JPS6334617B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は真空スイツチを開閉素子として用い
た負荷時タツプ切換器用切換開閉器に関するもの
である。

真空スイツチを開閉素子として用いて実用性の
高い切換開閉器を実現するためには、次の３条件
を満たす必要がある。すなわち、 (i) 真空スイツチが万一真空もれを生じ遮断不能
に陥つた場合にも、タツプ間短絡を生じてタツ
プ巻線に損傷を与えないように保護すること。

(ii) 真空スイツチの接触子は接触抵抗の比較的高
い耐弧合金でできているので、非切換時の連続
通電のためには、通電能力の大きいバイパス接
点を設けること。

(iii) 真空スイツチが開極している間に外部からサ
ージが侵入し、極間絶縁破壊を生じないよう絶
縁耐力の高い直列ギヤツプを設けること。

この発明は、以上の条件を満たす実用性の高い
切換開閉器を提供するものである。

第１図はこの発明による一実施例である１抵抗
式の切換開閉器の接点構成と接続を示す。図にお
いて、１は変圧器のタツプ巻線、２はその上に設
けられた奇数タツプ、３は同じく偶数タツプであ
る。４は奇数タツプに、タツプ選択器の接点（図
示せず）を介して接続された奇数タツプ通電用主
固定コンタクト、５は偶数タツプに、タツプ選択
器の接点（図示せず）を介して接続された偶数タ
ツプ通電用主固定コンタクト、６は奇数タツプか
ら限流抵抗器７を介して接続された通電用抵抗固
定コンタクト、８は出力端子９に接続された通電
用共通固定コンタクト、１０は奇数タツプ通電用
主固定コンタクト４に真空スイツチ１１を介して
接続された奇数タツプ通電用主浮動コンタクト、
１２は偶数タツプ通電用主固定コンタクト５に真
空スイツチ１３を介して接続された偶数タツプ通
電用主浮動コンタクト、１４は通電用抵抗固定コ
ンタクト６と通電用共通固定コンタクト８との間
に接続された抵抗用真空スイツチである。１５は
奇数タツプ通電用主固定コンタクト４、通電抵抗
固定コンタクト６、偶数タツプ通電用主固定コン
タクト５よりなる列と、通電用共通固定コンタク
ト８とによつてなる２本の軌道の上を転動し、こ
れらの接触を順次切換えるとともに、この転動面
から一定寸法だけ突出し、背後に接触力を出すス
プリング（図示せず）のクツシヨンを有する奇数
タツプ用及び偶数タツプ通電用主浮動コンタクト
１０，１２との接触も順次切換える可動ローラコ
ンタクトである。

第２図は第１図に示した切換開閉器の各接点の
切換に伴う開閉順序を示すシーケンス図である。

奇数タツプから偶数タツプへの切換は、可動ロ
ーラコンタクト１５が、第１図の左側の実線で示
した位置から右側の破線で示した位置まで転動す
ることによつて行なわれ、その動作は可逆であ
る。この間真空スイツチ１１，１４，１３は別の
メカニズム（図示せず）によつて第２図に示す位
置において開閉する。その動作も可逆である。

これから明らかなように、正常に切換において
は、奇数タツプ用真空スイツチ１１は奇数タツプ
通電用主固定コンタクト４が開いてから開き、奇
数タツプ通電用主浮動コンタクト１０が開くまで
に電流遮断を終り、偶数タツプ用真空スイツチ１
３は偶数タツプ通電用主固定コンタクトが開いて
から開き、偶数タツプ通電用主浮動コンタクト１
２が開くまでに電流遮断を終り、抵抗用真空スイ
ツチ１４は通電用抵抗固定コンタクト６が開きか
つ偶数側真空スイツチ１３が閉じてから開き、電
流遮断を行なう。従つて真空スイツチが正常な遮
断能力を有するかぎり固定コンタクト、浮動コン
タクト、可動ローラコンタクトのいずれからもア
ークが発生することはない。

