JPS6312726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、生地に釦を上下、前後左右の遊びを
有する状態に取付け、釦を釦孔に嵌め易く、かつ
外し易くした釦に関するものである。

従来、この種の釦は、第５図に示したように、
雄部材ｃと雌部材ａとを、しつかりと生地ｄを挟
持した状態で生地ｄに取付けていたため、釦を持
上げると生地ｄも一緒に持ち上り、釦を生地ごと
傾けて釦孔に係合しなければならず、釦孔に釦を
嵌め難いものであり、又、嵌め易くするために雌
雄部材ａ，ｃの挟持を弱くして雌雄部材ａ，ｃを
生地ｄに取付けると、雄部材ｃの脚部を挿通した
生地の周囲が傷み易くなる欠点を有していた。

本考案は、前記従来の欠点を改善してなり、釦
孔に係合しやすく、かつ釦を取付けた生地を傷め
ることのない釦を提供せんとするものである。

本考案の釦は、実施例に基づいて説明すると、
第１図乃至第４図に示したように、雌部材Ａ、ハ
トメ環Ｂ及び雄部材Ｃからなるものである。

雌部材Ａは、第１図に示したように、基板１の
上面に金属製の当板２を重ね、この基板１と当板
２とを表面に装飾を施した金属製又は合成樹脂製
の飾板３で被着してなり、基板１は裏面中央に胴
部５を突設し、この胴部５の頂面中央に小径部
７、基板１の表面中央に大径部８、中央に段周部
９を形成した貫通孔１０を穿設し、全体を強靭性
の合成樹脂で形成してなるものである。

なお、貫通孔１０は、小径孔に大径孔を連設し
た形状で説明したが、逆円錐台形状の孔としても
よい。

ハトメ環Ｂは、第２図に示したように、金属製
の筒状体で、脚通孔１１を有する筒部１２の下端
を外側に折曲して座部１３を形成してなるもので
ある。

雄部材Ｃは、第３図に示したように、先端を尖
らせ、雌部材Ａの小径部７より少許小径とした細
径部１４と、この細径部１４に連設した太径部１
５とからなる中空脚１６を座板１７の中央に突設
し、この座板１７の裏面に表板１８を被着してな
るものである。

本考案の釦を生地Ｄに装着する場合は、生地Ｄ
の所定の位置に孔を穿設し、この孔にハトメ環Ｂ
の筒部１２を挿入し、その筒部１２の先端を外側
に折曲して該ハトメ環Ｂを生地Ｄに取付け、この
ハトメ環Ｂの脚通孔１１に雄部材Ｃの中空脚１６
を挿通し、この中空脚１６の先端を雌部材Ａの小
径部７から貫通孔１０に挿入した後、雌部材Ａの
基板１及び雄部材Ｃとハトメ環Ｂとの間に上下の
遊びを設けて、上方より強圧して雄部材Ｃの中空
脚１６の先端を圧潰して圧潰部１９を形成し、こ
の圧潰部１９により雄部材Ｃを雌部材Ａの段周部
９に上下動するように係止して、第４図に示す如
く、雌雄部材Ａ，Ｃが自由に上下、前後左右動で
きるように中空脚１６の径をハトメ環Ｂの脚通孔
１１の径より小さくして、両者間に上下、前後左
右の遊びを有する様に雌雄部材Ａ，Ｂを取付ける
ものである。

このように本考案に係る釦は、前記の如き構成
で、雌部材Ａの上方より強圧して雄部材Ｃの中空
脚１６の先端を圧潰して圧潰部１９を形成し、こ
の圧潰部１９が貫通孔１０の段周部９に係止し、
この圧潰部１９が貫通孔１０の大径部８内を上下
に動かすことができる。

即ち、釦を上下に動かすことができる。

また雄部材Ｃの中空脚１６をハトメ環Ｂの脚通
孔１１内に遊びを有する様に取付けているため、
釦は、前後左右に動き、前記の上下動と相まつて
釦は釦孔に嵌め易く、かつ外し易いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る雌部材の断面図、第２図
は本考案に係るハトメ環の断面図、第３図は本考
案に係る雄部材の断面図、第４図は本考案に係る
釦の使用状態を示す断面図、第５図は従来の釦の
使用状態における断面図である。 Ａ……雌部材、Ｂ……ハトメ環、Ｃ……雄部
材、Ｄ……生地、１……基板、２……当板、３…
…飾板、５……胴部、６……頂面、７……小径
口、８……大径口、９……段周部、１０……貫通
孔、１１……脚通孔、１２……筒部、１３……座
部、１４……細径部、１５……太径部、１６……
中空脚、１７……座板、１８……表板、１９……
圧潰部、ａ……雌部材、ｃ……雄部材、ｄ……生
地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雌部材Ａは、基板１の裏面中央に突設した胴部
   ５に小径部７、段周部９、大径部８を順に配した
   貫通孔１０を穿設し、全体を強靭性の合成樹脂で
   形成してなる基板１の上面に、金属製の当板２を
   重ね、該基板１と当板２とを飾板３で被着してな
   り、雄部材Ｃは、雌部材Ａの小径部７より少許小
   径とした細径部１４を有する中空脚１６を座板１
   ７の中央に突設してなり、生地Ｄに取付けたハト
   メ環Ｂの脚通孔１１に雄部材Ｃの中空脚１６を挿
   通し、上下、前後左右の遊びを有する状態に雌雄
   部材Ａ，Ｃを取付けてなる釦。