JPS6350556B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、回転ポンプ兼モータに関し、特に、
回転インペラを備えたポンプ兼モータ並びにイン
ペラの端部を密封するための手段に関する。ここ
で、「回転ポンプ兼モータ」とは、ポンプとして
も、又、モータとしても使用することができるこ
とを意味するが、ここでは単に「回転ポンプ」と
称することとする。

従来の技術 例えば歯車ポンプのような回転ポンプは、互い
に噛み合う歯車の形とした１対のインペラと、各
インペラの外周の一部分を密に囲包し、ポンプの
低圧側の流体を捕捉し、該流体をポンプの高圧側
へ移送するようにインペラの歯と協同するように
したケーシングとから成る。噛合した歯は、ポン
プの吸込側と吐出側との圧力差により両インペラ
の間を通つて流体が逆流するのを防止する。又、
回転するインペラの端部とケーシングとの間の逆
流を抑制するための端板が設けられている。この
ようなポンプに随伴する大きな問題は、端板が逆
流を防止するのに十分なほどインペラに対して緊
密に、しかも、インペラが焼付き停止することが
ない程度に弛くインペラに対して装着されるよう
に該端板を調節することである。又、インペラ
は、一般に、鋼で形成されており、端板は青銅で
形成されているので、温度上昇より膨張する割合
が青銅の方が鋼より高いのでそれを補償するため
に端板の径をインペラより小さくしておかねばな
らないという更に複雑な問題がある。密閉された
ポンプ内に配設された端板は、そのインペラのあ
る側とは反対側の裏面にポンプの吐出側からの流
体の圧力を作用させ、インペラの端面に対して
「浮動」するように構成することが好ましく、そ
れによつて端板をインペラの端面に対して密封接
触状態に圧接させる平衝圧力を創生し、所望のシ
ールが得られるようにする。しかしながら、イン
ペラの端面に隣接する側の端板の面にかかる流体
圧力は、ポンプの吐出側と吸込側とでは大きく異
なり、従つて、圧力の不均衡を生じ、インペラの
端面と端板との焼付きを起こす場合があるという
点で極めて難しい問題がある。これらの問題は、
従来から長年に亙つて認識されており、例えば米
国特許第1972632号及び第2714856号にはこの問題
に対する解決策が提案されている。これらの提案
は、ゆるやかな条件のもとでは良好な機能を発揮
するものであつたが、近年の技術においてはポン
プの圧力を著しく高めることが要求されるので、
上記の問題は、もはや従来の解決法では処理でき
ない段階にきている。

発明が解決しようとする問題点及び発明の目的 本発明は、極めて高い圧力下においても上記の
問題を回避することのできる新規な回転ポンプ構
造を提供することを企図したものである。

より詳しくいえば、本発明は、回転インペラの
端部に係合するための新規な端板を提供するもの
であり、それによつて従来の回転ポンプでは得ら
れなかつた圧力の均衡化を図るものである。これ
らの端板は、対称形であるからポンプを通る流体
を逆転することを可能にする。この圧力平衡作用
の向上により端板の効率を高める。

