JPS635338Y2 - - Google Patents

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JPS635338Y2
JPS635338Y2 JP7322980U JP7322980U JPS635338Y2 JP S635338 Y2 JPS635338 Y2 JP S635338Y2 JP 7322980 U JP7322980 U JP 7322980U JP 7322980 U JP7322980 U JP 7322980U JP S635338 Y2 JPS635338 Y2 JP S635338Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は水中音を収音する水中音収音装置に関
する。
〔従来の技術〕
従来の水中音を収音する装置としては、受波素
子にセラミツク圧電素子を用いた水中マイクロホ
ン、あるいは空気中で一般に用いられている形の
マイクロホンを防水ゴム等により防水処理した装
置等が用いられて来た。
〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、このような従来の水中音収音装
置にあつて、セラミツク圧電素子を受波素子とし
て用いた水中マイクロホンの場合は、マイクロホ
ンが高インピーダンスであるために誘導をひろい
易く、特に低周波成分の多い現場の水中ではケー
ブル雑音や誘導雑音が増大してしまうので、それ
を防ぐべくマイクロホンを雑音源からなるべく離
間し、アースをとり、ケーブルが振動しないよう
に固定するなどの雑音対策を必要とした。また、
かかるマイクロホンは音圧感度が−110dBと低い
ので、増幅度30dB程度のマイクロホン専用の前
置増幅器を使用するが、マイクロホンが容量性で
あるためにマイクロホンの容量とケーブルの容量
との比によつても感度が変化するので、付属ケー
ブル以上にはケーブルを延在させにくいこともあ
り、簡単にケーブル引きまわしを行うことができ
ず機動性に欠けている。しかも、その用途が特殊
であるために量産されたものでなく従つて高価な
ものとなる。他方、空気中で使用する通常のマイ
クロホンに防水処理を施して使用するのでは、そ
の防水処理が容易ではなく、防水処理に手間を要
するばかりか、マイクロホン全体を直接密閉する
ために高音域の音波が極端に減衰し、周波数特性
が劣化するという欠点がある。更にまた、防水処
理が不完全なときにはマイクロホン自体が浸漬さ
れて破損を招くおそれもある。
本考案の目的は、上述した従来の欠点を除去し
て、空気中で使用する通常のマイクロホンにより
番組素材としての水中音を容易に収音でき、しか
も廉価に構成できる構造をもつた水中音収音装置
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる目的を達成するために、本考案は、音響
信号を電気信号に変換する電気音響変換部と、音
響信号の共振を所定の周波数帯にわたり防止する
ために電気音響変換部を被包した音響制動部材
と、電気音響変換部および音響制動部材を収納し
て保護し、かつ、音響を内部に伝達するための耐
圧保護グリルと、耐圧保護グリルの外周面に当接
して音響を空気振動に変換する独立気泡を有する
防水型の音響変換カプセルと、音響変換カプセル
に水密に結合され、防水コネクタを有し、電気音
響変換部と防水コネクタとの間の接続部を保護す
るための耐圧防水カプセルとを具備したことを特
徴とする。
〔作用〕
本考案によれば、電気音響変換部を共振防止用
の音響制動部材で被包した上、これらの音響を内
部に伝達するための耐圧性を持たせた保護グリル
に収納して保護し、更にこの保護グリルの外周面
を、独立気泡を有し、音響を空気振動に変換する
防水型の音響変換カプセルで被覆した上、この音
響変換カプセルに水密に接続させた耐圧防水カプ
セルにより上記電気音響変換部からの電気信号取
出し部、すなわち接続部を水密に保護するように
したので、一般の陸上用マイクロホンを利用して
耐侯性,耐海水性の優れた水中音収音装置の提供
が可能となつた。
〔実施例〕
以下に図面に基づいて本考案を説明する。
第1図AおよびBは本考案水中音収音装置の一
実施例を示すもので第1図Aはその外観図、第1
図Bはその断面図である。ここで1は音響信号を
電気信号に変換する電気音響変換部としてのマイ
クロホンであり、マイクロホン1は例えばムービ
ングコイル形の如く機械的振動に強く耐湿性を有
するマイクロホンを用いる。2はマイクロホンコ
