JPS63307169A - 平板状陶磁器製品の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は陶磁器製品の製造方法に関し、更に詳しくは、
大型で肉薄の平板状陶磁器製品の製造方法に関する。

〔従来の技術〕

一般に、立体形状を有する陶磁器製品の製造方法として
は、小型で円筒形状の製品はロクロ成形で行われ、また
複雑な形状の製品では石膏型を用い該石膏型の吸水性を
利用してスラリー状の素材を型面に供給して吸水着肉さ
せて成形する泥漿鋳込成形により行われている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

セラミックス等の陶磁器は耐熱性、耐薬品性等の諸物性
に優れ、これら陶磁器素材にて化学実験用机天板やドラ
フトチャンバー天板を作成することにより諸物性に優れ
耐久性の高い良好な実験杭用の天板等を作成することが
できる。しかし、このような陶磁器製品の場合、立体形
状で厚肉としたときには重量が非常に重くなるという欠
点を有する。そこで机天板等を陶磁器で作成する際には
、芯材の上に比較的肉厚の薄い陶磁器製の天板を積層し
た構造にすることにより、天板構造を軽量化するととも
に、耐熱性および耐薬品性のよい実験用机天板やドラフ
トチャンバー天板を作成する試みが行われている。この
ような天板の形状としては、天板上面の周囲に凸条を周
設し、該凸条内部に下方へ開口した凹部を設け、該凹部
にて基板上に位置固定してなるものであるが、上記のよ
うな従来の製造方法では、ロクロ成形では小型でかつ円
筒形状のものしか成形できず、前記した机天板やドラフ
トチャンバー天板のような大型で特に板状のものは成形
できない。また石膏型を用いた鋳込成形方法においては
、大型で肉薄の製品を成形するときには、型内にスラリ
ー状の素材を均一に注入するために、スラリーの注入口
を多く設けたり、またスラリーに加圧したりして短時間
に型内にスラリーを注入充填する方法をとるが、それで
も型面への着肉が不均一になりやすく、焼成後の変形や
亀裂の原因となるだけでなく、大型の製品の場合には焼
成時の乾燥収縮が大きく所望の製品寸法を得るのは困難
で、上記の机天板やドラフトチャンバー天板等の大型で
肉薄な立体形状を有しかつ周囲に下方へ開口した凹部を
有する凸条を周設したような平板状の製品を、寸法精度
よく製造するのは困難であった。

本発明は上記のような従来の陶磁器製品の製造方法の問
題点に鑑み、例えば化学等の実験用机の天板やドラフト
チャンバーの天板で、周囲に凸条を周設した平板状でか
つ前記凸条内に下方へ開口した凹部を有するような形状
の陶磁器製品の製造方法として、型面への着肉を均一に
して焼成後の変形、亀裂の発生を防止するとともに寸法
精度の高い陶磁器製品を製造しうる平板状陶磁器製品の
製造方法を提供せんとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するために、陶磁器質坏土に
て薄板状に成型した生地を、吸水性を有する素材からな
る下台上に該下台と同様に吸水性を有する素材にて作成
し前記生地を焼成したときの乾燥収縮分を補助型として
分離可能に加えて割り型とした枠型を前記下台上で移動
可能に設置してなる型の上面に載置して型面に圧着して
成形し、乾燥硬化させたのち補助型を脱型して焼成する
ことを特徴とする下面に下方へ開口した凹部を有する凸
条を周設してなる平板状陶磁器製品の製造方法を提供せ
んとするものである。

〔作用〕

本発明に係る陶磁器製品の製造方法の要旨は上記のとお
りであり、実験用机の天板等で大型、肉薄でかつ周囲に
下方へ開口した凹部を有する凸条を周設してなる形状の
陶磁器製品を製造するにあたって、生地としての陶磁器
質坏土を、薄板状に成形した後、型の上面に載置して型
面に圧着することにより、全体を均一に着肉できて成形
後の変形、亀裂の発生を防止しうるとともに、焼成時の
乾燥収縮分を予め補助型として分離可能に加えた割り型
を用いて成形することにより、焼成時における製品の収
縮を補正して寸法精度の高い製品を得ることができると
ともに、製品の焼成時には枠型を下台上で移動し、前記
補助型を分離して脱型した後焼成するので焼成時に該補
助型が邪魔になって成形品の収縮作用を妨害して成形時
の製品歪みを生ずることなく成形できるのである。

