JPS6330586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ハツチバツク型自動車のリヤシート
バツクの背後にある格納トレイ構造の改良に関す
るものである。

（従来技術とその問題点） 従来、第１図に示すようなハツチバツク型自動
車１では、リヤシートバツク２の背面上部にパツ
ケージトレイ３の左右前位置にヒンジ止めし、該
パツケージトレイ３の左右後位置に設けた係止ひ
も４を、ハツチバツクドア５に着脱自在に係止し
て、ハツチバツクドア５を開ける操作に連動して
トレイ３も上方へ揺動させて、トランクルーム６
も大きく開かせるようにした格納トレイ構造は実
用化されている。

また、トレイの前後両側と車体のサイドパネル
のいずれか一方にヒンジを突設し、他方に該ヒン
ジの支承部を植設してトレイを前端または後端の
ヒンジまわりに回動可能としたものが知られてい
る（実開昭52−36434号公報参照）。

ところが、上記従来の格納トレイ構造では、ト
レイ３をリヤシートバツク２の背面上部の上水平
位置（第４図ａ参照）にしか設置位置を変えるこ
とができなかつたために、トレイ３をもつと活用
して、トランクルーム６への荷物の積み降しを楽
にしたり、荷物の性質や大きさに合つた積みかた
を選べるようにすれば、より便利になる。

また、ハツチバツク型自動車では、一般にエン
ドパネルが高いことにより荷物が出入位置が高
く、かつ車体前後方向に荷室スペースの狭い構造
について、小・中型荷物が取出位置から低い荷室
底部に位置する際、非常に荷物の取出しが不便で
ある。

（考案の目的） 本考案は、上記要望に応えるためになされたも
ので、リヤシートバツクの背面に設けた支持体に
対するトレイの被支持体の支持位置と、係止部材
の車体への係止位置とを適宜に変えることによ
り、トレイの設置位置をさらに増やして、トラン
クルームを合理的に利用できるように工夫したも
のである。

（考案の構成） このため、本考案は、車体側への係止部材の一
端が両側部に取付けられてなる板状トレイの前後
左右位置に、少なくとも４つの被支持体を設ける
と共に、リヤシートバツクの背面で上記各被支持
体に対応した上下左右位置に、上記各被支持体を
着脱自在かつ回動自在に支持する支持体を備え、
上部左右の支持体に被支持体を装着した状態でト
レイを上水平位置に支持するように、上記係止部
材の他端が取付けられる第１取付部が、車体両側
部もしくは車体に開閉自在に連結されたハツチバ
ツクドアのいずれ一方に形成され、 下部左右の支持体に被支持体を装着した状態で
トレイを下水平位置に支持するように、上記係止
部材の他端が取付けられる第２取付部が、上記第
１取付部よりも下方の車体両側部に形成され、 リヤシートバツクを前方へ回動し上部左右の支
持体に被支持体を装着した状態でトレイを垂直位
置に支持するように、上記係止部材の他端が取付
けられる第３取付部が、上記トレイの上端よりも
上方の車体両側部に形成されてなることを特徴と
するものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第２図及び第３図に示すように、四角板状のパ
ツケージトレイ１０には、左右前後の側面位置
に、計４本のピン１１，１１，１２，１２を突設
すると共に、シートボトム１３に対して前倒可能
なシートバツク１４には、上記４本のピン１１，
１１，１２，１２に対応して左右上下の背面位置
に、計４本の嵌め込み式ヒンジ金具１５，１５，
１６，１６を固定する。

該各ヒンジ金具１５，１６は、拡縮径可能な大
略Ｃ字状のバネ弾性体で成り、半径方向から上記
ピン１１，１２を着脱自在に嵌め込むことがで
き、該ピン１１，１２を回転自在に支持する。

上記パツケージトレイ１０の左右後側位置に
は、係止ひも１７，１７を固定し、該係止ひも１
７，１７を固定し、該係止ひも１７，１７の先端
部には、車体１８の適所（第４図ａ〜ｄ参照）に
着脱自在に係止するためのフツク１９，１９を設
けている。

しかして、上記のように構成すれば、第４図ａ
のように、トレイ１０の前ピン１１をシートバツ
ク１４の上ヒンジ金具１５に嵌め込み、上水平位
置となるように係止ひも１７のフツク１９を車体
１８に係止する。

こうすれば、トレイ１０下側のトランクルーム
６に大型荷物２０を積み、トレイ１０上側に小・
中型荷物２１を積むことができる。

第４図ｂのように、トレイ１０の前ピン１１を
シートバツク１４の上ヒンジ金具１５に嵌め込
み、さらに格納位置となるようにトレイ１０の後
ピン１２をシートバツク１４の下ヒンジ金具１６
に嵌め込み、係止ひも１７は下へ垂らしておく。

