JPS6345691B2 - - Google Patents

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JPS6345691B2
JPS6345691B2 JP7246381A JP7246381A JPS6345691B2 JP S6345691 B2 JPS6345691 B2 JP S6345691B2 JP 7246381 A JP7246381 A JP 7246381A JP 7246381 A JP7246381 A JP 7246381A JP S6345691 B2 JPS6345691 B2 JP S6345691B2
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pressure
reactor
steam
organic
distillation column
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Tatsushi Saeki
Koji Kii
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ポリアミドを製造する際に生じる加
圧水蒸気及びその中に含まれる有機ジアミンを回
収する方法に関するものである。 ポリアミドは、繊維、フイルム、成形材料とし
て広く使用されているプラスチツクの一つである
が、工業的には、通常、等モルの有機ジアミンと
有機ジカルボン酸から成る塩を重縮合することに
よつて製造されている。この場合、上記塩の溶媒
として用いられた水及び縮合反応により生成する
水を反応系から除去する必要があるが、これは加
圧反応器中へ直接導入して水蒸気として排出させ
るか、あるいは先ず常圧付近の圧力に維持した蒸
留器中で主に溶媒として用いた水を除いたのち、
加圧反応器に導入し、残留した水及び縮合による
生成水を水蒸気として排出させる方法がとられて
いる。 しかし、いずれの方法においても加圧状態にあ
る反応器から水蒸気を排出させる際に、有機ジア
ミンの一部が水蒸気に随伴して系外に排出されロ
スとなる上に、環境汚染の原因となるとか、反応
中に形成される低重合成分が水蒸気によつて搬出
され調圧弁に付着し、急激な圧力低下によりポリ
マー化しその機能を妨げるとか、あるいは多量に
存在する溶媒用のを蒸発させるために莫大なエネ
ルギーを消費するなどの好ましくない問題を伴
う。このような問題を解決するため、これまで、
反応器の調圧弁の低圧側又はその近傍に水を注い
て低重合成分を洗い流すことにより、ポリマーに
よる弁の閉塞等を防止する方法(特開昭52−
117397号公報)、反応器上部にバブルキヤツプト
レーを有する精留段を設けることにより発生する
水蒸気中に含まれる有機ジアミンを回収する方法
(特開昭50−2092号公報)、蒸発器又は反応器より
発生する水蒸気を凝縮させたのち、これを水素型
カルボン酸陽イオン交換樹脂と接触させて有機ジ
アミンを吸着させ、次いで有機ジカルボン酸を通
して有機ジアミンを回収する方法(特開昭50−
101496号公報)などが提案されている。 しかしながら、第1番目の方法は、閉塞防止に
は有効であるが、水蒸気中の有機ジアミンはさら
に希釈されて回収不可能となるため、環境汚染の
問題は依然として解決されないし、第2番目の方
法は、回収した有機ジアミンの再利用の点で技術
的な難点がある上に、水蒸気の再利用については
なんら考慮されていないという点で十分満足でき
るものとはいえない。さらに、第3番目の方法は
有機ジアミンの回収という点では問題がないとし
ても、水蒸気の回収は不可能であり、その再利用
をはかることができないという欠点がある。 このように、これまで提案されたポリアミド製
造に当つての、水蒸気及び有機ジアミンの回収に
関する方法は、いずれもなんらかの欠点を有し、
水蒸気や有機ジアミンの完全な回収と、その再利
用という点で必ずしも満足しうるものとはいえな
