JPS6324488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はたとえば都市ガスなどの流体供給管の
途中に介在され、２次圧が所定の圧力になるよう
にするための自力式減圧弁に関する。

第１図を参照して、従来からの自力式減圧弁
は、流体たとえば都市ガスの供給管１の途中に介
在される弁体２と、弁座３とを有し、弁体２はダ
イヤフラム４に連結される。ダイヤフラム４は駆
動室５を規定し、圧力設定ばね６はダイヤフラム
４を弁体２の開度が大となる方向に弾発的に付勢
する。駆動室５は供給管１の２次側に連通されて
おり、この駆動室５内の圧力と圧力設定ばね６の
ばね力とがバランスし、それによつて弁体２の開
度が制御される。このような自力式制御弁におい
て、圧力設定ばね６のばね力を調整するために
は、自力式減圧弁が設けられた場所に人が赴いて
ばね力を変更しなければならず、設定圧力を毎日
変更しなければならないような場合には、多大な
労力を必要とする。

本考案は上述の技術的課題を解決し、圧力設定
ばねのばね力を遠隔操作によつて、またはタイマ
等を利用して自動的に変更することができる自力
式減圧弁を提供することを目的とする。

本考案は、 (a) 流体の供給管１０の途中に介在される減圧弁
１２であつて、弁体１４が弁座１５に対して一
方向（第２図の下方）に変位することによつて
開度が大きくなり、前記一方向とは逆である他
方向（第２図の上方）に変位することによつて
開度が小さくなるように構成され、 （a1） 弁体１４に固定されるダイヤフラム
１７と、 （a2） ダイヤフラム１７によつて規定され、
内圧の上昇によつて弁体１４が前記他方向
（第２図の上方）に変位し、供給管１０の２
次側に管路２７を介して連結されるダイヤフ
ラム室１６と、 （a3） 補助ダイヤフラム２０と、 （a4） 補助ダイヤフラム２０によつて規定
され、内圧の上昇によつて前記一方向（第２
図の下方）に変位し、供給管１０の１次側と
２次側とに連結される受圧室１９と、 （a5） ダイヤフラム１７と補助ダイヤフラ
ム２０とは、大気に臨んでおり、さらに、 （a6） ダイヤフラム１７と補助ダイヤフラ
ム２０とに連結される圧力設定ばね１８と、 （a7） 補助ダイヤフラム２０の変位量を制
限する手段２１，２２，２３とを含む、その
ような減圧弁１２と、 (b) 供給管１０の１次側と受圧室１９との間の管
路２４の途中に介在される電磁弁２５と、 (c) 供給管１０の流量が小さい時間帯に電磁弁２
５を閉じ、その流量が大きい時間帯に電磁弁２
５を開くタイマ２６と、 (d) 供給管１０の２次側と受圧室１９との間の管
路２９の途中に介在される絞り２８とを含み、 (e) ダイヤフラム１７のダイヤフラム室１６に臨
む受圧面は、補助ダイヤフラム２０の受圧室１
９に臨む受圧面よりも、第２図および第４図に
明らかなように大きく形成されていることを特
徴とする自力式減圧弁である。

以下、図面によつて本考案の実施例を説明す
る。

第２図は本考案の一実施例の系統図である。流
体たとえば都市ガスの供給管１０の途中には減圧
弁１２が介在されており、この減圧弁１２は制御
手段１３の働きによつて第３図の実線で示す制御
パターンに応じて制御される。減圧弁１２は弁体
１４と弁座１５とを有し、弁体１４は減圧弁１２
の駆動部１２ａによつて駆動される。

