JPS63146726A

JPS63146726A - 農業用ポリオレフインフイルム

Info

Publication number: JPS63146726A
Application number: JP29434486A
Authority: JP
Inventors: 平田　迪久; 鮫島　景義; 鶴野　英利; 河合　清人
Original assignee: Japan Tobacco Inc
Current assignee: Japan Tobacco Inc
Priority date: 1986-12-09
Filing date: 1986-12-09
Publication date: 1988-06-18

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本発明は、農業用ポリオレフィンフィルムに関し、特に
、田畑の畝を覆うマルチフィルムとして使用した場合、
植物の一定生育後、畝の両裾部等の所要部分を、手間が
かからない簡単な作業で容易に切断することができる農
業用ポリオレフィンフィルムに関する。

（ロ）従来の技術ポリオレフィンフィルム、例えば、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム等は、その廉価性、汎用性
、強靭性、光透過性、又は必要に応じ黒く着色すること
により得られる遮光性等にすぐれ、大量に使用されてい
る。これらの主要な用途としては、包装用フィルム、農
業用フィルムなどがあるが、農業用フィルムの中でも特
にｌＡ業用マルチフィルムが、田畑の畝を覆う多目的フ
ィルムとして使用されている。

例えば、 ■着色遮光することにより地温の上昇を防ぐ、■土壌に
含まれた肥料分、栄養分が雨水により流口するのを防ぐ
、 ■土壌に含まれた水分が蒸発、拡散するのを防ぐ、 ■雑草生育の抑制（特に着色遮光の場合は効果的である
）、 ■降雨時の土壌飛散による植物の茎、葉への泥土の付着
、あるいは地中細菌類の付着を防ぐ等を目的として使用
されている。

しかしながら、使用開始後、ある一定期間が経過し作物
が成長してくると、マルチフィルムをそのまま使うこと
がかえって作物のその後の成育に有害となる。例えば、 ■土壌の温度が上がりすぎ、根の発育が阻害される、 ■肥料の分解により生成した残存塩分が雨水によって流
出できないために土壌中に塩類の集積が起こる、 ■土壌に細菌が発″生じやすく、根ぐされが起こる、 ■土壌が酸素を吸収するのを妨たげる、等のためである
。

従って一定期間経過後は、不必要な部分即ち畝を覆って
いるマルチフィルムの裾の部分を除去しなければならな
い。このようなマルチフィルムの除去は、ハサミ、カッ
ター、その他専用の器具によって畝の両側の部分を切断
する方法劣化を促進させる薬剤を全体に均一に練り込ん
だフィルムを使用し、全体が劣化後、手で除去する方法
等が実施され、又、提案されていた。

しかしながら、前者の方法の場合には、刃物で切断する
作業に多くの労力を要し、又、後付の方法による場合に
は、全体が劣化しているため残存すべき必要な部分まで
バラバラに破断しマルチの所期の目的を完全に達成しえ
ず、又、その破片を集めるのに手間を要する等の欠点が
あった。

（ハ）発明が解決しようとする問題点本発明は、上記のような従来の二つの方法が有していた
欠点を一挙に解決しようとして発明されたものであり、
ハサミ、カッター、その他専用の器具などを使う必要が
なく、又、必要部分のみを劣化切断し全体の破断を起こ
さず、フィルムの破片を切断時に集めて歩く必要もなく
簡単に所要箇所を除去しうる農業用ポリオレフィンフィ
ルムを提供することを目的とするものである。

（ニ）間１題を解決するための手段本発明は、切断を必要とする部分に適宜形状で光劣化促
進剤が塗布されているａ集用ポリオレフィンフィルムを
提供したものである。

ここで、光劣化促進剤とは、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンフィルム表面に塗布し、適宜期
間そのフィルムを戸外にさらした時に、人手で容易に切
断できる程度に、上記ポリオレフィンフィルムの光劣化
促進剤が塗イＵされた部分が劣化されるものをいう。