い。 本発明者らは、このような従来方法の欠点を克
服し、蒸発器又は反応器からの水蒸気と有機ジア
ミンの回収を完全に行うとともに、原料の溶媒と
して用いた水の除去におけるエネルギーの消費を
軽減しうる方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、反応器から発生する水蒸気を調圧したのち、
加圧下に操業される蒸留塔に導いて、水蒸気と有
機ジアミン含有水溶液とを分離し、前者を熱源と
して、また後者を原料として再利用することによ
り、その目的を達成しうることを見出し、この知
見に基づいて本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明は、有機ジアミンと有機ジカ
ルボン酸とから成るアミド形成用モノマーの重縮
合によりポリアミドを製造するに当り、前記モノ
マーの水溶液を加圧下に加熱してモノマーの濃縮
及びプレポリマーの形成を行う際に排出される、
水蒸気を主成分とする排ガスを、調圧したのち加
圧状態にある蒸留塔に導入し、その頂部より加圧
水蒸気を、また底部より有機ジアミン含有水溶液
をそれぞれ回収することを特徴とする、水蒸気及
び有機ジアミンの回収方法を提供するものであ
る。 本発明の方法によれば、蒸留塔の頂部から、熱
源として再利用し得る加圧水蒸気が回収でき、同
時に底部から濃縮されたジアミンの水溶液を回収
して、ポリアミド製造用原料として循環再利用で
きるので、極めて有利である。更に、反応器から
排出される加圧水蒸気は、加圧条件下に運転され
る蒸留塔に導かれ、急激な圧力を生じることがな
いので、大気圧に減圧する場合のような調圧弁の
低圧側配管内壁部にオリゴマーやポリマーが付
着、沈積することがなく管の閉塞を防止できる
し、また水蒸気中の有機ジアミン濃度は極めて微
量であるから、水蒸気のまゝ大気中に放出しても
凝縮して排水しても環境汚染の心配がなく、本発
明は公害防止対策としても望ましい工業的に優れ
た方法である。 以下、添付図面について、本発明を具体的に説
明する。 第1図は、ポリアミドを工業的に製造する従来
方法のフローシートであり、図中の混合タンク1
には、ポリアミド製造用原料である有機ジアミン
と有機ジカルボン酸(特に重要かつ代表的なもの
は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸であ
り、以下両原料物質を具体例として引合いに出し
ながら説明を行なうが、他の原料物質の場合も同
様である)の等モル結合塩、すなわちヘキサメチ
レンジアンモニウムアジペート(以下、AH塩と
略称する)の水溶液入れられる。水溶液の貯蔵を
常温又はそれに近い温度で行う場合、通常AH塩
の濃度は40〜60重量%程度に調整される。タンク
1中の原料水溶液は、送液装置2により排出管5
を有する蒸発器4に送られる。蒸発器4におい
て、原料AH塩の水溶液中の濃度は60〜70重量%
又はそれ以上に濃縮される。蒸発器4は、通常
105〜130℃の温度及びゲージ圧(以下圧力はゲー
ジ圧力で表わす)0.1〜1Kg/cm2程度の圧力条件
下に又は常圧下に運転され、蒸発器の温度、圧力
及び水溶液の滞留時間等によつては、一部オリゴ
マーが生成するが、本蒸発器4では原料モノマー
の溶解水を蒸発させて濃度を高めることが主目的
である。蒸発器4には加熱装置が取り付けられ、
例えば加熱媒体がその入口6より供給され、出口
7より排出される。蒸発器において、原料モノマ
ー濃度60〜70重量%又はそれ以上に濃縮された濃
縮液は管8より抜き出されて、送液装置9を通つ
て反応器10に送られる。なお、図では省略した
が、蒸発器4と反応器10の間に、良く知られた
管状熱交換器が設けられ、原料モノマー濃縮液を
予熱して反応器への導入前にオリゴマー化を促進
することもできる。 反応器10においては、導入された原料モノマ
ー濃縮液の媒体水分を更に蒸発するとともに、縮
重合反応を促進するために加圧、加熱される。