また正規のタツプ位置においては、タツプ間に
サージが発生した場合にも、奇数または偶数タツ
プ用真空スイツチ１１，１３に直列にそれぞれ浮
動コンタクト１０，１２が接続され、浮動コンタ
クト１０，１２間に十分なギヤツプが絶縁油中に
設けられているので、これによつて絶縁破壊の生
ずることはない。更に正規のタツプ位置において
は、奇数または偶数タツプ用真空スイツチ１１，
１３に並列に可動ローラコンタクト１５が接触を
保つているので、真空スイツチは連続通電能力を
必要としない。

しかし万一奇数タツプ用または偶数タツプ用真
空スイツチ１１，１３のいずれかに真空もれを生
じて電流遮断不能に陥つた場合には、その電流に
よるアークが浮動コンタクト１０または１２と可
動ローラコンタクト１５との間に生じ、このアー
クによつて絶縁油がガス化され切換開閉器室の内
圧が上昇するから、これを例えば瞬時圧力継電器
などによつて検出し、主遮断器をトリツプさせ、
変圧器のタツプ巻線をタツプ間短絡の危険から守
ることができる。更に抵抗用真空スイツチ１４が
真空もれを生じた場合には、抵抗器７に接続して
横流が流れ、抵抗器７が熱的に破壊されてアーク
を発生し、そのアークによる上述と同様の因果関
係によつて保護が行なわれる。更に、真空スイツ
チの接触子が万一折損して通電不能に陥つた場合
には、対応する固定コンタクトと可動ローラコン
タクトとの間にアークを生じ、上と同様の保護が
確保される。

以上述べたようにこの発明によれば、実用性の
高い真空スイツチ式切換開閉器を提供することが
できる。

なお以上の説明は１抵抗式切換開閉器を基にし
たものであるが、同じ思想は２抵抗式以上の多抵
抗式切換開閉器についても実現することができ
る。

第３図、第４図は２抵抗式の例を示すもので、
２個の限流抵抗器７ａ，７ｂを設けるとともに、
２個の通電用抵抗固定コンタクト６ａ，６ｂ及び
２個の抵抗用真空スイツチ１４ａ，１４ｂを設け
ている以外は第１図のものと同様であり、同様な
作用効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す結線図、第
２図はその各接点の切換に伴う開閉順序を示すシ
ーケンス図、第３図はこの発明の他の実施例を示
す結線図、第４図はその各接点の切換に伴う開閉
順序を示すシーケンス図である。 図中、１は変圧器巻線、２は奇数タツプ、３は
偶数タツプ、４は奇数タツプ通電用主固定コンタ
クト、５は偶数タツプ通電用主固定コンタクト、
６，６ａ，６ｂは通電用抵抗固定コンタクト、７
ａ，７ｂは限流抵抗器、８は通電用共通固定コン
タクト、９は出力端子、１０，１２は浮動コンタ
クト、１１，１３，１５，１５ａ，１５ｂは真空
スイツチである。なお図中同一符号は同一又は相
当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 変圧器巻線の奇数タツプに接続された奇数タ
   ツプ通電用主固定コンタクト、偶数タツプに接続
   された偶数タツプ通電用主固定コンタクト、上記
   奇数タツプまたは偶数タツプの少なくとも一方に
   限流抵抗器と直列に接続された通電用抵抗固定コ
   ンタクト、出力端子に接続された通電用共通固定
   コンタクト、上記奇数タツプ通電用主固定コンタ
   クトに奇数タツプ用真空スイツチを介して接続さ
   れた奇数タツプ通電用主浮動コンタクト、上記偶
   数タツプ通電用主固定コンタクトに偶数タツプ用
   真空スイツチを介して接続された偶数タツプ通電
   用主浮動コンタクト、上記通電用抵抗固定コンタ
   クトと上記通電用共通固定コンタクトとの間に接
   続された抵抗用真空スイツチ、上記固定コンタク
   トと浮動コンタクトを上記通電用共通固定コンタ
   クトに所定の開閉順序で接触接続させる可動コン
   タクトを備えたものにおいて、各々の真空スイツ
   チは対応する固定コンタクトより早く閉じ遅く開
   き、対応する浮動コンタクトより遅く閉じ早く開
   くことを特徴とする真空スイツチ式切換開閉器。