請求の範囲
1 クラフト黒液を緑液に転換し、次いで緑液を
酸素含有気体および効果的な量の使用済中性亜硫
酸半化学的黒液の添加剤の存在下で酸化すること
を含むクラフト法からの使用済黒液の処理方法。
2 前記添加剤は1〜15重量%のNSSC使用済液
である特許請求の範囲第1項記載の方法。
3 前記酸化は大気圧下空気の存在下で50〜150
℃の温度範囲で行なわれる特許請求の範囲第1項
記載の方法。
4 クラフト法から使用済黒液を回収し、クラフ
ト黒液を緑液に転換し、硫化ナトリウムを含有す
る緑液を酸素含有気体および効果的な量の使用済
中性亜硫酸半化学的(NSSC)黒液の添加剤の存
在下で酸化することにより、該緑液の硫化ナトリ
ウムをチオ硫酸ナトリウムに変換し、かくして酸
化した緑液を中性亜硫酸半化学的(NSSC)パル
プ化法における蒸解液の一部として使用すること
を含むクラフト法使用済黒液の再使用方法。
5 前記添加剤は1〜15重量%のNSSC使用済で
ある特許請求の範囲第4項記載の方法。
6 前記酸化は大気圧下空気の存在下で50〜150
℃の温度範囲で行なわれる特許請求の範囲第4項
記載の方法。
7 クラフト法とNSSC法の両者によつてリグノ
セルロース材をパルプ化する工程と、このクラフ
ト法からの黒液を硫化ナトリウム含有の緑液に変
換する工程と、上記NSSC法からの使用済中性亜
硫酸半化学的黒液を触媒として上記緑液をガスを
含有する酸素で酸化し、該緑液の硫化ナトリウム
をチオ硫酸ナトリウムに変換する工程と、この酸
化された緑液をNSSC工程のパルプ化液に添加さ
れる工程とからなるリグノセルローズ系材料のパ
ルプ化方法。
発明の記述
この発明はクラフト法及び中性亜硫酸半化学的
(NSSC)パルプ化法による紙パルプの製造に用
いられる化学薬品の回収及び使用に関する。
紙パルプを木材および他のリグノセルロース系
材料から製造するためのクラフト法はこれら材料
を水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウムの水溶液
で蒸解することを必要とする。これはリグノセル
ロースからの溶解した有機物質並びに無機パルプ
化化学薬品を含有する使用済液(「黒液」)を濃縮
し、炉内で燃焼させる化学回収段階を含む。この
方法により、リグノセルロース系原料の重量の約
半分に相当する有機物質の熱当量が水蒸気の形態
で回収され、無機化学薬品は溶融物として回収さ
れる。この溶融物は、本質的には炭酸ナトリウム
および硫化ナトリウムの混合物からなつており、
水に溶解するると「緑液」を形成し、次いで消石
灰で処理されるとパルプ化化学薬品、すなわち水
酸化ナトリウム及び硫化ナトリウム(白液)を再
び形成する。この硫化ナトリウムはかくして、理
論的には閉鎖系なるものの中で再循環される。実
際にはこのような系からは必ず損失があるので、
これらをナトリウムおよび硫黄を含有する化学薬
品の添加により補充する必要があり、最も普通の
このような化学薬品は硫酸ナトリウムすなわち
「芒硝」である。
容器材料、例えば段ボール箱、の製造のための
パルプを製造するパルプ化装置は、クラフトミル
の他に波形化基材を製造するためおよび恐らくラ
イナーの成分として含有させるために適したパル
プを高収率で製造する中性亜硫酸半化学的
(NSSC)ミルを含む。NSSC法からパルプ化化
学薬品を回収するため使用できる方法は複雑かつ
高価であり、従つてNSSC法から得た使用済液を
クラフトミルの「補充」として用いてクラフトミ
ルにおける損失を補償することが通常行なわれて
いる。
この実施はクラフトミル及びNSSCミルが「合
致し」、そのため前者の化学薬品損失量が後者か
ら得られる使用済の化学薬品含量と同様な場合は
満足すべきものである。このことはクラフトミル
からのパルプ生産量がNSSCミルからのそれより
格段に大きい場合(例えば約3倍)または相対的
により小さなクラフトミルからの損失が異常に高
い場合に該当しえよう。しかしながら、この2個
のミルの間には不均衡が存在するのが普通であ
り、特に、近年より厳しくなつた公害防止規制の
ために、クラフトミルは影響を受け、このような
ミルからのナトリウムおよび硫黄のいずれの損失
も減少した。NSSC使用済液の無機化学薬品の含
量はクラフトミルにおける補充として要求される
