JPS6332120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はウオーキングビーム炉等において使
用される被熱材搬送ビームのサポートパイプに関
するものである。

ウオーキングビーム炉は炉内に配置した固定ビ
ームと可動ビーム上に被熱材を載置した後、可動
ビームを支持しているサポートパイプの上昇→前
進→下降→後退→前進…という動作を繰り返すこ
とによつて被熱材を搬送しつつ加熱できるように
している。

この被熱材搬送ビームを載置した従来のサボー
トパイプは各ビームごとに配設され、炉の下部域
にて多数本が林立したため、炉内下部の加熱手段
として熱効率の良い軸流バーナーの設置を困難に
していた。また、サポートパイプは炉内において
常に高温に晒されているために冷却を必要とする
が、従来の冷却手段はサポートパイプ内を軸方向
に仕切板にて仕切るか、二重管にして冷却媒体を
導通できるようにしていた（例えば実公昭57−
27786号公報）が、何れの手段でも構造が複雑で
コストが高くなつたし、被熱材の搬送中にサポー
トパイプの前進点、後退点においてサポートパイ
プの支持部に炉長方向の慣性力による荷重がかか
り、長期の間には支柱部が変形したり損傷したり
する虞れがあつた。

この考案は上記の問題を解消するためもので、
一本のパイプの中間部をほぼ逆三角状に屈曲して
ビーム載置部を形成し、その両端部を炉長方向に
平行に引き揃えて支柱部を形成することによつて
炉内下部域に軸流バーナーの設置スペースを確保
できるようにするとともに、冷却媒体を流通し易
くした被熱材搬送ビームのサポートパイプを提供
することを目的としている。他の目的は、構造簡
易にして安価に製造できるサポートパイプを提供
することにある。さらに他の目的は、サポートパ
イプの支柱部の耐久性を向上させることにある。

次に、この考案を添付図面に示す実施例にもと
づいて説明する。

１は本案サポートパイプで、一本のパイプの中
間部ａをほぼ逆三角状に屈曲してビーム載置部２
を形成するとともにその両端部ｂ，b′を炉長方向
に平行に引き揃えて支柱部３，３′として形成し
ている。該本案サポートパイプ１のビーム載置部
２をほぼ逆三角形としたのはビーム４を複数本載
置できるようにするためと、冷却媒体の流通性を
確保するためである。また、本案サポートパイプ
１は炉本体５内に設置する場合、炉長方向より見
て逆三角状になるようにすることは勿論、サポー
トするビーム４は可動ビームであつても、固定ビ
ームであつてもよい。第１図は炉本体５内の幅方
向両端部に固定ビーム４ａ，４ａ、その内側に可
動ビーム４ｂ，４ｂ、中央部に固定ビーム４ｃ，
４ｃをを設けた場合であり、本案サポートパイプ
１は中央部の固定ビーム４ｃ，４ｃをサポートす
るためのものとして利用し、他の固定ビーム４
ａ，４ａ及び可動ビーム４ｂ，４ｂは直線状のサ
ポートパイプ６にてサポートしている。尤も、炉
内のビームの配置の仕方によつては固定ビームの
すべてを炉本体５の側壁間に渡設したクロスパイ
プ（図示せず）上に載置し、可動ビームを本案サ
ポートパイプに載置するようにする場合もある
し、固定、可動の区別なく全部のビームを本案サ
ポートパイプ１にてサポートするようにしてもよ
いものである。

８は前記本案サポートパイプ１の一方の支柱部
３と、これに連接した他の本案サポートパイプ１
の他方の支柱部３′との間を順次連繋した導液パ
イプで、水等の冷却媒体を流動させるためのもの
である。即ち、該導液パイプ８の始端（図示せ
ず）より供給された冷却媒体は本案サポートパイ
プ１の一方の支柱部３より注入してビーム載置部
２を通つて他方の支柱部３′より抽出される如く
次々と本案サポートパイプ１内を流動し、その終
端（図示せず）において排出されるようになつて
いる。

以上の如く、この考案に係る被熱材搬送ビーム
のサポートパイプは一本のパイプの中間部をほぼ
逆三角状に屈曲することによつてビーム載置部を
形成し、その両端部を炉長方向に平行に引き揃え
て支柱部を形成しているので、炉の下部域を炉幅
方向に横切るサポートパイプの本数が減少し軸流
バーナーの設置スペースを充分に確保できるもの
である。

また、逆三角状のビーム載置部の左右の傾斜部
分が被熱材の荷重を支えるいわゆるトラス構造的
な構成になつているため、相当重い被熱材を載置
しても耐えることができる。さらにまた、本願の
サポートパイプはビーム載置部の両端部を炉長方
向に対して平行に引き揃えて支持部を形成してい
るから、被熱材の搬送中に生じる慣性力に対する
補強効果が大きく長期の使用にも耐えることがで
きる。

また、この考案によれば、冷却媒体は一方の支
柱部より注入し、ビーム載置部を通して他方の支
柱部より抽出できる如くしているので、冷却媒体
の通路が単純化し、従来の如くパイプ内に仕切板
を挿入したり、二重管にしたりする必要がなく簡
単かつ安価に製造できるし、冷却媒体の配管のレ
イアウトが取り易いなどの各種のすぐれた効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は本案サ
ポートパイプの設置状態を示す炉の断面図、第２
図Ａ，Ｂは本案サポートパイプの斜視図、第３図
は本案サポートパイプ間を連繋パイプにて連繋し
た状態の斜視図である。 １……本案サポートパイプ、２……ビーム載置
部、３，３′……支柱部、４……ビーム、８……
連繋パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一本のパイプの中間部をほぼ逆三角状に屈曲し
   てビーム載置部を形成し、その両端部を炉長方向
   に平行に引き揃えて支柱部を形成して冷却媒体を
   流通できる如くしたことを特徴とする被熱材搬送
   ビームのサポートパイプ。