このような光劣化促進剤としては、光を吸収してラジカ
ルを生成しポリオレフィンから水素を引き抜き、ポリオ
レフィン主鎖にラジカルを生成させる化合物が一般的に
用いられ、例えば金属錯体とベンゾフェノン誘導体とを
組合わせたものが最適である。金属錯体は、例えば、チ
タニウムペンタンジオン、フエロスペンタンジオン、コ
バルトベンタンジオン、ジルコニウムネオデカノエイト
、その他２，４−ベンタンジオン基を持った金属塩が、
ベンゾフェノン誘導体は、例えば、２，４−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、２−ヒドロキシ−４−メトキシヘン
シフエノン、２，２′−ジヒドロキシ−４−メトキシヘ
ンシフエノン、２，２′−ジヒドロキシ−４，４’−ジ
メトキシベンゾフェノン、４−クロロヘンシフエノン、
２−フェニルアセトフェノン等が用いられる。上記光劣
化促進剤は、例示のために掲げたものであって、本発明
の趣旨を逸脱することがない限り他の化合物が使用でき
ることはもちろんである。上記の金属錯体とベンゾフェ
ノン誘導体とを組合わせたものは短期間のうちにポリオ
レフィンフィルムの切断を必要とする部分を光で劣化さ
せるのに極め一〇有効であるが、比較的長期間でポリオ
レフィンフィルムの切断をしようとする部分を光で劣化
させようとする場合に、インキを塗布（便宜上「印刷」
と同義に用いる。以下同じ）も使用することができる。

この場合、長期間に渡って、インキを塗布した部分が他
の塗布しない部分よりも太陽光を多く吸収するので、結
果的には、金属錯体とベンゾフェノン誘導体とを絹合わ
せて使用したものと同じ効果が得られる。

Ｌ記のような光劣化促進剤をポリオレフィンフィルムの
切断を必要とする部分に塗布する場合、線状、破線状、
模様状、網目状に塗布され通常は線状に塗布されるが、
日照の程度、日照期間等に応して破線状、模様状（適宜
の間隔内に、例えば水玉が単数列又は多数列描かれてお
りこの間隔をもつ”Ｃポリオレフィンフィルムの長さ方
向に連続して延びているもの。必ずしも水玉に限定され
ない。）網目状（適宜間隔内に網目が描かれておりこの
間隔をもってポリオレフィンフィルムの長さ方向に連続
して延びているもの。）に塗布される。例えば、同じ光
劣化促進剤を使用する場合に、線状に塗布したときより
も劣化期間を延ばしたい時には、破線状、模様状に塗布
すればよい。そうすると、前者の場合は線と線との間で
光劣化促進剤が塗布されていない部分、後者の場合には
水玉と水玉との間で光劣化促進剤が塗布されていない部
分は（光劣化促進剤が塗布された線の部分、水玉の部分
は劣化されても）殆ど劣化されていないので組合わさっ
たもの全体からみた場合には、劣化期間を延ばすことが
できる。すなわち、劣化期間をコントロールできるので
ある。

光劣化促進剤をポリオレフィンフィルムの切断を必要と
する部分に適宜形状で塗布し、戸外でさらして劣化させ
、劣化した部分を引っ張って切断する方法は殆どの場合
、田畑の畝を覆った場合における一定期間後の畝の両裾
部の切断に利用されるが、その他に、次の場合にも利用
される。

畑は通常、起耕施肥後、直ちにポリオレフィンフィルム
で覆われ、半月ないし１力月後に肥料の初期分解を見て
苗の植え付けを行なう。この時、苗を植える箇所に通常
円形の刃物で丸い植え穴をあける方法をとるが、この作
業も手間を要する繁雑な作業であるので、予め植え穴の
位置に光劣化促進剤を円形に塗布しておけば、１育を植
える時に指で軽く引っ張るだけで容易に穴をあけること
ができる。

ポリオレフィンフィルムの戸外における劣化は、光、特
に紫外線による影響が最も大きいがその他に温度、湿度
、外気、フィルムの厚み等にも影響を受ける。フィルム
の厚み以外は、季節的要因が大きい。

上記のような各要因に鑑み、本発明においては、使用す
る化合物の種類及び配合割合による劣化期間の長短のコ
ントロール、同一化合物でも使用濃度の濃淡による劣化
期間の長短のコントロール、塗布を下面にする場合の劣
化促進度合等が実施に当たってはそれぞれ考慮される。

