JPS6318783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、微量液体供給装置、詳しくは１時間
に数ml程度の極く微量に液体を連続供給する微量
液体供給装置に関する。

従来、この種の微量液体供給装置としては、モ
ータ駆動による微量定量ポンプによるもの、ある
いは第１図に示す如く、シリンダ外筒ａ内に嵌挿
したシリンダ内筒ｂの端部に送り板ｃを固設し、
この送り板ｃにネジ杆ｄを螺合し、このネジ杆ｄ
をギヤｅを介してモータｆに連結したもの等が知
られている。

しかしながら、前述のモータ駆動による微量定
量ポンプによるものにおいては、微量定量ポンプ
毎にモータが必要であつて、特に複数の微量液体
供給装置を同時に必要とする場合、それぞれに微
量定量ポンプ及びモータを設置することは不経済
であるばかりか、微量定量ポンプによる脈動があ
るため供給量が一定にならない不具合があり、ま
た前述のネジ杆ｄによつてシリンダ内筒ｂを動か
すものにおいては、特殊のネジ杆ｄを必要とする
ものであつて、特に複数の微量液体供給装置を同
時に必要とする場合はそれぞれに特殊のネジ杆ｄ
を必要とし高価格となる不具合を有するものであ
る。

本考案は、上記事情に鑑み案出されたものであ
つて、複数、延いては複種類の液体をそれぞれ同
時に極く微量連続して正確に供給でき、かつ安価
である微量液体供給装置を提供することを目的と
するものであり、左右一対の縦ブラケツト２，
２′を並設し、この一対の縦ブラケツト２，２′の
上部間に亘つて巻取りドラム８を回転自在に横架
すると共に、中間部間に亘つて横材３を横架し、
該横材３に、複数のシリンダ外筒４を縦向きにか
つ互いに並行して設けると共に、この複数のシリ
ンダ外筒４内にそれぞれ嵌合したシリンダ内筒６
を１枚の送り板７に連結し、前記巻取りドラム８
に複数のロープ１０の一端側を巻掛けると共に、
該ロープ１０の他端側を前記送り板７に連結した
ことを特徴とするものである。

以下第２図以降を参照して本考案の実施例を説
明する。

基板１には左右１対の縦ブラケツト２，２′が
立設固定され、該左右１対の縦ブラケツト２，
２′の上下方向中間部間に亘つて上下一対の横材
３，３が並設固定してあり、この上下一対の横材
３，３間に亘つて複数のシリンダ外筒４，４…が
上下一対の押え板５，５を介して縦向に挟持司持
してある。つまり、前記横材３及び押え板５は半
円形凹部３ａ，５ａが形成され、この半円形凹部
３ａ，５ａにゴムなどの干渉材３ｂ，５ｂを介し
てシリンダ外筒４が挟持してある。

該各シリンダ外筒４内にそれぞれ摺動自在に嵌
挿した各シリンダ内筒６は、送り板７にそれぞれ
係合固着してある。

一方、前記左右一対の縦ブラケツト２，２′の
上部間に亘つてプラスチツク製の巻き取りドラム
８が、左右一対の支軸９，９′を介して回転自在
に横架支承してあり、この巻き取りドラム８に
は、２本のロープ１０，１０の一端側が巻掛けて
あると共に、各ロープ１０の他端側は前記横材３
と押え板５との〓間を通つて前記送り板７に係着
固定してある。

前記一方の支軸９′は、減速歯車群１１を介し
て一方の縦ブラケツト２′に固設したモータ１２
に連結してある。

また、前記各シリンダ外筒４の出口４ａは、小
径突起となり、その出口４ａにはビニールパイプ
等の供給管１３の一端が嵌合取付けられ、供給管
１３の他端は、それぞれ図示しないオイル試験機
などに接続連通してある。

１４は前記送り板７に固設したガイド杆であ
り、前記上下一対の横材３と押え板５との間に設
けた上下一対のガイド１５，１５に上下摺動自在
に嵌挿されて前記送り板７が前後左右に振れずに
正しく上下動するようにガイド規制している。

