JPS6361472B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般的には土中穿孔に使用されるドリ
ルビツトに係り、更に詳細にはかかるドリルビツ
トのための軸受潤滑／シール系の改良に係る。

鉱業に於て孔を穿孔することは液体又は空気の
循環媒体を用いて行なわれる。特にドリルビツト
を冷却し、また掻き崩された土などを孔の底部よ
り地表へ排除するのに液体空気が使用される。

液体穿孔媒体を共に使用されるロツクビツト
（ここで「泥ビツト」と呼ぶこととする）は、一
般に各回転可能なカツタとそれを支持する軸受シ
ヤフトとの間にシールを有している。軸受空間に
は潤滑系によつて潤滑剤が供給されるようになつ
ており、潤滑剤の圧力はロツクビツトの外部の液
体又は穿孔泥の平均圧力レベルに可撓性ダイヤフ
ラム補償系によつて調節される。かかるロツクビ
ツト外部の穿孔泥の液体静力学的圧力は、孔の深
さの増大と共に増大し、可撓性ダイヤフラムはそ
れに対応して潤滑系内の液体潤滑剤の圧力を増大
する。

空気又はガスが循環媒体として使用される場合
には特殊な問題が発生し、そのため採鉱ビツトの
軸受をシールする努力が払われている。軸受シー
ルの周りに存在する砂の如き摩耗を惹起こす材料
によつてシールが摩耗され、かかる摩耗によつて
シールが早期に破損してしまうことは一般に観察
されるところである。採鉱に於ける浅い孔の場合
には、軸受内の潤滑剤の圧力はさほど高くされな
い。また比較的高い回転速度及び重い重量が使用
される。かかる事情及び他の理由の結果として、、
空気及びガス穿孔に使用されるビツト（ここでは
エアビツトとと呼びこととする）はローラ軸受及
び球型軸受を有しており、ロツクビツトの内部よ
り空気又はガスの一部を軸受を通して流す通路手
段が設けられている。かくして空気又はガスを軸
受を通して流すことは軸受を冷却する効果及び軸
受領域内に熱が蓄積するのを低減する効果を有し
ている。エアビツトに於ては、カツタと軸受シヤ
フトとの間にシールを設ければ冷却空気が軸受を
通つて流れることが阻止されるので、シールは使
用されていない。

近年エアビツトにシールを用いる試みがなされ
ている。1978年７月25日付にてFrank Ｊ・
Klimaに付与された米国特許第4102419号に於て
は、減摩要素にて構成された軸受内にシールリン
グを有し、冷却空気を軸受内に導入する通路手段
を有するビツトが開示されている。通路手段のう
ちの一つはシールより切り崩された土や他の岩石
の破片等を洗い流すべく、ばね荷重が掛けられた
シールリングへ空気を導入するようになつてい
る。

また1980年１月15日付にてBert Ｇ・Leverfelt
に付与された米国特許第4183417号には、空気穿
孔に使用されるロツクビツトであつて、シールリ
ングと、脚部の環状面とシールリングとの間に空
気を放出するための噴射スロツトとを有するロツ
クビツトが開示されている。

また1979年10月30日付にてHans B.van
Nederveenに付与された米国特許第4172502号に
は、可撓性シール部材を装着するための装着座を
有する固定リングを有し、またロツクビツト内の
チヤンネルに連通接続された環状スリツトを有
し、これにより該環状スリツト内の穿孔泥を半径
方向外方へ流出させて穿孔泥がシールの周りに侵
入するのを阻止するよう構成されたロツクビツト
が開示されている。

本発明は、カツタと軸受シヤフトとの間に設け
られた軸受が冷却空気により冷却され、また潤滑
剤により潤滑されるよう構成され、潤滑剤は冷却
空気よりシールされ且適正な正圧に維持されるよ
う構成された土中穿孔ドリルビツトを提供するこ
とを目的としている。

