JPS63503021A - 液体金属のイオンソースとその合金 - Google Patents

液体金属のイオンソースとその合金

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 液体金属のイオンソースとその合金 [発明の背景] ゛ 米国政府は契約番号第83 F 842300号により本発明に権利を本発明は 液体金属のイオンソース(ion 5ource)即ちイオン源に関し、就中、 寿命の長い液体金属のイオンソースに用いられる合金に関する。
液体金属のイオンソースは小さな実質ソース寸法を有する1つのソースから高電 流密度の金属イオンのビームを提供する。このような高い明るさく高電流密度) 及び小さなソース寸法が必要になるのは、例えば、スポット・サイズが1マイク ロメーター以下の高い最少識別距離(resolutlon)でイオン・ビーム に焦点を結ばせて、イオン注入(1on i田planat1on)による半導 体のマイクロサーキット等の製造に適用し得るようにする場合である。1つの試 みとして、例えば針の先の如き鋭い尖端を存する基材からイオンを放射させるこ とにより、この高電流密度及び小さな実質ソース寸法が得られる。この技術に於 いては、針が液体イオンソースの合金の層で覆われ、静電抽出電場の適用により 、針の尖端に液体合金のカスブ(尖頭、cusp)が作り出され、この小さなカ スブがイオンの放射ソースになる。イオンがこのソースから放射されると、多く の液体金属がリザーバー即ち溜りからこの針を流れ下り、カスブに至り、放射さ れた分を補充する。
この型のイオンソースに於いては、注入される化学種(species)は溜り の中及び針の先にある間は主に液体合金の中に存在する。この合金は少なくとも その溶融点まで加熱され、又イオン注入操作の間、長時間溶融状態に保たれねば ならない。このように長時間、合金が溶融状態に保たれると、高い蒸気圧を有す る化学種がこの合金から可なりの置火われ、合金の組成が時間と共に変化する。
この時間によるイオンソース合金の組成変化は非常に顕著で、半導体のマイクロ サーキットの製造にを害である。これは半導体のチップに注入されるイオンの化 学種の電流密度が変化するからである。更に溶融合金と液体金属イオンソースの 放射要素、溜り及び針の基材を含む、とを長時間接触させて置くと、この要素の 腐蝕及び欠陥が発生する。液体金属イオンソースの寿命は、溶融合金による放射 要素の攻撃及び腐蝕によってしばしば制限され、このような腐蝕は使用中のイオ ンソースの放射特性を時間により変化させる。
イオンの化学種の為の蒸発ソースを用意する最も直接的な試みは、合金されてい ない元素そのものを化学種として使用することである。しかし、マイクロサーキ ットのアクティブな範囲に注入するための多くの重要なドーパント金属及び半金 属イオン、例えば砒素、アンチモニー及び燐、はその溶融点で高い蒸気圧を持っ ており、その結果として、この元素の顕著な蒸発と又損失が発生する。この溶融 点は結構高い温度なので、純粋な液体金属とその蒸発要素とを長時間接触させて 置くと、蒸発要素の腐蝕が起る。
別の試みとして、希望するイオン蒸発化学種の合金を他の選ばれた組成の金属又 は半金属で形成し、この選択によりこの合金の溶融点が個々の構成成分のそれよ り低くなる如くにし、更にこの液体金属による放射要素の腐蝕が、合金されない 状態のときの要素に比し減る如くにする方法がある。通例、この合金は共晶又は 亜共晶を作るものから選ばれる。共晶反応があると合金の液化温度が下がる。液 体金属イオンソースの中で共晶又は亜共晶組成の液体合金を使用すると、最低温 度の液体合金でソースを運転することが可能となり、このことにより、蒸発ソー ス要素に対する合金の腐蝕率が下がる。
希望する化学種及び合金元素のイオンが共にこのソースから放射されるが、選ば れた化学種のみ通過させる質量分離器として作用する速度フィルターを使用する ことにより希望する化学種のみが注入用として選択される。
液体金属イオンソース合金の選択に当たって考慮すべき重要なことは、合金によ るソース要素の濡れの問題がある。この合金は蒸発要素を十分に濡らし、蒸発要 素の上に液体の層を形成しなければならず、又添加された金属が、連続した放射 工程の間、溜りから針に流れることが出来なければならない。十分に良好な濡れ 性を得ることと腐蝕を最少にすることを同時に達成することは困難なことである 。これは、濡れ性は一般的に液体合金と蒸発金属の間である程度の化学反応を必 要としていると考えられ、この反応が又好ましくない腐蝕を起こす傾向があるか らである。