第４図を参照して、減圧弁１２の駆動部１２ａ
はダイヤフラム室１６を規定しかつ弁体１４が弁
棒１４ａを介して連結されるダイヤフラム１７
と、一端部がダイヤフラム１７に連結され弁体１
４が開く方向にダイヤフラム１７を弾発付勢する
圧力設定ばね１８と、圧力設定ばね１８の他端部
が連結されかつ受圧室１９を規定する受圧体とし
ての補助ダイヤフラム２０とを含む。補助ダイヤ
フラム２０は受圧室１９の圧力に応じて第４図の
上下に変位され、それに応じて圧力設定ばね１８
が伸縮してばね力が調整される。受圧室１９には
補助ダイヤフラム２０の第４図の上方への変位を
規制する阻止片２１が設けられる。また補助ダイ
ヤフラム２０には駆動部１２ａの上部を第２図の
上下に変位自在に貫通する変位棒２２が固着され
ており、駆動部１２ａの外方位置で変位棒２２の
途中には補助ダイヤフラム２０の第４図の下方へ
の変位を規制する阻止片２３が設けられる。した
がつて、補助ダイヤフラム２０は阻止片２１に当
接した上限位置と、阻止片２３が駆動部１２ａの
上部に当接した下限位置との２位置の間で変位自
在である。その補助ダイヤフラム２０の変位に応
じて圧力設定ばね１８は伸張した状態の小ばね力
と縮小した状態の大ばね力とに調整される。

受圧室１９は管路２４を介して供給管１０の１
次側に連結される。制御手段１３は管路２４の途
中に備えられる制御弁たとえば電磁弁２５と、そ
の電磁弁２５を予め定めた時間帯のパターンに応
じて開閉制御するタイマ２６とを含む。ダイヤフ
ラム室１６は管路２７を介して供給管１０の２次
側に連結される。また受圧室１９は途中に絞り２
８を備える管路２９を介して供給管１０の２次側
に連結される。

第３図を参照してタイマ２６は破線で示すガス
使用量Ｑが一日のうちで最も大となる時間帯たと
えば16時〜20時の間だけ電磁弁２５を開弁するよ
うに設定されている。都市ガスの使用量Ｑが比較
的小である時間帯たとえば０時〜16時においては
電磁弁２５は閉弁されている。この場合には受圧
室１９内には管路２９を介して２次側の圧力が作
用している。しかも、ダイヤフラム室１６内には
管路２７を介して２次側の圧力が作用しているの
で、補助ダイヤフラム２０は圧力設定ばね１８の
ばね力によつて阻止片２１に当接するまで上方に
変位されており、圧力設定ばね１８は伸張してい
る。したがつてばね力は比較的低く抑えられる。
そのため２次圧が第３図の実線で示すごとく比較
的低い値P_2aに保たれる。

都市ガスの使用量Ｑが比較的大となる時間帯、
たとえば第３図に示すごとき16時〜20時において
はタイマ２６の働きによつて電磁弁２５が開弁さ
れる。そのため受圧室１９には管路２４を介して
１次側の圧力が作用し、補助ダイヤフラム２０は
阻止片１３が駆動部１２ａの上部に当接するまで
下方に変位される。それによつて圧力設定ばね１
８が縮小され、応じて圧力設定ばね１８のばね力
が増大され、このため２次圧が第３図に示すごと
く比較的高い値P_2bに保たれる。

なお、電磁弁２５の開弁時において、供給管１
０の１次側は管路２９を介して２次側に連通して
いるが、管路２９の途中には絞り２８が設けられ
ているので、減圧弁１２をパイパスして２次側に
流れる都市ガスは、ごく小量に抑えられ、しかも
この時間帯の流量は大であるので、これによる悪
影響はない。

都市ガス使用量Ｑが比較的大なる時間帯16時〜
20時を経過したときには、電磁弁２５は閉弁され
る。このとき受圧室１９内に作用していた１次側
の圧力は絞り２８を備える管路２９を介して２次
側に抜け、受圧室１９内には２次側の圧力が作用
するようになる。それによつて、前述と同様にし
て、２次圧が比較的低い値P_2aに保たれる。

