JPS63243296A - 伝熱管の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、熱交換器の蒸発管や凝縮管あるいはヒートパ
イプなどの伝熱管の製造方法に関する。

「従来の技術」 上記の蒸発管や凝縮管およびヒートパイプは、いずれも
管内に封入された熱媒体を管内外の温度差により相変態
（気体−一液体）させ、さらにこの媒体を管の長手方向
に移送して伝熱を行なうものである。

例えばヒートパイプは、減圧した金属管内に水またはア
ルコールなどの液体を封入したもので、パイプの一端部
を加熱すると液体が沸騰し、その蒸気が他端部（放熱部
）に流れて凝縮し、この液体が管の内面を伝わって再び
加熱部に戻るように設計されており、この還流作用を高
めるため管内面にウィックと呼ばれる構造体を形成して
いる。したがって、ヒートパイプにおいて伝熱性能を向
上させるためには、（イ）管内外の伝熱性能、（ロ）管
内面での沸騰あるいは凝縮を促進させる性能、（ハ）管
の長手方向に媒体（特に液体）を移送する性能、を向上
させたウィックを形成することが要求される。

この種の伝熱管の改良として、本出願人は先に、特願昭
６０−２５２３５８号において第８図に示すようなもの
を提案した。

この伝熱管は、金属製管体ｌの内面に、開口部が相対的
に狭められた多数の有底円筒状の凹所２・・を有する多
孔質めっき層３を形成したことを持徴とするもので、前
記凹所２・・・により、管体！の内面の伝熱面積を増大
させて前記（イ）の性能を向上するとともに、気泡発生
のための核生成を促して核沸騰を促進させて前記（ロ）
の性能を向上させ、熱輸送能力の向上を図ったしのであ
る。

「発明が解決しようとする問題点」 ところが、上記のような伝熱管においては、隣接してい
る凹所２同士がそれぞれ独立している割合が高いため、
この伝熱管を凝縮管やヒートバイブの凝縮部として使用
した場合には凝縮した液体が凹所２・・・に溜まったま
ま排出されにくく、液体の移送速度が小さいという問題
があった。

そこで、めっき前の管体内面にマスキング剤を筋状に塗
布したり、めっき後の管体の内面に溝を転造するしたり
することにより、前記多孔質めっき層３に管体１の長手
方向に連続する溝を形成し、この溝を通じて液体を移送
することも考えられている。しかし、この種の伝熱管は
、例えば内径がｌｃＲ程度と小さいうえ、数１０ｃｍ〜
数Ｒ程度の長さを存するため、その全長に亙ってマスキ
ング剤を筋状に塗布することは困難であり、加工コスト
が著しく高くついて製品として採算がとれないという問
題があった。また、溝を転造する方法は、めっき層が一
部剥離するおそれがあるため望ましくない。

「問題点を解決するための手段」 本発明は上記の問題点を解決するためになされたしので
、金属製の管体内に、非導電性の線材を前記管体の内径
よりも径の細い螺旋状に変形して挿入し、この線材の螺
旋の直径を拡大させて線材を管体内面に固定した後、前
記線材が接触している部分を除く管体内面にめっき層を
形成することを特徴とする。

「実施例」 以下、図面を参照して本発明の伝熱管製造方法の一実施
例を工程順に説明する。

まず始めに、所望の管体（１０）の内面に、シリコンオ
イル等の疎水性物質をエタノール等の揮発性溶剤で希釈
したものを塗布し、溶剤を蒸発させて疎水性薄膜を形成
する。この疎水性薄膜の厚さは０．１〜５μ肩であるこ
とか好ましく、０．１μ次以下では凹所の生成が少なく
なり、他方５μｌを超えると絶縁性が高くなりすぎて均
一な多孔質めっき層が得られなくなる。

次に、第１図のように、少なくとも表面が不導体で構成
された可撓性を有矛ろ線材１１（例えば２ＸＸφテトラ
フルオロエチレン製ワイヤ）の一端を、管体１０よりも
細く長い棒１２（例えば４〜６■φ）の一端に固定し、
この棒１２を回転させて一部ピッチ（例えば８ｉｍ）で
線材１１を巻き、端部を棒１２に固定する。なお、ここ
で螺旋状に巻かれた線材１１の外径は、管体１０の内径
よりも小さくなるようにしておく。また、線材１１の太
さは、線材ＩＩの弾力および形成・すべき溝の幅に基づ
いて決定することが望ましい。

次いで、線材１１が巻回された棒１２を管体１０内に挿
入し、線材１１の一端部を棒Ｉ２から取り外す。すると
、線Ｕｔｔはその弾力で端部がらほぐれていき、第２図
のように螺旋の径が大きくなって管体１０の内面に接触
する。そうしたら、線材１１の他端部を棒から取り外し
、これら端部をそれぞれ管体ＩＯの端部に固定して、棒
Ｉ２を管体１０から抜き取る。

次に、このようにして線材１１か固定された管体１０を
、第３図に示すようなめっき装置にセットする。この装
置は、Ｔ　ｉ　−Ｐ　を製などの不溶性の陽極ワイヤ１
３を管体１０の軸線に沿って張力をかけて張り渡し、硫
酸銅めっき液を貯留する貯槽１４、めっき液を加圧する
ケミカルポンプＩ５、フィルタ１６、ならびに流量計１
７を設けたものであり、この貯槽１４でめっきによる銅
イオンの減少を塩基性炭酸銅を添加して補いつつ、管体
１０を通してめっき液を指環させる構成となっている。

