JPS63256581A

JPS63256581A - セメント系構造物の劣化防止方法

Info

Publication number: JPS63256581A
Application number: JP9159387A
Authority: JP
Inventors: 山下　千明; 環和田; 岩崎　善雄
Original assignee: Taisei Corp; Kowa Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Taisei Corp; Kowa Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1987-04-14
Filing date: 1987-04-14
Publication date: 1988-10-24

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、セメント系構造物の劣化を防止する方法に関
し、更に詳しくは、比較的炭素原子数の大きいアルキル
基を有・するアルキルトリアルコキシシランを塗布する
セメント系多孔質構造物の劣化を効果的に防止する方法
に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

近年、セメント系構造物の経年劣化が著しく、大きな社
会的問題となっている。その主な原因は。

資源の枯渇により、骨材として望ましくない海砂や砕石
を使用すること、水硬性セメント系組成物をポンプ輸送
する施工上の要求に関連して、流動性を与えるために該
組成物中に必要以上の水を添加することなどによるもの
と考えられる。このようなセメント系構造物においては
、例えば、（１）構造物の中性化による内部鉄筋の発錆
、（２）使用原材料中の塩分や外部から侵入した塩分に
よる鉄筋の発錆の促進、（３）膨張性骨材の使用に基づく膨張やポツプアウト等
による硬化構造物の亀裂の発生、等の現象が生じ、これ
らの現象により、セメント系構造物の劣化が加速度的に
促進されるようである。

このような劣化を防止する手段として、従来、コンクリ
ート系構造物の表面に、例えば、エポキシ樹脂のような
有機高分子材料の塗膜を形成させて水、ガス等の侵入を
防止する方法、シリコーンのオリゴマーやポリマーを有
機溶剤に溶解したものを、あるいはメチルシリコネート
水溶液やシランモノマー等を構造物の表面に塗布し、含
浸、硬化させて、セメント系構造物内部に防水層を形成
させる方法等が提案されている。

しかし、前者の方法では、塗膜が厚くないと皮膜による
満足すべき遮断効果が得られないので高価となるばかり
でなく、材料によっては耐候性に問題があるほか、外力
によって傷付き易いなど、必ずしも満足できる方法とは
いい難い。また、このような有機塗膜によってセメント
系構造物の外観が損なわれることを嫌う傾向も強い。他
方、構造物の風合を生かしながら防水保護機能を与える
方法として、後者の方法が開発されたが、これも防水性
、遮温性などの性能面や持続性等に問題があり、満足し
得る実用性は期待できない。

従って、本発明の目的は、セメント系構造物に、長期に
わたって持続性のある防水性、遮温性等の優れた保護層
を形成させる方法を提供することにあり、また劣化防止
性に優れ、高い耐久性を有するセメント系構ｌ物提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、上記目的を達成する効果的方法について
実験、研究を重ねた結果、そのうちでも、アルキル基の
炭素原子数が８〜１２のアルキルトリアルコキシシラン
類をセメント系構造物の表面に塗布するとき、特に、望
ましい遮水性、遮温性及び耐久性等が得られ、更にアル
カリ骨材反応の抑制、食塩、ぼう硝などによる塩害の効
果的防止、あるいは凍結融解の繰返しによる劣化の防止
や軽量骨材の吸水の抑制に効果的であることを見出し、
かかる知見に基づいて本発明をなすに至った。

すなわち、本発明は、セメント系構造物の表面に、炭素
原子数が８〜１２のアルキル基を有するアルキルトリア
ルコキシシランを塗布し、浸透、硬化させることを特徴
とするセメント系構造物の劣化を効果的に防止する方法
を提供する。

本発明の方法において多孔性構造物の改質に用いられる
アルキルトリアルコキシシランは、次の一般式：％式％）（式中、Ｒ１は、アルキル基であり、ＯＲ２は、低級ア
ルコキシ基で、通常、メトキシ基又はエトキシ基である
。）で表・わされる有機けい素化合物であって、特に、Ｒ１
が炭素原子数８〜１２のアルキル基を有するシラン類で
ある。アルキル基Ｒ工の炭素原子数が、更に少ないシラ
ンの場合には細孔中への浸透性はよいが、遮水性、遮温
性、耐久性等が劣り、他方。