〔発明の詳細な 説明を更に詳細に説明すると、本発明に用いられる陶磁
器質坏土の組成としては、薄膜状に成形し、かつこれを
型面に圧着するために充分な可塑性を有する必要があり
、組成物中の例えば木節粘土または蛙目粘上等の可塑性
粘土の含有率は組成物中５０％以上であることが好まし
い。また、薄板状に成形したり、型上面に圧着したりす
る作業を円滑に行うために、組成物中に珪酸ソーダ、リ
ン酸ソーダ等の解膠剤を適宜加えて調整してもよい。

次に、成形用の型の素材としては、成形体乾燥時におけ
る成形体表面と裏面との乾燥速度の差を少なくして成形
品に歪みを生じないようにするために、吸水性のある素
材を用いるのが好ましく、例えば珪酸カルシウム、石膏
等が型材として用いられる。また、陶磁器製品を製造す
るにあたっては、成形時の乾燥収縮が大きく、特に大型
、長尺物の成形にあっては、収縮寸法が非常に太きくな
るため、型の寸法を乾燥による収縮分を考慮して製品寸
法よりも大きく設定する必要がある。通常このような乾
燥収縮は４〜５％であることから、本発明においては、
製品寸法より前記割合分だけ補正しうる大きさの補助型
を割り型として分離可能に加えた枠型を用いて平板周囲
に下方へ開口した四部を有する凸条を形成することによ
り、精度の高い製品寸法を得ることを可能としたもので
あり、例えば必要な製品寸法をＬｌとし、成形時の乾燥
収縮率をαとすると、Ｌ１寸法の枠型の外側に補助型を
接設した状態の枠型の全体寸法Ｌ２は、Ｌ２＝ＬＩＸ　
（１−α／１００　）となるように設定すればよいので
ある。また、本発明においては、上記の如く設定してな
る型面上に生地を圧着して成形し、これを乾燥硬化させ
た後、前記補助型を脱型して焼成するようになしたので
、補助型の脱型時に型面れすることなく、かつ焼成時に
おける成形体の収縮作用を妨害することなく自然に収縮
、焼成させることにより、製品に収縮歪みによる内部応
力が発生するのを防止して、焼成後の変形、亀裂の原因
を排除して寸法精度の高い製品を得ることができるので
ある。

前記した製造工程においては、型面上に圧着した生地を
乾燥硬化する際の生地表面と裏面の乾燥速度を揃えるた
めに、前述の如く型材として珪酸カルシウムや石膏等の
吸水性のよい素材を用いるものである。更に乾燥方法と
して熱風乾燥等により急激に乾燥させた場合には生地の
表面と裏面との乾燥速度に大きな差が生じて成形後の製
品に変形や亀裂が発生したりしやすいため、乾燥方法と
して遠赤外線による徐加熱乾燥を行うことにより、生地
の表面と裏面とにおける乾燥速度の差を小さくして成形
後の製品の変形や亀裂の発生を防止しうるのである。

上記の如く成形体を乾燥硬化させた後、下台上で枠型を
成形体とともに移動して枠型部を下台外に位置させて補
助型を成形体から脱型し、必要な仕上げ、補修等を行っ
た後、焼成温度、例えば１２００℃程度の温度で素焼き
焼成を行う。素焼き焼成の後、仕上げ加工を行い素焼き
品の表面に所定の釉薬を施釉して釉焼を行うことにより
表面仕上げを施して完成品として提供するものである。

前記釉焼の際には、釉焼時の変形を防止するために素焼
き焼成時の温度よりも少なくとも１０℃程度低い温度で
行うのが望ましく、通常時１１００℃程度の温度で釉焼
するもので、更に釉薬の熱膨張係数は素地の熱膨張係数
よりも＋Ｏ〜ｌ０ＸＩＯ−’／℃程度の範囲で小さく調
整することにより、より寸法精度の高い製品を得ること
ができるのである。

上記のような本発明に係る陶磁器製品の製造方法を用い
た陶磁器製品の製造の実施例を次に述べる。

実施例 第８図に示したものは、本発明に係る陶磁器製品の製造
方法を用いて作成した天板を採用した実験用机の縦断側
面図を示すもので、机零体１の上面に本発明に係る陶磁
器製品の製造方法により作成した天板２が採用されてい
るものである。

前記実験用杭本体１の上部は、図示した如く、平面視長
方形状で例えばベニヤ板や他の木質板、または無機質板
等の材料にて作成してなる基板３０周縁に支持用突部４
を設けて芯材５を形成している。該芯材５における支持
用突部４は、前記基板３と同材質のものを一体的に突設
したものが利用できるが、別部材を上役して設けたもの
も使用することができる。図示した支持用突部４は、ウ
レタンの発泡体で代表される合成樹脂発泡体を用いたも
のである。前記芯材５の表面には天板２を取付けており
、該天板２は、セラミックス等の陶磁器製であって、図
例の如く比較的薄肉のもの、例えば厚さ数ミリメートル
程度のものを用いており、前記芯材５の支持用突部４に
外嵌できる凹部６を下面に有する凸条７を周設し、該凸
条７に囲まれた内部に天板表面用の凹所８を形成してな
り、該天板２を前記芯材５上に載置し、凸条７下面の下
方に開口した凹部６を支持用突部４に外嵌し、天板２と
芯材５との間に適宜接着剤等を介在させることにより接
着して、図示したような天板部分を構成しているのであ
る。