そして、前記陽極ワイヤ１３と管体１０との間に、断続
電流、通常のパルス電流またはＰＲ主電流のパルス電流
を適宜使い分けて通電する。すると、めっき液中の水が
電気分解されて陽極ワイヤ１３から酸素ガスが発生し、
この酸素ガスの一部が陰極である管体ｌＯの内面に塗布
された疎水性薄膜に付着する。そしてさらに、線材１１
が接触している部分を除く内面に、上記気泡を包み込む
ような形で析出金属が成長し、多孔質めっき層１８（第
４図参照）が形成される。なお、めっきの際の陽極電流
密度は２ＧＡ／ｄｍ２以上であることが必要で、それ以
下では酸素ガスの発生が不十分となる。

やがて、多孔質めっき層１８が所定の厚さに達したら、
前記めっき装置から管体１０を取り外し、さらに管体ｌ
Ｏから線［１１を引き出しんのち、適当な溶剤で十分に
洗浄して、伝熱管を得る。

こうして得られた伝熱管においては、第４図に示すよう
に多孔質めっき層１８に管体ｌＯの長手方向に連続する
螺旋状のＷｉｔ　１９が形成されているため、この伝熱
管をヒートパイプの凝縮部や凝縮管として使用した場合
には、めっき層１８の表面で凝縮した液体が溝１９に流
れ込み、その毛細管力によって効率良く管体ｌＯの長手
方向に移送される。したがって、液体の排出性および移
送速度を向上し、伝熱管の熱輸送能力を格段に増大させ
ることか可能である。なお、第５図および第６図は上記
の方法で製造された伝熱管と従来の伝熱管の性能を比較
したもので、第５図は蒸発管として使用した場合の伝熱
係数のグラフ、第６図は凝縮管として使用した場合の伝
熱係数を示すグラフであり、符号Ａは前述の方法により
得られたもの、Ｂは金属管の内面に溝を転造しただけの
もの、Ｃは単なる金属管の性能を示している。また、第
６図における符号りは、金属管の内面にＡと同じ多孔質
めっき層を形成した溝無しのものである。これらグラフ
から明らかなように、本発明の方法により得られた伝熱
管は、蒸発性能と凝縮性能のいずれにおいても従来のも
のより浸れている。

以上の伝熱管製造方法によれば、棒１２に巻いた線材１
１を管体ｌＯ内でほぐすという簡単な操作により、従来
は困難であった管体ｌＯ内面の筋状マスキングが容易に
行なえるので、溝１９を有する伝熱特性の優れた伝熱管
を高い生産性および安いコストで製造することが可能で
ある。

なお、前記の方法では、線材１１を棒１２に巻き、後で
俸１２を引き抜いていたが、その代わりに、線材Ｉ＋を
陽極ワイヤ１３に直接巻回することにより、面記引き抜
き工程を省略することもできる。

また、線材として形状記憶合金を用いた第７図のような
方法も実施可能である。まず、樹脂コーティングした形
状記憶合金製の線材２０を、管体１０の内径よりも大き
な外径をなす螺旋状に巻回して形状を記憶させたあと、
合金の変態温度以下でこの螺旋状線材２０を引きのばし
、管体ｌＯの内径よりも細い径の螺旋状に変形させる。

次いで、この線材２０を管体ｌＯに挿入して一端を管体
ｌＯの端部に治具２１で固定し、この治具２１側から他
端側にかけてヒータ２２で管体ｌＯを加熱し、線材２０
を順に拡径させて管体１０の内面に固定する。この方法
によれば、前記の方法よりも線材２０を管体ｌＯに強固
に固定することができる。

また、めっき終了後に線材２０を引き抜くと、この線材
２０がすぐに次の伝熱管製造に使用可能なので、前述の
方法のように線材１１を巻き直す手間が要らず、その分
、生産性を向上させることができる。

また、管体１０の内面に形成されるめっき層は前記実施
例のような多孔質めっき層１８のみに限られるものでは
なく、必要に応じて、多孔質ではない通常のめっき層、
樹枝状めっき層、粒状めっき層等とすることもでき、必
要に応じては無電解めっき法を用いることも可能である
。

「発明の効果」 本発明の伝熱管の製造方法においては、金属製の管体内
に、非導電性の線材を径の細い螺旋状に変形して挿入し
、この螺旋状線材を管体内で拡径させて管体内面に固定
するという簡単な操作により、従来は困難であった管体
内面の筋状マスキングを容易に行なうことかできるので
、内面に溝を有する伝熱性能の優れた伝熱管を効率良く
製造することが可能で、製造コストの低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の一実施例の伝熱管製造方
法を示すもので、第１図は線材を棒に巻回した状態の平
面図、第２図は線材を管体内に固定した状態の平面図、
第３図は使用しためっき装置の概略図である。また、第
４図は同方法により製造された伝熱管の内面性状を示す
断面図、第５図および第６図は同伝熱管の性能を示すグ
ラフ、第７図は本発明の他の実施例の製造方法を示す説
明図、第８図は従来の伝熱管の内面性状を示す断面の拡
大図である。 １０・・・金属製管体、　　１１・・・線材、Ｉ２・・
・棒、　　　　　　１３・・・陽極ワイヤ、Ｉ４・・・
貯槽、　　　　　Ｉ５・・・ケミカルポンプ、１８・・
・多孔質めっき層、　　１９・・・溝、２０・・・形状
記憶合金製線材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 金属製の管体内に、非導電性の線材を前記管体の内径よ
   りも径の細い螺旋状に変形して挿入し、この線材の螺旋
   の直径を拡大させて線材を管体内面に固定した後、前記
   線材が接触している部分を除く管体内面にめっき層を形
   成することを特徴とする伝熱管の製造方法。