JPS6345372B2 - - Google Patents

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JPS6345372B2
JPS6345372B2 JP55038306A JP3830680A JPS6345372B2 JP S6345372 B2 JPS6345372 B2 JP S6345372B2 JP 55038306 A JP55038306 A JP 55038306A JP 3830680 A JP3830680 A JP 3830680A JP S6345372 B2 JPS6345372 B2 JP S6345372B2
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JP
Japan
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methyl
therapeutic agent
tumor
trifluoromethyl
cytidine deaminase
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JP55038306A
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English (en)
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JPS56140920A (en
Inventor
Bii Guriia Sherudon
Shii Sutanpu Junia Yuujiin
Sarasu Seodooa
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PII SHII AARU Inc
YUNIBAASHITEI OBU MAIAMI ZA
Original Assignee
PII SHII AARU Inc
YUNIBAASHITEI OBU MAIAMI ZA
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Publication date
Application filed by PII SHII AARU Inc, YUNIBAASHITEI OBU MAIAMI ZA filed Critical PII SHII AARU Inc
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、シチジンデアミナーゼレベルの高い
腫瘍を治療するための抗腫瘍剤に関し、さらに詳
しくは5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシ
チジン化合物(以下、F3メチルdCと呼ぶことが
ある)を活性成分として含む前記抗腫瘍剤に関す
る。この5―トリフルオロメチル―2′―デオキシ
シチジンは、トリフルオロチミジン化合物の前駆
薬すなわち貯蔵型として機能する。 5―トリフルオロメチル―2′―デオキシウリジ
ンまたはトリフルオロミジン(F3dT)は既に研
究者達の研究主題となつており、動物試験におい
てある程度の成功をおさめている。たとえば、以
下の文献に記載されている:Y.フジワラ,T.オ
キ及びC.ハイデルベルガーの「弗素化ピリミジン
―哺乳動物培養細胞のデオキシリボ核酸
合成に対する5―トリフルオロメチル―2′―デオ
キシウリジンの作用」、Mol.Pharmacol.,273
―280(1970);C.ハイデルベルガー及びS.W.アン
ダーソンの「弗素化ピリミジンXI―5―トリフ
ルオロメチル―2′―デオキシウリジンの腫瘍抑制
活性」,Cancer Research24,1979〜1985
(1964):D.デキスター,W.ウオルベルグ,F.J.ア
ンスフイールド,L.ヘルソン及びC.ハイデルベル
ガーの「トリフルオロメチル―2′―デオキシウリ
ジンの臨床薬理学」,Cancer Research32,247〜
253(1972);M.ウメダ及びC.ハイデルベルガーの
「弗素化ピリジンと種々の細胞系との比較研究」,
Cancer Research28,2529〜2538(1968);C.ハイ
デルベルガー,J.ブーハー(Boohar)及びB.カ
ンプシロー(Kampshroer)の「弗素化ピリミジ
ン―5―トリフルオロメチルウラシル―2
14C及び5―トリフルオロメチル―2′―デオキ
シウリジン―2―14Cの生体内代謝」,Cancer
Researoh25,377〜381(1965);C.ハイデルベル
ガーの「トリフルオロチミジンの抗ウイルス活性
の分子レベルにおける機序」,Ann.N.Y.Acad.
