JPS6319725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はバーナの燃焼を電気的に制御せしめた
風呂釜等の燃焼制御装置に係わるものである。

（従来の技術と問題点） 従来のこの種燃焼制御装置の点消火操作用スイ
ツチとしてはON位置で点火位置、OFF位置で消
火位置となるスライドスイツチや波動スイツチ等
を用いているが、自己復帰型のスイツチを点火用
と消火用とに兼用させ、このスイツチの反覆押圧
操作で給電用トランジスタを導通あるいは遮断す
るようにすれば操作装置の構成が簡単となり又操
作も容易となる。しかしながら操作が容易となる
関係で短時間に消火操作と点火操作を行うことが
出来、その際操作間隔が短かいと炎検出回路が初
期状態に復帰しないまま通常この種制御回路に設
けられるプリチエツク回路によるプリチエツク動
作が行われることになり、従つて回路素子は正常
にも拘らず導通破壊と判断されて安全動作し、点
火が行えない問題が生じる。

（問題点を解決するための手段） 本考案はかかる問題点を解決して動作の安定
な、又操作の容易な燃焼制御回路の提供を目的と
し、その為に本考案では自己復帰型スイツチの反
復押圧操作で電源ラインに接続したトランジスタ
を通断せしめてプリチエツク回路、バーナ制御回
路への給電を制御する点火回路を設けたものにお
いて、該点火回路は上記スイツチの押圧時充電さ
れる第１のコンデンサーと、該コンデンサーの電
荷電圧が第１の設定値になれば導通するスイツチ
素子を介して導通電圧が与えられ、上記トランジ
スタを導通せしめる自己保持型のスイツチ回路
と、上記トランジスタの導通時に通電される第２
のコンデンサーを含む充電回路と、前記スイツチ
素子と直列にかつ第１のコンデンサーと並列接続
され第１のコンデンサーの電荷電圧を第１の設定
値より小なる第２の設定値以下に降圧する抵抗
と、第１のコンデンサーの電荷電圧が第２の設定
値になれば導通するトランジスタと、このトラン
ジスタを第２のコンデンサーとスイツチ回路に接
続した放電路とからなり、第２のコンデンサーの
放電によりスイツチ回路に逆パイアス電圧を与え
た構成としている。

（作用） スイツチの押圧操作で第１のコンデンサーの充
電が行われ、第１のコンデンサーの電荷電圧が第
１の設定値になればスイツチ素子が導通して自己
保持型のスイツチ回路が作動し、プリチエツク回
路、バーナ制御回路への給電を制御するトランジ
スタを導通させる。又かかるスイツチ素子の導通
により第１のコンデンサーの電荷電圧は第２の設
定値以下に降圧されると共に上記トランジスタ導
通により第２のコンデンサーに充電が行われる。
再度スイツチを押圧すると第１のコンデンサーの
充電が再度行われ、第１のコンデンサーの電荷電
圧が第２の設定値になると第２のコンデンサーの
放電路を形成するトランジスタが導通する。この
第２のコンデンサーの放電によりスイツチ回路は
逆バイアス電圧が与えられて遮断され、かかる第
２のコンデンサーの放電時間内は再度スイツチを
押圧してもトランジスタは導通せず、点火は行わ
れない。

（実施例） 以下本考案を図示の一実施例に基づいて具体的
に説明すると、１は浴室２外に設置した風呂釜
で、風呂釜１内には浴槽３と上下循環パイプ４，
５を介して連通した熱交換器６、熱交換器６を加
熱するバーナ７、バーナ７に近設した炎検出器
８、点火器９を有する。又バーナ７に至るガス供
給路１０には元電磁弁１１、主電磁弁１２を設け
てある。そしてこれら電磁弁１１，１２並びに点
火器９は風呂釜１内に設置した制御器１３に制御
される。１４はプラグ、１５は浴室２内に設けた
遠隔操作装置である。

