JPS6326210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はマスチツク剤、接着剤等の高粘度流
体を一定量ずつ吐出するエアレスガンに関する。

従来のかかるエアレスガン、例えばマスチツク
ガンとしては第１，２図に示すようなものがあ
る。

１はエアレスガンの本体、２は該本体に螺合す
ることによつて保持されるとともにロツクナツト
３で固定されたガンヘツドで、さらにキー４によ
つて本体１に楔着されている。

５はガンヘツド２に螺着された弁座部材で、中
央に弁座となるテーパ部５ｂが形成されるととも
にこれに接続してマスチツク剤を吐出するノズル
孔５ａが穿設されている。６は一端をテーパ部５
ｂと係合するように先端に円錐部６ａを形成した
ニードル弁で、他端はピストンロツド７に螺着さ
れている。

８はガンヘツド２内に嵌装されたテフロン製の
パツキングで、ニードル弁６が往復動する際にマ
スチツク剤が洩れないように複数個使用される。

９はこれらのパツキング８をガンヘツド２内に
固定しておくためのパツキング抑えである。

１０，１１，１２はそれぞれピストンロツド７
に挿着された座金、ピストンパツキング、止め座
金で、ナツト１３により固定され、一体となつて
本体１に螺着したシリンダカツプ１４内を摺動す
るピストンを構成している。１５はピストンロツ
ド７とシリンダカツプ１４の間に介装され、ピス
トンロツド７を図において常に下方に付勢してい
るスプリングである。

１６は加圧されたマスチツク剤をガンヘツド２
内へ供給する圧入口、１７は圧縮エアの送気口で
ある。

いま送気口１７に圧縮エアが送られると、エア
は通気孔１７ａを通つて前記ピストンパツキング
１１、止め座金１２等に圧力を及ぼし、これらを
スプリング１５の弾力に抗してシリンダカツプ１
４内に沿つて押し上げるので従つてピストンロツ
ド７およびニードル弁６も押し上げられて、その
円錐部６ａがテーパ部５ｂから離れて隙間が生
じ、その隙間からガンヘツド２内に圧入されてい
たマスチツク剤がノズル孔５ａを通つて吐出され
る。

そしてマスチツク剤が一定量吐出されたときに
図外の手段によつて送気孔１７に送られていたエ
アを断つと、ピストンロツド７を押し上げていた
圧力がなくなり、従つてスプリング１５の弾力に
よつて再びピストンロツド７及びニードル弁６は
押し下げられ、ニードル弁６の円錐部６ａがテー
パ部５ｂに当接することによりノズル孔５ａを塞
いでマスチツク剤の吐出を遮断することになる。

しかしながら、このような従来のマスチツクガ
ンにあつては、マスチツク剤の吐出を遮断する際
に固形物がニードル弁６の円錐部６ａと弁座であ
るテーパ部５ｂとの間に挾まつた場合はノズル孔
５ａが完全に閉塞されないため吐出が続いたり、
またニードル弁６はマスチツク剤の充満したガン
ヘツド２内を往復動するために、ニードル弁６に
付着したマスチツク剤がテフロンのパツキング８
との摺動面に入り込み、ニードル弁の摺動に円滑
さを欠く等の問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、高粘度流体通路としての貫通
孔を有する枠体と、この枠体内に摺動可能に取り
付け、かつ前記貫通孔と連通可能な透孔を有する
プランジヤと、このプランジヤを駆動してその透
孔を前記貫通孔と連通する位置と連通しない位置
に移動させる駆動手段とを有するエアレスガンに
おいて、前記枠体に、この枠体とプランジヤの間
をシールする第１のシール部材と第２のシール部
材を設け、かつ前記第１のシール部材は、連通し
ない位置にある前記貫通孔と透孔とを囲う位置に
設け、前記第２のシール部材は、前記貫通孔のみ
を囲う位置に設けることにより、上記問題点を解
決することを目的としている。

以下この考案を図面に基づいて説明する。

第３〜６図はこの考案の一実施例を示す図であ
る。まず構成を説明すると、２０は枠体であつて
上枠２１、下枠２２、上側枠２３，２３、下側枠
２４，２４によつて構成されており、それぞれボ
ルト等で互に連結されて一体となつていて、中央
部には本例では断面矩形のプランジヤ２５が摺動
可能に嵌合されている。枠体２０には上枠２１と
下枠２２とを貫通するようにマスチツク剤の通路
となる貫通孔３０が穿設されており、該貫通孔の
上枠２１のマスチツク剤供給側には供給ノズル３
１が、下枠２２のマスチツク剤の吐出側には吐出
ノズル３２がそれぞれ取付けられ、また上枠２１
と下枠２２のプランジヤ２５との摺動面には前記
貫通孔を囲むようにリング状の溝２１ａ，２１ｂ
及び２２ａ，２２ｂが穿設されている。

これらの溝は第５図の−矢視図である第６
図に示すように、径の小さい方の溝２１ｂは上枠
２１の貫通孔３０と同心に、径の大きい溝２１ａ
は、プランジヤ２５を枠体２０に対して相対移動
したときにプランジヤ２５に穿設された透孔３３
が、溝２１ｂの外側でかつ溝２１ａの内側の位置
に在るように貫通孔３０に対して偏心して設けら
れている。

