JPS6331100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主サウンドホールの他に補助サウンド
ホールを併設したダブルサウンドホールギターの
改良に係り、特に補助サウンドホールにギター本
体とは別に作成した共鳴音調整盤を交換自在に嵌
着し得るようになして音量や音色を調整できるよ
うになした構造のギターに関する。

本出願人の開発提案に係るダブルサウンドホー
ルギターは、実用新案登録第1236852号（実公昭
52−46730号）及び同第132990号（実公昭54−
32501号）によつて既に公知である。このダブル
サウンドホールギターの特徴は、ギター本体共鳴
筐の表面板におけるネツク終端に近接した位置に
穿設した比較的大径の主サウンドホールと、表面
板のブリツジ内側付近に穿設した比較的小径の補
助サウンドホールとの相互的な音響効果によつ
て、音量を増大させると共に音の伸びや響き等の
音色を向上させるものであるが、本考案はこのダ
ブルサウンドホールギターに更に改良を加えたも
のであり、補助サウンドホールに対して穴開き又
は穴なし等各種の共鳴音調整盤を着脱可能な構造
とすることによつて、補助サウンドホールから拡
散する弾奏共鳴音の音量、音色を自在に調整し得
るようにしたものであつて、ひいてはギター全体
の音量、音色を広範囲に調整可能としたダブルサ
ウンドホールギターを提供することを目的とする
ものである。

以下、本考案の具体的構成を図示の実施例に基
づき詳細に説明する。

図中１はネツク２、ヘツド３、共鳴筐４、ブリ
ツジ５及び弦６等から構成されるギター本体を示
し、７は共鳴筐４の表面板８におけるネツク２の
終端に近接した位置に穿設した比較的大径の主サ
ウンドホールを示す。また、９はブリツジ５と主
サウンドホール７との間の表面板８に穿設した比
較的小径の補助サウンドホールを示すものであ
る。本考案はこのような二以上のサウンドホール
を併設してなるダブルサウンドホールギターの改
良に関するもので、前記補助サウンドホール９に
嵌合し得る外周形状を有する共鳴音調整盤１０を
ギター本体１とは別に作成し、当該共鳴音調整盤
１０を補助サウンドホール９に交換自在に嵌着し
て音量、音色を自在に調整できるようにしたもの
である。

共鳴音調整盤１０は、補助サウンドホール９に
密に嵌合し得る外周形状を有すると共に、第３図
Ａに示すように中心部に比較的大径の音穴１１が
穿設されたものや、第３図Ｂに示すように中心部
に比較的小径の音穴１２が穿設されたもの、ある
いは第３図Ｃに示すように音穴が全く穿設されて
いない構造のもの等よりなる。

補助サウンドホール９に共鳴音調整盤１０を嵌
合するにあたつては、第２図に示すように、補助
サウンドホール９の周面をテーパ状にした嵌合座
面となし、一方、この嵌合座面に対応して嵌合可
能なテーパ面を共鳴音調整盤１０の外周面に形成
して共鳴音調整盤１０を補助サウンドホール９に
嵌着するようにしてもよいし、図示しないが補助
サウンドホール９の周面に雌螺子を刻設し、この
雌螺子に対応する雄螺子を共鳴音調整盤１０の外
周面に刻設した螺着構造による嵌合としてもよい
し、あるいは補助サウンドホール９の周面ほぼ中
央に環状の凹溝を設けると共に、これに対応して
共鳴音調整盤１０の外周面ほぼ中央にゴムリング
等を環状に穿設した構造とすることによつて、該
リングを凹溝内に嵌入して共鳴音調整盤１０を補
助サウンドホール９に取付けるようにしてもよい
ものである。

なお、共鳴音調整盤１０は、ギター本体１の表
面板８と同一材質で表面板８の厚さとなるように
作成するのが好ましいが、場合によつては表面板
８の厚さにより薄く形成して弾奏の際に、共鳴音
調整盤１０自体の共振によつて独特の音色を発生
させることもできるものである。また、共鳴音調
整盤１０に開設する音穴１１及び１２は必ずしも
円形である必要はなく、楕円形、三角形等任意の
形状とすることができ、その場合でも本考案の目
的とする音量、音色の微調整の効果を妨げること
はない。

その他、主サウンドホールのみを備えた従来構
造のギターであつても、共鳴筐表面板の適当箇所
に音穴を穿設して補助サウンドホールを形成し、
この補助サウンドホールに前記と同様の共鳴音調
整盤１０を交換自在に取付けるようにすることも
できるものである。なお、共鳴音調整盤１０の交
換にあたつては、主サウンドホール７から手を入
れて共鳴音調整盤１０の裏面を押して外すように
してもよいし、あるいは螺着構造とした共鳴音調
整盤１０の場合には旋回操作に便宜な摘みを該調
整盤１０の上面に突設しておけばよいものであ
る。

本考案は以上のように構成されており、ギター
本体１の表面板８に穿設した補助サウンドホール
９に対して、各種の穴開きまたは穴なしの共鳴音
調整盤１０を自由に着脱することが可能となつ
た。このため、共鳴音調整盤１０を補助サウンド
ホール９に装着しないときは、通常のダブルサウ
ンドホールギターの特徴である大きな音量と、音
の伸びや響きのよい音色で弾奏できると共に、必
要な場合は、例えば第３図Ｂに示した小音穴１２
を有する共鳴音調整盤１０を補助サウンドホール
９に嵌合装着すれば、普通の一つ穴ギターとダブ
ルサウンドホールギターとの中間的な音量、音色
で弾奏できるものである。また、第３図Ｃに示し
た音穴を備えない共鳴音調整盤１０を補助サウン
ドホール９に装着すれば、普通の一つ穴ギターと
同等の音量、音色となるので、例えば演奏者が他
の楽器等の伴奏をする場合に最適である。

このように本考案によれば、共鳴音調整盤を任
意に選択することによつて、普通の一つ穴ギター
とダブルサウンドホールギターとの中間的な音
量、音色で弾奏することができるし、また前記音
穴なしの共鳴音調整盤を装着するか否かによつ
て、普通の一つ穴ギターか、またはダブルサウン
ドホールギターのいずれか一方の音量、音色を選
択してギターを弾奏することができるという多大
な効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ギターの一実施例を示す平面
図、第２図は第１図−線に沿つた拡大断面
図、第３図Ａ，Ｂ，Ｃは共鳴音調整盤の一実施例
を示す平面図である。 １：ギター本体、２：ネツク、３：ヘツド、
４：共鳴筐、５：ブリツジ、６：弦、７：主サウ
ンドホール、８：表面板、９：補助サウンドホー
ル、１０：共鳴音調整盤、１１：音穴、１２：音
穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ギター本体共鳴筐の表面板に穿設した主サウ
   ンドホールの他に当該表面板に補助サウンドホ
   ールを穿設すると共に、当該補助サウンドホー
   ルに嵌合し得る外周形状を有する共鳴音調整盤
   をギター本体とは別に作成し、当該共鳴音調整
   盤を補助サウンドホールに交換自在に嵌着して
   音量、音色を調整できるようにしたことを特徴
   とするギター。 (2) 共鳴音調整盤に比較的大径の音穴が穿設され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載のギ
   ター。 (3) 共鳴音調整盤に比較的小径の音穴が穿設され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載のギ
   ター。 (4) 共鳴音調整盤には音穴が穿設されていない実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のギター。