第２図は本考案の電気回路図を示し、プラグ１
４により供給された電源と直列に後述するバーナ
制御回路１６により開閉される接点１７を介して
元電磁弁１１、主電磁弁１２、同じく制御回路１
６により開閉される常閉接点１８を直列接続した
イグナイター１９の並列回路を接続してある。そ
して24Vの降圧トランス２０の二次側には整流器
２１、電源スイツチ２２を介設してある。２３は
本考案に係わる点火回路で、自己復帰型のスイツ
チ２４の押圧閉成操作で電源ラインにエミツタ、
コレクタを接続したPNP型のトランジスタ２５
を導通あるいは遮断せしめるものである。２６は
トランジスタ２５の後段の電源ラインより給電さ
れる安全動作回路、２７はプリチエツク回路、２
９はフレームロツドを炎検出器８として用いた炎
検出回路である。尚安全動作回路２６は給電され
て作動するCRタイマーを有し、タイムアツプ時
にキープリレーが作動して電源ラインに接続した
スイツチ３０を開成するものである。そしてプリ
チエツク回路２７は給電が行われると一定時間バ
ーナ制御回路１６の作動を停止せしめ、その間後
述するトランジスタ３１の導通破壊をチエツクす
るもので、異常時には安全動作回路２６に動作信
号を送るものである。炎検出回路２９は炎検出器
８の炎不検出時には比較器３２の出力が高く、炎
検出時には出力が低くなるよう回路構成してあ
る。そして該比較器３２の出力端子にPNP型ト
ランジスタ３１のベースを接続し、該トランジス
タ３１のコレクタはバーナ制御回路１６並びに安
全動作回路２６に接続してあり、炎検出時に両回
路に検出信号を送るようにしてある。バーナ制御
回路１６は給電が行われ、プリチエツクが終了す
るとリレーが作動して接点１７を閉じ、炎検出回
路２９から炎信号を受けて接点１８を開きイグナ
イター１９の停止を行うようにしてある。次に点
火回路について説明するとスイツチ２４の閉成に
より抵抗３３を介して充電される第１のコンデン
サー３４と該コンデンサー３４の電荷電圧が第１
の設定値（約8V）以上になると自己保持状態で
導通する例えば双方向性トランジスタ等のスイツ
チ素子３５と第２の設定値（約3V）以上で導通
するツエナダイオード３６を介して導通電圧が与
えられる自己保持型のスイツチ回路３７を有し、
該スイツチ回路の導通で前記トランジスタ２５が
導通するように該トランジスタ２５のベースをス
イツチ回路３７と接続してある。３８はスイツチ
素子３５とツエナダイオード３６との接続点より
第１のコンデンサー３４と並列に接続した抵抗
で、該抵抗３８により第１のコンデンサー３４の
電荷電圧を第２の設定電圧以下に制御するもので
ある。３９はトランジスタ２５の後段の電源ライ
ンより抵抗４０、第２のコンデンサー４１を有し
てスイツチ回路３７に接続した充電回路である。
又前記第１のコンデンサー３４の正極と第２の設
定値以上の電圧で導通するツエナダイオード４２
を介してベースを接続したトランジスタ４３を設
け、該トランジスタ４３のコレクタは充電回路３
９の抵抗４０と第２のコンデンサー４１間と抵抗
４７を介して接続し、エミツタはアースラインに
接続し、該トランジスタ４３の導通時に第２のコ
ンデンサー４１の電荷放電を行ないスイツチ回路
３７に逆バイアス電圧を与えるようにしてある。
尚スイツチ回路３７は本実施例ではNPN型のト
ランジスタ４４とPNP型トランジスタ４５を組
合せ、又トランジスタ４４のベースアース間の抵
抗４６を前記充電回路３９と接続しているが
SCRを用いて構成してもよいものである。

以上の構成における作用は以下の通りである。

(1) 制御回路全体の作用 風呂釜の加熱を行うには電源スイツチ２２を閉
成してスイツチ２４を押圧する。すると後述する
点火回路２３の作用によりトランジスタ２５は導
通して安全動作回路２６、プリチエツク回路２
７、バーナ制御回路１６、炎検出回路２９に給電
が行なわれる。そしてプリチエツク回路２７が点
火に先立ち例えばトランジスタ３１の導通破壊を
チエツクし、異常がなければバーナ制御回路１６
が作動して先ず接点１７を閉じて元電磁弁１１、
主電磁弁１２、イグナイター１９に通電を行ない
バーナ７の点火を行う。そして炎検出器８がこの
点火を検出すると比較器３２の出力電位は低状態
に反転してトランジスタ３１が導通し、該トラン
ジスタ３１の導通により炎検出信号がバーナ制御
回路１６に送られて制御回路１６内のフレームリ
レー（図示せず）が作動して接点１８を開きイグ
ナイター１９の点火動作を停止せしめる。又炎検
出信号が安全動作回路２６にも送られることによ
り該回路内のCRタイマーがリセツトされ、以後
定常燃焼が行われるのである。そしてバーナ７の
消火を行うには再度スイツチ２４を押圧すれば点
火回路２３の作用によりトランジスタ２５が遮断
されてバーナ制御回路１６への給電が断たれ、接
点１７が開かれてバーナ７が消火する。