ネクタであり、このマイクロホンコネクタ2には
マイクロホン1を取付け、そのマイクロホンコネ
クタ2の端部には接続線3を介して防水形コネク
タ4を連結する。防水形コネクタ4は水中で収音
時に海中ケーブル(図示せず)を接続するための
ものである。
次に、上述した水中音収音装置の一実施例の外
装について説明する。5は接続線保護用の耐圧防
水カプセルであり、6はそのカプセル5の開口部
に嵌設したマイクロホン保持座である。そこで、
防水形コネクタ4をカプセル5に設けた貫通孔を
有する取付座5Aにゴム製のOリングパツキン5
A′等を介して水密に取付け、カプセル5とこれ
に嵌合したマイクロホン保持座6とで形成される
空所7に接続線3を収納した上、マイクロホンコ
ネクタ2をこのマイクロホン保持座6に固着す
る。8は中間耐圧防水カプセルであり、カプセル
5の開口部に螺嵌して固着し、両者の当接面には
ゴム製Oリングパツキン9等を使用して水密とす
る。10はカプセル11内での音響信号の共振を
所定の周波数帯にわたり防止するための音響制動
部材であり、例えばウレタンゴム等により円筒形
状に形成する。また、11は防水性をもつ音響変
換カプセルであり、水と物理的性質がよく似いて
る独立気泡の物質、例えば発泡ネオプレーンゴム
等を用いて形成し、かかる材料の有する独立気泡
が音の振動を伝える特性を利用し、水中音響を空
気振動に変換する。更にまた、12はアルミニウ
ム軽合金等により形成し、上述した音響変換カプ
セル11を水圧より保護して圧壊することを防
ぎ、同時にその内部に収納する音響制動部材10
の変形を防止するための耐圧保護グリルである。
音響はこのグリル12を通して内部に伝わる。
耐圧保護グリル12は第2図AおよびBに示す
ごとく、先端面12Aと中空円筒部12Bおよび
鍔部12Cとからなり、その先端面12Aおよび
円筒部12Bの円筒面には音響を効率よく伝達す
るために蜂巣孔13Aおよび13Bが適当な位置
にあけられている。なお、蜂巣孔13Aおよび1
3Bの周部は音響変換カプセル11が水圧を受け
て変形する場合、その角部で破損しないように角
をおとしておくのが好適である。
前述したカプセル5にカプセル8を螺合した状
態で電気音響変換部としてのマイクロホン1の外
側に音響制動部材10を嵌合し、更にその外側に
耐圧保護グリル12を装着してその鍔部12Cの
内周面とカプセル8の端部外周面とを螺合し、両
者の当接面にはゴム製Oリングパツキン14を用
いて水密とする。次に、グリル12を外側に音響
変換カプセル11を嵌合し、グリル12の固着面
12Dにはシリコン系接着剤等を塗布して水密性
を保持させるようになし、更にカプセル11の固
着部上面よりベルト15を用いて緊締する。16
は音響変換カプセル11が岩礁等により破損され
るのを防止するための保護キヤツプであり、格子
状に形成して、その後端部を耐圧保護グリル12
の鍔部12Cの外周部に固着する。
このようにして構成した水中音収音装置は、附
属の防振装置を附した吊り下げ装置により水中に
吊り下げるという簡単な方法を用いて、容易に水
中音の収音を可能とするものであるが、以下で第
3図により本考案水中音収音装置における機能を
説明する。
ここで、矢印20は水中を伝搬してきた音響信
号を示し、水中音収音装置の音響変換カプセル1
1の外周面に到達した音響信号20は、その振動
を音響変換カプセル11の形成する発泡ネオプレ
ーンゴムの独立気泡群に効率よく伝達し、カプセ
ル11内周面に隣接して設けた耐圧保護グリル1
2に伝える。ここで、耐圧保護グリル12はアル
ミニウム軽合金でできている上に蜂巣状に孔13
Aおよび13Bが多数設けられているので、容易
にその音響振動を内部に伝達することができ、か
くして音響制動部材10に到達した音響信号20
の振動は、マイクロホンカプセル22を介して内
蔵されるマイクロホン振動板23に達する。この
振動板23を振動させてた音響振動21は電気信
号24に変換し出力する。
水中音収音装置の機能において、音響制動部材
10には気泡群の形で空気が包含させており、こ
の空気は水深の変化とともに変化する水圧により
圧縮されるので取出される電気出力信号に影響を
与えるが、収録される番組素材としての水中音は
多くの場合10m程度の水深において収音されてお
りこの程度の水深による空気の圧縮による影響は
実用上差支えない範囲のものである。
さらに参考までに従来空気中で一般に用いられ
ている型のマイクロホンにゴム等により防水処理
した場合の音圧感度の周波数特性の変化、および
