JPS635069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オフイスオートメーシヨン機器（以
下OA機器と略称する）におけるキーボード載置
台に関する。

近年、OA機器における操作性向上の点から、
最もオペレータによる操作頻度の高いキーボード
の専用載置台が開発されている。例えば、デイス
プレイ装置等の本体装置が載置されるメインデス
クの手前側に付設されて前後方向のスライドと傾
斜が可能なキーボード専用載置台が存在する。と
ころがスライド機構と傾斜機構とが別機構である
ことから、両機構の構造が複雑であることに加え
て載置台全体におけるこれら機構の占めるスペー
スが大きくなり、しかもコスト高になるという問
題点を有していた。

本考案はこのような従来の問題点を解決するも
ので、スライド機構と傾斜機構を同一機構として
これらのスペースのコンパクト化を成すと共に、
構造を簡素化してコストを低廉化し、しかも十分
な堅牢性を具備したキーボード載置台を提供する
ことを目的とする。

そこで本考案の特徴とするところは、左右両側
面の前後にピンが突設されたキーボード載置用の
天板と、該天板の前後のピンが挿入されて該天板
を水平又は下傾状態として前後にスライド自在に
案内するためのガイド溝を対向する内側面に有す
る一対の水平状の天板支持アームと、該支持アー
ムのガイド溝に下方から臨み、上記天板の前側ピ
ンを上方に弾発付勢して該天板の下傾を阻止及び
許容するための規制機構とを、具備した点にあ
る。

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
説する。

第１図と第２図において、１はOA機器のデイ
スプレイ装置２等の本体側装置が載置されるメイ
ンデスクであつて、手前側及び下方は開放状とさ
れると共に、左右の下部材３，３は手前側に延設
されている。そして該下部材３裏面側の前後端位
置にはキヤスター４，４が取付けられ、これによ
りデスク１は移動自在とされている。またデスク
１内部には二段の中間棚５，５が設けられ、各種
の物品を載置収納できるようになつている。

６はOA機器におけるキーボード７を載置する
ための載置台であつて、キーボード７載置用の天
板８は、メインデスク１から手前側に突出した左
右一対の水平状の天板支持アーム９，９に挾持状
に支持されると共に、該支持アーム９，９に対し
て水平又は下傾状態として前後にスライド自在と
されている。具体的には、第３図に示すように天
板８の左右両側面の前後位置にピン１０，１０が
突設され、一方一対の支持アーム９，９の対向す
る内側面１１，１１には、上記前後のピン１０，
１０が挿入されて天板８を前後にスライド自在に
案内するためのガイド溝１２が設けられている。
図例では角形状中空材から成る支持アーム９の内
側面１１にガイド溝１２が貫設されている。この
ガイド溝１２は天板８の後側ピン１０が挿入され
る後ガイド溝１３と、前側ピン１０が挿入される
前ガイド溝１４とから成り、後ガイド溝１３は水
平状であつて天板８のスライド距離に応じた長さ
を有し、前ガイド溝１４は、後ガイド溝１３と同
一水平線上に位置しかつ該後ガイド溝１３と同一
長さの上側溝１４ａと、該上側溝１４ａの後寄り
から分岐した平行な下側溝１４ｂとを有してい
る。そして両ガイド溝１３，１４は前後ピン１
０，１０のピツチと同一ピツチで設けられ、これ
により天板８は水平状態又は手前側に下傾状態と
して前後にスライド自在とされている。また、支
持アーム９の内部には第４図に示す如く天板８の
前側ピン１０を上方に弾発付勢して該天板８の下
傾を阻止及び許容するための規制機構１５が設け
られている。具体的には規制機構１５として板材
又は棒材で逆皿形状に形成された弾発部材１６が
用いられており、該弾発部材１６は前ガイド溝１
４部分に沿つて位置すべく支持アーム９の内底面
１７上にその後端部のみがビスやリベツト等の固
着具１８にて固着され、前端部はフリー状態とさ
れて内底面１７上に接している。これにより該弾
発部材１６は上方からの荷重に対して弾性変形可
能とされている。そして該弾発部材１６の逆皿形
状の上面１９は前ガイド溝１４の上側溝１４ａ内
に若干突出状とされ、これにより該弾発部材１６
は常に前側ピン１０に接して該ピン１０を上方に
押圧すると共に、天板８の水平状態及び水平移動
時における前側ピン１０の下側溝１４ｂへの落ち
込みを阻止し、一方天板８を下方に押さえれば前
側ピン１０により弾性変形して該ピン１０の分岐
部２０からの下側溝１４ｂへの落ち込みを許容す
る。即ち弾発部材１６は自由状態において少なく
ともキーボード７が載置された天板８を支持する
だけの強さを有し、該天板８を押さえる人力によ
つて弾性変形するものである。なお、２１…は支
持アーム９の前後開口端を閉塞する蓋材である。