上記のようなセラミックス等の陶磁器製天板２を作成す
るには、第１図に示したように、珪酸カルシウム、また
は石膏等の吸水性のある素材にて作成した下台１０の上
面１１に、天板２に周設する凸条７を構成すべく平面口
字型の額形状で前記下台１０と同様に珪酸カルシウムま
たは石膏等の吸水性材料にて作成した内型１２を載置し
、該内型１２の四辺の外側には、各隅角部にて分離可能
でかつ前記内型１２と分離可能とした外型１３を収縮補
正用の補助型として内型１２に外接して設け、内型１２
と外型１３とにより天板２の周囲に周設する下方へ開口
した凹部６を有する凸条７を形成するための枠型１４を
形成し、前記枠型１４と該枠１４内部の下台上面１１に
て天板２を成形するための型として構成し、予め陶磁器
質坏土にて天板２として必要な肉厚、例えば数ミリメー
トルの厚さの薄板状に成形した生地１５を前記型面上に
上方から被覆してゴムローラー、またはコテ等を用いて
圧着することにより凸条７としての前記枠型１４および
該枠型１４の内部における下台上面１１部分に凹所８と
しての平板状の内部平面部を形成し、更に前記外型１３
の外側に生地だれを防止するための周壁１７を形成して
天板形状の成形体１６を成形する。また、本発明に係る
製造方法においては、前記下台１０の上面１１における
枠型１４および成形体１６と下台上面１１との間に、前
記枠型１４内部側から型１４の外側まで達する薄膜状シ
ートを下台１０上の全面、または図例の如く帯状シート
１９を枠型１４を縦断して縦横に敷設しておくことによ
り、後述するごとく、成形体１６を乾燥硬化した後、枠
型１４とともに下台上面１１上で枠型１４部分が下台１
０の側端１８外方位置に来るまで位置移動して外型１３
の下方を解放し、補助型としての外型１３を脱型しうる
ようになしている。

上記のように成形した天板２形状の成形体１６（第１図
、第４図）を遠赤外線等により緩やかに加熱乾燥して硬
化させたのち、前述した帯状シート１９を、枠型１４外
側に露出した部分を持って側方へ引っ張ることにより成
形体１６を枠型１４とともに枠型１４の外型１３部分が
下台１０の側端縁１８より外側位置に達するまで下台上
面ｌｌ上で位置移動することにより　（第２図）外型１
３部分の下方の空間を解放し、該解放部分から外型１３
を下方へ脱型する（第５図）。この操作を成形体１６の
四辺のそれぞれについて順次行い、四辺における全ての
補助型としての外型１３を脱型する。この成形体１６の
位置移動は、第３図に示した如く、成形体１６を側方向
でなく斜め方向に移動すれば、枠型１４の縦横二辺にお
ける外型１３．１３’を同時に下台１０の外側位置に移
動して両外型１３．１３’を同時に脱型することができ
、成形体１６の位置移動は二回で完了できる。このよう
にして外型１３を脱型した後の成形体１６を再び下台１
０上面に位置させ（第６図）、電気炉等により焼成温度
、例えば略１２００℃程度の温度で素焼き焼成する。

上記の成形工程における型１４の寸法としては、例えば
天板２の幅寸法をβ１とするときは、枠型１４を構成す
る内型１２の外側端間距離を前記天板２の幅である１１
に設定し、成形時の乾燥収縮を補正するための補助型と
して外型１３を加えた外型１４の外側端間の距離１２を
、予想される乾燥収縮率α例えば５％を補修すべく、７
！２＝ＡＩ（１−０゜０５）となるように設定すること
により、成形後の成形品の幅寸法を略７！１とすること
ができるのである（第７図）。

このように焼成した素焼き品を、周壁１７を切除する等
の補修加工をした後、例えば酸化ナトリウム、酸化カル
シウム、酸化ジルコニウム、酸化珪素、または酸化アル
ミニウム等を成分として含有し、略１１００℃程度で溶
融してガラス化する陶磁器用釉薬を施釉して前記素焼き
ときの温度より低い温度、例えば１１００℃程度の温度
で釉焼時の変形を防止して釉焼を行うこうとにより天板
２として作成してなるのである。

