JPS6336726A

JPS6336726A - 平面繭の生産方法

Info

Publication number: JPS6336726A
Application number: JP17929986A
Authority: JP
Inventors: 浦野　松幸
Original assignee: Nihon Nosan Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nihon Nosan Kogyo Co Ltd
Priority date: 1986-07-30
Filing date: 1986-07-30
Publication date: 1988-02-17

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は平面繭の生産方法に関するもので、更に詳細に
は家蚕に平面状態に絹糸を吐かせることにより、繰糸、
紡績、紡織の必要のない絹布（不織布）ができる平面繭
の生産方法に関するものである。

（従来の技術）蚕は本来変態後の補体を保護するため面を作る。

このため、蚕は面を、作る時期になると、水平又は角度
を持った２面以上ある場所、すなわち立体的な面を形成
できる場所を求め糸を吐きながら歩き回るが、また上の
方に登る性質も有しているのである。従来、平面繭を作
るに際しては、蚕のこの吐糸しながら上に登る性質を利
用し、吐糸を始めた蚕を傾斜した板に載せ、蚕が糸を吐
きながら一番上に登りつめたところで板の傾きを逆にし
て、また一番下から上に登るようにさせ、このことを何
度も繰り返すことにより平面繭を生産する方法、あるい
は蚕が糸を吐きながら一番上に登りつめたところで板の
一番下に戻し、再度登らせることを繰り返す方法、およ
び平らな板の周囲を蚕の忌避する薬剤等で囲うことによ
り、一定の平らな枠内に蚕を留めて平面繭を生産する方
法が知られている。

しかしながら、仮の傾きを逆にしたりあるいは下から上
に登らせる方法では、蚕は吐糸するに従い急速に足の力
が弱まるため吐糸量の半分も吐かないうちに落下する蚕
が続出する難点がある。その難点のため、蚕の状況に応
じて板の傾きを変化させたり、落下した蚕を板の上に乗
せてやるには、蚕が吐糸している間、人が監視していな
ければならなどの問題があり、平面繭の生産は人手の点
から非常に生産しずらいものであった。また、薬剤によ
り周囲を囲う方法においても、狭い枠内で薬剤を使用す
るため蚕に対する薬害の影響が懸念される等の問題点が
ある。

（発明が解決しようとする問題点）従来の平面繭の生産方法においては上記のごとくの難点
があったが、本発明はこれら難点を解決し、平面繭の生
産目的および必要な面積、所望の形状に合わせて平面繭
を容易にしかも多量に生産することができる方法を提供
することにある。

（問題点を解決するための手段）本発明は上記難点を解決すべく平面繭の生産方法につき
鋭意研究を重ねた結果、高さを制限した空間内で家蚕に
吐糸させることにより平面繭を生産することができるこ
とを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は家蚕５
齢幼虫の体高の６０〜９０％に高さを制限した空間内で
家蚕に吐糸させることを特徴とする平面繭の生産方法で
あって、その目的とするところは、生産に手間が掛から
ず、しかも狭い場所で容易に必要な面積、所望の形状に
合わせた平面繭を生産する方法を提供することにある。

本発明において吐糸面としてはベニヤ板、合成樹脂など
を用いることができるが、５　＋ｎ目位の合成樹脂製ネ
ットを用いるのが望ましい。次に、平面繭の生産目的に
あわせて枠型を吐糸面の上に固定する。枠型としては、
うちわ、扇子、壁掛けなどの工芸品あるいはジャケット
、紳士ベストなど所望する形状に合わせた枠型を使用す
る。枠の高さは５齢幼虫の体高の６０〜９０％に高さを
制限する。通常、家蚕の５齢幼虫の体高は約１０−１５
鰭程度であるので、枠の高さも５齢幼虫の体高に合わせ
その６０〜９０％に高さを制限し、約６〜９鰭程度とす
る。

この枠内に家蚕５齢幼虫を入れ、家蚕５齢幼虫を抑える
ように上蓋をする。家蚕５齢幼虫の吐糸させる頭数とし
ては所望する形状の大きさ、厚さ等に応じて任意に選択
して吐糸させればよい。また上蓋は平面状の板であれば
各種の板を使用することができるが、例えばアクリル板
、ガラス板等を使用することができる。また、吐糸させ
る面は下面だけでなく蚕を逆転させてやることにより上
下両面の平面繭も生産することも可能である。

家蚕５齢幼虫を枠内に入れ、吐糸し始めてから約３日で
平面繭を得ることができる。

得られた平面繭は和紙のようで軽くて保温性、通気性に
優れているものである。

また、着色面を生産する家蚕５齢幼虫を用いて平面繭を
生産すると着色された平面繭を得ることができ、これら
平面繭の組み合わせにより装飾品としての平面繭を得る
ことができる。

（実施例）次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこの実施例ににより制限されるものではない。

実施例１吐糸面として５龍目の合成樹脂製ネットを用い、その上
に厚さ６．５龍で団扇程度のサイズのハート状型の枠型
を乗せた。次に、平均体高９　ｍｍで吐糸し始めた家蚕
５齢幼虫５頭を枠内に入れ、上面をガラス板で蓋をした
。３日後にハート状の平面繭を得ることができた。その
間、人手は全く掛けなかった。

（発明の効果）本発明は蚕に立体的な面を形成させず、蚕の体高の６０
〜９０％という狭い空間に制限して平面繭を生産するの
で、平面繭の生産目的、面積、形状、厚さ等に合わせて
作成した枠内に必要な家蚕の頭数を入れて、あとは平面
繭の出来上がりを待つだけでよく、吐糸の途中において
枠を傾けたり、逆転させたり、落下した蚕を拾う作業も
なく生産できるので極めて省力的に平面繭を生産できる
ものである。また、狭い空間内に制限して平面繭を生産
するため、狭い室内においても多量の平面繭の生産が可
能である。また、吐糸面を逆転することにより熟蚕時の
排尿前の蚕でも平面繭を汚すことなく使用可能となるな
どの効果もある。

Claims

【特許請求の範囲】

家蚕５齢幼虫の体高の６０〜９０％に高さを制限した空
間内で家蚕に吐糸させることを特徴とする平面繭の生産
方法。