共晶又は亜共晶合金の中に蒸発されるべき化学種を準備することにより、許容し 得る寿命を有する液体金属イオンソースが砒素以外のイオン化学種用に発展した 。例えば、金及びシリコン用のソースがその合金システムの共晶温度の真上で運 転され、50時間を超えると言う使用寿命を示す。残念ながら、砒素用の最善の 電流のイオンソースの寿命及び安定性は商業用として受入られものになっていな い。
結果として、液体金属イオンソースに用いられる砒素のソース合金のより良いも のに対するニーズは継続的に有り、これに対して好ましい合金とは、安定した操 業条件で、均一なビーム・エネルギーと強度とを有し、更に長期に亙って有害な 腐蝕を起こすこと無く運転することの出来るものである。
本発明はこのニーズを満たすものであり、更に附随した効果を提供するものであ る。
[発明の概要] 本発明は液体金属イオンソース及びその合金を提供するもので、このことにより 、合金の選択及び設計に新しい手掛りを与えるものである。その合金の溶融点に 於いて放射される化学種の蒸気圧は低く、従ってこのソース合金は化学的に顕著 な変化を示すこと無しに長時間に亙り蒸発金属の中で溶融状態を保つことが出来 る。このソースは、時間と共に放射イオン強度に若干の変化は示すが、全期間に 亙り実質的に化学量的イオン蒸発を示し且つ安定している。顕著なことは、この 合金が放射要素、例えば放射針又は加熱要素、を実質的に腐蝕しないことで、そ の結果このソースは交換の必要無しに長期間使用することが出来る。
本発明によれば、液体金属イオンソースは、1つの元素の化学種のプラスに荷電 したイオンを放射する為の放射手段と、上記放射手段に放射されるべき化学種を 供給するソース手段で、この化学種が、上記1つの元素の化学種と少な(とも他 の1つの元素との一致蒸発合金の中に含まれているものと、を含んでいる。
更に特定的で、本発明の別の面に於いては、砒素元素の為の液体金属イオンソー スが、砒素のプラスに荷電したイオンを放射する為の放射手段と、及び砒素を供 給する手段と、を含み、この砒素が基本的に砒素とパラジウムから成る合金の中 に含まれている。好ましくは、この合金が約24から33原子%の砒素を含有し 、この範囲の上限は固体状態の化合物Pd2Asに対応している。最も好ましく は、この合金は約24原子%の砒素と約76原子%のパラジウムの組成を有し、 この組成はイオンソースの略操業温度である1200°にで一致蒸発する組成と 考えられる。
1つの実施例に於いては、砒素の為の液体金属イオンソースを作る為に、実質的 に、パラジウムと砒素とから成る混合物を準備し、ソース合金を形成し、又この ソース合金をプラスに荷電したイオンを放射する為の放射手段の中に置いている 。好ましいパラジウム−砒素ソース合金の1つは、上記混合物を燃焼合成するこ とによって形成しており、この場合、パラジウムと砒素の双方の発火温度以上の 温度に急速に局部加熱することにより、発熱反応が始まる。この反応が燃焼波と して残っている未反応の混合物に広がり、反応が迅速に完了し、揮発性の砒素の 損失を最少にする。
本発明の実施例は、液体金属イオンソース用の放射合金の選択に関し従来方法に 比し目覚ましい発展を示す。従来は、純粋な元素、共晶組成の合金及び亜共晶組 成の合金がイオンソースとして用いられていた。この共晶及び亜共晶組成は低い 溶融温度の放射合金を得ると言うことで選択されていたが、今や、他の組成のも ので、た°とえその溶融点が高くても、イオンの近化学量的放射が得られ、その イオン・ビームは優れた安定性を示し、又顕著に基材を腐蝕すること無しに許容 し得る程度の基材の濡れ性が得られることが見出だされた。従って、非常に拡大 された寿命を有する液体金属イオンソースが可能で、又このような寿命の長いソ ースは特別に安定しており、このことにより、イオン注入方法が商業的に採用可 能となった。