問題点を解決するための手段 上記問題を解決するための本発明の回転ポンプ
は、１対の回転インペラと、該インペラの対応す
る端部に当接する前面を有する１対のスラスト端
板（以下、単に「端板」とも称する）と、該イン
ペラ及びスラスト端板の周縁を囲包するケーシン
グとから成り、該ケーシングは、中央ケーシング
部材と、インペラのある側とは反対側の各スラス
ト端板の裏面を囲包する１対の端部ケーシング部
材とを有する。該ケーシングの中央ケーシング部
材と端部ケーシング部材とは、固定手段によつて
着脱自在に結合する。この回転ポンプは、該ケー
シング内に180゜相対置した吸込口と吐出口を有す
る。前記中央ケーシング部材は、前記インペラと
の間に流体を捕捉するようにインペラと密着嵌合
し、かつ、前記スラスト端板の周縁の隣接部分に
接触する半円形部分を有する。各インペラの両端
にはそれぞれインペラと同心をなす軸部材が固設
されている。各スラスト端板は、ケーシング内に
おいてインペラに対して軸方向に変位自在であ
り、１対のインペラの軸部材の軸線と同心関係を
なす１対の開口を有しており、スラスト端板の裏
面の該各開口の周りに端ぐりが形成されている。
各インペラの軸部材を担持する軸受を設け、該各
軸受の非回転外周部をそれぞれの対応する端部ケ
ーシング部材に固定して前記端ぐり内へ突入させ
てある。各スラスト端板の周縁はケーシングの周
面に実質的に接触させる。前記吸込口及び吐出口
のそれぞれに近接して各スラスト端板の周縁に切
欠きを設け、該各スラスト端板の周縁の前記吸込
口に近接した切欠きと前記吐出口に近接した切欠
きとの間の各スラスト端板の両端にそれぞれ少な
くとも１つの切欠きを形成する。これらの切欠き
は、端板の１方の面から他方の面への流体の流通
を可能にする。各インペラの端面に当接する各ス
ラスト端板の前面に設けた複数の半径方向のラン
ドによつて該各切欠きのところに位置する複数の
谷部分即ち室を該前面に画定し、該各ランドは、
各インペラの対応する端面に密封接触するように
なされた平坦な表面を有し、それによつて各谷部
分及び切欠きを密封し互いに分離させる。各ラン
ドは、前記各隣接する室と室の間でインペラの歯
１個分に亙つてインペラと密封関係をなすように
インペラの隣接する歯と歯の間の空間を覆うのに
十分な円周方向の長さを有する。前記各端ぐり内
に該端ぐりの両端の間に位置する環状シールを配
設して該環状シールを境としてスラスト端板の前
面側と裏面側に別個の前面側画室と裏面側画室を
画定し、該各端ぐり内の該前面側画室とそれに近
接するスラスト端板の両端の切欠き（即ち吸込口
と吐出口の間の切欠き）とを連通させる半径方向
の通路を設ける。

発明の作用 各スラスト端板は、８の字形とすることが好ま
しく、各インペラの軸線を８の字形端板の１対の
円形開口の中心にそれぞれ一致させる。インペラ
に当接する側の端板の前面には８の字形の両端を
横切るようにして室を画定するランド（隆起部
分）によつて離隔させる。又、８の字の中心線の
両側にそれぞれ１つの谷部分を形成し、各谷部分
を互いに、かつ、上記円形開口からランドによつ
て離隔させる。これらの谷部分は、ポンプ内部か
らの流体によつて加圧され、吸込口と吐出口のと
ころの谷部分は、それぞれ吸込口及び吐出口の流
体によつて加圧され、端板の両端の谷部分はイン
ペラからの圧力流体によつて加圧される。

発明の作用効果 従つて、これらの流体圧力は、インペラと端板
との間に対抗する力を創生し、それによつてイン
ペラの歯車並びに端板の摩耗を減少させ、可能な
作動速度を高め、流体の過熱を抑制する。後に詳
述するように、前記環状シールと、スラスト端板
の開口及び開口に設けた端ぐりの一部の壁と、イ
ンペラと、軸受部材と、軸部材とによつて画定さ
れる前記内側画室は、前記両端の切欠きから前記
通路を通して高圧流体を受け入れ、それによつて
インペラとスラスト端板との間に、ケーシングと
スラスト端板との間に作用する他方の裏面側画室
内の圧力と釣合う平衡圧力を創生する。裏面側画
室は、ケーシングとスラスト端板の裏面の周縁部
と、環状シールと、開口の端ぐりの壁と、軸受部
材とによつて画定される。

本発明の叙上及びその他の目的、特徴並びに利
点は、添付図を参照して記述した以下の説明から
一層明らかになろう。

実施例 添付図を参照すると、１対の互いに噛合した歯
車インペラ１１，１２と、それらのインペラの両
端の端面を密閉する１対のスラスト端板１３，１
４と、該インペラ及び端板の外周を囲包する中央
ケーシング部材１５（ケーシングの一部を構成す
る部材）を有する回転ポンプ１０が示されてい
る。このポンプは、モータとしても使用すること
ができる。ケーシング部材１５に穿設した連通口
１５ａと１５ｂは、それぞれ選択的にポンプの吸
込口又は吐出口として使用される。スラスト端板
１３，１４及び中央ケーシング部材１５は、１対
の端部ケーシング部材１６と１７の間に抱持さ
せ、ボルト（固定手段）１８をケーシング部材１
５，１７を通して挿通し、ケーシング部材１６に
螺入させることによりそれらのケーシング部材を
互いに密封状態に保持する。中央ケーシング部材
は、前記インペラとの間に流体を捕捉するように
インペラと密着嵌合し、かつ、前記スラスト端板
の周縁の隣接部分に接触する半円形部分を有す
る。ケーシング部材１６，１７の内側面は、１対
の円筒状の凹部を除いては平坦な連続した面を有
している。円筒状凹部内には軸受１９，２０を嵌
合させる。軸受１９，２０内にインペラ１１，１
２の中央円筒形ハブ即ち軸部材２２，２３をそれ
ぞれ支承させる。