本考案による水中音収音装置と従来の圧電素子を
用いた水中マイクロホンの音圧感度の周波数特性
を比較した実験結果について述べる。
第4図は従来一般に無響室で行なわれているマ
イクロホンの音圧感度の測定方法に基づいて、従
来空気中で一般に用いられている型のマイクロホ
ン単独の音圧感度の周波数特性と、薄いゴムを
二重に被せた時の音圧感度の周波数特性とを示
している。
周波数特性に示すようにマイクロホンが密閉
されたことにり、高い周波数帯が異常に減衰して
いる。この傾向は被せるゴム袋が増える程著し
く、さらに水中では透過損失のため減衰量が増大
する。
第5図は本考案による水中音収音装置と従来の
圧電素子を用いた水中マイクロホンとの音圧感度
周波数特性を比較する場合の測定系を示してい
る。
第5図において、反音響の影響を受けない海中
に本考案による水中音収音装置MIC1と従来の
圧電素子を用いた水中マイクロホンMIC2を吊
り下げ、それぞれから50cmの距離に水中スピーカ
SPを配置する。さらに地上においては水中スピ
ーカSPの周波数の変化に伴なう急激な音圧出力
の変化をなくすため中心周波数に対して1/3オク
ターブの帯域幅を持たせた白色雑音音源OSC(例
えば録音テープの記録音)の出力を増幅器AMP
1により所定のレベルに設定したうえ、ケーブル
を経て水中スピーカSPに接続する。さらに水中
スピーカSPの音響出力を本考案による水中音収
音装置MIC1および従来の水中マイクロホン
MIC2で受け、それぞれの電気信号をケーブル
を経て地上に配置したスイツチSWの端子に供給
され、ここで切換えて入力される。
つぎにスイツチSWにより切り換えられた出力
を増幅器AMP2により所定のレベルにまで増幅
したうえでレベル設定用可変減衰器ATTを経て
レベルメーターLMにより出力レベルを測定す
る。
第6図は第5図の測定系により本考案による水
中音収音装置MIC1と従来の圧電素子を用いた
水中マイクロホンMIC2の音圧感度の周波数特
性を示している。第6図において、A,A′は本
考案による水中音収音装置の音圧感度の周波数特
性の比較(1000Hz基準)を示しており、Aは正面
方向特性、A′は90度方向特性を示している。ま
たB,B′は従来の圧電素子を用いた水中マイク
ロホンの音圧感度の周波数特性を示しており、B
は正面方向特性、B′は90度方向特性を示してい
る。第6図から判るように、従来の圧電素子を用
いた水中マイクロホンMIC2は高音過多の特性
であるのに対し、本考案による水中音収音装置
MIC1は低音過多の特性になつている。しかし、
この低温過多は等化器を使用すれば運用上支障を
来すことはない。
なお、以上の説明では本考案を水中音を収音す
る水中受波器(水中マイクロホン)に使用する例
として述べてきたが、このようにして構成した水
中音収音装置のマイクロホンに代えて小形の送波
器(スピーカー)を収納すれば水中スピーカー)
としても有効に使用できることは勿論である。
なお、耐圧グリルの構造は上述したものに限ら
れるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範
囲において種々に変更できる。
例えば、第2図に示した耐圧保護グリル12は
比較的大きな蜂巣孔を有するものであるが、この
場合、耐圧保護グリルの外側に配設される発泡ネ
オプレーンゴム等の音響変換カプセル11が水深
によつては水圧で蜂巣孔の中にくいこむことも考
えられ、使用状態によつては好ましくない場合も
ありうるので、第7図AおよびBに示すように耐
圧保護グリル本体32に設ける蜂巣孔33Aを前
例のものよりさらに大きくするとともに、かかる
耐圧保護グリル32の外周面上に細かい網目の金
網34を被覆して耐圧保護グリルを構成すること
もできる。
更に第7図AおよびBにおいて、33Bは耐圧
保護グリル32の先端面に設けた蜂巣孔である。
金網34は耐圧保護グリル32の円筒外周面のみ
ならず先端面をも被包するのが好適であり、例え
ばステンレス等を用いて形成できる。その他の構
造については前例と変わるところがないのでその
説明は省略する。
本例では、このように、軽合金製耐圧保護グリ
ル32と発泡材で形成した音響変換カプセル11
との間に金網34を挿設することにより、更に深
い深度のところで用いてもネオプレーンゴム等で
形成した音響変換カプセル11が蜂巣孔33Aに
喰い込んで破損するような虞がない。また、本例
の装置を用いた実験によれば、音響特性の劣化は
認められなかつた。
〔考案の効果〕
以上説明してきたように本考案によれば、陵上