AH塩の場合には、例えば温度は210〜300℃、圧
力は10〜25Kg/cm2程度が採用され、液の滞留時間
は40〜200分程度である。その運転中に発生した
縮合水及び媒体水は、大部分がその間に加圧水蒸
気として調圧弁11を経て反応器10の系外に放
出される。12及び13は反応器に取り付けられ
た加熱装置の熱媒体、例えば加圧スチーム、ダム
サム蒸気又はダウサム液等の入口及び出口であ
る。反応器10の底部からは、反応し濃縮され
た、例えば水分3〜15重量%、相対粘度2〜12の
プレポリマーが管14より抜き出される。ここに
相対粘度とは、90%ギ酸(90重量%のギ酸と10重
量%の水)の25℃における粘度(センチポイズ)
に対する90%ギ酸中にポリアミド(重合中間生成
物)8.4重量%を溶解した溶液の25℃における粘
度の比で、本発明においてプレポリマーとは、厳
密には、このような水分を含有し、かつ相対粘度
を有するポリアミドの重合中間生成物をいう。 反応器より管14を経て抜き出されたプレポリ
マーは、送液装置15により減圧器16に導入さ
れて放圧される。放圧されたプレポリマーは、管
20及び送液装置21を経て、熱媒の入口24及
び出口25を有する加熱装置及び水蒸気排出管2
3を備えた重合器22に導かれ、ここで更に重合
度を増大させたのち、管26からその用途に応じ
て異なる後工程に送られる。例えば、更に重合度
を上げるために、管26を経て後重合器に送られ
る。後重合においては通常、常圧ないし減圧下で
操作される。 本発明者らは、前記したポリアミド製造上の技
術的課題を同時に解決するポリアミドの製造法に
ついて、基礎的研究から積み上げて、パイロツト
テスト、プラントテスト運転を繰り返し、工業的
に実施し得る優れた方法を見出したのであるが、
特に反応器排出蒸気中に含まれる0.1〜2重量%
程度の低濃度のジアミン及び10〜2000ppm程度の
低重合体を効率よく分離し、可及的高濃度で回収
すること、回収したジアミンをポリアミド原料と
して再使用すること、更には反応器から系外に排
出される水蒸気を熱エネルギーとして最大限にか
つ長期安定的に有効利用する方法に向けて検討が
なされた。 以下、本発明の方法を、第2図に例示したフロ
ーシートについて説明する。 混合タンク1及び蒸発器4は従来法と同様に運
転操作される。送液装置9により濃縮モノマー水
溶液が導入された反応器10では、従来法と同様
に温度210〜300℃及び圧力10〜25Kg/cm2、好まし
くは12〜20Kg/cm2で運転されるが、ジアミン類を
含有する水蒸気は、調圧弁11から大気中に放出
されることなく、大気圧以上の加圧状態で、好ま
しくは3〜18Kg/cm2の圧力条件で運転される蒸留
塔28に通ずる、好ましくは保温された又は2重
管に形成された導管27に排出され、排出された
管内の過熱水蒸気は蒸留塔28に導かれる。蒸留
塔28においては、過熱水蒸気は供給口より塔頂
に向かつて上昇し、その間、塔28の内部の精留
装置において、塔頂の管32より導入される高純
水又は管35からの凝縮還流液と接触して含有す
る有機ジアミン及び低重合成分を分離しながら、
塔頂の管33より排出される。蒸留塔28の精留
は、各種充てん物をつめたり泡鐘段を設けるなど
通常知られた精留装置により行うことができる。
塔頂の管33から排出された水蒸気の凝縮液は熱
交換器34で冷却されて管35を通つて塔の頂部
近傍に還流導入される。管36中の加圧水蒸気に
含まれる有機ジアミンの濃度は、塔28に供給さ
れる水蒸気中に含まれる有機ジアミンの濃度、水
蒸気供給量、蒸留塔の高さ、精留装置、頂部の管
32より供給される高純水の量、管35よりの環
流液の量、蒸留塔内の圧力又は温度等によつて異
なるが、0.001〜0.3重量%程度である。蒸留塔2
8に供給される加圧水蒸気中の有機ジアミン濃度
は0.1〜2重量%であるから、蒸留塔において80
%又はそれ以上のジアミンが分離回収される。 このようにして、有機ジアミンの大部分が分離