Sci.255,317〜325(1975);Y.フジワラ及びC.ハ
イデルベルガーの「弗素化ピリミジン一
種痘ウイルスのデオキシリボ核酸への5―トリフ
ルオロメチル―2′―デオキシウリジンの取り込
み」,Mol.Pharm.,281〜291(1970);ならび
に、T.オキ及びC.ハイデルベルガーの「弗素化
ピリミジン―種痘ウイルスのメツセンジ
ヤーリボ核酸の複製及び蛋白質に対する5―トリ
フルオロメチル―2′―デオキシウリジンの作用」,
Mol.Pharm.,653〜662(1971)。 しかしながら、おそらくF3dTの糖部分を除去
するウリジン及びチミジンホスホリラーゼの基質
であるために、F3dTは急速に異化作用を受け、
すなわち分解されて効果のない誘導体の形になる
ことが判明した。F3dTは腫瘍に対してほとんど
選択毒性を示さず、血清もしくはその他の蛋白質
に非特異的に結合する。 F3dTの開発に責任のある人物として知られる
Dr.チヤールズ ハイデルベルガーは1975年に、
F3dTを癌の化学療法剤として研究することを断
念したと述べた。デキスターら(上記)は、患者
に静注投与された(2― 14C)F3dTの94%もし
くはそれ以上が48時間以内に尿中に排泄されるこ
とを見い出した。用量6mg/Kgが投与された患者
の尿中に回収された蓄積放射能の90%はトリフル
オロチミンまたは5―カルボキシウラシルの形で
あつた。このことはF3dTが急速に減成されたこ
とを示しいる。5mg/Kg以下の用量を与えた患者
においては、F3dTの蓄積率は1%以下であつた。
異化速度は、ヒトに対して試験された全ての用量
において速く、用量依存的のようであつた。1時
間後に放射能の平均13.5%が尿中に検出された患
者10乃至12人においては、その放射能の5%以下
がF3dTによるものであり、95%以上がトリフル
オロチミンまたは5―カルボキシウラシルによる
ものであつた。F3dTの急速で且つ広範囲にわた
る分解は、ヌクレオシドホスホリラーゼによつて
引きおこされると考えられた。デキスターらは
F3dTの異化作用を抑制するために少なくとも2
つの方法が考えられることを示唆した。第1の方
法は、分解酵素を抑制してF3dTを活性型に転化
させることのできる薬F3dTMPをF3dTと一緒に
加えることにある。第2の方法は、ホスホリラー
ゼ耐性を有し且つ生体内でヌクレオシド及びヌク
レオチドに転化され得るF3dT誘導体を調製する
ことにある。 F3dT用量を90倍増加すると、血漿中の半減期
が18分から36分に延長された。高用量の投与が好
ましくないことは研究者には明白であり、低用量
は異化の増大につながるのでまた望ましくなかつ
た。 F3dTは、おそらくチミジレートシンテターゼ
(thymidylate synthetase)との相互作用に関連
した機構によつて血漿タンパクと共有結合するこ
とが判明した。 本発明に従えば、有効量の5―トリフルオロメ
チル―2′―デオキシシチジンを活性成分として含
む白血病治療剤が提供される。 白血病としては、例えば急性骨髄白血病、急性
リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病及び慢性骨
髄性白血病などがあげられる。この医薬製剤は、
この5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシチ
ジンと共にシチジンデアミナーゼ阻害剤を含むの
が好ましい。治療すべき腫瘍が高いシチジンデア
ミナーゼレベルを有する場合には、この腫瘍内部
で所定の期間にわたつて5―トリフルオロメチル
―2′―デオキシシチジンが化学療法剤(トリフル
オロチミジンと考えられる)に転化される。従つ
て、5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシチ
ジンは、薬トリフルオロチミジンの癌特異性貯蔵
型として機能し、先の研究者達に見い出されたト
リフルオロチミジンの急速な代謝的分解を防ぐ。 トリフルオロチミジンはこうしてシチジンデア
ミナーゼレベルの高い腫瘍内において形成され
る。このトリフルオロチミジンは体内の他の場所
では比較的少量しか形成されないようであり、5
―トリフルオロメチル―2′―デオキシシチジンと
共にテトラヒドロウリジンのようなシチジンデア
ミナーゼ阻害剤を含んでなる抗腫瘍剤が投与され
る場合には特にそうである。 テトラヒドロウリジンのようなシチジンデアミ
ナーゼ阻害剤の使用もまた、腫瘍中のF3メチル