スラスト端板１３と１４とは同一形状であるか
ら、ここでは端板１３についてのみ詳細に説明す
る。スラスト端板１３には、ハブ２２，２３を挿
通するための１対の開口２４，２５が形成されて
おり、これらの開口の周りの端板の裏面には軸受
１９，２０の、ケーシング部材１６に固定された
外側軸受ハウジング１９′，２０′の突出端（第１
図）の周面に密に嵌合する端ぐり２６，２７を形
成する。スラスト端板１３の前面は、第３図に示
されるように８の字形である。スラスト端板１３
の前面には、各開口２４，２５を囲繞し、それぞ
れ対向した半径方向のランド（隆起部分）３２，
３３と、それらの半径方向のランドに連接した環
状ランド３０，３１を形成し、ランド３０と３１
を連結する横断ランド３４を形成する。ランド３
０，３１，３２，３３，３４の間の部分は、谷部
分即ち凹部とされ、それによつて端板の両端に室
３５，３６を形成し、端板の吸込側と吐出側に室
３７，３８を形成する。これらの室３５，３６，
３７，３８は、ごく浅いものであり、端板１３の
前面に圧力室を形成する。室３５，３６を端板の
周縁を通して裏側に連通させるためにスラスト端
板の両端にそれぞれ少なくとも１つの切欠き３
９，４０を形成する。又、室３７，３８を端板の
周縁を通して裏側に連通させるために吸込口及び
吐出口のそれぞれに近接してスラスト端板の周縁
に切欠き４１，４２を形成する。

上述した各ランド３０，３１，３２，３３は、
インペラの対応する端面に密封接触するようにな
された平担な表面を有する。半径方向のランド３
２，３３は、インペラの端面に密封接触すること
によつて該ランドの両側の谷部分３５，３７，３
６，３８及び切欠き３９，４１，４０，４２を密
封し互いに分離させる。又、各半径方向のランド
３２，３３は、各隣接する谷部分と谷部分（室と
室）の間でインペラの歯１個分に亙つてインペラ
と密封関係をなすようにインペラの隣接する歯と
歯の間の空間を覆うのに十分な円周方向の長さを
有する。

端板１３の裏面も、８の字形であり、ケーシン
グ部材１６の平坦面に平行な平坦面を有してい
る。端板１３の裏面には、８の字の半円形状の各
外端を中央部分から分割するためのそれぞれ１対
の溝５２，５３と、５４，５５を形成し、それら
の溝内にそれぞれエラストマー製のシール部材５
８，５９，６０．６１を装着し、端板の裏面を中
央部分と、該中央部分から分離した外端部分とに
分離し、それぞれ対面する端部ケーシング部材１
６の壁面と協同して、シール部材５８，５９，６
０，６１によつて互いに分離されたポケツト又は
室６７，６８，６９が形成されるようにする。

先に述べたように、端板１３の各開口２４，２
５の裏面側には、それぞれ拡径開口即ち端ぐり２
６，２７が形成されている。各端ぐり２６，２７
には、その周壁の内端と外端の間（第５図）に位
置する環状溝２９を形成し、該環状溝内に環状シ
ール２９ａを装着する。環状シール２９ａは、例
えば強化テフロン又はそれに類する材料で形成す
ることができる。環状シール２９ａは、端ぐり２
６，２７内へ挿入される軸受１９，２０の外周
面、詳しくいえば、軸受１９，２０の非回転外側
軸受ハウジング１９′，２０′の外周面に密封接触
するので、軸受１９，２０及び軸部材２２，２３
と協同して端ぐり２６，２７を含む開口２４，２
５を前面側画室７４，７５と裏面側画室７４′，
７５′とにそれぞれ分離する役割を果たす（第５，
６，８図）。

各切欠き３９，４０からシール２９ａと各端ぐ
り２６，２７の底面２６ａ，２７ａとの間の前面
側画室７４，７５に通じる通路２９ｂを設ける。

作動において、端板１３の前面側の室３５，３
６，３７，３８に流入する流体は、端板１３と軸
方向外方へ、即ち端板１３をインペラ１１，１２
の端面から引離す方向へ押圧する。一方、流体
は、端板の切欠き３９，４０，４１，４２と中央
央ケーシング部材１５の内壁面との間の間隙を通
つて端板の裏面へまわり込み、端板の裏面の室６
７，６８，６９に流入し、端板をインペラ１１，
１２の端面に向つて軸方向内方へ押圧する。