以上により、本発明により、特に高い蒸気圧を有する金属及び半金属、例えば砒 素、に対する液体金属イオンソースが目覚ましく進歩した。特定の合金を伴うソ ースは長い使用寿命を持ち安定している。本発明のその他の特徴及び利点に就い ては以下の詳細な説明と、例として本発明の趣旨を描いた添附図面とによって明 らかにする。
[図面の簡単な説明] 第1図は液体金属イオンソース構造体の1つの型を示す斜視図、 第2図は第1図の放射針の尖端の詳細を示す拡大断面図、第3図は液体金属イオ ンソースを用いたイオン走査試験器の断面を示す概念図、 第4図は、タングステン針からイオン放射されたPd2Asに該当する組成を有 する液体金属の質量スペクトル、 第5図はパラジウム−砒素合金系の関連部分の温度−成分状態図である。
[実施例の詳細な説明] 本発明は液体金属イオンソースに関し、その1つの型が第1図に参照符号lOで 示されている。イオンソースlOはイオン蒸発基材の針12を含み、特徴として 半径約20マイクロメーター以下の尖端と、半角的49.5’以下のアペックス とを持っており、これが全体的にU型をした加熱エレメント14の下端部の1つ の孔を介して(図示無し)伸びている。加熱エレメント14はU型の金属リボン の形をしており、加熱エレメント14の柱強度を増す為にその両脚部に打ち出し の折曲げ部1Bを設けてもよい。必要ならば、この折曲げ部16を加熱エレメン ト14の下端部のアペックス曲げ部18の近(まで設けても良いが、アペックス 曲げ部自身の区域まで延ばしてはいけない。イオンソース合金(粉状、チップ状 又は分割型をしたもの)が加熱エレメント14のアペックス曲げ部18の中゛に 置かれ、電圧vHで作られた電流がこの加熱エレメント14に流され、この合金 が溶け、加熱エレメント14のアペックス曲げ部18の中に液体金属の溜り19 を自然に形成する如くにする。この溜り19は重力の影響の下でアペックス曲げ 部18の中に静止したままでいる。これは表面張力により液体金属のメニスカス 20の表面積が最少になるからである。
針12が加熱エレメント14の丸くない孔(図示無し)を通過するが、この孔が 液体金属を針の尖端22に流し、それと同時に針12を保持するようにする。イ オンソース10が適切に運転された場合、加熱エレメント14の加熱により溜り 19の中のソース合金が溶解し、加熱エレメント14のアペックス曲げ部18の 内表面を濡らす。溶けたソース合金が熱を針12に伝え、この溶融合金が針12 も濡らした状態とする。最後に、この溶融合金が針12に沿って針の尖端22に 流れ、その結果イオンが蒸発する。
第1及び2図に於いて、液体ソース合金はアペックス曲げ部18の中の溜り19 から針12の尖端に向って流れ、針12の尖端22に沿って液体層24を形成す る。針I2の最尖端に於いて、ここは針12の両側面からの液体層が出会う所だ が、抽出電極28により外部から掛けられる静電磁界の作用によって、液体層2 4が下に引かれ、ここにカスプ26を形成する。イオンソース10によって放射 されるイオンは、好ましくは、針の尖端22の最端部近くに位置するカスプ26 のみから放射され、極く小さな寸法の点ソースから放射されるプラスに荷電した イオンが静電磁界によりカスプ2Gから引き出されるが、この磁界はイオンソー ス10と抽出電極28との間に電圧VEを掛けることによって作られる。イオン はカスプ2Bを出て抽出電極28の開口部27を通過する。この場合、カスプ2 6で放射されるイオンの明るさは非常に高いものである。
層24の中の液体はアペックス曲げ部18の中に位置する溜り19から針12の 表面に沿って下り、カスプ2Bに至り、そこで放射を開始し又持続しなければな らない。しかし、これは合金が基材を濡らすことの困難性により、溜り19から 針12に沿って層24の中に合金を流し始め且つこれを持続°することが困難な ことがしばしばある。一方、濡れの範囲が広過ぎると、溶融合金と固体の基材と の間で化学的相互反応が起り、基材が腐蝕し、基材の多くの部分が溶かされてし まう。その結果、ビット、クラック又はヒラシャーが針の尖端に出来、針12が 完全に駄目になったり、腐蝕模様によって複数のカスプが形成され、ソース10 が適切に焦点を結ばなくなってしまう。
第3図は第1及び2図に示した液体金属イオンソースを用いた重要な実施例の1 つを示している。イオンソース10がイオン走査試験器30の中に装着される。