また下枠２２の溝２２ａ，２２ｂの穿設位置に
ついても上記と全く同様である。そして溝２１ａ
にはリング状の第１のシール部材２８が嵌装され
Ｏリング２８ａによつてプランジヤの摺動面に押
し付けられており、溝２１ｂにはリング状の第２
シール部材２９が嵌装され、Ｏリング２９ａによ
りプランジヤに押付けられている。

なお、溝２２ａ、溝２２ｂにも同様に第１及び
第２のシール部材２８及び２９がそれぞれ嵌装さ
れＯリングによつてプランジヤに押付けられてい
る。

３４はシリンダ３５内を図において左右に摺動
するピストンで、ロツド３６でプランジヤ２５と
連結している。３５ａ，３５ｂはシリンダ３５内
への圧縮エアの出入孔で、ｌはピストン３４のス
トロークである。すなわち、透孔３３が貫通孔３
０と連通する位置から透孔３３が貫通孔３０から
ずれてこれと連通しない位置までの距離である。
またピストン３４、シリンダ３５、ロツド３６は
圧縮エアを原動力としたプランジヤ２５の駆動手
段を構成している。なお、本例ではプランジヤ２
５の形状を断面矩形に形成したが、断面六角形そ
の他に形成しても良い。但し、シール部材で押圧
される摺動面は平面にする必要がある。

次に作用を説明する。

先ず、マスチツク剤を吐出させる場合は、圧縮
エアを出入孔３５ａからシリンダ３５内へ送る
と、ピストン３４は左方に押され従つてプランジ
ヤ２５はピストン３４のストロークｌだけ左方向
へ摺動して透孔３３は貫通孔３０と第３図に示す
ように連通し、供給ノズル３１から圧入されてい
るマスチツク剤は吐出ノズル３２から吐出され
る。

次に吐出を遮断する場合は、圧縮エアを出入孔
３５ｂからシリンダ３５内へ送ると、ピストン３
４は右方に押され、従つてプランジヤ２５はスト
ロークｌだけ右方向に摺動して、第４，６図に示
すように、透孔３３は貫通孔３０に対してｌだけ
右方にずれて同貫通孔３０と連通しない位置にく
る。その結果、貫通孔３０はプランジヤ２５に閉
塞されるので、マスチツク剤の吐出ノズル３２か
らの吐出は遮断されることになる。

また、プランジヤ２５が枠体２０内を摺動する
際に、プランジヤ２５と上枠２１及び下枠２２と
の摺動面間に、常に供給のために加圧されている
マスチツク剤の微量が入り込もうとするが、該摺
動面たる平面に穿設された溝２１ａ，２１ｂ，２
２ａ，２２ｂにはすでに前述したように第１、第
２の両シール部材２８，２９がプランジヤ２５の
摺動面たる平面を押圧するように設けられている
ため、貫通孔３０、や透孔３３からマスチツク剤
が洩れても前記シール部材２８，２９を超えて外
方へ洩れ出ることはない。本例ではシール部材２
８，２９をＯリング２８ａ，２９ａにより摺動平
面に押圧する構成としたが、Ｏリングの代りにス
プリングその他の弾性部材を使用しても良い。

なお、本実施例においては、複数の吐出ズルか
ら同時にマスチツク剤を吐出する場合を示した
が、枠体の構成のしかたによつて吐出ノズルを１
個にすることも又は２個以上にすることも容易で
あることは勿論である。

以上説明してきたように、この考案によれば枠
体に、プランジヤとの間をシールする第１のシー
ル部材と第２のシール部材を設け、かつ前記第１
のシール部材を、互に連通しない位置にある前記
貫通孔と透孔とを囲う位置に設け、前記第２のシ
ール部材を、前記貫通孔のみを囲う位置に設けた
ので、加圧された高粘度流体の摺動部分からの洩
れや、摺動面への侵入によるプランジヤの摺動不
良を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の要部断面説明図、第２図は第
１図の部分拡大断面図、第３，４図は本案に係る
実施例の要部断面説明図、第５図は第３図におけ
る−断面図、第６図は第５図における−
断面図である。 ２０……枠体、２８，２９……シール部材、２
８ａ，２９ａ……Ｏリング、３０……貫通孔、３
３……透孔、２５……プランジヤ、｛３４ａ……
ピストン、３５……シリンダ、３６……ロツド｝
駆動手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高粘度流体通路としての貫通孔を有する枠体
   と、この枠体内に摺動可能に取り付け、かつ前記
   貫通孔と連通可能な透孔を有するプランジヤと、
   このプランジヤを駆動してその透孔を前記貫通孔
   と連通する位置と連通しない位置に移動させる駆
   動手段とを有するエアレスガンにおいて、前記枠
   体に、この枠体とプランジヤの間をシールする第
   １のシール部材と第２のシール部材を設け、かつ
   前記第１のシール部材は、連通しない位置にある
   前記貫通孔と透孔とを囲う位置に設け、前記第２
   のシール部材は、前記貫通孔のみを囲う位置に設
   けたことを特徴とするエアレスガン。