１６は左右一対の縦ブラケツト２，２′の下部
間に亘つて横架固設した横杆であり、この横杆１
６にはリミツトスイツチ１７が前記送り板７と相
対向して固設され、送り板７が所定の上限位置
（シリンダ内筒６のストロークエンド）となると、
送り板７がリミツトスイツチ１７に当接して信号
を発生するように構成してある。

そして、この信号は、図示しないモータ１２の
駆動電気回路に送られてモータ１２を停止するよ
うにしてある。

次に作動を説明する。

モータ１２を駆動すると巻き取りドラム８が微
速回転してロープ１０を微量巻取る。

これにより送り板７が微量上昇し、シリンダ内
筒６も微量上昇するからシリンダ外筒４内に充満
した液体が極く微量供給管１３に送り出されて図
示しないオイル試験機などに液体が極く微量一定
速度で連続供給される。

そして、シリンダ内筒６がストロークエンドに
達すると、送り板７によりリミツトスイツチ１７
がONされ、その信号によりモータ１２が停止さ
れて巻き取りドラム８が停止し液体の供給が停止
する。

このように、巻き取りドラム８を回転させるだ
けで良いから脈動などが起らずに液体を極く微量
確実に連続供給できる。

また、特殊な送りネジ杆などを用いる必要もな
いし全体の強度、剛性が必要ないから安価な合成
樹脂などで簡単に製作できてコスト安となる。

また、巻き取りドラム８を前記実施例及び第４
図に示す如く円形断面形状とすればロープ上昇速
度は一定となつて一定速度で液体を供給でき、第
６図に示す如く渦状に順次大径となる断面形状と
すれば、ロープ上昇速度は順次速くなり液体供給
速度（量）を順次速くでき、第８図に示す如く楕
円断面形状とすればロープ上昇速度は速くなつた
り遅くなつたりし液体供給速度（量）も速くなつ
たり、遅くなつたりする。

つまり、巻き取りドラム８の断面形状を異なら
せることにより液体供給量の時間の経過ととも増
減できる。

本考案は、前述のように構成されているから、
巻取りドラム８を回転することにより、複数のロ
ープ１０を介して送り板７が上昇し、この送り板
７に連結された複数のシリンダ内筒６を、横材３
に固定されたそれぞれのシリンダ外筒４に沿つて
押し込み、それぞれのシリンダ外筒４内の液体を
一斎に押出し供給できるものであり、複数のシリ
ンダ内筒６の移動は、送り板７に連結されたロー
プ１０を介して巻取りドラム８の回転によるもの
であるから、緩やかにかつスムーズに行なわれる
ものであつて、脈動が生じる惧れもなく、複種類
の液体を一斎にかつ極く微量連続して正確に供給
できるものであり、しかも複種類の液体を一斎に
供給できるにも拘らず、駆動機構としては、各シ
リンダ内筒６を連結する送り板７と複数のロープ
１０と一本の巻取りドラム８が必要なだけであつ
て、安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明図、第２図は本考案の実
施例を示す正面図、第３図は縦断面図、第４図は
巻き取りドラムの断面形状説明図、第５図はその
ロープ上昇速度を示す表図、第６図、第８図はそ
れぞれ異なる巻き取りドラムの断面形状説明図、
第７図、第９図はそれぞれのロープ上昇速度を示
す表図である。 ２，２′は縦ブラケツト、３は横材、４はシリ
ンダ外筒、６はシリンダ内筒、７は送り板、８は
巻取りドラム、１０はロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の縦ブラケツト２，２′を並設し、こ
   の一対の縦ブラケツト２，２′の上部間に亘つて
   巻取りドラム８を回転自在に横架すると共に、中
   間部間に亘つて横材３を横架し、該横材３に、複
   数のシリンダ外筒４を縦向きにかつ互いに並行し
   て設けると共に、この複数のシリンダ外筒４内に
   それぞれ嵌合したシリンダ内筒６を１枚の送り板
   ７に連結し、前記巻取りドラム８に複数のロープ
   １０の一端側を巻掛けると共に、該ロープ１０の
   他端側を前記送り板７に連結したことを特徴とす
   る微量液体供給装置。