(2) 点火回路の作用 (a) 点火時 点火操作としてスイツチ２４を押圧すると抵抗
３３を介して第１のコンデンサー３４に充電が行
われ、この充電により第１のコンデンサー３４の
電荷電圧が第１の設定値（約8V）以上に達する
とスイツチ素子３５、ツエナダイオード３６が導
通してトランジスタ４４のベースに電圧が印加さ
れ、トランジスタ４４の導通によりトランジスタ
４５が導通して、両トランジスタ４４、４５は導
通状態に自己保持し、スイツチ回路３７は導通す
るのであり、それ故トランジスタ２５は該スイツ
チ回路３７により導通制御されるのである。この
ようにトランジスタ２５が導通した時点でスイツ
チ２４の押圧を解除してもトランジスタ２５のベ
ース電流がスイツチ回路３７のトランジスタ４５
を介してトランジスタ４４のベース回路に流れる
ことでトランジスタ２５の導通状態は保持され
る。又上記スイツチ素子３５の導通により第１の
コンデンサー３４の電荷電圧は並列接続した抵抗
３８により抵抗３３と３８の分圧となり、第２の
設定値以下に降圧制御されるのでトランジスタ４
３は遮断状態にあり、前記トランジスタ２５の導
通で充電回路３９から抵抗４６に電流が流れ、第
２のコンデンサー４１に充電が行われる。尚スイ
ツチ素子３５はスイツチ２４の押圧解除後も第１
のコンデンサー３４から抵抗３８を介しての放
電々流により或る時間導通保持されるが、第１の
コンデンサー３４の放電々流の減少によりやがて
遮断状態となる。

(b) 消火時 消火を行う為にスイツチ２４を再度押圧すると
抵抗３３を介して第１のコンデンサー３４に充電
が行われ、第１のコンデンサー３４の電荷電圧が
第２の設定値以上に充電された時トランジスタ４
３は導通し、充電回路３９の第２のコンデンサー
４１の電荷がコンデンサー４１→抵抗４７→トラ
ンジスタ４３→スイツチ回路３７（トランジスタ
４４のベースアース間の抵抗４６）→コンデンサ
ー４１の経路で放電され、スイツチ回路３７に逆
バイアス電圧をかけてスイツチ回路３７を遮断
し、トランジスタ２５を遮断せしめるのである。

(c) 再点火時 上記消火操作後瞬時にスイツチ２４を押圧して
も、第２のコンデンサー４１が充電状態にある限
りスイツチ素子３５より先にトランジスタ４３が
導通してスイツチ回路３７に逆バイアス電圧を与
えるのでスイツチ回路３７が導通することはな
い。つまり第２のコンデンサー４１の放電が略完
了するまでは再点火は行われないのである。従つ
て本考案によれば消火操作を行つた場合一定時間
スイツチ回路３７の導通を禁止するものであるか
ら該操作後の一定時間に炎検出回路２９は初期状
態に復帰、即ちトランジスタ３１は遮断状態に復
帰するので再度点火操作が行われてプリチエツク
回路２７への給電が行われても安全動作すること
はなくなるのである。

（考案の効果） 本考案によればバーナの点火並びに消火操作が
極めて簡単に行え、しかも短時間にスイツチ反覆
操作することにより生じていた問題もなくなり、
操作は確実に行える。

しかも本考案の点火回路では給電を制御する機
能と給電の遅延機能を併せ持たせたものであり、
制御回路の部品点数は少なく、回路構成も極めて
簡素化される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、
第２図は電気回路図である。 １６……バーナ制御回路、２３……点火回路、
２４……スイツチ、２７……プリチエツク回路、
３４……第１のコンデンサー、３７……スイツチ
回路、３９……充電回路、４１……第２のコンデ
ンサー、４３……トランジスタ、４７……抵抗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自己復帰型スイツチの反復押圧操作で電源ライ
   ンに接続したトランジスタを通断せしめてプリチ
   エツク回路、バーナ制御回路への給電を制御する
   点火回路を設けたものにおいて、該点火回路は上
   記スイツチの押圧時充電される第１のコンデンサ
   ーと、該コンデンサーの電荷電圧が第１の設定値
   になれば導通するスイツチ素子を介して導通電圧
   が与えられ、上記トランジスタを導通せしめる自
   己保持型のスイツチ回路と、上記トランジスタの
   導通時に通電される第２のコンデンサーを含む充
   電回路と、前記スイツチ素子と直列にかつ第１の
   コンデンサーと並列接続され第１のコンデンサー
   の電荷電圧を第１の設定値より小なる第２の設定
   値以下に降圧する抵抗と、第１のコンデンサーの
   電荷電圧が第２の設定値になれば導通するトラン
   ジスタと、このトランジスタを第２のコンデンサ
   ーとスイツチ回路に接続した放電路とからなり、
   第２のコンデンサーの放電によりスイツチ回路に
   逆パイアス電圧を与えたことを特徴とする燃焼制
   御装置。