JPS63147980A - ベ−ンポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、ベーンポンプのロータのベーン溝へ背圧を供
給する手段に関する。

［従来の技術］ ベーンポンプは、第３図および第４図に示すように、ロ
ータ１０１のベーン溝１０２内に摺動自在に配設された
ベーン１０３をカムリング１０４の内周面に当接させる
手段として、ロータ１０１を両側より挟持する一対のプ
レート１０５．１０６の少なくとも一方に、ベーン溝１
０２の底部と連通ずる背圧溝１０７を設けるとともに、
ロータ１０１の回転により吐出されたオイルなどの液体
が供給される高圧室と背圧溝１０７とを連通させ、ベー
ン溝１０２の底部に高圧室１０８の液体を導くことで行
なっていた。

この背圧溝１０７は、従来、第３図に示すように、吸入
口１０９および吐出口１１０にそれぞれ対応するように
吸入側背圧溝１１１と吐出側背圧溝１１２とに分割して
設けられている（第３図に示すものは吸入と吐出の工程
が２度行なわれるものであるため４つに分割されている
）。

吸入側背圧溝１１１は、ベーン１０３を押し上げるのに
多量の液体がベーン溝１０２の底部に流入するため、吸
入側背圧溝１１１全体が高圧室１０８と連通して設けら
れている。また、吐出側背圧溝１１２は、吐出圧に対抗
してベーン１０３をカムリング１０４に押し付けるよう
、ベーン溝１０２より吐出側背圧溝１１２内に吐出され
る液体で高圧が保たれるように、連通穴１１３を介して
高圧室１０８に連通して設けられている。

このため、ロータ１０１が回転する際のベーン溝１０２
を通過する液体の流れは、ポンプの吸入時に、高圧室１
０８、吸入側背圧溝１１１を介してベーン溝１０２内に
流入し、ポンプの吐出時に、ベーン溝１０２内より、吐
出側背圧ｉ　１１２、連通穴１１３、高圧室１０８の順
序で流出する。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来のベーンポンプは、ロータ１０１が回転すると、高
圧室１０８からベーン溝１０２を介して再び高圧室１０
８へと液体が流れるため、従来の〇−タ１０１を高速回
転化すると、この流れの流速が許容範囲を越え、ベーン
ポンプがギヤビテーシシン（空洞現象）を発生する問題
点を備えていた。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は、〇−夕を高速運転してもキャビテーションを発生し
ないベーンポンプの提供にある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は上記目的を達成するために、ハウジングと、該
ハウジングの内部に配設された筒状のカムリングと、該
カムリング内に配され、径方向に複数のベーン溝を有す
るロータと、前記ベーン溝内に連動自在に配設された複
数のベーンと、前記カムリング、および前記ベーンを含
む〇−タを両側より挟持する一対のプレートと、前記ハ
ウジングと前記一対のプレートの一方との間に設けられ
、前記ロータの回転により吐出した流体の供給を受ける
高圧室とを備え、該高圧室へ供給された液体の一部を前
記ロータのベーン溝の底部に供給し、このベーン溝の底
部に供給された液体の圧力によって前記ベーンの先端を
前記カムリングの内周面に当接するように設けたオイル
ポンプにおいて、前記一対のプレートの少なくとも一方
の前記ロータを支持する側の面に、前記ベーン溝の底部
と連通し、吸入と吐出の工程を連続した一部の背圧溝′
を形成するとともに、該背圧溝に、前記高圧室と連通さ
せる連通穴を設けたことを技術的手段とする。

［作用］ ベーンポンプは、吸入と吐出がそれぞれ別の位置で同時
に行なわれる− ぜこのため、ポンプの吐出側では、〇−夕の回転にとも
なって、ベーンの外周先端がカムリングの軌跡に追従し
、ベーンがベーン溝内に埋没する。

これにより、ベーン溝内に流入していた液体は、ベーン
溝内の容積の減少により、強制的に背圧溝内に流出され
る。

この時、吸入側では、ロータの回転にともなって、ベー
ンの外周先端がカムリングの軌跡に追従可能な状態とな
り、ベーン溝底部に液体が流入可能となる。

このため、吐出側で強制的に背圧溝内へ流出された液体
は、吸入側のベーン溝の底部に強制的に流入する。これ
により、ポンプの吸入側では、ロータの回転にともなっ
て、ベーンがロータの外周に押し出され、ベーンの外周
先端がカムリングの軌跡に追従する。

［発明の効果］ 本発明によれば、背圧室内の液体は、ロータの回転にと
もない背圧室とベーン溝内との間で巡回を繰り返すのみ
であるとともに、吐出側でベーン溝から背圧溝内に吐出
した液体が吸入側のベーン溝に供給することにより、ロ
ータを高速運転してもキャビテーションの発生を防ぐこ
とができる。