こうすれば、トランクルーム６の上方が拡がつ
て、大型荷物２０や小・中型荷物２１を上下に重
ねて積むことができる。

第４図ｃのように、トレイ１０の前ピン１１を
シートバツク１４の下ヒンジ金具１６に嵌め込
み、下水平位置となるように係止ひも１７のフツ
ク１９を車体１８に係止する。

こうすれば、トレイ１０によつてトランクルー
ム６の底面６ａが上がることになり、底面６ａか
らハツチバツクドア５までの高さＨが高い場合で
も小・中型荷物２１等を楽に積み降ろしできる。

第４図ｄのように、シートバツク１４を前倒さ
せ、トレイ１０の前ピン１１をシートバツク１４
の上ヒンジ金具１５に嵌め込み、垂直つい立て位
置となるように係止ひも１７のフツク１９を車体
１８に係止する。

こうすれば、トレイ１０がつい立てになり、ト
ランクルーム６が前方に拡がつて、多数の大型荷
物２０を積むことができる。

（考案の作用・効果） 以上の説明からも明らかなように、本考案は、
トレイとリヤシートバツクに、それぞれが対応し
て着脱自在な被支持体と支持体とを設けて、支持
体に対する被支持体の支持位置と、トレイの係止
部材の車体への係止位置とを適宜に変え得るよう
にしたものであるから、トレイの従来の上水平位
置に加えて、シートバツク背面の格納位置、下水
平位置や垂直つい立て位置等の設置位置に変える
ことができ、合理的な積みかたができるようにな
る。

そして、エンドパネルにより荷物の出入位置が
高いハツチバツク型自動車では、下水平位置をと
ることにより、荷室底部に荷物がある場合に比べ
て、荷物の出し入れが容易に行えるようになる。

また、車室内側からトランクルーム内の荷物を
取出す際、トランクルーム底部に荷物がある場合
に比べて、車外から荷物の取出し作業を行う必要
がなく、車内にいながらトランクルーム内の荷物
を容易に取出すことができる。

さらに、下水平位置に設置されるトレイによつ
てトランクルームを上下２分割にすることによ
り、２重底タイプのトランクルームを形成でき、
特にトレイを支持する係止部材の他端は車体側両
側部に取付けられるので、下部トランクルームは
ハツチバツクドアの開閉にかかわらず閉塞状態と
でき、常時、下部トランクルームは外方から見え
ないよう被覆されるので、下部トランクルームを
例えば、見栄えの悪い荷物の収納部（シークレツ
トボツクス）として利用できる。

さらにまた、下水平位置、垂直つい立て位置で
も係止部材が車体側に係止されるので、荷物の荷
重がシートバツク側と車体側に分散され、シート
バツクの支持体のトレイ支持剛性を上げる、つま
り補強用部材を追加する必要がないので、シート
バツクの重量が増加するということもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトレイ構造を備えたハツチバツ
ク型自動車の斜視図、第２図は本考案に係るトレ
イ構造の斜視図、第３図はピンとヒンジ金具との
関係を示す第２図のＡ部拡大図、第４図ａ、第４
図ｂ、第４図ｃ及び第４図ｄはトレイの設置位置
をそれぞれ示す側面図である。 １……ハツチバツク型自動車、１０……パツケ
ージトレイ、１１，１２……ピン、１４……シー
トバツク、１５，１６……ヒンジ金具、１７……
係止ひも、１８……車体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体側への係止部材の一端が両側部に取付けら
   れてなる板状トレイの前後左右位置に、少なくと
   も４つの被支持体を設けると共に、リヤシートバ
   ツクの背面で上記各被支持体に対応した上下左右
   位置に、上記各被支持体を着脱自在かつ回動自在
   に支持する支持体を備え、上部左右の支持体に被
   支持体を装着した状態でトレイを上水平位置に支
   持するように、上記係止部材の他端が取付けられ
   る第１取付部が、車体両側部もしくは車体に開閉
   自在に連結されたハツチバツクドアのいずれか一
   方に形成され、 下部左右の支持体に被支持体を装着した状態で
   トレイを下水平位置に支持するように、上記係止
   部材の他端が取付けられる第２取付部が、上記第
   １取付部よりも下方の車体両側部に形成され、 リヤシートバツクを前方へ回動し上部左右の支
   持体に被支持体を装着した状態でトレイを垂直位
   置に支持するように、上記係止部材の他端が取付
   けられる第３取付部が、上記トレイの上端よりも
   上方の車体両側部に形成されてなることを特徴と
   するハツチバツク型自動車のリヤシートバツク格
   納トレイ構造。