ものより相当な差をもつて大きいことが通常見出
される。このような条件下で、クラフト系中のナ
トリウムおよび硫黄の全ストツクすなわち在庫分
は化学薬品が系から抜出されて売却または排棄さ
れなければならない点まで増加するであろう。
このような化学薬品の排棄はそれらの不都合な
環境上の衝撃のために困難である。売却もやはり
この方法により製造されうる化学薬品の種類に対
して需要があまりないために応々にして困難であ
る。
オーストラリア特許第473185号において、クラ
フト黒液を触媒として用いてクラフト白液を酸化
し、次いでクラフト白液を気体精製、酸素パルプ
漂白、イオン交換体の再生、その他の用途に用い
ることが提案された。
考慮された別の方法はクラフトミル化学薬品
を、少なくとも一部、NSSCミルに再循環させ、
かくして全体としてクラフト−NSSC系に入る新
しい化学薬品の量を低下させるものである。例え
ば、これは緑液を苛性化の前にクラフト回収回路
から抜出し、そしてこの緑液をNSSCミルの化学
薬品として用いることにより達成できる。緑液
は、一般に約4:1の比をした、炭酸ナトリウム
と硫化ナトリウムの水溶液であり、理論上、これ
は中性亜硫酸パルプ化において用いられる炭酸ナ
トリウムの一部および全部に取つて代わることが
できる。後者のための蒸煮化学薬品の製造におい
て、炭酸ナトリウム溶液を二酸化硫黄で処理する
(「亜硫酸塩化」)ことにより亜硫酸ナトリウムを
形成するが、この処理は約75〜95%の炭酸塩が亜
硫酸塩に転換されてしまつた後通常停止される。
炭酸塩の残りの5〜25%はパルプ化の早い段階に
おいて木から誘導された酸を中和するためにいわ
ゆる「緩衝剤」として作用する。緑液はこれを炭
酸ナトリウム溶液の完全亜硫酸塩化により生成さ
せた亜硫酸ナトリウムと混合させることにより
「緩衝剤」として作用でき、あるいはこれは亜硫
酸塩化の前に炭酸ナトリウム溶液に取つて代わる
ため、すなわちNSSCミルのためのナトリウム全
量を提供するために使用できる。
緑液がいずれの方法で使用されるにしても、こ
れは重大な環境問題を生起する。もし「緩衝剤」
として用いられるならば、これはNSSCパルプ化
において通常遭遇される近中性PHにおいて毒性が
ありかつ悪臭がする硫化水素を発生する。亜硫酸
塩化に用いた場合は、二酸化硫黄の作用により硫
化水素が追出される。いずれの場合にも、結果は
環境上不適当である。
これらの問題は緑液を酸化することによつて硫
化ナトリウムをチオ硫酸ナトリウム(通常主生成
物)、亜硫酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムに転
換することにより克服でき、これらのうちいずれ
もNSSCパルプ化のため、または亜硫酸塩化のた
めに通常用いられる条件下で硫化水素を発生しな
い。緑液の酸化は酸素気体または空気を用いて行
なうことができる。空気を用いる場合、酸化はい
ささか緩慢であり、圧力容器を必要とする高温を
用いることなく適当な時間で硫化物の完全な破壊
を達成することは困難である。
かくして、クラフト法の使用済化学薬品を効率
的に使つてしまうためには、これらを使用する
か、またはこれらをH2Sの発生を持たらさない形
態に転換する方法でかつ経済的に実施できる方法
を作り出す必要がある。
この発明はこのような方法を提供し、該方法は
クラフト法から使用済黒液を回収し、クラフト黒
液を緑液に転換し、緑液を酸素含有気体および効
果的な量の使用済NSSC黒液の添加剤の存在下で
酸化し、そしてかくして酸化された緑液を中性亜
硫酸半化学的(NSSC)パルプ化法において用い
ることを含む。
この発明による緑液の酸化は空気酸化単独に比
較して著しく促進される。酸化含有気体は好まし
くは空気であり、反応は50〜150℃の好ましい温
度範囲で行なわれる。
この発明により、亜硫酸塩は大気圧下で中庸な
温度で、圧力容器の必要性なく、比較的短時間で
完全に破壊できる。
本発明における緑液への触媒的添加剤として好
ましい使用済脱リグニン液は1〜15重量%、好ま
しくは3〜10重量%の使用済NSSC黒液である。
本発明の利点を例示説明するために緑液の空気に
よる酸化を本発明のNSSC使用済液(使用済
NSSC黒液)を触媒的添加剤として使用した場合