dT転化速度を遅くすることを強調したい。この
ように、腫瘍部位におけるトリフルオロチミジン
の放出及びその代謝産物は、個々の腫瘍のシチジ
ンデアミナーゼレベル及び投与されるテトラヒド
ロウリジンまたはその他の阻害剤の量に依存して
変化し得る。シチジンデアミナーゼ阻害剤の目的
は当然、血清シチジンデアミナーゼからの保護に
あり、その正確な投与量は個々の血清レベルに依
存するようである。 本発明の化学療法剤において使用されるF3
チルdCは、貯蔵型の癌細胞阻害剤として働く。
このF3メチルdCは体内で5―トリフルオロチミ
ジンに転化され、次いでこれが代謝されて5―ト
リフルオロデオキシチミジン―5′―ホスフエート
(一リン酸塩)になると考えられる。 これまで、シトシンアラビノシド(ara―C)
化合物は癌の化学療法剤として試験されてきた。
いくつかの腫瘍はara―C化学療法に耐性があ
る。このような耐性は、前記腫瘍中の高レベルの
シチジンデアミナーゼがara―Cを不活性のまた
は活性の少ない化合物に転化することによつて起
こると考えられている。一方、本発明は、シチジ
ンデアミナーゼレベルの高い腫瘍を対象とするも
のであるため、ara―C化学療法に耐性のある腫
瘍の治療に使用できる。前述の通り、このような
腫瘍中のシチジンデアミナーゼは腫瘍部位におい
てF3メチルdCを脱アミノ化することにより、こ
のF3メチルdCを5―トリフルオロチミジンに転
化すると考えられる。シチジンデアミナーゼが体
の種々の部分に異なる濃度で存在することは周知
の通りである。本発明は、体の他の大部分よりも
シチジンデアミナーゼレベルが有意に高い腫瘍が
ある場合に特に有用である。 組織中シチジンデアミナーゼレベルの評価方法
は、ホー(Ho)、ダー シ ワン(Dah Shi
Wang)の「ヒト及びマウスの組織中の1―β―
D―アラビノフラノシルシトシンのキナーゼ及び
デアミナーゼの分布」〔Cancer Res.33,2816〜
2820(1973)〕に開示されている。ホーは脱アミノ
化生成物のレベルをnmoles/g組織/時間の単
位で報告している(参考のために、この値を以下
に示す。以下においてこれを「Ho値」とも称す
る)。末梢の急性リンパ性白血病では6000〜10000
の値を有することが報告され、末梢の急性骨髄性
白血病では3500〜23000、末梢の慢性骨髄性白血
病では7300〜152000、胃の腺癌では9480、脚の軟
骨癌では254500、ウイルムス腫瘍
(Wilms′ tumor)では1880の値を有していた。
これらの腫瘍は全て、少なくともいくつかの症例
においては、本発明の抗腫瘍剤によつて治療でき
る。体のいくつかの部分ではシチジンデアミナー
ゼレベルが比較的低いことが報告された(Ho試
験によつて示された)。そのような体内の部分と
しては、腎臓(988)、脳(44)、脳脊髄液(18)、
心臓(972)等が挙げられる。これに対して、正
常な骨髄組織は16500〜86000、肝臓は6553、大腸
粘膜は1920の値を有していることが報告された。 ホーによつて報告された試験によつて5000以上
の値を有する腫瘍に関しては、シチジンデアミナ
ーゼレベルはおそらく充分に高く、このような腫
瘍の治療にF3メチルdCを使用できることが極め
て強く示唆される。一方、1500以下の値はおそら
く考慮されないだろう。種々の型の腫瘍を有する
患者は骨髄組織中のシチジンデアミナーゼレベル
が低いことが予想されるので、1500乃至5000の値
を有する腫瘍に関しては骨髄組織のHo値の検査
がおそらく標準的な診療であろう。この場合、腫
瘍が骨髄組織より高い値を有するならば(有意差
がある場合には特に)、F3メチルdCの使用が示唆
される。 いくつかの型の腫瘍に関しては、F3メチルdC
の投与によつて腫瘍の放射線に対する感受性がよ
り高くなることが予想される。このような場合に
は、5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシチ
ジンを2′―デオキシテトラヒドロウリジンと共に
投与することが期待される。 F3メチルdCの投与を含む治療の大部分におい
ては、F3メチルdCをテトラヒドロウリジンまた
は2′―デオキシテトラヒドロウリジンのようなシ
チジンデアミナーゼ阻害剤と共に投与することが
期待される。腫瘍が有意なシチジンデアミナーゼ
レベルを有する体内の唯一の部分である場合に
は、シチジンデアミナーゼ阻害剤を共投与する必
要がない。しかしながら、今のところ、本発明の