なお、２次圧力P_2a，P_2bは圧力設定ばね１８の
ばね力によつて定まるので補助ダイヤフラム２０
の上限位置および下限位置によつて調整される。
したがつて阻止片２１の突出長さおよび阻止片２
３の位置を調整することによつて２次圧P_2a，P_2b
を適宜定めることができる。

またタイマ２６は第３図のごとき制御パターン
に限定されず、都市ガスの使用状態に応じて１週
間あるいは10日などの一定期間において定められ
た所定の時間帯に電磁弁２５を開弁するように設
定しておけばよい。

上述のごとく本考案によれば、受圧室に流体を
供給して大小の圧力を作用させて受圧体を変位さ
せ、それによつて圧力設定ばねのばね力を調整す
るようにしたので、減圧弁が設けられた現場に赴
がなくてもタイマ２６によつて自動的に圧力設定
ばね１８のばね力を変更することができる。

また補助ダイヤフラム２０の変位量を制限する
手段２１，２２，２３を設けることによつて、２
次圧P_2a，P_2bを希望する値に定めることが可能で
ある。

絞り２８を介して、受圧室１９を２次側に接続
しているので、電磁弁２５が開いているときに、
この絞り２８を介して２次側に流れる流量をわず
かに抑えることができ、悪影響を防ぐことができ
る。

さらにまた、ダイヤフラム１７のダイヤフラム
室１６に臨む受圧面は、補助ダイヤフラム２０の
受圧室１９に臨む受圧面よりも大きい。したがつ
て、圧力設定ばね１８の端部を支持する補助ダイ
ヤフラム２０の変位を、制限手段２１，２２，２
３によつて確実に制限して、２次圧を安定に維持
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自力式減圧弁の簡略化した断面
図、第２図は本考案の一実施例の系統図、第３図
は第２図の自力式減圧弁の制御パターンを示す
図、第４図は駆動部１２ａの拡大断面図である。 １０……供給管、１４……弁体、１７……ダイ
ヤフラム、１８……圧力設定ばね、１９……受圧
室、２０……補助ダイヤフラム、１３……制御手
段、２１，２３……阻止片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 流体の供給管１０の途中に介在される減圧弁
   １２であつて、弁体１４が弁座１５に対して一
   方向に変位することによつて開度が大きくな
   り、前記一方向とは逆である他方向に変位する
   ことによつて開度が小さくなるように構成さ
   れ、 （a1） 弁体１４に固定されるダイヤフラム
   １７と、 （a2） ダイヤフラム１７によつて規定され、
   内圧の上昇によつて弁体１４が前記他方向に
   変位し、供給管１０の２次側に連結されるダ
   イヤフラム室１６と、 （a3） 補助ダイヤフラム２０と、 （a4） 補助ダイヤフラム２０によつて規定
   され、内圧の上昇によつて前記一方向に変位
   し、供給管１０の１次側と２次側とに連結さ
   れる受圧室１９と、 （a5） ダイヤフラム１７と補助ダイヤフラ
   ム２０とは、大気に臨んでおり、さらに （a6） ダイヤフラム１７と補助ダイヤフラ
   ム２０とに連結される圧力設定ばね１８と、 （a7） 補助ダイヤフラム２０の変位量を制
   限する手段２１，２２，２３とを含む、その
   ような減圧弁１２と、 (b) 供給管１０の１次側と受圧室１９との間に介
   在される電磁弁２５と、 (c) 供給管１０の流量が小さい時間帯に電磁弁２
   ５を閉じ、その流量が大きい時間帯に電磁弁２
   ５を開くタイマ２６と、 (d) 供給管１０の２次側と受圧室１９との間に介
   在される絞り２８とを含み、 (e) ダイヤフラム１７のダイヤフラム室１６に臨
   む受圧面は、補助ダイヤフラム２０の受圧室１
   ９に臨む受圧面よりも大きく形成されているこ
   とを特徴とする自力式減圧弁。