された過熱水蒸気は管36を通つて熱媒体として
利用することができる。例えば第2図の導管37
のように、管6に連結されて蒸発器の熱源として
利用することができる。更に蒸発器の熱源として
使用した管7から出る余剰熱媒体は、図では省略
した蒸発器と反応器の中間に通常設けられる熱交
換器の熱媒体として利用することができ、あるい
は本重合系とは全く無関係な熱源として利用する
こともできる。また、蒸留塔頂部より回収された
水蒸気は、必要に応じて、他の水蒸気と併合利用
することもできる。 このように、蒸留塔28より排出された水蒸気
は、本工程系及び他の系に有効に利用したのち、
実質的に環境を汚染することなく大気中に放出す
ることができ、あるいはその凝縮水を河川等に流
すことができる。蒸留塔頂部より排出された水蒸
気中には、前記したように有機ジアミン及び低重
合成分の大部分が塔内での加圧条件下の精留効果
により塔底に分離されるので、それらの極めて微
量が含有されるに過ぎない。 一方、蒸留塔28の底部に分離濃縮された有機
ジアミン及び低重合成分含有水溶液は、導管29
より抜き取られて混合タンク1に戻され、含有有
機ジアミン類をポリアミド原料成分として利用す
ることができる。塔底からの抜き取りに際し、例
えばその水溶液の一部を塔の中腹部に導入し循環
させることができ、このような循環により、塔に
供給される水蒸気中の低重合成分の塔の上部への
移動を防止し、蒸留塔の上段の充填段、泡鐘段の
段効率の維持、詰まり防止などの諸効果を得るこ
とができる。 塔底より管29、送液装置30及び管31を通
つて回収された有機ジアミン及び低重合成分含有
水溶液は、例えば混合タンク1に導入し、ジアミ
ンと実質的に等モルになるようにジカルボン酸を
加えて調整される。また、管31中の回収液は、
混合タンク1に導入する前に常圧近傍で操作され
る蒸留器(図中されず)にてさらに濃縮すること
ができる。蒸留濃縮の前又は後に、通常、回収再
利用の場合に行なわれるように、活性炭等を用い
て精製してもよいが、本発明の方法において回収
された有機ジアミン類は、特にこのような精製手
段を採用する必要がない。 また、塔28底部より回収された有機ジアミン
がヘキサメチレンジアミンであり、その濃度が
0.2〜5重量%あるいはそれ以上であるとき、回
収液を濃縮後ポリアミド製造工程で再使用するに
際しては、回収液中のヘキサメチレンジアミンと
実質的に等モルのアジピン酸を加えてAH塩とし
たのち、その水溶液を、例えば100〜400mmHg程
度の圧力下で10〜50重量%まで蒸発濃縮し原料モ
ノマー成分として再使用することが好ましい。等
モルのアジピン酸を添加してAH塩を形成させた
水溶液を濃縮する方法は、例えば回収液をアジピ
ン酸を加えることなく常圧下に110〜115℃の温度
で濃縮したり、200〜250mmHgの減圧下に60〜85
℃の温度で濃縮する方法に比して、ヘキサメチレ
ンジアミンの逃散損失が防止できるばかりでな
く、比較的低い温度条件での濃縮が可能であるか
ら、原料モノマーとしての品質の低下も小さく工
業的に有利である。 本発明の方法は、反応器より排出する有機ジア
ミン含有水蒸気を該ジアミン類の回収とともに水
蒸気を有効利用しようとするもので、混合タンク
内の原料モノマー成分類の濃度によつては、該タ
ンク1に続く蒸発器4を省略することができる。
蒸発器の有無にかかわらず、反応器10からは常
にほぼ一定量かつ一定組成の排出水蒸気が得られ
るので、本発明の方法は連続式ポリアミド製造ポ
ロセスに特に有利に適用できるが、バツチ方式に
適用することもできる。 本発明の方法におけるポリアミド製造用モノマ
ー成分である有機ジアミンとしては、ヘキサメチ
レンジアミンのほか、例えばオクタメチレンジア
ミン、ドデシルメチレンジアミン、m―又はp―
フエニレンジアミンなどを代表的に挙げることが
できるが、一般的に炭素数4〜13を有し、かつ隣
接していない2個の炭素原子にアミノ基がそれぞ