電圧VEにより針12に対しマイナスにバイアスの掛けられた抽出電極28がプ ラスに荷電したイオンをカスプ26から引き出し、イオンビーム32を形成する 。このビーム32の極く1部分が、主として約1ミリラジアン、がアパーチャ3 4を通過しイオン走査試験器30の光学部分に入ることが出来る。アパーチャ3 4を出た通過ビーム36が加速電極38を通過し、この電極がビーム3Bのエネ ルギーを増す。これは第2の加速電極38bが電圧vLによって第1の電極38 aに対してマイナスにバイアスされているからである。通過したビーム36は次 に静電偏向電極40を通過するが、ここでこのビームは端から端に偏向し、ター ゲット42の表面を走査する形で移動する。通過したビーム36は調節可能な形 及び型のイオン注入域の形でターゲット42の表面上に色々な模様を描くことが 出来る。このビームは又狭い溝や小さい孔をイオン加工するのに用いることが出 来る。2次的電子検出器(図示無し)を付けることにより、このビームは走査電 子顕微鏡と同じ形でターゲットを写し出すことが出来る。2次的イオン質量分析 計(図示無し)を付けることにより、ターゲット42上の非常に小さな範囲の微 少組成を定量及び定性分析することが出来る。
好ましくは、異なる質量のイオンを異なる量により偏向させるEXB質量分離器 44が設けられる。質量分離器44は好ましくはワイン(Weln)の速度フィ ルターで、これが質量分離器として作用する。これは、適切に操作された場合、 液体金属イオンソースから得られるビームのエネルギーの分散が非常に低いから である。質量分離器44は抽出電極28とアパーチャ34との間に置かれ、質量 分離器44の中に磁界及び電界を作る手段を含んでいる。質量分離器44の中の この磁界はそこを通過する移動中のイオンをビーム中のイオンの質量、速度及び 電荷に基く量により偏向させる。磁界及び電界の強さ及び質量分離器44の位置 を変更することより、希望する1つの化学種のみアパーチャを通過させ、ターゲ ット42に注入し、一方その他の全ての化学種がアパーチャ34の上側に沈積す るようにすることが出来る。第4図は砒素用の好ましいソースの1つ、即ちパラ ジウム67原子%及び砒素33原子%の組成を有する合金、からのイオンのビー ムの質量スペクトルを示しており、相対的ターゲット電流と質量分離器44の相 対的プレ如く、選ばれたイオン化学種のピークに対応するようにブレート電圧を セットすることにより、特定の型のイオン及び荷電状態を選択することが出来る 。
本発明の1つの実施例によれば、イオンソース10から放射される化学種は液体 ソース合金が基材を濡らす様に選ばれた組成を有し、実質的に基材に対し非反応 性で、又同じ率で合金組成成分を蒸発させる。この場合用いられる「一致蒸発組 成J (congruently vaporizing compositi on)とは、ある合金の組成のことで、その組成成分がある割合いで蒸発し、液 体の組成がイオンソースのある特定の運転温度で変化しないもののことである。
一致蒸発組成の為の条件が満足されると、合金の溶融点、これは従来合金選択の 第1条件と考えられていたものだが、が余り重要でないことがわかった。これは 溶融物がいささかでも残っている限り、一致蒸発合金が一定の組成を保つがらで ある。更に、このソース合金は濡れ性ではあるが、基材を腐蝕するような作用は しない。このような条件を満たす組成を予言することは現在のところ困難で、経 験的研究によってこの一致蒸発組成を決定する必要がある。若しも充分な熱力学 的情報が得られるならば、この一致蒸発組成を算出することが出来る。このよう な組成は最低の溶融点の共晶組成ではなく、その系での化学的化合物と関係があ るようである。
第5図は現在そのように考えられているパラジウム−砒素系の一部の温度−成分 の状態図である。砒素は本発明の関連に於いて用いられる好ましいイオン蒸発化 学種である。パラジウムを含む砒素の合金がイオンソース合金を選択する為に上 に掲げた条件に適合することが見出された。パラジウム−砒素合金の液状溶体は タングステン基材を濡らすが、たとえこのソース合金がその液化温度より遥かに 高い温度になっても、高い率でこの基材を腐蝕することはない。
砒素用のイオンソースとして用いられるパラジウム−砒素合金で特に好ましい範 囲が第5図に示されている。この合金は約24から33原子%の砒素を、逆に言 えば約76から67原子%のパラジウムを含んでいる。この(67原子%パラジ ウムー33原子%砒素)組成が第5図に於いて参照符号62で示されている。
