JPS6311873Y2

JPS6311873Y2 -

Info

Publication number: JPS6311873Y2
Application number: JP4919480U
Authority: JP
Priority date: 1980-04-11
Filing date: 1980-04-11
Publication date: 1988-04-06
Also published as: JPS56152532U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、回路的にも信頼性が高く、しかも
構成素子の組立てや保守作業等を容易にした異常
高電圧に対する保安器に関し、特に主要な構成素
子である避雷器等の過電圧保護素子とバリスタと
を着脱自在の構造にすることによつて、各素子の
交換や点検等の保守作業が簡単かつ迅速に行える
ようにした保安器を提供する。

従来から、送電線や通信回線等では、直撃雷や
誘導雷その他の異常高電圧の発生による人体や機
器等の危害、損傷等を防止するために、各種の保
安器が設けられている。

この種の従来の保安器では、各構成素子が半田
付け等による一体構造をしており、保安器に故障
その他の不都合が生じた場合には、その交換ある
いは点検等の保守作業に際して、全体を取りはず
すことが必要である。そのため、保安器の一部の
構成素子が故障した場合でも、全体を交換するこ
とになり、構成素子の有効利用に適さない上、修
理に際しての各素子の点検作業にも手数がかかる
等の不都合があつた。

そこで、この考案の保安器では、従来の保安器
におけるこれらの不都合を解決し、回路的にも動
作が確実で信頼性が高く、しかも構成素子のうち
の不良素子だけの交換が簡単にできるようにし
て、各素子の有効利用を可能にするとともに、交
換や点検等の作業も容易かつ迅速に行えるように
することを目的とする。

そのために、この考案の保安器においては、１
個の３極ガスアレスタのような避雷器その他の過
電圧保護素子と２個のバリスタとを用い、かつこ
れらの各構成素子を着脱自在の構造にして、１個
の容器内へ収納するようにしている。

第１図は、この考案の保安器に用いられる回路
図である。図面において、Arrは３極ガスアレス
タ、Va₁とVa₂はバリスタ、L₁とL₂はライン接続
端子、Ｅはアース端子を示す。

この第１図に示されるように、この考案の保安
器では、２個のバリスタVa₁およびVa₂と直列
に、１個の３極ガスアレスタArrの各電極を接続
しており、また接続端子L₁とL₂はそれぞれ１対
の送電線等へ、さらに、アース端子Ｅは大地へ接
続できるようになつている。

このような回路構成を採用することにより、通
常の状態では、３極ガスアレスタArrは非導通状
態に保たれるため、２個ののバリスタVa₁とVa₂
には電圧が印加されない。その結果、バリスタ
Va₁とVa₂においては、従来の常時電圧が印加さ
れるものに比べて、故障等の異常が生じる確率は
著しく減少され、その信頼性が向上される。

これに対して、送電線等に直撃雷その他の異常
高電圧が発生されたときは、その大きさが一定電
圧以下であれば、バリスタVa₁とVa₂の抵抗分に
よつて減衰され、また一定電圧を越えると、バリ
スタVa₁とVa₂の抵抗値が減少して３極ガスアレ
スタArrへ異常高電圧が印加されるので、導通状
態となつて大地へ放電するように動作する。

このように、この考案の保安器は、各構成素子
に不必要な電圧が印加されないように接続構成さ
れているので、回路的にも故障の発生率が低下さ
れる。したがつて、動作が確実で、信頼性の高い
ものが得られる。

第２図はこの考案の保安器の一実施例の構造を
示す側面図、第３図は同じくその上面図、第４図
は第３図のＡ−Ａ線の拡大側断面図である。図面
における符号は第１図と同様であり、また１はベ
ース部で、１′はその取付穴、２は底板、３はカ
バー、４は３極ガスアレスタの接続保持部材、５
と６はそれぞれ第１と第２の接触スプリング部
材、７と８はそれぞれ第３と第４の接触スプリン
グ部材、９〜１１はネジ等の固定手段を示す。