本発明によれば、ロツクビツトは、ジヤーナル
軸受又は摩擦軸受と、回転可能なカツタ及びその
支持シヤフトへ潤滑剤を供給する加圧潤滑系とを
有している。カツタと支持シヤフトとの間にはシ
ール、好ましくはＯリングが設けられており、こ
れにより潤滑剤が軸受内に維持されるようになつ
ている。カツタと支持シヤフトとの間には環状シ
ールに近接してその外側に、ロツクビツトの内部
と連通する環状溝が形成されており、これにより
カツタを冷却しまたそれを摩耗を惹起こす材料よ
り保護する空気をＯリングの周りに供給し得るよ
うになつている。加圧潤滑系は可動の要素を有し
ており、その一方の側はロツクビツトの内部と連
通しており、これにより空気圧によつて可動の要
素及び潤滑剤が軸受へ向けて付勢され、さた軸受
内に正圧が維持されるようになつている。

本発明の他の目的、特徴及び利点は以下の本発
明の詳細な説明に於て明らかとなるであろう。

以下の添付の図を参照しつつ、本発明をその好
ましい実施例について詳細に説明する。

添付の第１図に於て、ドリルビツト１１は三つ
の脚部１３（その内の一つのみが、そのねじ（図
示せず）を切られた上端部が符号１５にて示され
た位置に於て破断された状態にて示されている）
よりなるボデイを有している。前記ねじを切られ
た部分は、ドリルビツトを支持し、それを孔内に
て上下動し、それを回転させ、その中空内部１７
へ空気又はガスを与えるドリルストリング（図示
せず）にドリルビツトを取付けるのに使用され
る。図に於て破線にて示されている如く、空気又
はガスは有孔チユーブ１９を通すことにより濾過
され、通路２１内へ導入される。通路２１は脚部
１３を貫通して斜めに延在しており、軸受シヤフ
ト２５とコーン又はカツタ２７との間に形成され
た環状溝２３と交差している。環状溝２３は、軸
受シヤフト２５の外面及びカツタ２７の内面に形
成された軸受装置内に潤滑剤をシールするために
使用されたＯリング２９に近接してその外側に配
置されている。

第２図に最もよく示されている如く、通路２１
は軸受シヤフト２５の一方の側に配置された孔２
１ｂを有している。軸受シヤフト２５の他方の側
には出口３０が形成されており、空気又はガスが
Ｏリング２９の全長に沿つて流れてそれらを最大
限に冷却しまたそれらを摩耗を惹起こす材料より
保護するようになつている。

軸受装置は、第１図に図示されている如く、ジ
ヤーナル軸受３１と球型軸受３３と、ブツシング
３５と、スラストボタン３７とよりなつている。
カツタ２７は該カツタに形成されたドリル孔３８
に挿入された複数個の焼結タングステンカーバイ
ドインサート３９を有している。またカツタ２７
は球型軸受３３により軸受シヤフト２５上に回転
可能に保持されており、球型軸受３３は組付け時
に軸受シヤフト２５を貫通して穿孔された孔４０
内に挿入され、孔４０はボールプラグ４１を充填
された後符号４３にて示された位置に於て溶接さ
れる。ボールプラグ４１は通路４５を有してお
り、該通路は潤滑剤通路４７より液体潤滑剤を受
け且それを軸受シヤフトに形成された他の一つの
通路４９を経て軸受装置の種々の空間５０へ吐出
するようになつている。潤滑剤通路４７は潤滑剤
室又はキヤビイテイ５２に連通しており、該潤滑
剤室５２はＯリングシール５５を用いて潤滑剤室
内にシールされた状態にて配置されたプロテクタ
カツプ５１と可撓性ダイヤフラム５３とを有して
いる。カツプ５１及び可撓性ダイヤフラム５３は
リテーナキヤツプ５７とスナツプリング５９とに
より所定の位置に保持されており、リテーナキヤ
ツプ５７は潤滑剤を挿入し得るよう、また符号６
２にて示された位置に於てシールされる該リテー
ナキヤツプを容易に除去し得るよう、符号６１に
て示された位置に於てねじが切られている。空気
又はガス通路２１に連通する通路６３が可撓性ダ
イヤフラム５３を付勢しており、これにより図に
て実線で示されている如く潤滑剤を潤滑剤室５２
より通路４７を経て究極的には軸受装置間の空間
５０へ押出し、これにより軸受内の潤滑剤を正圧
状態に維持するようになつている。

