JPS6324800Y2

JPS6324800Y2 -

Info

Publication number: JPS6324800Y2
Application number: JP1982007513U
Authority: JP
Priority date: 1982-01-25
Filing date: 1982-01-25
Publication date: 1988-07-06
Also published as: JPS58111800U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、中高層建築物の避難装置、特に折畳
自在な吊下式梯子を収納した避難装置の改良に関
する。

近年住宅の高層化が盛んであるが、安全性の点
から各階のベランダに避難装置を設けることが義
務ずけられている。この避難装置は非常時におい
て、該避難装置内に装備されている梯子を階下に
垂下し、この梯子を伝つて階下に避難する構造の
ものであるが、建設費の関係から梯子として安価
な縄梯子（チエーンを使用したものが一般的）が
使用されている。

ところで避難装置の取付位置としては、各階の
壁側に設置することが安全対策上好ましい。すな
わち、梯子を垂下したときに壁を梯子の揺れ止め
として利用できるからである。ところが設計上、
必ずしも避難装置を壁側に設置することができな
いことがある。この場合、梯子が縄梯子である
と、下りるときに梯子の下方が揺れて迅速なる避
難ができないこととなり、安全性に問題が生じ
た。

そこで同一出願人は、中央においてクロスして
枢支したバーを夫々の上端と下端において枢支し
て多数段連結すると共に左右一対の各段毎の連結
部に踏杆を取付けて梯子を形成すると共にクロス
したバーの開放角が一定の角度以上にならないよ
うに隣接するクロス間を折畳み自在な連結バーで
少なくとも一段おき毎に連結した折畳自在な吊下
式梯子を開発した。この梯子は、平常時には折り
畳んだ状態でベランダ等に埋設した枠体内に収納
することができると共に非常時には伸ばすことが
でき、かつ避難時に梯子の揺れを少なく迅速、安
全に降下することができるものであつた。

ところが、上記した梯子にあつても以下に述べ
る欠点が存した。すなわち、非常時において枠体
の下蓋を開放した時に、梯子は自重によつて伸び
るが、その伸びが急激に行われるため、例えば階
下に人が居た場合に梯子の落下によつて怪我をす
る等の欠点があつた。

本考案は叙上の点に鑑みて成されたもので、そ
の目的とするところは、梯子を伸長時において該
梯子が緩やかに下降し、階下に人が居ても安全に
梯子を下ろすことができる避難装置を提供するに
ある。

次に本考案の一実施例を図面と共に説明する。

１はベランダ等に埋設された枠体にして、上面
と下面に上、下蓋２，３が取付けられている。な
お上面開口部には雨等による水の浸入を防止する
ためのパツキン１ａが設けられている。また枠体
１の内側面には係止孔１b₁と連通するガイド溝１
b₂を有するガイド板１ｂが取付けられると共に上
蓋２に一端が枢着されたアーム２ａの先端が、上
記ガイド溝１b₁にガイドされている。４は枠体１
の内部に取付けられた下蓋３のロツク機構にし
て、ハンドル４ａを回動することにより係合片４
ｂと下蓋３の係合環３ａとのロツクが解除され
る。なお枠体１の四隅には手摺り１ｃが取付けら
れている。

５は枠体１内に収納される梯子にして、同じ長
さのバー５ａをクロス状に枢着すると共に各段の
上端と下端とのバー５ａを連続的に順次枢着して
構成したものである。そして梯子部を形成する各
バー５ａにおける各段毎の前面側連結部には踏杆
６が取付けられると共に各段毎の背面側連結部に
は補助杆７が取付けられている。

８は上記梯子５における一段毎のバー５ａの枢
着部に一端が接続された第１の連結バー８ａと次
段のバー５ａの枢着部に一端が接続された第２の
連結バー８ｂとより成る連結バーにして、この第
１、第２の連結バー８ａと８ｂとの他端は互いに
枢着されている。そしてこの連結バー８は各枢着
点間の長さが同じ長さになるように形成されてい
る。

９は上端が枠体１の手摺り１ｃと４段目のバー
５ａにおける延長部５ｂとの間に取付けられたス
トツパー用チエーンにして、梯子５の揺れを防止
するためのものである。

１０は上端が上記した下蓋３の係止杆３ｂに取
付けられ、下端が最下段の補助杆７に取付けられ
た引上げ用チエーンにして、伸長された梯子５を
枠体１に収納するために引上げる時に使用する。

次に上記した梯子５を枠体１に取付けるための
構造について説明する。

梯子５を構成する最上段のバー５ａの一方上端
は、枠体１に固着された取付板１ｄに枢着されて
いる。また他方のバー５ａの上端は略クランク状
に折曲され、その先端が後述するスライドパイプ
１２に固着された取付パイプ１２ａに枢支されて
いる。