図に見られる如く、24原子%以下の砒素及び33原子%以上の砒素を持つ合金 組成のものはその溶融温度が範囲60内のものより低いが、範囲60の中の合金 が液状で一致蒸発することが観測される。このような合金がイオンソース1oの 中でイオン蒸発されると、イオンビームの組成が針12の尖端の液体ソース合金 の残留物のそれと近似的に等しい。このビームと合金の組成は、この合金からイ オン蒸発が行われる全期間を通じて実質的に一定であり、約24から33原子2 6の砒素の範囲のその他の合金に於いても近似的にこれと同じ状態が保たれる。
この結果が示すことは、表面からのパラジウム及び砒素の蒸発が実質的にイオン としてであると言うことである。この範囲外の合金も使用は可能である。このよ うな合金は基材を濡らし、又腐蝕性ではないが、イオンの化学種が異なった率で 蒸発するので余り好ましくはない。従って、イオンソースの液体金属の組成が実 質的に時間と共に変化しないので、イオンソース10は長時間に亙り安定した状 態で使用することが出来る。第4図に箱書きして示した説明は、67原子%のパ ラジウム及び33原子%の砒素を含むイオン蒸発合金のイオンビーム組成を示し ている。このビームは又約67原子%のパラジウムと33原子%の砒素を含み、 この中で砒素は一価及び2価にイオン化した化学種として存在している。
運転期間を通じて、合金組成が実質的に一定なので、一致蒸発組成のものと同じ 化学的平均組成を有する固体材料を単純に追加することにより、溜り19を簡単 に満たすことが出来る。特定の元素の異常蒸発により変化した溶融合金の平均組 成を正常な値に戻す為に、いずれかの組成成分を余分に追加するような必要性は 無い。
これに対し、従来は一般的に低溶融点の共晶組成のものから液体金属イオンソー スの合金がめられており、これが第5図に参照符号64で示されている。一般的 に、このような共晶組成64の如き合金はその組成物が実質的に同一の蒸発率を 示さず、従って、放射針12の中の合金の組成が連続的に変化する。イオンソー スの運転パラメーターを連続的に調整し、ソース10の安定した運転を確保する 必要があり、イオンソースの制御が更に難しくなる。共晶組成64の溶融点は約 610℃で、一方範囲60の合金は約24から33原子%の砒素を含み、液化温 度が約700から830℃と非常に高い。低溶融点が好ましいと考えられたのは 、液体金属合金と長時間接触する場合、針12や加熱要素の如き放射要素の有害 な腐蝕が避けられると考えたからである。驚くべきことには、本発明の組成の合 金の場合、このような現象は見付かっておらず、特に、(67原子%パラジウム ー33原子%砒素)に該当する合金組成のものがタングステン放射要素と共に用 いられた場合、非常に長い使用寿命を持つことが見出された。この組成の液体合 金を用いたイオンソースは約760℃以上の高い温度で運転せねばならないにも 拘らず、この長い寿命が観測されたのである。これに反し、共晶組成64を用い たソースは顕著に低い温度即ち610℃の共晶温度の直ぐ上で運転可能である。
以上水した如く、好ましいパラジウム−砒素合金は約24から約33原子%の砒 素を含んでいる。この組成範囲のパラジウム−砒素合金はパラジウム及び砒素の 一致イオン蒸発を示す。実験によれば、76原子%のパラジウム−24原子%の 砒素の組成が理想的合金で、約930℃の温度で一致イオン蒸発を達成する。
注目すべきは、一致蒸発組成に対して、このシステムの全蒸気圧は最低に近く、 従って、蒸発による元素の損失が最低になることである。
約24から33原子%の砒素のパラジウム−砒素合金はタングステン基材を腐蝕 しないが、基材の優れた濡れ性が得られる。例えば、33原子%の砒素の合金は タングステン基材を濡らし、カスプ26からの蒸発及び針■2に沿う合金の流れ が得られることがわかった。
元素の砒素は調製温度で高い蒸気圧を示すので、従来のソース合金製造工程では 失われ易い。従って、パラジウム−砒素合金の製造には燃焼合成技術、又は自立 高温合成(self−sustaining high−temperatur e 5ynthesiS)とも言う%が特に好ましいことが見出だされている。