以下、本発明を完成するに至った実験例について説明す
る。

対照例１高密度ポリエチレン（三井石油化学工業製、ハイゼック
ス８５００）を温度１９０℃で押出成形機により厚さ０
．０１ｍｎ＋のフィルムに成形した。このフィルムをブ
ラックパネル温度６０℃、乾球温度４８℃、湿度５５〜
６０％、６０分サイクルでそのうち降雨状態が１２分あ
るサンシャイン・ウエザオフ−ター中に入れた。劣化す
るまでの日数（以下「劣化日数」という）は３０日であ
った。尚、劣化日数とはここではＪＩＳ　　Ｋ　　６７
８１　　によって測定した延びが、１０％以下になる日
数をいう。

実験例１対照例１で成形したフィルムの表面に、黒色インキ（東
洋インキ製造製、ルミエールＣ９１墨、顔料チャンネル
ブラック）を用い、約１６メツシユの網状に塗布した。

上記サンシャイン・ウエザオフ−ター中で塗布面を照射
した場合（以下「塗布面照射」という。尚、一方の面に
光劣化促進剤を、他の面に光劣化促進剤以外のものを塗
布する場合があるが、この場合は前者の面を照射する場
合を「塗布面照射」という）と塗布面を下面にし、塗布
しない面をｐＥ射した場合（以下「裏面照射」という。

尚、一方の面に光劣化剤を、他の面に光劣化側以外のも
のを塗布する場合があるが、この場合は、後者の面を照
射する場合を「裏面照射」という）の両方を行ったが、
いずれも劣化日数は１５日であった。尚、黒色インキの
代わりに黄色インキ（顔料カドニウムイエロー）及び青
色インキ（顔料フタロシャニンブルー）についても同様
に行ったが、前者については黒色インキと同様の結果を
、後者については劣化日数が若干長かったが本発明の化
合物として十分使用できる。

実験例２対照例１で成形したフィルムの表面に、２−ハイドロキ
シ−４−メトキシベンゾフェノン（住友化学工業製、ス
ミソーブ１１０）１ミリモルとアセチルアセトン第二鉄
塩（日本化学産業製、ナーセム第二鉄）１ミリモルとを
、トルエンとイソプロピルアルコールの２：１の混合溶
剤１００ｍ１に溶かしたものよりなる光劣化促進剤を塗
布した。上記サンシャイン・ウエザオフ−ター中での結
果は、塗布面照射も裏面照射も共に劣化日数は７．５日
であった。

実験例３対照例１で成形したフィルムの一方の面に実験例２て使
用した光劣化促進剤を、他方の面に実験例１で使用した
黒色インキをそれぞれ塗布した。上記サンシャイン・ウ
ェザオフ−ター中ての結果は、塗布面照射も裏面照射も
共に劣化日数は４日であった。