ほとんどの使用に関して、5―トリフルオロメチ
ル―2′―デオキシシチジンの投与前もしくは投与
と一緒にテトラヒドロウリジンを共投与すること
が期待される。最初に阻害剤を投与する場合に
は、F3メチルdC投与の30分前に投与するのが適
当である。F3メチル投与の30分前に阻害剤の1/2
を投与し、そして阻害剤の残りの1/2をF3メチル
dC投与と同時に投与するのが最も好ましい。 テトラヒドロウリジンのようなシチジンデアミ
ナーゼ阻害剤のF3メチルdCに対する重量比は一
般に5:1〜0.25:1の範囲、通常1:1であ
る。 本発明の白血病治療剤の活性成分である5―ト
リフルオロメチル―2′―デオキシシチジン(F3
チルdC)は、遊離のヒドロキシル基を保護した
5―トリフルオロメチル―2′―デオキシウリジン
(F3dU)とアンモニアを反応させることによつて
調製される。この製法は、特開昭54―128587号公
報に記載されている。この開示を参考文献として
本明細書に引用する。 F3メチルdCは、筋肉内投与、静脈内投与、局
所投与及び経口投与を含む種々の方法で投与でき
るが、通常は腹腔内投与によつては投与されな
い。これらの投与方法の中で、局所適用の使用の
可能性は極めて少ないがこの技術は病巣の局所的
治療には有用な場合もあることが一般に考えられ
ている。 F3メチルdCは通常、医薬として許容され得る
担体または稀釈剤、たとえば、純粋な生理食塩水
と配合して投与される。通常、F3メチルdCは
0.01乃至約50重量%、好ましくは約0.05〜5重量
%の量でF3メチルdCを含む医薬製剤の形態であ
る。局所適用の場合には比較的高濃度のF3メチ
ルdCが適用できるが、静脈内投与には通常、稀
釈濃度(5重量%以下)のF3メチルdCが使用さ
れる。 F3メチルdCは日用量約250mg/Kg体重で使用す
るのが好ましい。F3メチルdCを1日1回投与す
る場合にはF3メチルdCは一般に一日あたり50乃
至250mg/Kg体重の量で投与され、一般に数日間
の治療を続けてから次の治療周期を行なうまでの
間に休息期間が設けられる。たとえば、5日間の
治療を続けた後、次の5日間の治療周期の前に患
者を2週間休ませる。1日の間にF3メチルdCを
2回以上投与する場合には総量が500mg/Kg/日
に及んでもよいが、通常は1日1回投与を用いる
ことが期待される。 一方、F3メチルdCの1週間1回投与を含む投
与方法を用いることも可能であり、この場合には
投与量は750mg/Kgであつてもよい。 1回投与量2500mg/KgのF3メチルdCを10000
mg/Kgのテトラヒドロウリジンと共に用いた場合
に、10%毒性がおこる。 F3メチルdCは、F3メチルdCを主要活性成分と
し且つこれに医薬として許容され得る担体もしく
は稀釈剤を配合してなる。腹腔内投与用(動物試
験に対してのみ)、静脈内、皮下、筋肉内、経口
または局所投与用の医薬製剤の形状に製剤化でき
る。このような医薬製剤中のF3メチルdC濃度は、
投与経路、投与頻度、患者の症状の軽重、年齢、
体重及び全身状態に応じて、約0.01〜50重量%の
範囲で変化させる。静脈内注射の場合にはF3
チルdCの濃度は一般に約0.05〜約5%w/vであ
り、筋肉内注射の場合には通常0.5〜5%w/v
である。この医薬製剤に使用される医薬として許
容され得る担体または稀釈剤は、活性化合物F3
メチルdCと混合するのに適当な、任意の無毒性
混和性材料であればよい。医薬製剤が筋肉内また
は静脈内投与に適当な形態である場合には、担体
は水性の賦形剤であるのが好ましく、懸濁化剤
(たとえば、メチルセルロースもしくはPVP)及
び/または常用の界面活性剤のような他の常用の
添加剤を一緒に含んでもよい。 同じ弗素化ピリミジン系の化合物であるにもか
かわらず、F3メチルdCの投与法は5―フルオロ
ウラシル(5―FU)及びその代謝性前駆体の投
与法とは異なる。F3メチルdCは、5―FUとは異
なりRNAには組みこまれない。また、F3メチル
dCは、5―FUとは異なり、RNAにおける5―
フルオロシチジンの形成につながらない。さら
に、F3メチルdCから誘導される5―トリフルオ
ロデオキシチミジン―5′―ホスフエートは、5―
FUの誘導体とは異なり、チミジレートシンテタ
ーゼを阻害するが、同族体がDNAに組み込まれ
て、DNA合成の停止の原因となり且つ未処置の
対照群のm―RNAに比較して細分されたm―
RNAの形成につながる。代謝された5―FUは
DNAに組み込まれるが、DNAからウラシルを除