と、公知の添加剤としてクラフト黒液、ソーダ法
による使用済ソーダ液およびキノン系化合物を使
用した場合とを比較した。
第1表および第1図は添加剤の不存在(線A)
に比較して、NSSC使用済液(線E)、アントラ
キノンモノスルホネート(AMS)(線D)、アン
トラキノンを含有するソーダ黒液(線C)、クラ
フト黒液(線B)の使用における比較結果を与え
ている。
これらの結果はNSSC使用済液の使用がクラフ
ト黒液の場合に必要な時間の約半分で完全な硫化
物の除去を持たらすことを示しているが、添加剤
全て(線B〜E)が空気酸化単独に比較して反応
時間における大きな改善を示している。
全ての試験は長さ1mおよび内径80mmで、4本
の10mmステンレス製バツクルを含有するガラス管
からなる反応器内で行なつた。空気はステンレス
製タービン型撹拌器の中心の真下に置かれた5mm
のガラス管を通して反応器の底に入れた。反応器
全体は80℃に保持した水浴中に入れた。緑液
(1.5)を反応器に仕込み、空気流速を毎分1
に保持し、撹拌速度は2100rpmとした。リツトル
当りのグラムで表わした亜硫酸ナトリウム含量を
酸化の最初から最後までの様々な段階で決定し
た。Claim 1. A kraft process comprising converting kraft black liquor to green liquor and then oxidizing the green liquor in the presence of an oxygen-containing gas and an effective amount of a spent neutral sulfite semichemical black liquor additive. How to dispose of used black liquor from the law. 2. The method of claim 1, wherein the additive is 1-15% by weight of NSSC spent liquor. 3 The oxidation is carried out at atmospheric pressure in the presence of air at 50 to 150
2. A method according to claim 1, which is carried out in the temperature range of .degree. 4. Recovering spent black liquor from the Kraft process, converting the Kraft black liquor to green liquor, and converting the green liquor containing sodium sulfide into an oxygen-containing gas and an effective amount of spent neutral sulfite semi-chemical (NSSC). By oxidizing the black liquor in the presence of additives, the sodium sulfide of the green liquor is converted to sodium thiosulfate and the thus oxidized green liquor is added to the cooking liquor in the neutral sulphite semichemical (NSSC) pulping process. Craft methods including using it as part of a method for reusing used black liquor. 5. The method of claim 4, wherein the additive is 1-15% by weight NSSC. 6 The oxidation is carried out at atmospheric pressure and in the presence of air.