しかしながら、端板の裏側にまわる圧力は静止
圧であるから前面側に流動圧より大きくなる傾向
があり、しかも、従来の端板におけるように端板
の各開口２４，２５の端ぐり２６，２７に環状シ
ール２９ａ（第６，８図）が設けられていないと
すれば、端板の裏面側の比較的高い流体圧が端ぐ
り２６，２７の底面２６ａ，２７ａ（第４図）に
も作用するので、端板を内方へインペラに対して
過度に押圧する傾向があつた。

これに対して、本発明によれば、端ぐり２６，
２７に環状シール２９ａを配設することにより前
面側画室７４，７５と裏面側画室７４′，７５′と
に分離し、裏面側の流体が直接底面２６ａ，２７
ａに作用するのを防止する。

更に、切欠き３９，４０と前面側画室７４，７
５とを連絡する通路２９ｂ（第４，６，８図）を
設けたことにより切欠き３９，４０を通つて裏側
へ流れる流体の一部が通路２９ｂを通つて環状シ
ール２９ａと、開口２４，２５の周壁と、軸受１
９，２０及び軸部材２２，２３の外周面と、端板
に当接したインペラ１１，１２の面とによつて画
定される前面側画室７４，７５に流入する。前面
側画室の大きさは、端板の裏面に作用する流体圧
力（端板をインペラに向けて押圧しようとする
力）が端板の前面に作用する流体圧力（端板をイ
ンペラから引き離そうとする力）より僅かに大き
くなるように定められる。かくして、本発明によ
れば、端板の裏面側に作用する流体圧力と、端板
の前面側に作用する圧力とが適度に平衡化され、
端板をインペラの端面に対して適度な密封を設定
するが、過度に圧接しない程度に押圧する。それ
によつて、高圧作動時に生ずるスラスト端板１
３，１４とインペラの面との摩擦を少なくし、ス
ラスト端板の摩耗を少なくする。

端板の前面の谷部分即ち室３５，３６，３７，
３８は、端板への裏面への流体連絡通路の役割を
果たすのに加えて、インペラと直接接触しないの
で摩擦熱の発生を減少させる作用も有する。更
に、室３７，３８は、インペラの歯の間に捕捉さ
れた流体が過度に高い圧力になるのを防止する逃
し通路の役割を果たす。

第７図は、本発明の変型実施例を示す。この実
施例の各構成部分のうち第１〜６図の実施例の構
成部分と同様な部分は同じ参照番号にダツシユを
付して示してある。この実施例においては、スラ
スト端板１３′の裏面には、８の字の半円形状の
各外端を中央部分から分割するためのそれぞれ１
対の溝５２，５３と５４，５５と、６４，６５を
形成し、それらの溝内にそれぞれエラストマー製
のシール部材５８，５９，６０，６１，６２，６
３を装着し、端板の各外端を中央部分から分離し
て複数の分離したポケツト又は室６７，６８，６
９，７０，７１，７２を形成する。各シール部材
は、対応する溝と同じ長さとし、溝の頂部より僅
かに突出させ、ケーシング１６の面に密封係合さ
せる。

端板１３′の周縁の各端には、先に述べたよう
に、切欠き３９，４０が形成されており、それら
の切欠きは、端板の厚み全体に亙つて延長してい
る。これらの切欠きは、端板１３′の一方の面か
ら他方の面への連通を設定することと、作動中熱
による端板の座屈を防止することの２重の機能を
果たす。

端板１４′は、端板１３′の構造と同じであり、
その取付態様及び作動については詳しく説明する
必要はない。端部ケーシング部材１７は、反対側
の端部ケーシング１６が端板１３′と協同するの
と同じ態様で端板１４′と協同する。