このように天板８と一対の天板支持アーム９，
９と規制機構１５とを具備して、該天板８が前後
方向にスライド及び下傾可能に構成されたキーボ
ード載置台６は上下方向にも調節可能とされてい
る。具体的には、メインデスク１の手前側左右の
角形中空状支柱２２，２２の内部に、下半部にラ
ツク２３が形成されたスライド部材２４が内挿さ
れると共に、該左右の支柱２２，２２間には両端
にピニオン２５が取付けられた軸２６が横架さ
れ、該ピニオン２５，２５が左右スライド部材２
４，２４のラツク２３，２３に噛合している。こ
のようにして左右のスライド部材２４，２４は同
期して連動すべく連結される。そして該軸２６を
正逆回転させるウオーム歯車機構２７が一方の支
柱２２の内部に設けられている。即ち、ウオーム
ホイル２８が軸２６に取付けられ、該ウオームホ
イル２８と噛合するウオーム２９が支柱２２前面
に取付けられた回転式ハンドル３０の軸３１に固
着又は一体形成されて、該ハンドル３０を回転操
作することによりウオーム歯車機構２７及びラツ
クピニオン機構を介して左右スライド部材２４，
２４が同期して上下移動するように成されてい
る。しかして該左右スライド部材２４，２４の上
方位置に左右の支持アーム９，９が各々ボルト等
の固着具３２…又は溶接等の固着手段にて水平状
に取付けられる。３３は左右支柱２２，２２の対
向する内側面に貫設された上下方向の角形状長孔
であつて、スライド部材２４と支持アーム９の連
結及び上下移動のための逃げ用孔である。

以上のように構成されたキーボード載置台６に
おいて、高さ調節は上述のようにハンドル３０を
回転することによつて簡単に行え、またウオーム
歯車機構２７によりハンドル３０の回転操作力が
小さくて済むと共に、ハンドル３０操作のみで所
望の高さに保持されるのでロツク装置が不要であ
る。次に、該載置台６の天板８上に載置されたキ
ーボード７の前後方向位置の調節は、天板８を引
出し又は押込み操作することによつて行い、該操
作により天板８の前後のピン１０，１０が支持ア
ーム９の前後のガイド溝１４，１３に沿つて移動
し、該ガイド溝１４，１３の長さの範囲内でキー
ボード７を任意の引出し位置に調節することがで
きる。この調節において天板８を水平方向のみの
操作力にて移動した場合は、第５図に示す如く前
側ピン１０が分岐部２０から下側溝１４ｂに落ち
込むことなく上側溝１４ａに沿つて移動し、天板
８は水平状態にスライドする。これに対してキー
ボード７を下傾させる場合には、天板８を下方に
押さえることによつて第６図に示す如く前側ピン
１０が弾発部材１６の上面１９を矢印Ｂの如く押
圧して該弾発部材１６を弾性変形させ、これによ
り該前側ピン１０は分岐部２０から下側溝１４ｂ
に落ち込む。即ち天板８は下傾状態となり、前側
ピン１０は下側溝１４ｂに沿つて移動することと
なる。そしてキーボード７は該ピン１０の下側溝
１４ｂにおける移動距離の範囲内で下傾状態に維
持される。

このように、キーボード７を簡単な操作で水平
載置状態と下傾載置状態に選択的に切換えて使用
することができ、同時に前後位置の調節も行うこ
とができるのである。また載置台６の構造は非常
に簡単であると共に天板支持アーム９とスライド
部材２４との結合関係も強固にでき、しかもスラ
イド部材２４はメインデスク１の支柱２２内に挿
入されているから、載置台６は十分な強度を有す
ることとなる。

第７図は規制機構１５の他の実施例を示し、上
記実施例における逆皿形状の弾発部材１６の上面
１９に、天板８の前側ピン１０が係合する複数の
浅い円弧状凹所３４…を適当間隔に設けたもので
あり、該凹所３４により天板８の停止位置を明確
にできると共に該天板８を安定に位置決めするこ
とができる。