Ｃ数が多すぎると、多孔質体への浸透が悪く、その結果
、多孔質構造物に満足する遮水性、遮温性等を付与する
ことができないので好ましくない。

その理由は明らかではないが、アルキル基が大きすぎる
と浸透し難ぐ、また立体障害のためにシラノール基の縮
合が妨げられ、更にアルキル基の配向も充分でないため
と考えられる。

本発明の劣化防止方法に用いられるシラン化合物として
は１例えば、オクチルトリエトキシ（又はメトキシ）シ
ラン、デシルトリエトキシ（又はメトキシ）シラン、ド
デシルトリエトキシ（又はメトキシ）シラン等を挙げる
ことができる。これらのシラン化合物において、メトキ
シ化物とエトキシ化物とは１作用効果に関して実質的な
差異は認められないものである。これらシラン類は、単
独で又は二種以上を組合せて用いることができる。

これらのシラン化合物類は、粘度が低く表面張力も小さ
いので、そのままセメント系構造物表面に塗布すること
ができるが、例えば、メチルアルコールやエチルアルコ
ール等の溶剤に溶かして、例えば、１０〜４０重量％の
溶液に調製して塗布することもできる。また、それらの
シラン化合物類に、酸、アルカリ、金属塩のような反応
促進剤を添加することができる。

構造物表面に塗布されたシラン化合物類は、構造物内部
の多孔中に浸入し、多孔中の水分によって加水分解され
て反応性に富んだシラノールとなり、これが１例えば、
シリカ表面の一〇Ｈ基や他のシラノール基と反応して脱
水、縮合し、強固なシロキサン結合を形成して高分子化
すると共に、セメント構造物と強固に接合した水の浸入
阻止層を効果的に形成する。

〔作用・効果〕

本発明の方法によれば、セメント系構造物の表面に塗布
されたシラン類は、表面から浸透し、脱水、縮合して、
疎水性の大きなアルキルキ基（Ｒ工）の密に配列した硬
化層を形成するので、外部からの水、塩分等の侵入を効
果的に阻止し、長期にわたって安定なセメント系構造物
が提供される。

〔実施例〕

次に、具体例により、本発明を更に詳細に説明する。な
お、例中の部数及び％は、特に記載がない限り重量によ
るものである。

また、本発明の方法に係るシラン化合物の劣化防止につ
いての各種性能を試験するために、セメント系構造物と
して代表的な下記モルタル及びコンクリートを作り、こ
れらを供試体として各種物性を測定した。

［モルタル］セメント：砂：水が、１　：　２　：　０．６５の配合
割合に混和調製した組成物を、各種試験用供試体の型枠
に打設し、２日後に脱型して、以後、温度２０±２℃、
相対湿度６５±５％の条件で四週間養生させて供試体と
した。

［コンクリート］セメント４２５ｋｇ、細骨材７０４　ｋｇ、粗骨材１０
３５ｋｇ、ＡＥ減水剤１．０６２ｋｇ、その助剤１６．
５　ｇ及び水１７０ｋｇ（セメントの４０％）の割合の
配合′物を練り混ぜ、１０Ｘ１０Ｘ１０ａｎの型枠に打
設し、２日後に脱型して、以後、温度２０±２℃、相対
湿度６５±５％の条件で四週間養生させて供試体とした
。

次に、これら構造材を用いて、各種シラン化合物の劣化
防止性能を下記試験法により評価した。

久振友羞ａ）浸透深さ１０　Ｘ　１０　Ｘ　１０ｃｎのコンクリート供試体の
全面にシランの所定量を塗布し、温度２０±２℃、相対
湿度６５±５％の条件下に７日間放置後、割裂して割裂
面を水に濡らし１充水部分の深さく境界線）を測定する
。

ｂ）吸水率４Ｘ４Ｘ１６（！１１のモルタル供試体の全面にシラン
の所定量を塗布し、温度２０±２℃、相対湿度６５±５
％の条件下に７日間放置後、水に水没状に浸漬し、３０
日後の重量増加から吸水率を求める。