この試みに於いては、細かく分割されたパラジウムと砒素とが互いに混合され、 次にプレスされてベレットを形成する。続く工程がこのプレスされた粉によって 試験された。これをプレスされない混合物で行なうことも出来るが、その効率は 下がるものと考えられる。好ましい形での試みに於いては、パラジウム−砒素粉 はその径が74マイクロメーター以下であったが、これが適切な化学量的比率で 混合され、25000psIの圧力及び大気温度でプレスされ、径が約1/2イ ンチで高さが約172インチの直円筒にされた。この秤量、混合及びプレス段階 はグローブ・ボックスの中でアルゴン又はヘリウムの如き不活性の雰囲気の下で 行われ、砒素粉の酸化を最低にする如くにして行われた。
この円筒形のベレットが石英のクルージプルの中に置かれ、次にこれが不活性雰 囲気のグローブ・ボックスの中のグラファイトの薄い板の上に置かれた。このグ ラファイトの薄い板に数百アンペアの直流電気を流し、板、クルージプル及びベ レットを加熱することにより、パラジウムと砒素が発熱反応を起こす発火温度に までこのベレットが急速に加熱された。
このベレットの片側のみを急速加熱することにより、材料の一部の温度がパラジ ウム−砒素の混合物の発火温度より高くなる。このような温度で、この各要素が 反応し、発熱反応をしながら結合する。この反応により放出された熱がその直ぐ 側の未反応材料を加熱し、これが次々に発熱反応を起こして行く。このようにし て、反応即ち燃焼の波がこの混合物の中を通過し、実質的に反応が完了し、その 後に液体金属イオンソースに使用するのに適した合金が残る。この燃焼波が円筒 形のベレットの中を通過するのに約1〜2秒かかり、このことにより、この混合 物は非常に短い時間で昇温され、しかも砒素の損失量は非常に少ない。
この燃焼合成技術は、勿論能の方法でも可能ではあるが、パラジウム−砒素の希 望する合金を作るのに便利な1つの方法である。
タングステン針及び加熱要素を有するイオンソース10が、(67原子%のパラ ジウム−33原子%の砒素)の合金を用いて運転された。第4図は放射されたイ オンビームの質量スペクトルを示している。イオンの放射は実質的に化学量的で 、ビームの中の組成物の原子%がソース合金のそれと実質的に等しい。この質量 スペクトルは非常にはっきりとそのピークを示しており、質量分離器44のプレ ート電圧を制御することにより、注入の為のイオン化学種を選択することが出来 る。
特に、1価又は2価にイオン化された砒素原子が注入の為に選択される。2価に イオン化された砒素のエネルギー放散は15電子ボルト以下で、20マイクロア ンベヤ−の抽出電流で、半角1.5ミリラデイアンのビーム受容のもとで、2価 にイオン化された砒素イオンのターゲット電流に30ピコアンベヤ−が得られた 。
シリコン・ウェハーの200X200マイクロメーターの範囲がこの技術により 注入され、砒素の標準イオン注入によりマスクを通して注入された同じウェハー の範囲と比較された。この注入されたプロフィルが分析され、その結果、フォー カスされた一般的砒素イオンの注入プロフィルは2つとも実質的に同じであった 。
ソース合金として33原子%の砒素を用いたタングステン・ソースの運転特性の 優れていることが観測された。加熱により、この合金は約773±3℃で溶解し た。タングステンの優れた濡れ性が観測された。約1100℃の運転温度で、熱 蒸発による砒素の損失は認められず、この砒素が効率良くこの液体合金の中に保 持されていることが示された。別のソースが準備され、いずれも50から120 時間運転された。
いずれのソースの使用に於いても、放射エレメントの欠陥又は腐蝕の故に中断さ れることは無かった。このソースが運転後検査されたが、エレメントの腐蝕は実 質的に認められなかった。その他の腐蝕試験が行われたが、この場合、液体金属 が1片のタングステンと炉の中で(イオンソースの中ではない)接触して置かれ 、150時間以上約800℃に保たれた。
その後でこの材料を冷却し切断して見た結果、この液体金属と基材との間に於け る腐蝕又はその他の反応は実質的に認められなかった。従って、パラジウム−砒 素合金を用いたイオンソースは確実に数百時間の間安定した状態で運転すること が出来る。