れ結合したアルキレンジアミン又はアリールジア
ミン類が包含される。 また、ポリアミド製造用の他の成分である有機
ジカルボン酸としては、もつとも代表的なアジピ
ン酸のほか、例えばセバチン酸、ドデカンジオン
酸などを挙げることができるが、一般に、炭素数
4〜13を有し、かつ隣接しない炭素原子のそれぞ
れにカルボキシル基が結合したアルキレンジカル
ボン酸類が包含される。 本発明の方法は、従来、ポリアミド製造におい
て反応器より単に廃棄されていた排出水蒸気か
ら、特に有機ジアミンを高い回収率で分離回収し
て反応成分として再利用でき、他方水蒸気を熱源
として高度に利用しうる加熱水蒸気の形で回収す
るもので、反応器から大気中に放出する場合に生
ずる調圧弁の低圧側の配管内壁に付着形成される
オリゴマーやポリマーによる閉塞が顕著に低減な
いし防止されて長期連続運転も可能となり、しか
も環境汚染は必然的に防止できるので、工業的に
極めて望ましい優れた実用性を有するものであ
る。 以下、実施例により本発明の方法を詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例 1 第2図に示す方法に従い、ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート(AH塩)を反応成分とし
て、ナイロン―6,6ポリマーを製造した。 AH塩50.5重量%の水溶液を混合タンクより500
Kg/hr(AH塩253Kg/hr)の割合で蒸発器に供給
した。蒸発器は内容積1m3で、中に2.5m2の熱交
換コイルを内蔵しており、該コイルに5.6〜7.0
Kg/cm2のスチームを供給して、常圧で供給水溶液
を蒸発濃縮した。68〜69重量%に濃縮された液を
内容2m3の横型反応器に導入した。反応器は5m2
の熱交換コイルを中に有し、ダウサムを熱媒とし
てコイル中に通して加熱した。このようにして、
密閉された反応器内は圧力19Kg/cm2、温度240〜
250℃で運転された。反応器出口のプレポリマー
は相対粘度5.5〜7.5、含水率5〜7%であり減圧
器を経て重合器に送り込まれた。 一方、反応器の上部に取り付けられた調圧弁か
ら上記圧力を保つために160Kg/hrの水蒸気が排
出された。水蒸気中のヘキサメチレンジアミン
(HMD)の濃度は0.5〜0.7重量%であつた。 このような排出水蒸気を、内圧9Kg/cm2で運転
する蒸留塔に通ずる導管により塔内に導いて精留
した。精留装置は上部12段が泡鐘がダウンカマー
を有し、中段は6段の洩れ棚より成り、上部より
3段目の洩れ棚に反応器排出水蒸気を導入した。
塔の頂部に設けられたイオン交換樹脂で脱イオン
処理された高純水を塔内に供給するスプレーノズ
ルから高純水が連続的に噴霧された。また塔底の
HMD分離回収液は洩れ棚の最上段に循環し、循
環液の一部を塔底回収液として回収した。高純水
のスプレー供給量を変えたときのHMDの回収状
況及び塔頂から排出される流出水蒸気中のHMD
を検べた結果を第1表に示す。
【表】 この表から、高純水の供給量を増加すると、塔
底回収液中のHMD濃度は減少するが、その回収
率は向上し、94〜95%回収されることがわかる。 次に、第1表のケース2の条件に精留塔の運転
条件を固定して、塔頂より排出される水蒸気を蒸
発器の熱源として熱交換コイルに供給して約6か
月の連続運転を行つたところ、反応器上部の調圧
弁のトラブルは一度も発生せず、また蒸発器内で
供給反応成分液と接触する熱交換コイルの伝熱能
力は実質的に損われることなく連続運転すること
ができた。 次に、塔底回収液にアジピン酸を加え、7.4重
量%のAH塩水溶液として系のはじめの混合タン
クに循環供給して回収HMDの利用を行ない何ら
の支障も発生しなかつた。本発明の方法により、
この場合、従来排水中又は大気中に放出された反
応器排出水蒸気中のHMD量が80%以上除去さ
れ、それによりBOD換算負荷は約75%低下した。 実施例 2 蒸留塔の運転圧力を6Kg/cm2で運転したほか
