もほとんど無視できるため、問題も全くな
い。また、マグネトロン8自体、比較的安価であ
るため、患者数が増えてもほとんど価格に影響さ
れない。
なお、深部加温を行なうには比較的低い周波数
を用いればよいことから、上記実施例で用いたマ
グネトロン8の代りに低い周波数のマイクロ波の
発振を行なうのに適している発振器およびリニア
アンプを用いてもよい。パワーの可変は、マグネ
トロン8を制御した場合と同様にサイリスタによ
る制御で、発振器のパワー又はリニアアンプの増
幅率すなわち利得を変化させて行なう。但し、こ
の場合、反射波による影響をなくすためにアイソ
レータを用いる必要がある。
また、第5図におけるシステムクロツク1に対
する図中期間は、第11図におけるA′C′間に
あたる。すなわち、生体内中間部の温度が低レベ
ル値に下がるまでマイクロ波の照射が中断されて
いる期間を示す。
第12図は、上記実施例において、生体各部の
温度計測時にマイクロ波を中断した場合のフロー
チマート(第4図のフローチヤートを一部変更し
たものである)の一例を示す。
これは、各患者に対するシステムクロツク、例
えばシステムクロツク1に同期して患者1人に対
するシステムソフトの処理が第12図に基づいて
行われることを意味するものである。即ち、まず
最初にマグネトロン8の出力が「オフ」され、マ
イクロ波の照射を中断し(同図200)、次に生
体各部の温度計測を行い、加温時間終了か否かを
判断し、第4図と同様の処理を行う(同図64,
66,68参照)。そして、前の処理時に中間部
温度が設定値より高かつたか否かを判断する(同
図201)。ここで設定値より高かつたならば、
中間部温度が低レベル値より高いか否かが判断さ
れ(同図72)、高かつたならば、マグネトロン
8の出力を「オフ」した状態で(同図202)、
次の患者のシステムソフトウエアの処理に移る
(第3図98参照)。低ければ、図中ステツプ72
に進む。
また、ステツプ201で前の処理で中間部温度
が設定値より低かつた場合は、直ちに中間部温度
が設定値より高いか否かを判断する(同図76)。
そして高い時は、第4図同様の処理がなされた
後、マグネトロン8の出力をオフしたまま(同図
202)、次の患者の処理に移る。一方、低い場
合は、第4図と同様、表面温度、患部温度の調整
に入り、表面温度又は患部温度が設定値より高い
場合(同図82,86,92,94,96参照)
は、マグネトロン8の出力を「オフ」したまま
(同図202)、次の患者の処理に移る。
また、表面温度及び患部温度が設定値より低い
場合(同図82,84,86,88,90)は、
マグネトロン8の出力を「オン」にして(同図2
03)、次の患者の処理に移るようになつている。
このように、第12図では、第5図中の「Δh」
の期間マイクロ波の照射が中断され、システムソ
フトウエアの処理がなされ、マグネトロン8の出
力レベル調整及びマグネトロン8の出力「オン」
か「オフ」かを決定し、これに基づいて、次の温
度計測までの時間Hに対するマグネトロン8の出
力を制御する。その他の構成は第4図と同様であ
る。
このようにしても、第13図に示すように癌組
織の加温に対し、多少立上り時間が長くなるほ
か、ほぼ第4図のものと同様の効果が得られ、特
に高い周波数の電磁波を使用する加温治療に有利
となる。
〔発明の効果〕
本発明は以上のように構成され作用するので、
これによると、複数の患者を並行して同時に治療
することができ、各患者に対して一定の加温温度
を長時間維持することができ、また、電磁波照射
面の温度上昇が患者ごとに順次切換え制御される
ことから患者が苦痛を感じた場合はこれに迅速に
対応することができ、単一の主制御部により全体
を切換制御する構成であることから、その分、設
備費の軽減を図ることができ、生体表面から患部
に至る中間部分の温度計測を行い、必要に応じて
電磁波発生手段の出力を中断制御するようになつ
ているので、患部周囲の正常組織を優先的に且つ
有効に保護することができるという従来にない優
れたハイパーサーミア用加温装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体的系統
図、第2図はアプリケータの使用状態を示す斜視
図、第3図ないし第4図は各々第1図の動作例を
示すフローチヤートけ、第5図1,2,3は各々
第1図の動作例を示すシステムタイムチヤート、
第6図ないし第9図は各々第1図の動作説明図、
第10図は患者数を増やした場合におけるシステ
ムクロツク、第11図は生体内中間部の異常加温
状態を示す説明図、第12図はその他の実施例を
示すフローチヤート、第13図はその他の実施例
におけるマイクロ波照射と温度計測時の癌組織の
温度状態とマグネトロンの出力状態とを示す説明
図である。 8…電磁波発生手段としてのマグネトロン、1
8…主制御部、20…アプリケータ、28…第2
の温度計測手段としての温度センサ、30…第1
の温度計測手段としての温度センサ、31…第3
の温度計測手段としての温度センサ、32…生
体、34…冷却機構。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複数の患者に対応して装備された複数の電磁
    波発生手段と、これらの各電磁波発生手段しら出
    力される電磁波を生体へ照射伝播せしめる複数の
    アプリケータと、この各アプリケータに装備され
    る生体表面冷却用の冷却機構と、前記アプリケー
    タが当接される部分の生体内加温治療部の温度測
    定を行う第1の温度計測手段と、前記各アプリケ
    ータが当接する生体表面部分の温度測定を行う第
    2の温度計測手段と、前記各加温治療部と生体表
    面との間の生体内中間部の温度測定を行う第3の
    温度計測手段とを設け、 これらの温度計測手段の出力により前記各電磁
    波発生手段の出力を必要に応じて増減もしくは切
    換え制御する単一の主制御部を設け、 前記いづれかのアプリケータに係る第3の温度
    計測手段が予め設定した所定温度以上の温度を検
    出した場合、直ちに前記主制御部が作動して該当
    する前記電磁波発生手段を選択しその出力を一時
    的に中断制御することを特徴とするハイパーサー
    ミア用加温装置。
JP14272085A 1985-06-30 1985-06-30 ハイパ−サ−ミア用加温装置 Granted JPS625364A (ja)

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