JPS6314137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湯水混合栓に関するものであり、更に
詳しくは湯水混合栓の弁構造に関するものであ
る。

従来の湯水混合栓Ａは、第１図に示すように本
体Ｂと、本体Ｂの右側壁Ｃに液密的に螺着された
プラグＤと、プラグＤに進退可能に螺合されたス
ピンドルＥと、本体Ｂの右方内壁Ｆに右側壁Ｃ方
向に形成された第１弁座Ｇと、第１弁座Ｇに対に
なつて第１弁Ｈを構成するようにスピンドルＥの
中間部に於て傾斜状に形成された第１弁体Ｉと本
体Ｂの左方内壁Ｊに左側壁Ｋ方向に形成された第
２弁座Ｌと、スピンドルＥの左端にネジＭにて取
り付けられ第２弁座Ｌと対になつて第２弁Ｎを構
成する第２弁体Ｏとからなつていた。

かかる構成の湯水混合栓Ａに於ては、その組付
は、スピンドルＥをプラグＤに螺合し、プラグＤ
を本体Ｂの右側壁Ｃに液密的に螺着することによ
つてスピンドルＥを本体Ｂ内に収容し、次いで左
側壁Ｋに形成された穴Ｐから第２弁体Ｏを本体Ｂ
内に入れて、これをネジＭにてスピンドルＥの左
端に取り付けるようになつていた。したがつて、
組み付けにも手間が掛り、又ネジの締め着けが充
分でないと栓Ａの作動が不完全になるおそれがあ
つた。

本考案の目的は、かかる不具合を除去した湯水
混合栓を提供することにあり、その主旨とすると
ころはスピンドルがプラグと一体になつて本体内
に挿入されたとき２つの弁が直ちに形成されるよ
うに湯水混合栓を構成したことにある。

以下、本考案の一実施例を第２図および第３図
に基づいて説明する。

第２図に於て、１０は湯水混合栓で、その本体
１１内には熱湯流路１２、冷水流路１３および混
合水路１４が形成されている。しかして熱湯流路
１２は給湯管１５および逆止弁１６を介して熱湯
が、冷水通路１３には給水管１７および逆止弁１
８を介して冷水が夫々供給されるようになつてい
る。そして、熱湯流路１２および冷水流路１３は
開閉弁１９を介して混合流路１４に連通するよう
になつており、混合流路１４は更に接続管２０を
介して出口（図示略）に通じている。尚、開閉弁
１９は同芯に形成された大小２つの環状弁座２
１・２２と、スピンドル２３の下端部に固定され
た弁体２４とからなつている。しかして、スピン
ドル２３は、本体１１の上壁２５に形成されたラ
ンド２６に液密的に螺着されたプラグ２７に上下
方向に移動可能に螺合されており、且つ上端部に
於てツマミ２８に固定されており、図示の状態で
ツマミ２８を回転するとスピンドル２３が回転し
ながら下降し、弁体２４が両弁座２１・２２に着
座して開閉弁１９が閉じられるようになつてい
る。

本体１１の右側壁３０には穴３１が穿設されて
おり、この穴３１にはプラグ３２が液密的に螺着
されている。プラグ３２にはスピンドル３３が螺
合されており、スピンドル３３の右端に固定され
たツマミ３４を回転させるとスピンドル３３は回
転しながら軸方向に移動するようになつている。
しかしてスピンドル３３の左側の先端部３３ａの
頂面３３ｂから左方向に切頭円錐形の突出部３３
ｃが突出しており、この先端部３３ａおよび突出
部３３ｃは湯弁体３５を形成している。そして、
この湯弁体３５は内方壁３６に形成され通孔段付
部を着座部３７とする環状弁座３８と対となつて
湯弁３９を形成するようになつている。図示の状
態では、先端頂面３３ｂと着座部３７とが当接し
て湯弁３９は閉じられており熱湯流路１２の一次
側１２ａと二次側１２ｂとが遮断されているがツ
マミ３４を回転させてスピンドル３３を右方向へ
移動させると湯弁３９が開き熱湯流路１２の一次
側１２ａと二次側１２ｂとが連通するようになつ
ている。

スピンドル３３の中間部には、フランジ状の水
弁体４０が一体形成されており、この水弁体４０
はプラグ３２先端開口部に形成された水弁座４１
と対になつて水弁４２を形成するようになつてい
る。図示の状態では、水弁４２は開かれており冷
水流路１３の一次側１３ａと二次側１３ｂとが連
通しているが、スピンドル３３の右方向への移動
により閉じられ、冷水流路１３の一次側１３ａと
二次側１３ｂとが遮断されるようになつている。
しかしてスピンドル３３が右方向に移動するとき
は湯弁３９は開かれ、水弁４２は閉じられるよう
になつているので、湯弁３９および水弁４２のい
ずれか一方がスピンドル３３の軸方向移動により
開方向に作用すれば他方は閉方向に作用するよう
になつている。

