JPS6319594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、密閉ケース内に圧縮機体およびこれ
を駆動する電動機を密接固定する形式の密閉形回
転圧縮機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の密閉形回転圧縮機は、第１図に示
すように同一板厚の円筒状の密閉ケース１′内に
外径寸法を略同一に形成した圧縮機体２′および
電動機３′を圧入あるいは焼ばめ等で強固に固定
している。しかし、このような固定で圧入あるい
は焼ばめによつて圧縮機体２′を内方へ変形する
力が働き、圧縮機体２′に不定形な歪を発生させ
る欠点を有していた。

考案の目的 そこで本考案は上記欠点をなくするために、圧
縮機体に生じる不安定な歪を少なくすることを目
的としたものである。

考案の構成 この目的を達成するため本考案は、密閉ケース
を厚肉部とうす肉部とで構成し、前記厚肉部で電
動機を固定し、うす肉部で圧縮機体を固定するこ
とによつて、圧縮機体に及ぼす変形力を小さくし
たものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を添付図面に従い説明す
る。

第２図〜３図は密閉形回転圧縮機を示し、密閉
ケース１と、このケース１内に密接固定された圧
縮機体２及び電動機３より成る。密閉ケース１は
円筒状ケース１ａと、この円筒状ケース１ａの上
下に嵌合した上部ケース６と下部ケース７より成
る。そして、上記円筒状ケース１ａは厚肉部４と
うす肉部５より構成されており、厚肉部４には電
動機３の固定子８を、うす肉部５には圧縮機体２
を圧入あるいは焼ばめ等で強固に固着する。固定
子８内にはエアギヤツプを介して回転子９を設
け、この回転子９には回転軸１０が取付けられて
いる。

圧縮機体２は回転軸１０の下端に形成されたク
ランク部（図示せず）に回転自在に嵌合したロー
ラ（図示せず）およびシリンダ体１１により構成
され、そのシリンダ体１１上下開口を回転軸１０
の軸受を兼ねる上蓋体１２および下蓋体１３で密
閉する。シリンダ体１１にはその外周に固定部１
４を形成するとともに、クランク部およびローラ
を収容する円筒状のシリンダ（図示せず）を形成
し、このシリンダを常時スプリングで付勢され端
部がローラの外周面に当接されたブレードによつ
て低圧室と高圧室とに区画し、冷媒ガスを吸入、
圧縮する周知の密閉形回転圧縮機を構成してい
る。

上記構成において、電動機３と圧縮機体２は密
閉ケース１によつて固定されるが、電動機３を固
定する部分が厚肉部５であるのに比較して圧縮機
体２を固定しているのはうす肉部５であるので、
圧縮機体２を内方へ変形させる力は電動機２を内
方へ変形させる力に比較して小さくなる。

従つて、圧縮機体２を内方へ変形させる力が小
さいことは、圧縮機体２に生じる不定形な歪が小
さくなることであり、該圧縮機体２の精度を維持
することができる。

なお、前記実施例では電動機を上方に、圧縮機
体をその下方に配置する縦型回転圧縮機について
説明したが、本考案はこれに限定されることな
く、横型回転圧縮機にも適用できることは勿論で
ある。

考案の効果 以上の説明からも明らかなように本考案は、密
閉ケースを厚肉部とうす肉部とで構成し、前記厚
肉部で電動機を固定し、うす肉部で圧縮機体を固
定することによつて、圧縮機体を内方へ変形する
力が弱められ、圧縮機体に生じる不定形な歪が小
さくなり、該圧縮機体の精度維持に効果が得られ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の密閉形回転圧縮機の断面図、第
２図は本考案の密閉形回転圧縮機の一実施例を示
す断面図、第３図は第２図Ａ部の拡大断面図であ
る。 １……密閉ケース、２……圧縮機体、３……電
動機、４……厚肉部、５……うす肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 密閉ケース内周に密接する圧縮機体および電動
   機を有し、前記密閉ケースを厚肉部とうす肉部よ
   り構成し、厚肉部で前記電動機を固定し、うす肉
   部で前記圧縮機体を固定した密閉形回転圧縮機。