ベース部１は、絶縁性のプラスチツクス等で一
体成形されたもので、その上方には、１個の３極
ガスアレスタArr等の過電圧保護素子と、２個の
バリスタVa₁，Va₂等が収納されるように成形さ
れており、この実施例では、これらはその一方が
開放された中空箱状で、かつ着脱自在に構成され
たカバー３によつて保護される。また、下方は、
固定手段９〜１１が収納されるように成形され、
同様に底板２で覆われており、必要な接続端子
L₁やL₂等が設けられている。なお、取付穴１′
は、保安器を他の装置等へ取付ける場合に、ネジ
等の固定手段が挿入できるように設けられている
ものである。

先の第１図の回路の点線で囲まれた部分と、第
４図の側断面図とを対比すれば明らかなように、
ベース部１の上方には、左側から順番に、その下
方延長部が固定手段１０で固定支持された皿状の
第３の接触スプリング部材７、バリスタVa₁、皿
状の第１の接触スプリング部材５、３極ガスアレ
スタArr、皿状の第２の接触スプリング部材６、
バリスタVa₂、その下方延長部が固定手段１１で
固定支持された皿状の第４の接触スプリング部材
８が相互に緊密に接触保持された状態で収納され
ており、また３極ガスアレスタArrの接地電極部
は、固定手段９に固定支持された接続保持部材４
によつて、接続保持されている。

そして、第１図の回路と、第４図の側断面図と
第２図の側面図とを対比して説明すれば、ベース
部１の下方に設けられたライン接続端子L₁は固
定手段１０と、またアース接続端子Ｅは固定手段
９と、ライン接続端子L₂は固定手段１１と、そ
れぞれ図示されない導電的接続手段で接続され
て、第１図のような回路の保安器が構成される。
なお、ベース部１の下方に設けられたライン接続
端子L₁とL₂およびアース接続端子Ｅ等は、必要
な接続線が簡単に引出せるように、その一方はカ
バー３等で覆われない開放された状態に配置され
ている。

このように、この考案の保安器では、ベース部
１の上部に収納される１個の３極ガスアレスタ
Arrと２個のバリスタVa₁，Va₂、および第１と
第２の接触スプリング部材５と６は、着脱可能な
構造とされており、製作時における組立て作業だ
けでなく、交換や点検等の保守作業時において
も、必要な構成素子を簡単かつ迅速に取りはずす
ことができる。

第５図Ａ〜Ｃは第１の接触スプリング部材５の
構造の一例を示し、第５図Ａはその正面図、第５
図Ｂは側面図、第５図Ｃは第５図ＡのＢ−Ｂ線の
断面図である。図面において、５′は底面に設け
られた溝部を示す。

この第５図Ａ〜Ｃに示されるように、第１の接
触スプリング部材５は、その底面の円周方向の一
端から中心部へ向つて形成された溝部５′を有す
る皿状に構成されている。そして、第４図に示し
たように、この溝部５′には、３極ガスアレスタ
Arrの両端の電極部の一方が接触される。また、
バリスタVa₁との良好な接触が可能なように、皿
状の上部の外周には折返えし等による適当な形状
の鍔部が設けられている。

この場合に、第１の接触スプリング部材５の材
質や弾性力および溝部５′の形状やその深さの変
化の状態、あるいは鍔部の形状等を適当に選定す
ることによつて、各構成素子が相互に緊密に接触
され、所定の位置へ確実に保持することが可能と
なる。なお、第２の接触スプリング部材６も、同
様の構成である。

