JPS6342117Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、遠心鋳鉄等によつて製造した鋳鉄管
を熱処理するための燃焼式炉に関する。

〔従来の技術〕

従来、上記燃焼式熱処理炉を構成するに、第４
図に示すように、処理室３の底部に、処理鋳鉄管
Ａを縦姿勢で載置する設置台４とその設置台４の
外側に位置する排気路６とを設け、処理室３の下
部に、バーナ５を横向きに臨設した燃焼室Ｂを設
け、燃焼室Ｂで生成した高温燃焼ガスを載置鋳鉄
管Ａの内部側に供給するための開口７を設置台４
に形成していた。

つまり、高温燃焼ガスを、載置鋳鉄管Ａの内部
において上昇流動させると共に、それに続いて載
置鋳鉄管Ａの外部において排気路６に向け下降流
動させることにより、鋳鉄管Ａを例えば900℃程
度の雰囲気化で熱処理するのであるが、燃焼室Ｂ
に対してバーナ５を横向きで臨設してバーナ火炎
が載置鋳鉄管Ａに直接に触れないようにすること
で、処理鋳鉄管Ａをムラ無く（ヒートスポツト無
く）熱処理できるようにしていた。（文献を示す
ことが出来ない。） 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし、上述の如き従来構成にあつては、処理
室の下部に燃焼室を設けるために、炉の全体構成
が大型化し工場等での設置スペース面で不利であ
り、又、燃焼室そのものにおける蓄熱ロス、燃焼
室を形成する壁体からの放熱ロス、並びに、排気
路からの排気に伴う熱ロスが大きいために、全体
熱効率が低く省エネルギー面及び運転経費面で不
利であつた。

本考案の目的は、合理的な改良により、均一熱
処理性を高く維持しながら炉のコンパクト化、及
び、熱効率の向上を図る点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による鋳鉄管用燃焼式熱処理炉の特徴構
成は、処理室の底部に、処理鋳鉄管を縦姿勢で載
置するための設置台と、その設置台の外側に位置
する排気路とを設け、前記設置台に形成した開口
を介して載置鋳鉄管相当位置の内部に臨む位置に
バーナを配設し、載置鋳鉄管相当位置の外部と前
記開口とを連通する排ガス循環路を前記設置台の
下部側に形成してあることにあり、その作用・効
果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、第１図に示すように、載置鋳鉄管Ａの
内部そのものを燃焼室とする状態でバーナ５を燃
焼作動させて生成高温燃焼ガスを載置鋳鉄管Ａ内
部から外部にわたつて流動させる。

そして、載置鋳鉄管Ａの外部側において処理室
３の底部にまで達した高温燃焼ガスのうち一部
を、バーナ燃焼作動に伴う誘引作用により排ガス
循環路１１を介してバーナ５側に流動させて、再
び載置鋳鉄管Ａ内部側に循環流動させ、他方、処
理室３の底部にまで達した高温燃焼ガスのうち他
部を排ガスとして排気路６から排出する。

したがつて、従前の如き別室としての燃焼室が
無いから、炉の全体構成を大幅にコンパクト化で
き、又、別室としての燃焼室における蓄熱ロス、
燃焼室形成壁体からの放熱ロスを無くすることが
できる。

しかも、載置鋳鉄管の外部側において処理室底
部にまで達した高温燃焼ガスの一部を循環使用す
るから、全量を排ガスとして排気していた従前構
成に比して排ガス排出に伴う熱ロスも低減でき、
又、処理室内流動によりある程度低温化している
循環高温燃焼ガスを再び載置鋳鉄管内部に供給す
ることで急速に火炎の温度を低下させ、載置鋳鉄
管の内部を燃焼室としてバーナを燃焼作動させる
ものでありながらも処理鋳鉄管をヒートスポツト
の形成無く熱処理できる。

〔考案の効果〕

上述の結果、均一熱処理性を高く維持しなが
ら、炉を大幅にコンパクト化でき、又、全体熱効
率を大幅に向上でき、工場等への設置スペース面
で極めて有利で、しかも、運転経費が安価な実用
性に優れた鋳鉄管用熱処理炉を提供できた。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を第１図ないし第３図に基
づいて説明する。