で一般に広く、例えばアナウンサー等により使用
されているマイクロホン等の電気音響変換部を音
響共振を防止するための音響制動部材で被包した
上、更に変形を防止するための蜂巣孔を有する軽
合金製耐圧保護グリルで裏補強した独立気泡を有
する防水型の音響変換カプセル内に収納し、この
ようにして収納した収音部の接続部にはその外周
部に防水耐圧カプセルを設けて完全防水形の水中
音収音装置を構成したので、従来のように専用の
前置増幅器を必要とする水中専用マイクロホンを
用いる必要もなく、一般の陵上用マイクロホンを
利用でき、耐候性および耐海水にすぐれているの
で長期間安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは本考案水中音収音装置の一例を示す
側面外観図、第1図Bはその構成を示す断面図、
第2図Aは耐圧保護グリルの正面図、第2図Bは
その側面図、第3図は電気音響変換部を含む本考
案水中音収音装置の断面により水中音響が電気信
号に変換される系路を示す説明図、第4図は従来
空気中で一般に用いられている型のマイクロホン
単独の音圧感度周波数特性と薄いゴムを二重に被
せた時の音圧感度周波数特性の比較データを示す
グラフ、第5図は本考案による水中音収音装置と
従来の圧電素子を用いた水中マイクロホンの音圧
感度周波数特性を比較する場合の測定系の構成
図、第6図は本考案による水中音収音装置と従来
の圧電素子を用いた水中マイクロホンの音圧感度
周波数特性の比較データを示すグラフ、第7図A
およびBは本考案の他の例を示すそれぞれ正面図
および側面図である。 1……マイクロホン、2……マイクロホンコネ
クタ、3……接続線、4……防水用コネクタ、5
……耐圧防水カプセル、5A……取付座、5
A′……パツキン、6……マイクロホン保持座、
7……空所、8……中間カプセル、9,14……
パツキン、10……音響制動部材、11……音響
変換カプセル、12……耐圧保護グリル、12A
……先端面、12B……中空円筒部、12C……
鍔部、12D……固着面、13A,13B……蜂
巣孔、15……ベルト、20……音響信号、21
……空気振動、22……マイクロホンカプセル、
23……マイクロホン振動板、24……電気信
号、……従来空気中で一般に用いられている型
のマイクロホンの音圧感度の周波数特性、……
薄いゴムを二重に被せた時の音圧感度の周波数特
性、A……海中における本考案による水中音収音
装置の音圧感度の周波数特性(正面方向特性)、
A′……海中における本考案による水中音収音装
置の音圧感度の周波数特性(90度方向特性)、B
……海中における従来の圧電素子を用いた水中マ
イクロホンの音圧感度の周波数特性(正面方向特
性)、B′……海中における従来の圧電素子を用い
た水中マイクロホンの音圧感度の周波数特性(90
度方向特性)、MIC1……本考案による水中音収
音装置、MIC2……従来の圧電素子を用いた水
中マイクロホン、SP……水中スピーカ、OSC…
…白色雑音音源、AMP1,AMP2……増幅器、
SW……スイツチ、ATT……レベル設定用可変
減衰器、LM……レベルメータ、32……耐圧保
護グリル、33A,33B……蜂巣孔、34……
金網。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 音響信号を電気信号に変換する電気音響変換部
    と、 前記音響信号の共振を所定の周波数帯にわたり
    防止するために前記電気音響変換部を被包した音
    響制動部材と、 前記電気音響変換部および前記音響制動部材を
    収納して保護し、かつ、音響を内部に伝達するた
    めの耐圧保護グリルと、 該耐圧保護グリルの外周面に当接して音響を空
    気振動に変換する独立気泡を有する防水型の音響
    変換カプセルと、該音響変換カプセルに水密に結
    合され、防水コネクタを有し、前記電気音響変換
    部と前記防水コネクタとの間の接続部を保護する
    ための耐圧防水カプセルとを具備したことを特徴
    とする水中音収音装置。
JP7322980U 1980-05-29 1980-05-29 Expired JPS635338Y2 (ja)

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JPS56176591U JPS56176591U (ja) 1981-12-26
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