Ｃ）透水性試験１０　Ｘ　１０　Ｘ　１０ａａのコンクリート供試体の
全面に所定量のシランを塗布し、温度２０±２℃、相対
湿度６５±５％の条件下に７日間放置後、ＪＩＳＡ６９
１０の透水試験方法によって、３０日までの透水量の経
過を測定する。

ｄ）遮塩性−１直径６．５ａｌ、厚さ０．５Ｃ！１１のモルタル供試体
の片面に、シランを所定の割合で塗布し、温度２０±２
℃。

相対湿度６５±５％の条件下に７日間放置後、コンクリ
ート工学協会による道路橋指針（案）に示す方法によっ
て塩素イオン透過量を測定する。

ｅ）遮塩性−２４Ｘ４Ｘ１６ａｎのモルタル供試体の全面にシランを所
定量塗布し、温度２０±２℃、相対湿度６５±５％の条
件下に７日間放置後、飽和食塩水中に全没状に浸漬し、
供試体の重量増加を経時的に測定する。

また、１年後の供試体を割裂し、内部への塩素イオンの
浸透深さをフルオレッセイン呈色反応によって測定する
。

ｆ）耐アルカリ性４Ｘ４Ｘ１６ａｍのモルタル供試体の全面にシランを所
定量塗布し、温度２０±２℃、相対湿度６５±５％の条
件下に７日間放置後、飽和水酸化カルシウム溶液中に全
没状に浸漬して、供試体の重量増加を経時的に測定する
。

ｇ）耐久性（耐候性）上記ｂ）の項で吸水率を測定した供試体を、ＪＩ　Ｓ　
Ｋ−５４００に準するカーボンアークによる促進耐候性
試験機に２０００時間かけた後、これを取り出して清水
中にいれ、３０日後の吸水率を測定する。

ｈ）機械的強度ｅ）項において１年間食塩水中浸漬した供試体をＪ　Ｉ
　Ｓ　Ｒ５２０１に基づいて１曲げ強度、圧縮強度を測
定する。

なお、供試体表面への塗布においては、シラン化合物を
、エチルアルコールの４０％溶液に調製し、この溶液を
シランの塗布量が３００　ｇ　／　ｒｒｒどなるように
塗布、含浸させて調製したそれぞれの試験片について、
前述の各種試験方法により各物性を測定した。

実施例１〜３及び比較例１〜７使用したアルキルトリアルコキシシランは、試験材料と
して表中に示すと共に、それらの劣化防止性諸物性の測
定結果を、後記第１表にまとめて示す。なお、対照のた
めに、供試体自体をブランク試料として、その測定値を
併記した。

なお、表中の試験材料における略号は、それぞれ次の通
りである。

Ｃ工：メチルトリエトキシシランＣ４ニブチルトリエトキシシランＣ６：ヘキシルトリエトキシシランＣ６：オクチルトリエトキシシランＣ１゜二デシルトリエトキシシランＣ工２：　ドデシルトリエトキシシランＣ工４：テトラ
デシルトリエトキシシランＣ□、：オクタデシルトリエ
トキシシランＡ　：市販のシリコーンオリゴマーＢ　：他の市販のシリコーンオリゴマー第１表から判る
ように、アルキルトリアルコキシシランのアルキル基の
炭素原子数が８〜１２のオクチルトリエトキシシラン（
実施例１）、デシルトリエトキシシラン（実施例２）及
びドデシルトリエトキシシラン（実施例３）は、他の成
分の比較例１〜７に比べて、顕著に優れた遮水性、遮塩
性を示し、またサンシャインカーボンアークによる２０
００時間の促進劣化（耐久性）試験においても、比較例
では、給水性が初期値に比較して極めて大きく、ブラン
ク値に近ずくのに対し、本発明の方法においては、性能
の低下が小さく、耐久性が格段に優れており、高い劣化
防止性を有することが理解できる。

Claims

【特許請求の範囲】

１、セメント系構造物の表面に、炭素原子数が８〜１２
のアルキル基を有するアルキルトリアルコキシシランを
塗布し、浸透、硬化させることを特徴とするセメント系
構造物の劣化防止方法。