く修復酵素があるためにこれは一過性の取り込み
である。一方、このようなことはF3メチルdCの
代謝性誘導体の場合にはおこらない。腫瘍中で脱
アミノ化されたF3メチルdCから導かれる5―ト
リフルオロチミジントリホスフエートは、DNA
合成に関わるキー酵素(key enzyme)の最終生
成物抑制因子である。 これらの酵素、すなわち、リボヌクレオシドジ
ホスフエートリダクターゼ、dCMPデアミナーゼ
及びチミジンキナーゼは通常は、チミジントリホ
スフエートによつて阻害されるが、5―置換同族
体がチミジントリホスフエートよりもさらによく
これらの酵素を阻害することが判明した。 5―FUの誘導体5―フルオロデオキシウリジ
ル酸による、キー酵素チミジレートシンテターゼ
の阻害は補因子を必要とするが、その補因子の形
成はメソトレキセートによつて阻害される。この
ような理由から、しばしば組み合わせて用いられ
るメソトレキセート及び5―FUの使用計画はき
びしい制限を受ける。5―FU化学療法における
この欠点を克服する方法の1つは、メソトレキセ
ートによつて形成が抑制される複合体の代わり
に、極めて高濃度のメソトレキセートを用いるこ
とにある。しかしながら、メソトレキセート共投
与におけるこのような操作をF3メチルdCが必要
としない場合には、前記複合体は、F3メチルdC
から誘導される5―トリフルオロデオキシチミジ
ン―5′―ホスフエートによるチミジレートシンテ
ターゼの阻害に関わらないようである。 簡単な4―アミノ置換によつて、F3メチルdC
は代謝安定性、選択性及び非特異的に血清に結合
する蛋白質による滴定に対する(すなわち、無力
化に対する)無反応性の点において、トリフルオ
ロチミジンとは極めて異なるものになる。 F3メチルdCは2′―デオキシテトラヒドロウリ
ジンと共投与されると、それだけでDNAに取り
込まれる。チミジン及びデオキシシチジン両者の
同族体の取り込みは化学療法においては全く新規
である。また、前にも示した通り、放射線のよう
な他の動因に対して腫瘍を選択的に増感せしめる
動因として大きなポテンシヤルを有する。 F3メチルdC単独またはF3メチルdC及びシチジ
ンデアミナーゼ阻害剤を、シトキサン
(cytoxan)及びその他の細胞毒素〔たとえば、
アドリアマイシン(adriamycin)及びメソトレ
キセートのようなアルキル化剤またはビンクリス
チンのような有糸分裂阻害因子と併用することが
望ましい場合もある。腫瘍がara―Cと反応でき
ないか、または穿刺生検法によつて腫瘍が高レベ
ルのシチジンデアミナーゼを有する。すなわち、
Ho値が少なくとも1500、特に5000以上であるこ
とが示される場合には、原発性腫瘍の治療におい
て補薬化学療法と同様にF3メチルdCの使用が可
能であろう。F3メチルdCは、トリフルオロチミ
ジンの貯蔵型であるので、腫瘍のシチジンデアミ
ナーゼレベルにかかわらず、F―ピリミジンに反
応する腫瘍に対しても有効であろう。 これまでに得られた結果から、F3メチルdC化
合物は転移または遊走細胞の補薬化学療法にも使
用できることが示唆される。我々の知る限りでは
転移細胞はまだ単離されておらず且つ転移細胞中
のシチジンデアミナーゼレベルは分析されていな
い、しかしながら、転移細胞中のシチジンデアミ
ナーゼレベルは比較的に高いらしいので、5―ト
リフルオロメチル―2′―デオキシシチジンの投与
によつてトリフルオロチミジンを長期間にわたつ
て放出する前記方法は有効であろう。 実施例 1 アデノカルシノーマ(Adenocarcinoma)755
雄のBDF―1マウスの両側の後腋窩部の皮下に
2〜31mmの断片を移殖した。治療群及び未治療の
対照群について、各群6匹の動物を用いた。実験
開始時における動物の体重は約22gであつた。治
療群には、腫瘍を移殖してから1,3,5,7及
び9日後にF3メチルdCを投与した。治療群の各
動物にはテトラヒドロウリジン250mg/Kgを腹腔
内投与し、次いで、その30分後にF3メチルdC250
mg/Kgを腹腔内投与した。薬物濃度は7及び9日
目に体重が減少するように調整した。腫瘍の寸法
をカリパスで測定し、容量を計算した。得られた
結果は以下の通りである。 腫瘍容量 10日目 治療群/対照群<.01 12日目 治療群/対照群=.015 16日目 治療群/対照群=.088 19日目 治療群/対照群=.28 体重の減少 7日目 治療群 −4.18g 対照群 −1.24g 9日目 治療群 −5.1g 対照群 +2.0g 12日目 治療群 −5.2g 対照群 +3.4g 15日目ごろには、動物の治療群はもはやひどい