砒素のソースとしてパラジウム−砒素合金を用いたイオンソースの運転は誠に安 定している。運転温度はその合金の液化温度に非常に近い所で行われ、しかもソ ースの電流又は電圧に顕著な変動が無い。実験の結果、共晶組成の如きその他の 合金の蒸発用に必要とする従来のイオンソース・ヒートバック制御装置無しで、 この安定したイオンソースが運転可能であることがわかった。
以上により明らかな如く、本発明のイオンソースにより従来の砒素では実現不可 能だった操業運転が可能となった。このソースは希望するイオン化学種の有効な 電流を提供し、安定しており、又蒸発エレメントに欠陥を生ずること無く長寿命 を保ち運転される。説明の為、本発明の特定の実施例に就いて詳細に記述したが 、本発明の思想及び範囲から逸脱すること無く各化学種の変形が可能である。従 って、本発明は、添附した請求の範囲以外の何者によっても制限されるものでは 無い。
FIG、3 θ 国際調査報告 ANNEX TOL’HE INTERNATIONAL 5EARCHREP ORT ON

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.1つの元素の化学種のプラスに荷電されたイオンを放射する放射手段と、 上記放射手段に放射されるべき化学種を供給するソース手段で、上記化学種が、 上記1つの元素の化学種と少なくとも他の1つの元素から成る一致蒸発合金の中 に含まれているものと、 を含む液体金属のイオンソース。
  2. 2.上記化学種を含む上記合金が、一致蒸発液体合金の組成に対応する組成を有 する固体として設けられる、請求の範囲第1項に記載の液体金属イオンソース。
  3. 3.上記化学種を含む上記合金が、少なくとも2種類の固体材料の混合物として 設けられ、この混合物が一致蒸発組成の成分に対応する実質組成を有する、請求 の範囲第1項に記載の液体金属イオンソース。
  4. 4.上記化学種が砒素である、請求の範囲第1項に記載の液体金属イオンソース 。
  5. 5.上記化学種が砒素及びパラジウムの合金の中に含まれている、請求の範囲第 1項に記載の液体金属イオンソース。
  6. 6.上記化学種が、実質的に76原子%のパラジウム及び24原子%の砒素から 成る合金の中に含まれている、請求の範囲第1項に記載の液体金属イオンソース 。
  7. 7.砒素のプラスに荷電したイオンを放射する為の放射手段と、 上記砒素を供給する為の手段で、上記砒素が実質的に砒素及びパラジウムから成 る合金の中に含まれているものと、を含む、砒素元素の為の液体金属イオンソー ス。
  8. 8.上記合金が約24から約33原子%の砒素の組成を有する、請求の範囲第7 項に記載の砒素元素の為の液体金属イオンソース。
  9. 9.上記合金が約24原子%の砒素の組成を有する、請求の範囲第7項に記載の 砒素元素の為の液体金属イオンソース。
  10. 10.液体金属イオンソースを作る方法で、この方法が次の手順、即ち、 実質的にパラジウム及び砒素から成る混合物を準備し、急速加熱により、上記混 合物の温度を、上記のバラジウムー砒素混合物の発火温度にまで昇温し、このこ とにより、発熱反応波が作られて上記混合物の中を横断し、パラジウム及び砒素 のソース合金が形成される如くにし、このソース合金をイオン放射手段の中に置 き、プラスに荷電したイオンを放射する如くにする、 の手順を含む、液体金属イオンソースを作る方法。
  11. 11.上記準備の手順の後で、上記昇温の手順の前に、上記混合物をペレットの 形にする手順を含む、請求の範囲第10項に記載の液体金属イオンソースを作る 方法。
  12. 12.上記ソース合金が約24から33原子%の砒素を含有する、請求の範囲第 10項に記載の液体金属イオンソースを作る方法。
  13. 13.上記昇温の手順の間、上記混合物が石英のクルージプルの中に置かれる、 請求の範囲第10項に記載の液体金属イオンソースを作る方法。
  14. 14.上記混合物が抵抗加熱器によって加熱される、請求の範囲第10項に記載 の液体金属イオンソースを作る方法。
  15. 15.上記昇温の手順が不活性雰囲気の中で行われる、請求の範囲第10項に記 載の液体金属イオンソースを作る方法。
  16. 16.上記砒素及びパラジウムが粉状で設けられる、請求の範囲第10項に記載 の液体金属イオンソースを作る方法。
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