は、実施例1と同一条件でナイロン―6,6ポリ
マーの製造のために運転した。塔頂よりの高純水
供給量を変化させ、HMDの回収率、水蒸気量等
を検べた結果を第2表に示す。
【表】 実施例1に比較して、HMD回収率は僅かに増
大している。 実施例 3 反応器の圧力を18Kg/cm2及び保持温度を230〜
240℃とした以外は実施例1と同一条件で連続運
転した。この場合の反応器出口のプレポリマーは
相対粘度3.5〜6.5で、含水率は6〜9重量%であ
つた。反応器の調圧弁からは水蒸気が145Kg/hr
の割合で排出され、その中に含まれるHMDの濃
度は0.2〜0.5重量%であつた。弁からの排出水蒸
気は連結管により内圧9Kg/cm2で運転される蒸留
塔に導入された。蒸留塔では、その塔頂より排出
される水蒸気の一部を熱交換器により凝縮させ、
高純水スプレーにかえて、その凝縮液を塔頂より
2段目の泡鐘段に還流させた(この点のみが実施
例1と異なる蒸留塔の運転条件である)。塔頂部
に設置した熱交換器により凝縮液の量の変化させ
ることにより、還流液の量を変えた場合の塔頂流
出ガス及び塔底回収液等の運転実績は第3表のと
おりである。
〔濃縮条件〕
(1) 回収液を常圧下で蒸留濃縮後、アジピン酸を
添加して20%AHとした。該AH塩を新規の
AH塩に2%添加した。 (2) 回収液を減圧下(200〜300mmHg)で濃縮す
る以外は、上記(1)と同様に行つた。 (3) 回収液にアジピン酸を加えてAH塩としたの
ち、常圧で蒸留濃縮し、該AH塩を新規AH塩
に2%添加した。 (4) AH塩水溶液を減圧下(200〜300mmHg)で
濃縮する以外は、上記(3)と同様に行つた。 各蒸留濃縮条件における濃縮時のHMD逃散率
及び新規AH液に各濃縮AH塩液2%添加後の
AH塩水溶液の物性をまとめて第4表に示す。
【表】 なお、上記吸光度の測定は、光路長10mmの石英
セルを用いた。 上表より、蒸留塔底部より回収された液にアジ
ピン酸を加えてAH塩としたのち濃縮するとき
HMDの逃散を著しく減少させることができ、か
つ回収後のAH塩水溶液の物性も優れていること
が理解できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の通常のポリアミド製造方法の
フローシートで、第2図は本発明の方法のフロー
シートである。 図中、1は混合タンク、4は蒸発器、10は反
応器、11は調圧弁、16は減圧器、22は重合
器で、28は蒸留塔である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機ジアミンと有機ジカルボン酸とから成る
    アミド形成用モノマーの重縮合によりポリアミド
    を製造するに当り、前記モノマーの水溶液を加圧
    下に加熱してモノマーの濃縮及びプレポリマーの
    形成を行う際に排出される、水蒸気を主成分とす
    る排ガスを、調圧したのち加圧状態にある蒸留塔
    に導入し、その頂部より加圧水蒸気を、また底部
    より有機ジアミン含有水溶液をそれぞれ回収する
    ことを特徴とする、水蒸気及び有機ジアミンの回
    収方法。 2 アミド形成用モノマーがヘキサメチレンジア
    ンモニウムアジペートである特許請求の範囲第1
    項記載の方法。 3 モノマーの濃縮及びプレポリマーの形成を12
    〜20Kg/cm2の圧力下で行い、排出ガスを3〜18
    Kg/cm2の圧力下の蒸留塔に導入する特許請求の範
    囲第2項記載の方法。
JP7246381A 1981-05-14 1981-05-14 Recover of steam and organic diamine in polyamide production process Granted JPS57187320A (en)

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