・上記の如く、本発明に係る陶磁器製品の製造方法によ
り作成してなる机天板２によれば、化学実験等で使用さ
れる机の天板２として、軽量でかつセラミックス等の陶
磁器の有する耐熱性および耐薬品性を有するうえに、一
般的に薄肉のセラミックス、陶磁器等の欠点である耐衝
撃性に関しても天板２の下面に芯材５を位置付けして積
層した構造とすることにより耐衝撃性を改善し、軽量で
耐熱性、耐薬品性に優れている上に耐衝撃性も良好な実
験用机天板２を提供しうるのである。

また、上記製造方法の実施例のように、成形体１６を下
台１０上に成形するときに、予め成形体１６移動用の帯
状等のシート材を敷設しておくことにより、乾燥後の成
形体１６を枠型１４とともに移動する作業を容易にして
外型１３を簡単に脱型しうるのである。

尚、第８図中２０は机天板２上面の凹所８部分に設けた
廃液等の液体排出口であり、２１は前記液体排出口２０
に連設したトラップである。

〔発明の効果〕

上述の如く、本発明に係る平板状陶磁器製品の製造方法
は、陶磁器質坏土にて薄板状に成型した生地を、吸水性
を有する素材からなる下台上に該下台と同様に吸水性を
有する素材にて作成し前記生地を焼成したときの乾燥収
縮分を補助型として分離可能に加えて割り型とした枠型
を前記下台上で移動可能に設置してなる型の上面に載置
して型面に圧着して成形し、乾燥硬化させたのち補助型
を脱型して焼成することを特徴とし、生地としての陶磁
器質坏土を予め薄板状に成形した後、型の上面に載置し
て型面に圧着することにより型上面に全体を均一に着肉
できて成形後の変形、亀裂の発生を防止しうるとともに
、焼成時の乾燥収縮分を予め補助型として分離可能に加
えた割り型として構成した枠型を用いて成形してなるの
で焼成時における製品の収縮を補正して寸法精度の高い
製品を得ることができ、更には製品の焼成時には前記補
助型を脱型して焼成するので焼成時に該補助型が邪魔に
なって成形品の収縮作用を妨害して成形時の製品歪みを
生ずることなく成形できるので、化学実験用の机天板や
ドラフトチャンバー等の大型、肉薄の平板形状で周囲に
下方に開口した凹部を有する凸条を周設してなる形状の
陶磁器製品の製造方法として、焼成後の変形、亀裂の発
生を防止するとともに成形寸法精度の高い陶磁器製品を
製造しうる陶磁器製品の製造方法を提供しうるちのであ
る。

【図面の簡単な説明】

ｌ　ご 第１図は本発明に係る陶磁器製品の製造方法の一実施例
を示すもので、下台上に成形体を載置した状態を示す斜
視図、第２図は前記成形体を下台上で移動する様子を示
す斜視図、第３図は前記成形体を下台上で移動する際の
移動方法の一例を示す平面説明図、第４図は下台上の成
形体の側面断面図、第５図は前記成形体を下台上で移動
して外型を脱型する様子を示す側断面図、第６図は前記
成形体から外型を脱型した後、下台上に成形体を戻した
状態の側断面図、第７図は焼成して収縮した状態の成形
体を示す側断面図、第８図は本発明に係る陶磁器製品の
製造方法を用いて成形した天板を用いた実験用机の一例
を示す側断面図である。 １：杭本体、２：天板、３：基板、４：支持用突部、５
：芯材、６：凹部、７：凸条、８：凹所、１０：上第、
１１：下台上面、１２：内型、１３：外型、１４：枠型
、１５：生地、１６：成形体、１７：周壁、１８：下台
側端、１９：畳上シート、２０：液体排出用開口、２１
：トランプ。 寸　　　　　　　　　　（ト）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）陶磁器質坏土にて薄板状に成型した生地を、吸水性
   を有する素材からなる下台上に該下台と同様に吸水性を
   有する素材にて作成し前記生地を焼成したときの乾燥収
   縮分を補助型として分離可能に加えて割り型とした枠型
   を前記下台上で移動可能に設置してなる型の上面に載置
   して型面に圧着して成形し、乾燥硬化させたのち補助型
   を脱型して焼成することを特徴とする下面に下方へ開口
   した凹部を有する凸条を周設してなる平板状陶磁器製品
   の製造方法。 ２）陶磁器質坏土として可塑性粘土質を５０％以上含む
   ものを用いてなる特許請求の範囲第１項記載の陶磁器製
   品の製造方法。