5. The method according to claim 4, which is carried out in the temperature range of .degree. 7 The process of pulping lignocellulosic material by both the Kraft method and the NSSC method, the step of converting the black liquor from this Kraft method into green liquor containing sodium sulfide, and the process of pulping the lignocellulosic material by both the Kraft method and the NSSC method, and the step of converting the black liquor from the Kraft method into green liquor containing sodium sulfide, and A process of oxidizing the green liquor with gas-containing oxygen using sulfite semi-chemical black liquor as a catalyst to convert the sodium sulfide of the green liquor into sodium thiosulfate, and pulping this oxidized green liquor in the NSSC process. A method for pulping a lignocellulose material, which comprises a step of adding it to a liquid. DESCRIPTION OF THE INVENTION This invention relates to the recovery and use of chemicals used in the production of paper pulp by the Kraft process and the neutral sulfite semichemical (NSSC) pulping process. Kraft processes for producing paper pulp from wood and other lignocellulosic materials require cooking these materials with aqueous solutions of sodium hydroxide and sodium sulfide. This includes a chemical recovery step in which spent liquor ("black liquor") containing dissolved organic matter from the lignocellulose as well as inorganic pulping chemicals is concentrated and burned in a furnace. By this method, the heat equivalent of organic material, which corresponds to about half the weight of the lignocellulosic feedstock, is recovered in the form of water vapor, and the inorganic chemicals are recovered as a melt. This melt consists essentially of a mixture of sodium carbonate and sodium sulfide,
When dissolved in water it forms "green liquor" and then when treated with slaked lime it again forms the pulping chemicals, namely sodium hydroxide and sodium sulfide (white liquor). This sodium sulfide can thus theoretically be recycled in a closed system. In reality, there is always a loss from such a system, so
These must be replenished by the addition of sodium and sulfur containing chemicals, the most common such chemical being sodium sulfate or "mirabilite". Pulping equipment for producing pulp for the production of container materials, e.g. corrugated boxes, in addition to kraft mills produces high yields of pulp suitable for producing corrugated substrates and possibly for inclusion as a component of liners. including a neutral sulfite semi-chemical (NSSC) mill that produces at a high rate. The methods available to recover pulping chemicals from the NSSC process are complex and expensive, and therefore the spent liquor obtained from the NSSC process cannot be used as a "replenishment" of the kraft mill to compensate for losses in the kraft mill. Usually done. This implementation is satisfactory if the kraft mill and the NSSC mill are "matched" so that the amount of chemical loss of the former is similar to the spent chemical content obtained from the latter. This may be the case if the pulp output from the kraft mill is significantly greater than that from the NSSC mill (eg, about 3 times) or if the losses from the relatively smaller kraft mill are unusually high. However, it is common for an imbalance to exist between the two mills, especially as craft mills have been affected due to pollution control regulations that have become more stringent in recent years, and the sodium output from such mills has been affected. and sulfur losses were reduced. It is usually found that the content of inorganic chemicals in NSSC spent liquor is significantly higher than that required as replenishment in kraft mills. Under such conditions, the total stock of sodium and sulfur in the kraft system will increase to the point that the chemicals must be extracted from the system and sold or disposed of. Disposal of such chemicals is difficult due to their adverse environmental impact. Selling is also difficult at times because there is not much demand for the type of chemicals that can be produced by this method. In Australian Patent No. 473185 it was proposed to use Kraft black liquor as a catalyst to oxidize Kraft white liquor and then use the Kraft white liquor for gas refining, oxygen pulp bleaching, ion exchanger regeneration and other applications. . Another method considered is to recirculate the kraft mill chemicals, at least in part, to the NSSC mill;
Thus, the overall amount of new chemicals entering the Kraft-NSSC system is reduced. For example, this can be accomplished by withdrawing the green liquor from the kraft recovery circuit prior to causticization and using this green liquor as the chemical in the NSSC mill. Green liquor is an aqueous solution of sodium carbonate and sodium sulfide, generally in a ratio of about 4:1, which in theory can replace some and all of the sodium carbonate used in neutral sulfite pulping. can. In the production of boiling chemicals for the latter, sodium sulfite is formed by treating a sodium carbonate solution with sulfur dioxide ("sulfitization"), a process that converts approximately 75-95% of the carbonate into sulfite. It is usually stopped after it has been converted.