以上に詳細に説明したとおり、この考案の保安
器は、１個の３極ガスアレスタArrその他の過電
圧保護素子と、２個のバリスタVa₁とVa₂と、溝
部５′を有する皿状の第１と第２の接触スプリン
グ部材５および６と、その上部には、これらの各
構成素子が収納可能な空間を有し、またその下方
には、下記の第３と第４の接触スプリング部材７
と８および接続保持部材４とをそれぞれ固定支持
するネジ等の固定手段９〜１１や接続線等が収納
可能な空間を有し、かつ接続端子L₁、L₂、Ｅ等
が取付け可能な絶縁性のベース部１と、このベー
ス部１の下方内部へその下方延長部が固定手段１
０または１１によつて固定された皿状の第３と第
４の接触スプリング部材７および８と、３極ガス
アレスタArrの接地電極部を接続保持する接続保
持部材４とからなり、特に第４図に側断面図で示
したように、ベース部１の上方内部の両端部に設
けられた第３と第４の接触スプリング部材７およ
び８へ、バリスタVa₁とVa₂をその一極がそれぞ
れ接触されるように挿入し、次に、溝部５′を有
しない面がバリスタVa₁とVa₂の他極と接触さ
れ、かつ底面の溝部５′が上方へ向くように第１
と第２の接触スプリング部材５と６とを挿入し、
さらに、その溝部５′へ３極ガスアレスタArrの
両端の電極部が、また接続保持部材４へその接地
電極部が接続保持されるように構成されている。

したがつて、この考案の保案器によれば、回路
的にも故障の発生する確率が激減されるため、そ
の動作が確実となつて信頼性が向上され、また、
万一３極ガスアレスタ等の過電圧保護素子やバリ
スタ等の構成素子に故障その他の異常が発生して
も、その交換や点検等の保守作業が容易かつ迅速
に行える上、その点検結果により不良部品のみを
交換するだけでよいので、構成素子の有効利用が
可能になる、等の多くの優れた実用的効果が達成
される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の保案器に用いられる回路
図、第２図はこの考案の保安器の一実施例の構造
を示す側面図、第３図は同じくその上面図、第４
図は第３図のＡ−Ａ線の拡大側断面図、第５図Ａ
〜Ｃは第１の接触スプリング部材の構造の一例を
示し、第５図Ａはその正面図、第５図Ｂは側面
図、第５図Ｃは第５図ＡのＢ−Ｂ線の断面図であ
る。図面において、１はベース部で、１′はその取
付穴、２は底板、３はカバー、４は３極ガスアレ
スタの接続保持部材、５と６はそれぞれ第１と第
２の接触スプリング部材、５′は第１の接触スプ
リング部材５の底面に設けられた溝部、７と８は
それぞれ第３と第４の接触スプリング部材、９〜
１１は固定手段、Arrは３極ガスアレスタ、Va₁
とVa₂はバリスタ、L₁とL₂はライン接続端子、Ｅ
はアース端子を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

１個の３極ガスアレスタその他の過電圧保護素
子と、２個のバリスタと、その底部の円周方向の
一端から中心部へ向つて形成された溝部を有する
皿状の第１と第２の接触スプリング部材と、絶縁
性のベース部と、このベース部の上方内部の両端
部へそれぞれ設けられ、かつその下方延長部が前
記ベース部の下方内部へ固定された皿状の第３と
第４の接触スプリング部材と、前記ベース部の上
方内部の中央部に設けられて前記過電圧保護素子
の接地電極部を接続保持する接続保持部材とを備
えた異常高電圧に対する保安器において、前記ベ
ース部の上方内部の両端部へそれぞれ設けられた
第３と第４の接触スプリング部材へ、その一極が
それぞれ接触されるように前記２個のバリスタを
挿入し、次に、その溝部を有しない面が前記バリ
スタの他極と接触され、かつその溝部が上方へ向
くように前記第１と第２の接触スプリング部材を
挿入し、さらに、前記第１と第２の接触スプリン
グ部材の溝部へ３極ガスアレスタその他の過電圧
保護素子の両端の電極部がそれぞれ接触され、か
つ前記接続保持部材へその接地電極部が接続保持
されるように前記３極ガスアレスタその他の過電
圧保護素子を挿入可能としたことを特徴とする保
安器。