JPS6335081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案はからんの給水管先端に取付けられて、
外部操作手段により内蔵した弁を開閉する水栓で
あつて、パツキンとロータリ弁体によつて構成さ
れる水栓の弁構造に関する。

〔背景技術〕

パツキンとロータリ弁体によつて構成される弁
構造を有する水栓として本願出願人は第１図に示
すものを提案した。この水栓は給水管１の先端部
に取付けられて使用されるものであつて、通水孔
２の下方孔縁から薄肉でもつて先細りテーパー状
に形成される薄肉通水部３を連設したパツキン４
が給水管先端に圧接し、放水口５と薄肉通水部３
との間に直径方向に貫通孔６を設けたロータリ弁
体７が回動自在に配設されている。８は外部操作
手段で、ロータリ弁体７に連結されており、した
がつて外部よりロータリ弁体７を回動させて弁を
開閉できる。図においてロータリ弁体７の貫通孔
６が薄肉通水部３、すなわち給水管１と放水口５
とを連通させているので開弁状態にある。ついで
外部操作手段８を時計方向に約45゜回動させると
ロータリ弁体７も同様に回動して第２図の状態と
なる。この状態はロータリ弁体７の外周がパツキ
ン４の薄肉通水部３を閉じるので閉弁状態にあ
る。なお第１図に示した水栓は弁の開閉のほかに
散水（シヤワー）も行えるもので、第１図の状態
から外部操作手段８を反時計方向に約45゜回動さ
せると、ロータリ弁体７の貫通孔６は薄肉通水部
３、すなわち給水管１と第２の放水口９を介して
散水用放水口１０とを連通させるものである。

かかる水栓の弁構造にあつては、ロータリ弁体
の大きさが水栓全体の大きさ、すなわち上下寸法
や径の太さ等に影響する。このような水栓は台所
のからんの給水管先端に取付けられることが多い
ので、水栓全体が大きくなると食器等を洗うスペ
ースが狭くなつて炊事作業の能率が低下するか
ら、小形化が強く要求される。この要求に応じて
水栓を小形化するにはロータリ弁体を小さくしな
ければならず、そうするとロータリ弁体の貫通孔
断面積が給水管面積より小さくなる。ところが貫
通孔断面積が小さいと、水流が細くしかも流速が
早い、いわゆる噴流状態で放水するようになりコ
ツプ等に注水する際には水の飛散が多くなり使い
勝手の悪いものとなる。

〔考案の目的〕

本考案の目的とするところは、通水路の断面
積、すなわちロータリ弁体の貫通孔断面積を大き
くすることなく開弁時における流速を遅くするこ
とができる水栓の弁構造を提供するにある。

〔考案の開示〕

本考案の一実施例を第３図乃至第５図に基づい
て説明する。本考案は第１図および第２図に示し
た水栓の弁構造におけるロータリ弁体に特徴を有
するもので、第３図にそのロータリ弁体１１の側
面図と断面図を示す。ロータリ弁体１１はパツキ
ン４の薄肉通水部３とともに弁を構成する大径部
１２と外部操作手段８と連結する小径部１３と漏
水防止シール装着用の周溝１４と先端軸部１５と
からなる。大径部１２には直径方向に貫通する貫
通孔１６が形成される。この貫通孔１６は第１図
の水栓のように散水も行えるものとするときは、
パツキン４側の開口部を広くした異形貫通孔と
し、弁の開閉のみ行うものとするときは円形貫通
孔とする。また大径部１２にはＢ−B′断面とし
て示したように約45゜間隔に位置決め凹部１７を
設けてある。このようなロータリ弁体１１の貫通
孔１６内壁に水流に対して抵抗となる方向に傾斜
した水流抵抗部１８を設けるのである。この水流
抵抗部１８は貫通孔１６のパツキン４側開口縁か
ら傾斜が始まりロータリ弁体１１の略軸心まで連
続し、かつその高さは流路の略中心にまで至るも
のとする。