The remaining 5-25% of the carbonate acts as a so-called "buffer" to neutralize the wood-derived acids during the early stages of pulping. Green liquor can act as a "buffer" by mixing it with sodium sulfite produced by complete sulfitization of a sodium carbonate solution, or because it replaces the sodium carbonate solution before sulfitization, i.e. NSSC Can be used to provide total sodium for the mill. Whichever method green liquor is used, it creates significant environmental problems. If “buffer”
If used as a fuel, it generates hydrogen sulfide, which is toxic and malodorous at the near-neutral PH normally encountered in NSSC pulping. When used in sulfite formation, hydrogen sulfide is expelled by the action of sulfur dioxide. In either case, the results are environmentally unsuitable. These problems can be overcome by converting sodium sulfide to sodium thiosulfate (usually the main product), sodium sulfite and sodium sulfate by oxidizing the green liquor, any of which can be used for NSSC pulping. or does not generate hydrogen sulfide under the conditions normally used for sulfite formation. Oxidation of green liquor can be carried out using oxygen gas or air. When using air, oxidation is somewhat slow and it is difficult to achieve complete destruction of the sulfides in a reasonable amount of time without the use of high temperatures that require a pressure vessel. Thus, in order to efficiently use the spent chemicals of the Kraft process, it is necessary to use them or to convert them into a form that does not generate H 2 S and is carried out economically. We need to create a way to do it. The present invention provides such a method, which recovers spent black liquor from a kraft process, converts the kraft black liquor into green liquor, and converts the green liquor into an oxygen-containing gas and an effective amount of spent NSSC. oxidizing the black liquor in the presence of additives and using the thus oxidized green liquor in a neutral sulphite semichemical (NSSC) pulping process. The oxidation of green liquor according to the present invention is significantly accelerated compared to air oxidation alone. The oxidation-containing gas is preferably air and the reaction is carried out at a preferred temperature range of 50-150°C. With this invention, sulfites can be completely destroyed in a relatively short time at moderate temperatures at atmospheric pressure and without the need for a pressure vessel. The preferred spent delignification liquor as catalytic additive to green liquor in the present invention is 1 to 15% by weight, preferably 3 to 10% by weight of spent NSSC black liquor.
To illustrate the advantages of the present invention, air oxidation of green liquor was performed using the NSSC spent liquor (spent water) of the present invention.
A comparison was made between the use of NSSC black liquor as a catalytic additive and the use of kraft black liquor, spent soda liquor from the soda process, and quinone compounds as known additives. Table 1 and Figure 1 show the absence of additive (line A)
Compared to giving. These results show that the use of NSSC spent liquor has complete sulfide removal in about half the time required with kraft black liquor, but all additives (lines B to E) This shows a significant improvement in reaction time compared to air oxidation alone. All tests were carried out in a reactor consisting of a glass tube 1 m long and 80 mm internal diameter containing four 10 mm stainless steel buckles. The air was placed directly below the center of the stainless steel turbine type agitator.
into the bottom of the reactor through a glass tube. The entire reactor was placed in a water bath maintained at 80°C. Charge green liquor (1.5) to the reactor and increase the air flow rate to 1/min.
The stirring speed was 2100 rpm. The sodium sulfite content in grams per liter was determined at various stages of the oxidation.
【表】【table】
【表】
第1表および第1図は添加剤の不存在下におい
て、用いられた非常に中庸な条件下で、すなわち
約80℃および大気圧下で、酸化は著しく遅いこと
を示している。これは高い空気流速を用いた場合
でさえそうである。NSSC使用済液の不存在下で
は、完全な酸化は恐らく何日間もの反応時間を必
要とするであろう。緑液かすは酸化速度の促進に
おいてわずか少しの効果しか有さなかつた。
硫化物の完全な除去を達成する、NSSC液の
様々な濃度の効果を第2図に示したが、ここでは
縦軸はNa2Sの完全酸化までの時間を分で表わし
ており、そして横軸はNSSC黒液の濃度百分率を
表わしている。例えば、4%濃度のNSSC使用済
液は9%濃度のクラフト液と効果が同一である。
NSSC使用済液の促進効果の理由は分らない
が、これはこれが含有するようにリグノスルホネ
ート類を含有している液の界面活性性質に一部よ
るものであろうと考えられる。しかしながら、
“Comprox”または“Teepol”のような市販ア
ニオン性界面活性剤は酸化の促進において効果が
なく、界面活性以外の使用済液の他の性質が原因
しているらしい。リグニンがNSSCパルプ化中一
部脱メトキシ化されてその結果アテコール型基団
の形成を持たらすことが知られている。これらの
基は、恐らく過酸化物型中間体を経て、硫化物の
酸化を促進または触媒するのに活性であることが
仮定される。
NSSCパルプ化において酸化されたクラフト緑
液を緩衝剤としてまたは全化学薬品液として用い
る効果を第2表に示す。亜硫酸塩化し酸化した緑
液を亜硫酸塩化するとNSSCパルプ化液同等物が
形成される。Table 1 and Figure 1 show that in the absence of additives, oxidation is extremely slow under the very moderate conditions used, ie at about 80° C. and atmospheric pressure. This is the case even when using high air flow rates. In the absence of NSSC spent liquid, complete oxidation would likely require many days of reaction time. Green liquor cake had only little effect on promoting the oxidation rate. The effect of different concentrations of NSSC liquid on achieving complete removal of sulfides is shown in Figure 2, where the vertical axis represents the time to complete oxidation of Na 2 S in minutes, and the horizontal axis represents the time to complete oxidation of Na 2 S. The axis represents the percentage concentration of NSSC black liquor. For example, a 4% concentration of NSSC spent fluid is equally effective as a 9% concentration of Kraft fluid. Although the reason for the promoting effect of the NSSC spent solution is not known, it is thought that this may be due in part to the surfactant properties of the solution containing lignosulfonates, as it does. however,
Commercially available anionic surfactants such as "Comprox" or "Teepol" are ineffective in promoting oxidation, and other properties of the spent liquor other than surface activity are likely responsible. It is known that lignin is partially demethoxylated during NSSC pulping, resulting in the formation of atechol-type groups. It is hypothesized that these groups are active in promoting or catalyzing sulfide oxidation, possibly via peroxide-type intermediates. The effect of using oxidized Kraft green liquor as a buffer or as a total chemical solution in NSSC pulping is shown in Table 2. The NSSC pulping liquor equivalent is formed when the sulfitized and oxidized green liquor is sulfitized.