［実施例］ 次に、本発明のベーンポンプを図面に示す一実施例に基
づき説明する。

第１図および第２図はパワーステアリングの操舵倍力装
置に油圧を発生するベーンポンプの断面図を示す。

ベーンポンプ１のハウジング２の内部には、内周面にカ
ム曲線が形成された筒状のカムリング３が配設されてい
る。このカムリング３の内周には、径方向に複数のベー
ン溝４を有するロータ５が配設されている。このロータ
５の内周には、ハウジング２にベアリング６を介して回
転自在に支持された駆動軸７がスプライン嵌合されてお
り、駆動軸７の端部に締結されたプーリー８が図示しな
いエンジンの回転を受けることにより、ロータ５が回転
するように設けられている。ロータ５の複数のベーン溝
４内には、それぞれ板状のベーン９が摺動自在に保持さ
れており、ベーン溝４とベーン９との間に形成されるベ
ーン底部１０に油圧が印加されることにより、ベーン９
の外周先端が、カムリング３の内周面に当接するように
設けられている。これら、カムリング３、ロータ５、ベ
ーン９は、スラストプレート１１とプレッシャープレー
ト１２からなる一対のプレートに挟持されており、本実
施例のスラストプレート１１は、ハウジング２のりャケ
ースを兼ねるものである。

一方、カムリング３の内周面に描かれたカム曲線に従い
、カムリング３とロータ５との間には、第１図に示すよ
うに、２つの空間が形成される。

この２つの空間に面するスラストプレート１１およびプ
レッシャープレート１２の外周側の面には、カムリング
３内にオイルを導く吸入口１３と、カムリング３内より
オイルを吐出する吐出口１４とがそれぞれ１８０°対称
位置に設けられている。

吸入口１３は、カムリング３の外周位置に設けられた低
圧室１５と連通して設けられている。この低圧室１５は
、ベーンポンプ１の図示しないオイル吸入口と連通して
いる。また、吐出口１４は、ハウジング２とプレッシャ
ープレート１２の間に形成された高圧室１６と連通して
設けられている。この高圧室１６は、ハウジング２内に
設けられた図示しない定流量弁および調圧弁の流入側に
連通し、この定流量弁および調圧片で調圧された定流量
のオイルがベーンポンプの図示しないオイル吐出口より
パワーステアリングの操舵倍力装置の油圧源として吐出
する。なお、定流量弁および調圧弁で余剰とされたオイ
ルは、図示しないリターン油路を介して再び低圧室１５
に供給されるように設けられている。

プレッシャープレート１２のロータ５を支持する側の面
には、ロータ５のベーン溝４のベーン底部１０に油圧を
供給する２つの背圧溝１７．１８がベーン底部１０に沿
って、それぞれ１８０°対称位置に設けられている。こ
の背圧溝１７．１８は、第１図に示すように、一方の空
間の吐出口１４の内周位置から他方の空間の吸入口１３
に亘って連通して設けられている。そして背圧溝１７．
１８は、吸入口１３側の中間位置に、ハウジング２とプ
レッシャープレート１２の間の高圧室１６内と連通する
連通穴１９．２０が設けられている。

また、スラストプレート１１のロータ５を支持する面に
も、背圧溝１７．１８に対応した背圧溝２１、（一方は
図示しない）が設けられている。

次に上記実施例の作動を説明する。

エンジンが始動すると、図示しないブイベルトを介して
プーリー８が回転し、駆動＠７がロータ５を矢印Ａ方向
（第１図参照）に回転させる。上記に示すように、本実
施例のベーンポンプ１は、ロータ５が１回転することに
より、吸入と吐出の工程が２つの空間の２か所で行なわ
れるものである。

ここで、第１図の上半部の空間で行なわれるポンプ作動
を説明する。

ロータ５の回転にともなって、上側の吸入口１３付近の
カムリング３とロータ５との間の隙間が広がる。この時
、背圧溝１７より、ベーン底部１０にオイルが流入する
ため、ベーン９の外周側の先端がカムリング３の内周面
に摺接する。これにより、カムリング３、ロータ５、ベ
ーン９、スラストプレート１１、プレッシャープレート
１２で囲まれた空間が気密に保たれるとともに、空間の
体積が、ロータ５の回転とともに増大する。この空間の
増大に伴って、下側の吸入口１３を介して低圧室１５よ
りこの空間内にオイルが侵入し、空間内にオイルが満さ
れる。オイルの充填された空間は、ロータ５の回転に伴
い、上側の吐出口１４側へ移行し、再び空間の体積が減
少する。そして、体積が減少すると、空間内に充填され
ていたオイルが上側の吐出口１４を介して高圧室１６内
に吐出される。

一方、この上側吐出口１４側の空間の体積の減少に伴い
、ベーン９の先端がカムリング３の内接面に押圧されて
、ベーン９がベーンｉ４の内部に埋没する。すると、ベ
ーン底部１０の容積が減少し、内部のオイルが背圧溝１
８内に流出する。