次に第３図に基づいて水弁４２の構造について
更に詳しく説明すれば、プラグ３２の先端開口部
内周には、左方向から順次水弁体４０方向に拡開
する円錐面部４３、大径孔部４４および小径孔部
４５が形成されており、この大径孔部４４と小径
孔部４５との境界段部が水弁座４１の着座部４６
となつている。しかして、水弁体４０が着座部４
６に当接したとき冷水流路１３の一次側１３ａと
二次側１３ｂとが遮断されるようになつている。
更に、水弁体４０の右側面４０ａと外周面４０ｂ
との境界部４０ｃが大径孔部４４と円錐面部４３
との境界部４７より左側に移動しない限り水弁４
２を通つて冷水流路１３の一次側１３ａから二次
側１３ｂに冷水は流れないようになつている。

尚、水弁体４０の右側には一対のフランジ４
８・４９が、左側には一対のフランジ５０・５１
が夫々スピンドル３３と一体に形成されている。
しかして、フランジ４８・４９は、その間にシー
ルリング５２が介装されてプラグ３２内を、フラ
ンジ５０・５１はその間にシールリング５３が介
装されてボデイ１１のシリンダ部５４を夫々摺動
可能となつている。そして、フランジ４８・４
９・５０・５１は水弁体４０とより若干小径とな
つており、水弁体４０の径は穴３１の径よりも小
さくなつている。しかしてスピンドル３３はプラ
グ３２に螺合させたのち、プラグ３２を穴３１に
螺着させることによつて本体１１内に挿入される
ものである。

以上の構成に於ける作用を述べれば、図示の状
態では湯弁３９は閉じられているので熱湯は熱湯
流路１２の二次側１２ｂには供給されておらず、
他方冷水は冷水流路１３の一次側１３ａ、水弁４
２および冷水流路１３の二次側１３ｂを介して混
合水路１４に供給される。したがつて、冷水のみ
が混合水路１４および接続管２０を介して図示さ
れていない出口から吐出される。

次にツマミ３４を回転させるとスピンドル３３
は回転しながら右方向に移動する。すると湯弁３
９が開き熱湯が熱湯流路１２の二次側を経て混合
水路１４に供給され、そこで熱湯と冷水とが混ぜ
合わされて湯が接続管２０を介して出口から吐出
される。しかして、湯弁３９が開方向に作用する
とき水弁４２は閉方向に作用するようになつてい
るので、湯の温度を上昇させたい場合はツマミ３
４を更に回転させスピンドル３３を更に右方向に
移動させたスピンドル３３と一体形成された水弁
体４０を水弁座４１に近ずけることによつて水弁
４２を閉方向に作用させればよい。そして、水弁
４２を通過する冷水の量は水弁体４０の境界部４
０ｃと水弁座４２の円錐面部４３との間の環状面
積により決定される。しかも水弁体４０が水弁座
４２の大径孔部４４に嵌合し始め瞬間には水弁４
２は冷水をほとんど通過させないようになつてい
るので、水弁体４０の境界部４０ｃと水弁座４０
の円錐部４３との間の環状面積はスピンドル３３
の偏位と完全に比例する。

以上述べたように本考案は、本体の側壁に穿設
された穴に液密的に螺着されたプラグに軸方向移
動可能に螺着されたスピンドルの先端部および中
間部に夫々第１弁体および第２弁体を一体的に形
成し、第１弁体はスピンドル先端面と対向すべく
本体内方壁に形成された第１弁座と対になつて第
１流路の流通制御を行なう第１弁を構成し、第２
弁体はプラグ先端開口部に形成された第２弁座と
対になつて第２流路の流通制御を行なう第２弁を
構成するように湯水混合栓を構成したので、スピ
ンドルを本体内に挿入すると同時に第１弁および
第２弁が形成されるので、組み付ける手間が大巾
に省くことができ、実用上多大な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合栓の断面図、第２図は
本考案に係る湯水混合栓の一実施例の断面図、そ
して第３図は第２図Ａ部拡大図である。 １１：本体、１２：第１流路、１３：第２流
路、３０：側壁、３１：穴、３２：プラグ、３
３：スピンドル、３５：第１弁体、３８：第１弁
座、３９：第１弁、４０：第２弁体、４１：第２
弁座、４２：第２弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の側壁に穿設された穴に液密的に螺着され
   たプラグに軸方向移動可能に螺着されたスピンド
   ルの先端部および中間部に、夫々第１弁体および
   第２弁体を一体的に形成し、前記第１弁体は前記
   スピンドル先端面と対向すべく前記本体内方壁に
   形成された第１弁座と対になつて第１流路の流通
   制御を行なう第１弁を構成し、前記第２弁体は前
   記プラグ先端開口部に形成された第２弁座と対に
   なつて第２流路の流通制御を行なう第２弁を構成
   するようにしたことを特徴とする湯水混合栓。