毒性の徴候を示さなかつた。25日後に中毒死は全
く観祭されなかつた。 実施例 2 アデノカルシノーマ755 実施例1の手法を繰り返した。ただし、F3
チルdC及びテトラヒドロウリジンは腫瘍移殖の
3.5,7,9及び11日後に投与した。この実験に
用いられる動物の体重は実験開始時には24gであ
つた。各群5匹の動物を用いた。薬物濃度は7,
9及び11日目に体重が減少するように調整した。 この実験で得られた結果は以下の通りである。 腫瘍容量 11日目 治療群/対照群=.19 13日目 治療群/対照群=.17 15日目 治療群/対照群=.23 体重の減少 7日目 治療群 −4.18g 対照群 +1.24g 9日目 治療群 −5.2g 対照群 +1.69g 11日目 治療群 −5.36g 対照群 +2.18g 25日後に中毒死は全く観祭されなかつた。F3
メチルdCで治療された動物は、14日目後に毒性
が減少する徴候を示した。 実施例 3 サルコーマ(Sarcoma)180腹水腫瘍 この実験においては、F3メチルdCの1回注射
のみが用いられた〔J.ベルチノ(Bertino)らの
「メソトレキセート及び5―フルオロウラシルの、
投与計画に依存する制癌作用」,Cancer Res.37
327〜328(1977)を参照〕。サルコーマ180腹水腫
瘍細胞105個を雌のスイス系マウスに腹腔内注射
し、次いで、腫瘍を接種して3日後に所定の化合
物の1回投与を行なつた。メソトレキセートは5
―フルオロウラシルもしくはF3メチルdC投与の
2時間前に投与し、テトラヒドロウリジン
(H4U)はF3メチルdC投与の30分前に投与した。
得られた結果は以下の通りである。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有効量の5―トリフルオロメチル―2′―デオ
    キシシチジンを活性成分として含む白血病治療
    剤。 2 5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシチ
    ジンの転化によつて腫瘍中にトリフルオロチミジ
    ンが形成される特許請求の範囲第1項記載の白血
    病治療剤。 3 転化がシチジンデアミナーゼによる脱アミノ
    化である特許請求の範囲第2項記載の白血病治療
    剤。 4 腫瘍がトリフルオロチミジン感受性を有する
    特許請求の範囲第3項記載の白血病治療剤。 5 腫瘍がara―C耐性を有する特許請求の範囲
    第4項記載の白血病治療剤。 6 腫瘍が弗素化ピリミジン化合物に対して感受
    性を有する特許請求の範囲第3項記載の白血病治
    療剤。 7 5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシチ
    ジンに加えてさらに抑制量のシチジンデアミナー
    ゼ阻害剤を含んでなる特許請求の範囲第6項記載
    の白血病治療剤。 8 シチジンデアミナーゼ阻害剤がテトラヒドロ
    ウリジンまたは2′―デオキシテトラヒドロウリジ
    ンである特許請求の範囲第7項記載の白血病治療
    剤。 9 シチジンデアミナーゼ阻害剤の前記5―トリ
    フルオロメチル―2′―デオキシシチジンに対する
    重量比が約5:1乃至約0.25:1である特許請求
    の範囲第8項記載の白血病治療剤。 10 5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシ
    チジン服用前にシチジンデアミナーゼ阻害剤の少
    なくとも一部を服用するようにした特許請求の範
    囲第9項記載の白血病治療剤。 11 5―トリフルオロメチル―2′―デオキシシ
    チジンの日用量が約50乃至約500mg/Kg体重であ
    る特許請求の範囲第7項記載の白血病治療剤。 12 日用量が約250mg/Kg体重である特許請求
    の範囲第11項記載の白血病治療剤。 13 腫瘍が少なくとも1500のH。値を有する特
    許請求の範囲第1項記載の白血病治療剤。 14 H。値が5000以上である特許請求の範囲第
    13項記載の白血病治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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