【表】【table】
【表】
第2表に与えられた結果は酸化した緑液が著し
くパルプ品質に影響を与えることなくNSSCパル
プ化における緩衝剤の完全代替品として首尾よく
使用できることを明確に示している(実施例1に
比べた実施例2および実施例4に比べた実施例
5)。混合硬木種によるパルプ化の場合、緩衝剤
含量の15から30%への増加は、わずかに改善され
た裂断長以外はパルプの色または強度に何ら著し
い効果を有さなかつた(実施例4および5と比べ
た実施例6)。更に、混合硬木種の場合、「亜硫酸
塩化し」酸化した緑液はパルプ強度または色に何
ら悪影響を及ぼすことなく完全化学薬品代替品と
して使用できる(実施例4および5と比べた実施
例7)。
上記から、本発明は脱リグニン工程からの使用
済液を有効に用いて使用済液の無駄を避け、かつ
NSSCパルプ化で酸化しかつ用いるため過剰のク
ラフト緑液の回収および再循環を提供することが
できることが分る。この方法によりクラフト黒液
の再生は簡単かつ好便であり、かつ関連するパル
プ化法で使用できる生成物を提供する。オースト
ラリア特許第473185号の方法に比べ、本発明はこ
れが酸化の前に緑液を白液に転換する必要をなく
すのでより好便であり、そして更に本発明の酸化
生成物は酸化白液より需要の多い生成物である
NSSCパルプ化液として使用できる。この発明に
より与えられる別の利点は使用済NSSC黒液は
Na2S含有溶液の酸化において従来のクラフト液
またはキノン系化合物より活性であることであ
る。[Table] The results given in Table 2 clearly show that oxidized green liquor can be successfully used as a complete replacement for buffering agents in NSSC pulping without significantly affecting the pulp quality (Examples Example 2 compared to Example 1 and Example 5 compared to Example 4). In the case of pulping with mixed hardwood species, increasing the buffer content from 15 to 30% had no significant effect on pulp color or strength other than slightly improved tear length (Example 4). and Example 6 compared to 5). Furthermore, in the case of mixed hardwood species, the "sulfited" and oxidized green liquor can be used as a complete chemical replacement without any adverse effect on pulp strength or color (Example 7 compared to Examples 4 and 5). . From the above, the present invention effectively uses the spent liquor from the delignification process to avoid waste of the used liquor, and
It is found that recovery and recycling of excess kraft green liquor can be provided for oxidation and use in NSSC pulping. Regeneration of kraft black liquor by this method is simple and convenient and provides a product that can be used in associated pulping processes. Compared to the process of Australian Patent No. 473185, the present invention is more convenient as it eliminates the need to convert green liquor to white liquor before oxidation, and furthermore the oxidation product of the present invention is more demanding than oxidized white liquor. It is a product with a lot of
Can be used as NSSC pulping liquid. Another advantage provided by this invention is that the used NSSC black liquor
It is more active than conventional Kraft fluids or quinone-based compounds in oxidizing Na 2 S-containing solutions.