また第８図に示す別の実施例では、規制機構１
５が、角部に固着された軸３５により支持アーム
９内に揺動自在に軸支されたＬ形部材３６と、該
Ｌ形部材３６の短片側３７を押圧して長片側３８
を上方に付勢するための弾発部材３９、及び該弾
発部材３９を保持すると共に前後方向調節自在に
支持アーム９にビス４０にて取付けられて付勢力
を調節可能な保持部材４１と、Ｌ形部材３６の長
片側３８の先端に当接して該弾発部材３９の上方
への揺動を阻止する固定ピン４２とで構成された
もので、天板８の前側ピン１０の下側溝１４ｂへ
の落ち込みはＬ形部材３６の長片側３８によつて
上記実施例の弾発部材１６と同様阻止及び許容さ
れる。なお、この実施例における前ガイド溝１４
の下側溝１４ｂは手前側に下傾状に形成されてい
る。

さらに、第９図と第１０図に示す実施例では規
制機構１５に直線棒状の弾発部材４３が用いられ
ている。該弾発部材４３は後端部が支持アーム９
の後部下側寄りに横架された軸４４の孔４５を貫
通して該軸４４に止めネジ４６にて固着されると
共に、先端部が天板８の前側ピン１０に下方から
当接されており、軸４４は一端側のネジ部４７に
螺合するナツト部材４８によりバネ座金４９を介
して支持アーム９に固着される。即ち、軸４４の
周方向の固着位置を調整することにより弾発部材
４３の強弱を調節でき、天板８の前側ピン１０は
該棒状弾発部材４３により下側溝１４ｂへの落ち
込みを阻止及び許容される。

なお、キーボード載置台６の上下機構は上記実
施例のラツクピニオン式以外に公知のガススプリ
ング式その他の機構とするも自由であり、さらに
ハンドル３０操作による手動式に代えてモータ制
御による電動式とすることも好ましい。また支持
アーム９をメインデスク１の支柱２２に直接固着
して載置台６を所定高さに固定式としても良く、
又はメインデスク１から分離した独立形式の載置
台６とするも自由である。またガイド溝１２は前
後ガイド溝１４，１３が連通した形状であつても
良いことは言うまでもない。

本考案は以上詳述した構成にて初期目的を有効
達成した。特に、左右両側面の前後にピン１０…
が突設されたキーボード７載置用の天板８と、該
天板８の前後のピン１０，１０が挿入されて該天
板８を水平又は下傾状態として前後にスライド自
在に案内するためのガイド溝１２を対向する内側
面１１，１１に有する一対の水平状の天板支持ア
ーム９，９と、該支持アーム９のガイド溝１２に
下方から臨み、上記天板８の前側ピン１０を上方
に弾発付勢して該天板８の下傾を阻止及び許容す
るための規制機構１５とを、具備したから、天板
８のスライド機構と傾斜機構を同一機構とでき、
しかもその構造が非常に簡素化された。従つてコ
ストを大幅に低減できると共に組立も容易であ
り、しかも十分な強度に設計することができる。
またスライド操作、及び水平姿勢と下傾姿勢の切
換操作が簡単に行え、キーボード７を両姿勢状態
に自由に選択して使用できる。さらに規制機構１
５を含むスライド及び傾斜機構は支持アーム９部
分に集約され、同機構の占めるスペースをコンパ
クト化できると共に外部突出構造物による取扱い
上の不都合もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は側面断面図、第３図は天板と支持アームを示
す分解斜視図、第４図は支持アーム部分における
断面図、第５図及び第６図は第４図の動作状態を
示す断面図、第７図は規制機構の他の実施例を示
す側面図、第８図はさらに他の実施例を示す断面
図、第９図は今一つの実施例を示す断面図、第１
０図は第９図におけるＡ−Ａ矢視断面図である。 ７……キーボード、８……天板、９……支持ア
ーム、１０……ピン、１１……内側面、１２……
ガイド溝、１５……規制機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右両側面の前後にピン１０…が突設されたキ
   ーボード載置用の天板８と、該天板８の前後のピ
   ン１０，１０が挿入されて該天板８を水平又は下
   傾状態として前後にスライド自在に案内するため
   のガイド溝１２を対向する内側面１１，１１に有
   する一対の水平状の天板支持アーム９，９と、該
   支持アーム９のガイド溝１２に下方から臨み、上
   記天板８の前側ピン１０を上方に弾発付勢して該
   天板８の下傾を阻止及び許容するための規制機構
   １５とを、具備したことを特徴とするキーボード
   載置台。