１１は枠体１に固着された螺管１ｅにネジ止め
された軸杆、１２は該軸杆１１にスライド自在に
嵌挿されたスライドパイプにして、その先端上面
側に取付パイプ１２ａが固着されると共に基端外
周にネジ１２ｂが形成され、かつ基端面にテーパ
ー面１２ｃが形成されている。１３は該スライド
パイプ１２のネジ１２ｂに螺合されるアジヤスタ
ーにして、基部側に凹部１３ａが形成されると共
にこれに連接してテーパー面１３ｂが一体に形成
されている。１４は合成樹脂製のストツパーパツ
キンにして、円周上の中央に平端面１４ａが、そ
の両側にテーパー面１４ｂ，１４ｃが形成される
と共に切欠部１４ｄが形成されて径を変えること
ができるようになつている。そしてこのストツパ
ーパツキン１４は、予じめ上記したアジヤスタ１
３の凹部１３ａ内に収納されると共にテーパー面
１４ｂがテーパー面１３ｂに対応している。１５
は緩み止め用のナツトにして、先ずこれがスライ
ドパイプ１２のネジ１２ｂに螺合されると共に次
いでストツパーパツキン１４が収納されたアジヤ
スタ１３が螺合される。この時、ストツパーパツ
キン１４の他のテーパー面１４ｃがスライドパイ
プ１２のテーパー面に対応する。そしてアジヤス
タ１３をスライドパイプ１２に締め付ける前にお
いて、該スライドパイプ１２を軸杆１１に嵌合す
る。次いで、スライドパイプ１２の取付パイプ１
２ａに梯子５のバー５ａを枢着する。この状態
で、アジヤスタ１２を締め付けると、ストツパー
パツキン１４は、アジヤスタ１３のテーパー面１
３ｂとスライドパイプ１２のテーパー面１２ｃと
の間で押しつぶされるような状態となるので、該
ストツパーパツキン１４は切欠部１４ｄの間隔が
狭くなり、すなわち径が小さくなつて軸杆１１に
対し大なる摩擦抵抗を有するようになる。従つて
この摩擦抵抗が適当な大きさとなつたところで、
緩み止めナツト１５を締め付け固定する。これに
より、スライドパイプ１２は適当な摩擦をもつて
軸杆１１をスライドするようになる。

次に動作について説明するに、平常時は第１，
２図に示すように、梯子５を縮めた状態で枠体１
内に収納しておく。この時最上段のバー５ａ先端
は、第２図において左右方向に移動しているの
で、スライドパイプ１２は軸杆１１の先端方向に
移動している。

火災等の非常事態が発生した場合には、先ず上
蓋２を開放する。この時アーム２ａの先端がガイ
ド溝１b₂の係止孔１b₁に係合されるので、該上蓋
２は開放されたままとなる。次いで階下の安全を
確認した後にロツク機構４のハンドル４ａを回動
し、下蓋３を開放する。梯子５が自重によつて落
下し、該梯子５は伸長される。梯子５の伸長時に
おいて、最上段のバー５ａの一方は枠体１の取付
板１ｄに枢着されているので、他方のバー５ａの
上端が第２図において左方に移動することとな
る。ここで該バー５ａはスライドパイプ１２に枢
着されているので、スライドパイプ１２が移動す
ることとなるが、ここで上記したストツパーパツ
キン１４が軸杆１１に対し適当な摩擦力をもつて
いることにより、該ストツパーパツキン１４が固
定されたスライドパイプ１２は軸杆１１に対し緩
やかにスライドすることとなる。従つて最上段の
バー５ａの一方が緩やかに移動することによつて
梯子５の下降は緩やかに行われることとなり、従
来のような急激に下降することによつて生じる事
故を防止することができる。

なお梯子５の下降速度はアジヤスタ１３の締め
付け度合によつて可変できるので、予じめ最適な
下降速度が得られるように、アジヤスタ１３の締
め付け量を調整することにより、梯子５の重量に
関係なく下降速度を調整することができる。

またストツパー５ｄが枠体１の内壁に当接する
と共にチエーン９によつて梯子５は垂直状態に保
たれる。また梯子５が伸長される時に連結バー８
の第１，第２の連結バー８ａ，８ｂも直線状とな
り、各段の梯子部の各広がりが規制される。従つ
て梯子５は第５図に示す如く、各連結部の間隔は
一定となり、下に行くに従つて狭まるようなこと
はなく、人の昇降に対し梯子５が縄梯子のように
揺れることはない。

また梯子５を折畳み収納するには、引上げ用チ
エーン１０を引上げることによつて、梯子５は順
次折畳まれ引上げられるので、全てが枠体１内に
収納された状態で下蓋３を閉めロツク機構４によ
つてロツクすると共に上蓋２を閉じることによつ
て、第１，２図の平常状態に戻るものである。

本考案は上記したように、ベランダに埋設され
た枠体内に上、下蓋を開放することによつて下降
するパンタグラフ状の梯子を摩擦力を利用して緩
やかに下降するようにしたので、前記ベランダの
下に人が居たとしても充分に梯子の下から退避で
きると共に、梯子が急速に下降することによつて
生じる梯子への衝撃を軽減できるので、該梯子の
故障や損傷を防止でき、また、前記摩擦力は調整
自在であることから、取付けられる梯子の材質や
長さによつて重量が変化しても、前記摩擦力を調
整することで最適な梯子の下降速度に調整できる
等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は上蓋の
一部を切欠した平面図、第２図は同上の横断面
図、第３図は梯子の上部の側面図、第４図は同上
の正面図、第５図は梯子を伸長した状態の側面
図、第６図は同上の正面図、第７図は要部の断面
図である。１……枠体、５……梯子、５ａ……バー、１１
……軸杆、１２……スライドパイプ、１３……ア
ジヤスタ、１４……ストツパーパツキン。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

中央においてクロスして枢着したバーを夫々の
上端と下端において枢着して多数段連結した梯子
を構成し、かつ、該梯子における最上段の一方の
バーの上端をベランダ内に埋設した枠体の内面に
枢着し、また、他方のバーの上端を前記枠体の内
面に固定した軸杆に対し摩擦をもつてスライド
し、かつ、該摩擦の度合を調整し得るスライドパ
イプに枢着し、さらに、前記枠体の上面に上方に
向かつて開放し得る上蓋を取付けると共に、下面
にロツク機構を解除することによつて下方に向か
つて開放し得る下蓋を取付け、前記梯子を畳んだ
状態で前記上、下蓋が閉じられた枠体内に収納で
きるようにし、かつ、上、下蓋が開放されると梯
子が前記軸杆とスライドパイプの摩擦力とによつ
て緩やかに下降するようにしたことを特徴とする
避難梯子。