断熱壁１から成る炉体を有底筒状本体部２Ａと
それに対する蓋部２Ｂとに分割形成し、炉体内の
処理室３底部に、処理鋳鉄管Ａを縦姿勢で載置す
る円盤状の設置台４、及び、バーナ５を設けると
共に排気路６を接続し、もつて、鋳鉄管用熱処理
炉を構成してある。

設置台４の中央部に開口７を形成し、前記バー
ナ５を、その炎口が設置台４の開口７を介して載
置鋳鉄管Ａの内部に臨むように上向き姿勢で設置
台４の直下に配置してある。

他方、処理室３底部において、設置台４の外周
部に、処理室３内に開口する排ガス用環状溝８を
形成すると共に、その環状溝８の外側に環状排ガ
ス路９を形成し、それら環状溝８と環状排ガス路
９とを、周方向に分散配置した複数の連通路１０
を介して連通してある。

そして、環状排ガス路９に対して前記排気路６
を接続すると共に、設置台４に形成した開口７と
排ガス用環状溝８とを設置台４の下側で連通する
排ガス循環路１１の複数を周方向に等間隔配置し
て形成してある。

つまり、載置鋳鉄管Ａの内部そのものを燃焼室
とする状態でバーナ５を燃焼作動させて生成高温
燃焼ガスを載置鋳鉄管Ａの内部から外部にわたつ
て流動させることにより熱処理を施すようにして
ある。

又、載置鋳鉄管Ａの外部側において処理室３底
部の排ガス用環状溝８にまで達した高温燃焼ガス
のうち一部を、バーナ燃焼作動に伴う誘引作用に
より排ガス循環路１１を介してバーナ５側に流動
させて再び載置鋳鉄管Ａの内部に循環供給するこ
とにより、処理鋳鉄管Ａにヒートスポツトが形成
されることを防止するようにしてある。

尚、排ガス用環状溝８にまで達した高温燃焼ガ
スのうち循環に使用される一部以外は、排ガスと
して連通路１０、及び、環状排ガス路９を介し排
気路６から排出される。

連通路１０を周方向に分散配置するに、環状排
ガス路９のうち排気路６接続箇所に近い部分は連
通路１０の形成を省略し、それによつて、環状溝
８に達した高温燃焼ガスがシヨートパス的に排気
路６に向かうことを抑制して、排ガス循環路１１
の夫々への燃焼ガス供給を均等化するように、す
なわち、載置鋳鉄管Ａ内部への循環燃焼ガス供給
を周方向に均等化して均一熱処理性を向上するよ
うにしてある。

図中１２はバーナ５に対する燃料ガス供給路、
及び、１３は同じく燃焼用空気供給路である。

〔別実施例〕

設置台４の下側に配置形成する排ガス循環路１
１の具体的流路形状は種々の改良が可能であり、
又、その排ガス循環路１１の載置鋳鉄管Ａ相当位
置外部に対する具体的連通構造、並びに、設置台
４の開口７に対する具体的連通構造の夫々も種々
の改良が可能である。

載置鋳鉄管Ａ相当位置の内部に、載置鋳鉄管Ａ
の内周面とバーナ５火炎との間に位置する均熱用
多孔板状体を載置鋳鉄管Ａの内周面に沿わせる状
態で設けても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示し、
第１図は縦断面図、第２図は第１図における−
線断面図、第３図は第１図における−線断
面図である。第４図は従来構造を示す縦断面図で
ある。 ３……処理室、４……設置台、５……バーナ、
６……排気路、７……開口、１１……排ガス循環
路、Ａ……鋳鉄管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 処理室３の底部に、処理鋳鉄管Ａを縦姿勢で載
   置するための設置台４と、その設置台４の外側に
   位置する排気路６とを設け、前記設置台４に形成
   した開口７を介して載置鋳鉄管Ａ相当位置の内部
   に臨む位置にバーナ５を配設し、載置鋳鉄管Ａ相
   当位置の外部と前記開口７とを連通する排ガス循
   環路１１を前記設置台４の下部側に形成してある
   鋳鉄管用燃焼式熱処理炉。