対照例２対照例１で成形したフィルムを使用し、水を張った鉄製
容器の口（４９０ｍｍＸ　８６０ｍｍ）を覆っ゛Ｃ密封
し、戸外にざらした。劣化日数は、９０日であった。

実験例４実験例１で使用したものと同じフィルムを使用し、対照
例２と同様にして戸外にさらした。

劣化日数は、塗布面照射の場合は４０日、裏面照射の場
合は３０日であった。

実験例５実験例２で使用したものと同じフィルムを使用し、対照
例２と同様にして戸外にさらした。

劣化日数は、塗布面照射の場合は３０日、裏面照射の場
合は２１日であった。

実験例６実験例３で使用したものと同じフィルムな使用し、対照
例２と同様にして戸外にさらした。

劣化日数は、塗布面照射の場合も裏面照射の場合も共に
７日であった。

対照例３対照例】で成形したフィルムを、表面を黒く塗装した板
の上に張り付け、戸外にさらした。

劣化日数は９０日であった。

実験例７実験例１で使用したものと同じフィルムを使用し、対照
例３と同様にして戸外にさらした。

実験例８実験例２で使用したものと同じフィルムを使用し、対照
例３と同様にして戸外にさらした。

実験例９実験例３で使用したものと同じフィルムを使用し、対照
例３と同様にして戸外にさらした。

実験例１０対照例１で成形したフィルムの一方の面に実験例１で使
用した黒色インキ（東洋インキ製造製、ルミエールＣ９
１墨）を、他方の面にアセチルアセトン第二鉄塩（日本
化学産業製、ナーセム第二鉄）１ミリモルをトルエンと
イソプロピルアルコールの２：１の混合溶剤５０　ｍ　
ｌに溶かした液をそれぞれ塗布した。これを対照例３と
同様にして、戸外にさらした。老化日数は塗布面照射の
場合も裏面照射の場合も共に５日であった。

実験例１１対照例１で成形したフィルムの一方の面に、実験例１て
使用した黒色インキを、他方の面に２−ハイドロキシ−
４−オクトキシベンゾフェノン（住友化学工業製、スミ
ソーブ１３０）１ミリモルとアセチルアセトン第二鉄塩
（日本化学産業製、ナーセム第二鉄）１ミリモルとをト
ルエンとイソプロピルアルコールの２：ｌの混合溶剤に
溶かした液をそれぞれ塗布する。これを対照例３と同様
にして戸外にさらした。老化日数は塗布面照射の場合も
裏面照射の場合も共に１４日であった。

尚、上記対照例及び実験例において、戸外にさらした時
季は、年間で最も熱い時季即ち６月中旬から９月中旬に
かけての夏場に行った。

上記各側においては、夏場の例を説明したが冬場は夏場
に比べて老化日数はほぼ倍になる。

実施例対照例及び実験例によれば、ポリオレフィンフィルム等
に光劣化促進剤を塗布し、夏場に戸外にさらすと、５〜
４０日で劣化することが分かった。

このような結果を基にして、畑に実際に適用した例を以
下に示す。

対照例１で成形したフィルム（幅１３５０ｍｍ）の両端
部からそれぞれ２７５　ｍｍの部分に１０閣の幅で直線
状に、実験例２で使用した光劣化促進剤を塗布した。同
時に、このフィルムの中心線に沿っ”Ｃ４２０ｍｍの間
隔で、実験例３と同じく黒色インキと光劣化促進剤とを
使用して両面に直径９０ｍｍの円を描いた。

このフィルムを、１月中旬に耕し肥料を施した煙草畑の
畝（高さ約３５０ｍｍ）に、光劣化促進剤が塗布されて
いる面を上にして２月初旬に覆った。この時、フィルム
を固定するために両側の部分に土をかぶせた。３月中旬
にフィルムに描かれた円を手で引っ張ると、円周上が劣
化していたので簡単に円が剥ぎ取られ穴があき、その穴
の中に煙草の苗を植えた。苗が約１５０ａｍになった４
月中旬に畝を覆っているフィルムを手で引っ張ると、光
劣化促進剤を塗布している両端部から２７５ｎｓの直線
状の部分が劣化切断していたので、土がかぶさっている
両端部を手で引っ張って容易に除去することができた。

以後は常法によりそのまま煙草の栽培を続けたが、畝中
央部はフィルム゛Ｃ覆われているのでその部分では雑草
が生えず、所Ｑ　Ｌ）結果が得ろれた。

（ホ）発明の効果本発明の農業用ポリオレフィンフィルムを使用して田畑
等の畝を覆い、植物の一定生育後、畝の両裾部を切断し
てフィルムの所定部分を除去しなければならない時、又
、肥料を施して一定期間が経過し苗を植える為の穴をフ
ィルムにあけなければならない時等に、既に切断を要す
部分が劣化しているので、除去しようとする部分を引っ
張るだけで容易にフィルムを剥ぎ取ることができ、労力
と時間がきわめて容易に省けることができた。

特許出願人　ニッカ化成株式会社日本たばこ産業株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

（１）切断を必要とする部分に、適宜形状で光劣化促進
剤が塗布されている農業用ポリオレフィンフィルム。
（２）光劣化促進剤の塗布形状が、線状、破線状模様状
、網状である特許請求の範囲第１項記載の農業用ポリオ
レフィンフィルム。