この上半部でオイルの吸入、吐出が行なわれる際、下半
部も同様に、オイルの吐出、吸入が行なわれる。

下半部も、上半部同様、ロータ５の回転に伴い、下側の
吸入側でカムリング３とロータ５との間の隙間が広がる
。この時、上手部のオイル吐出時に、ベーン底部１０内
から背圧＠１８内に吐出されたオイルが、下半部のオイ
ル吸入側のベーン底部１０内に強制的に流入し、ベーン
９をカムリング３の内周面に押し付ける。これにより、
カムリング３、ロータ５、ベーン９、スラストプレート
１１、プレッシャープレート１２で囲まれた空間が気密
に保たれるとともに、ロータ５の回転に伴い、空間の体
積が増大する。この空間の増大に伴って、下側の吸入口
１３を介して低圧室１５よりこの空間内にオイルが侵入
し、空間内にオイルが満される。オイルの充填された空
間は、ロータ５の回転に伴い、下側の吐出口１４側へ移
行し、再び空間の体積が減少する。体積が減少すると、
空間内に充填されていたオイルが下側の吐出口１４を介
して高圧室１６内に吐出される。

この時、下側の吐出口１４側の空間の体積の減少に伴い
、ベーン９の先端がカムリング３の内接面に押圧されて
、ベーン９がベーン溝４の内部に埋没する。すると、ベ
ーン底部１０の容積が減少し、内部のオイルが背圧溝１
７内に流出する。

そして、背圧溝１７内に吐出されたオイルが上半部のオ
イル吸入側のベーン底部１０内に強制的に流入し、ベー
ン９をカムリング３の内周面に押し付け、以上のサイク
ルを繰り返す。

以上に足すように、背圧溝１７内のオイルは、上側の吸
入口１３付近でベーン９を押し上げてベーン底部１０内
へ流入し、上側の吐出口１４付近でベーン９に押し下げ
られて背圧溝１８内に流出し、背圧溝１８内に吐出され
たオイルは下側の吸入口１３付近でベーン９を押し上げ
てベーン底部１０内へ流入し、下側の吐出口１４付近で
ベーン９に押し下げられて背圧溝１７内に流出し、上記
を繰り返す。

このように、背圧溝１７．１８内のオイルは連通穴１９
．２０を経て流れないとともに、吐出口１４付近でベー
ン底部１０から背圧溝１７．１８内に吐出されたオイル
が吸入口１３付近のベーン底部１０に強制的に流入して
ベーン９を押し上げるため、ロータ５が高速回転を行な
ってもキャビテーションの発生を防ぐことができる。

なお、連通穴１９．２０は、背圧溝１７．１８内へのオ
イルの補充を行なうとともに、背圧溝１７．１８内の圧
力の変動を吸収するものである。

（変形例） 本発明をパワーステアリングの操舵倍力装冒に油圧を発
生するオイルポンプに適用した例を示したが、エンジン
潤滑用や、油圧制ｔＩｌ装置のオイルポンプなど、他の
オイルポンプに適用しても良い。

また、水など、他の液体のポンプに適用しても良い。

上記実施例では、背圧溝を吐出口から吸入口にに亘って
設けた例を示したが、吸入口から吐出口に亘って設けて
も良い。

カムリングの内周面にカム曲線を設け、ロータが１回転
することにより吸入と吐出の：［程が２か所で行なわれ
るベーンポンプを示したが、ロータの中心と、カムリン
グとの中心とを偏心させた偏心型のベーンポンプに本発
明を適用しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はベーンポンプの主要部分の断面図、第２図は第
１図におけるベーンポンプの吸入口と吐出口とを示す断
面図、第３図は従来のベーンポンプの主要部分の断面図
、第４図は従来のベーンポンプの断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）ハウジングと、 該ハウジングの内部に配設された筒状のカムリングと、 該カムリング内に配され、径方向に複数のベーン溝を有
   するロータと、 前記ベーン溝内に摺動自在に配設された複数のベーンと
   、 前記カムリング、および前記ベーンを含むロータを両側
   より挟持する一対のプレートと、 前記ハウジングと前記一対のプレートの一方との間に設
   けられ、前記ロータの回転により吐出した流体の供給を
   受ける高圧室とを備え、 該高圧室へ供給された液体の一部を前記ロータのベーン
   溝の底部に供給し、このベーン溝の底部に供給された液
   体の圧力によつて前記ベーンの先端を前記カムリングの
   内周面に当接するように設けたオイルポンプにおいて、 前記一対のプレートの少なくとも一方の前記ロータを支
   持する側の面に、前記ベーン溝の底部と連通し、吸入と
   吐出の工程を連続した一筋の背圧溝を形成するとともに
   、 該背圧溝に、前記高圧室と連通させる連通穴を設けたこ
   とを特徴とするベーンポンプ。 ２）前記カムリングの内周面は、前記ロータが１回転す
   ることにより、吸入と吐出の工程が２か所で行なわれる
   ようなカム曲線に形成されたことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載のベーンポンプ。 ３）前記背圧溝は、吐出工程から吸入工程にかけて設け
   られたことを特徴とする特許請求の範囲第１項または第
   ２項に記載のベーンポンプ。 ４）前記連通穴は、吸入工程側に設けられたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに
   記載のベーンポンプ。