かかるロータリ弁体１１を第１図におけるロー
タリ弁体７に替えるのであるが、そのような水栓
を第１図の左側面から見ると第４図のようにな
る。水栓のケース１９は取付部材である固定具２
０および連結具２１によつて給水管１の先端部に
取付けられそれによつて通水孔２の下方孔縁から
薄肉でもつて先細りテーパー状に形成される薄肉
通水部３を連設したパツキン４が給水管先端に圧
接し、一方放水口５と薄肉通水部３との間に直径
方向に貫通孔１６を有するロータリ弁体１１が回
動自在に配設されている。２２は漏水防止シール
で周溝１４に装着され、２３はロータリ弁体１１
の脱落を防ぐ抜け止め部材であり、８は外部操作
手段でロータリ弁体１１の小径部１３に嵌合する
とともにねじ２４でもつて連結されている。２５
は散水用拡散板でつば部２６を有しておりその一
部にロータリ弁体１１を位置決めするためのコイ
ルばねの保持部２７を形成してある。この保持部
２７に一端を保持されたコイルばね２８はその他
端がボール２９をロータリ弁体１１の位置決め凹
部１７に向けて押圧しており、ロータリ弁体１１
の回動切換を確実に行わしめしかも回動操作に適
度なクリツク感を付与する。３０は放水口５に連
通する放水開口部３１と散水用放水口１０とを有
する散水板で、ケース１９の下方開口部を塞ぐよ
うにしてケース１９に螺着される。

かかる水栓の弁構造にあつては、開弁状態にお
いて第５図に示すように、給水管１からの水流は
パツキン４の通水孔２および薄肉通水口３を通過
してロータリ弁体１１の貫通孔１６内に入ると、
水流抵抗部１８の傾斜面に衝突して水流の方向が
変わり、ついで水流抵抗部１８のない側の内壁に
衝突してさらに水流の方向が変わり、これを繰返
して放水口５、放水開口部３１を通過していく。
このように水流抵抗部１８によつて水流の流速が
遅くなつていくことにより、水流抵抗部１８を設
けないものに比べて水栓から噴流状態で放水され
る程度が大巾に軽減できる。

また弁の開閉のほかに散水も行える水栓にこの
ロータリ弁体１１を用いた場合には、ロータリ弁
体１１の水流抵抗部１８によつてそれ以降の内水
圧を低減しているので、開弁状態においてロータ
リ弁体１１の外周にある若干の隙間を通つて隣接
する第２の放水口９へ漏水して散水用放水口１０
から放水することを防ぐ効果を奏する。

〔考案の効果〕

本考案は上述したように、ロータリ弁体の貫通
孔内壁に水流に対して抵抗となる方向に傾斜した
水流抵抗部を設けたので、水流抵抗部を設けない
ものに比べて通水路の断面積、すなわち、ロータ
リ弁体の貫通孔断面積を大きくすることなく開弁
時における流速を遅くすることができる水栓の弁
構造が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の技術的課題を説明するために
示した水栓の断面図、第２図はその弁構造を示す
要部断面図、第３図ａ，ｂ，ｃは本考案のロータ
リ弁体を示すものでａは側面図、ｂはａにおける
Ａ−A′断面図、ｃはａにおけるＢ−B′断面図、
第４図は本考案の弁構造を内蔵した水栓の断面
図、第５図は本考案の弁構造の動作を説明する断
面図である。 １…給水管、３…薄肉通水部、４…パツキン、
１１…ロータリ弁体、１６…貫通孔、１８…水流
抵抗部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. からんの給水管先端部に取付けられて外部操作
   手段により内蔵した弁を開閉する水栓であつて、
   通水孔の下方孔縁から薄肉でもつて先細りテーパ
   ー状に形成される薄肉通水部を連設したパツキン
   が給水管先端に圧接し、放水口と薄肉通水部との
   間に直径方向に貫通孔を設けたロータリ弁体が回
   動自在に配設された水栓の弁構造において、前記
   ロータリ弁体の貫通孔内壁に水流に対して抵抗と
   なる方向に傾斜した水流抵抗部を設けたことを特
   徴とする水栓の弁構造。