第７図の実施例は、シール部材６２，６３を設
けることにより端板１３′の裏面側の中央部分を
室７０と、７１と、７２とに分離した点で第１〜
６図の実施例と異なるだけである。第７図の実施
例の作動は、端板の中央部分に３つの室７０，７
１，７２が設けられ、ポンプの吸込側の流体圧と
吐出側の流体圧とを分離するようになされている
点を除いては、第１〜６図の作動と全く同じであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回転ポンプの縦断面図、第２
図は第１図の線〜に沿つてみた断面図、第３
図はインペラの端面に係合する側の端板の前面を
示す図、第４図は第３図の端板の裏面を示す図、
第５図は第４図の線−に沿つてみた断面図、
第６図は第４図の線−に沿つてみた断面図、
第７図は第２実施例の端板の裏面図、第８図は第
６図と同様の図であるが、ケーシング部材、軸受
及びインペラをも一緒に示す断面図である。 １１，１２：インペラ、１３，１４：スラスト
端板、１５：中央ケーシング部材、１５ａ，１５
ｂ：吸込口と吐出口、１６，１７：端部ケーシン
グ部材、１８：固定手段（ボルト）、１９，２
０：軸受、２４，２５：開口、２６，２７：端ぐ
り、２９：環状溝、２９ａ：環状シール、２９
ｂ：通路、３０，３１，３２，３３，３４：ラン
ド、３５，３６，３７，３８：室、３９，４０，
４１，４２：切欠き、５２，５３，５４，５５，
６４，６５：溝、５８，５９，６０，６１，６
２，６３：シール部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １対の回転インペラ１１，１２と、該インペ
   ラの対応する端面に当接する前面を有する１対の
   スラスト端板１３，１４と、該インペラ及びスラ
   スト端板の周縁を囲包する中央ケーシング部材１
   ５及びインペラのある側とは反対側の該各スラス
   ト端板の裏面を囲包する１対の端部ケーシング部
   材１６，１７を有するケーシングと、該ケーシン
   グの中央ケーシング部材と端部ケーシング部材を
   着脱自在に結合する固定手段１８と、該ケーシン
   グ内に対向させて配置された吸込口１５ａ及び吐
   出口１５ｂとから成る回転ポンプにおいて、 前記中央ケーシング部材は、前記インペラとの
   間に流体を捕捉するように該インペラと密に嵌合
   し、かつ、前記スラスト端板の周縁の隣接部分に
   接触する半円形部分を有しており、前記各インペ
   ラの両端にはそれぞれインペラと同心をなす軸部
   材２２，２３が固設されており、前記各スラスト
   端板は、前記ケーシング内においてインペラに対
   して軸方向に変位自在であり、該１対のインペラ
   の前記軸部材の軸線と同心関係をなす１対の開口
   ２４，２５を有しており、該スラスト端板の裏面
   の該各開口の周りに端ぐり２６，２７を形成し、
   前記各インペラを担持する軸受１９，２０を設
   け、該各軸受の非回転外周部をそれぞれの対応す
   る端部ケーシング部材１６，１７に固定して前記
   端ぐり内へ突入させ、前記各スラスト端板の周縁
   に前記吸込口及び吐出口のそれぞれに近接して切
   欠き４１，４２を設け、該各スラスト端板の周縁
   の前記吸込口に近接した切欠き４１と前記吐出口
   に近接した切欠き４２の間の各スラスト端板の両
   端にそれぞれ少なくとも１つの切欠き３９，４０
   を形成し、前記各インペラの端面に当接する前記
   各スラスト端板の前面に設けた複数の半径方向の
   ランド３２，３３によつて前記各切欠きのところ
   に位置する室３５，３６，３７，３８を該前面に
   画定し、該各ランド３２，３３は、前記各インペ
   ラの対応する端面に密封接触するようになされた
   平坦な表面を有し、各ランドは、前記各隣接する
   室と室の間で該インペラの歯１個分に亙つて該イ
   ンペラと密封関係をなすようにインペラの隣接す
   る歯と歯の間の空間を覆うのに十分な円周方向の
   長さを有し、前記各端ぐり２６，２７内に該端ぐ
   りの両端の間に位置する環状シール２９ａを配設
   して該環状シールを境としてスラスト端板の前面
   側と裏面側に別個の前面側画室７４，７５と裏面
   側画室７４′，７５′を画定し、該各端ぐり内の該
   前面側画室とそれに近接する前記切欠き３９，４
   ０とを連通させる通路２９ｂを設けたことを特徴
   とする回転ポンプ。 ２ 前記環状シールは、前記端ぐり内に該端ぐり
   の両端の間に形成した環状溝２９内に装着されて
   いる特許請求の範囲第１項記載の回転ポンプ。 ３ 前記ケーシングの前記相対向する吸込口と吐
   出口を前記インペラの両側に対応するところに設
   け、該吸込口と吐出口の各々に隣接する室を前記
   スラスト端板の前面及び裏面に形成し、流体を捕
   捉するケーシングとインペラの部分に隣接してス
   ラスト端板の両側にそれぞれ室を形成した特許請
   求の範囲第１項又は２項記載の回転ポンプ。