作動に於ては、穿孔中、空気又はガスがドリル
ストリングを経てドリルビツトの中空内方部分１
７へポンプ送りされる。空気又はガスは有孔チユ
ーブ、通路２１を経て究極的には環状溝２３へ導
入される。空気又はガスは環状溝２３に沿つて流
れ、Ｏリング２９を保護してそのＯリングの寿命
を増大する。これと同時に、加圧空気が通路６３
を経て導入され、これにより可撓性ダイヤフラム
５３を付勢して、液体潤滑剤を通路４７を経て軸
受装置へ押出す。従つて軸受装置は液体潤滑剤に
て十分に潤滑され、また潤滑剤は正圧状態に維持
されてその潤滑剤が高温度に於て蒸発することが
防止される。このことはＯリング２９にとつても
好ましく、またＯリング２９の周りの金属及びＯ
リング２９それ自身が環状溝２３を空気又はガス
が流れることによつて冷却される。カツタ２７と
脚部１３との間に侵入することにより環状溝２３
内に入り込んだ摩耗を惹起こす材料は、環状溝２
３内を空気又はガスが流れることによりその環状
溝２３よりすぐに放出され、これによりＯリング
２９が保護される。

以上に於ては本発明をその特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々
の修正ならびに省略が可能であることは当業者に
とつて明らかあろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による土中穿孔ドリルビツトを
示す解図的部分縦断面図である。第２図は第１図
の線−による解図的部分縦断面図である。 １１……ドリルビツト、１３……脚部、１７…
…中空内部、１９……有孔チユーブ、２１……通
路、２３……環状溝、２５……軸受シヤフト、２
７……カツタ、２９……Ｏリング、３０……出
口、３１……ジヤーナル軸受、３３……球型軸
受、３５……ブツシング、３７……スラストボタ
ン、３８……ドリル孔、３９……インサート、４
０……孔、４１……ボールプラグ、４５……通
路、４７……潤滑剤通路、４９……通路、５０…
…空間、５１……プロテクタカツプ、５２……潤
滑剤室、５３……可撓性ダイヤフラム、５５……
Ｏリングシール、５７……リテーナキヤツプ、５
９……スナツプリング、６３……通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中空内部と空気又はガスを掘削孔の底部へ導
   くノズル通路とを有するボデイと、軸受装置を支
   持する下方へ延在するシヤフトを有する少なくと
   も一つの脚部と、前記軸受装置上に装着された回
   転可能なカツタと、前記カツタと前記シヤフトと
   の間に設けられた環状シールとを有する土中穿孔
   ドリルビツトにして、 前記環状シールの内側に設けられた前記軸受装
   置へ液体潤滑剤を供給する通路を前記シヤフト内
   に含む加圧潤滑手段と、 前記カツタと前記シヤフトとの間にて前記環状
   シールに近接してその外側に形成された環状溝
   と、 前記環状溝より前記ドリルビツトの内部まで延
   在する空気又はガス通路であつて、前記環状シー
   ルの周りの領域を冷却すべく冷却ガスの流れを与
   えまた前記軸受装置の寿命を延し且その潤滑を維
   持すべく摩耗を惹起こす材料により前記環状シー
   ルを保護する空気又はガス通路と、 を含んでいることを特徴とする土中穿孔ドリルビ
   ツト。 ２ 特許請求の範囲第１項の土中穿孔ドリルビツ
   トにして、前記環状溝には少なくとも一つの出口
   が設けられていることを特徴とする土中穿孔ドリ
   ルビツト。 ３ 特許請求の範囲第２項の土中穿孔ドリルビツ
   トにして、前記出口は前記環状溝への空気又はガ
   スの流入口に対し直径方向に反対側の位置に設け
   られていることを特徴とする土中穿孔ドリルビツ
   ト。 ４ 特許請求の範囲第１項〜第３項の何れかの土
   中穿孔ドリルビツトにして、前記加圧潤滑手段は
   液体潤滑剤を押しやるための可動部材を含んでい
   ることを特徴とする土中穿孔ドリルビツト。