JPS6311292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関、殊にデイーゼル機関のパ
テイキユレイトアツシユ除去装置に関するもので
ある。

デイーゼル機関の排気中の主として黒煙の主成
分となるパテイキユレイトを捕集し、処理する従
来方式としては、吸入空気を絞つて排気温度を上
昇させ燃焼処理する方式（たとえば特開昭49−
71315号公報）や排気管中のフイルタ直前にアフ
ターバーナを取り付けてパテイキユレイトを燃焼
させる方式（たとえば特開昭49−4412号公報）の
ものが知られているが、いずれの場合もパテイキ
ユレイト燃焼時に発生するアツシユ（灰分）の処
理が問題となつていた。

即ち、パテイキユレイトを燃焼させると潤滑油
中のCa，Ba，Ｐや燃料中のＳ，Fe等がリン酸カ
ルシウムや硫酸カルシウム等になりフイルタ中に
堆積することになるわけであり、これにより (1) アツシユの堆積によりフイルタの目詰りをお
こし、排圧上昇が発生する。

(2) リン酸塩によるセラミツク材の耐熱性が低下
する。

(3) 硫酸塩によるセラミツク材の腐食が生ずる。
等の事態を招くこととなり、排圧上昇の為に点
検整備を要したり耐久性劣化により早期破損の
恐れを有するものであつた。

そこで前記アツシユを処理する先行技術とし
て、デイーゼルエンジンの排気ガス用熱交換器の
熱交換チユーブに付着堆積する煤をバーナーによ
り燃焼させ、直立する排気ガス供給管の下方に設
けた受け皿に回収する集塵装置を設けるようにし
た特開昭51−2824号公報の発明がある。

しかしながら、この先行技術は、圧力損失の極
めて小さい熱交換器に適用されたもので、パテイ
キユレイトフイルタのように目詰りによる流通抵
抗の増加に対する対策が全く考慮されていない。

この先行技術のように内燃機関の排気ガス中の
煤を重力を利用して分離、回収する別の先行技術
として、２枚の金網の間に保持ささた小粒子を充
填した浄化消音層とその下方に落下する煤の貯留
室を設ける装置を開示した特開昭50−21116号公
報の発明がある。しかしながら、この先行技術
は、小粒子が排気ガスによつて流動する際の摩耗
によつて前記粒子に付着する煤等を剥離し回収す
るものであるので、高い圧力損失を生ずるという
問題がある。

これに対し、酢を含有する軽石を充填したタン
ク内の下から排気ガスを通過させ、煤の捕集と中
和とを行わせ流下する処理液を排気管の下部に設
けた皿状の留水部で捕集するようにした実開昭49
−138212号公報の考案がある。

しかしながら、この先行技術は、煤等で汚れた
酸性ないしアルカリ性の液体を取り扱う必要があ
るので、一般人の乗る乗用車等に採用することは
できない。

別の先行技術として、ろ布で煤等の固形分を除
去し、目詰りにより圧力損失が大きくなると、逆
方向に空気を流して落下させて下方に配置された
排出装置から前記ろ布に捕集された煤を回収する
ようにした実開昭50−32415号報の考案がある。

しかしながら、この先行技術は、稼働中に目詰
りを除去する必要が生じるときには少なくとも２
系列の濾過装置を用意する必要があり、装置収納
場所が限られた自動車等には採用することができ
ない。

この考案の目的は上述のような従来のパテイキ
ユレイト処理方法及び装置の問題を解消し、パテ
イキユレイトの燃焼に伴つて発生するアツシユを
フイルタ内に堆積させないで簡素な構成によつて
得るようにした内燃機関のパテイキユレイトアツ
シユ除去装置を提供せんとすることにある。

上記目的を達成するこの考案のパテイキユレイ
トアツシユ除去装置は、下方から排気ガスが流入
する配管のパテイキユレイトフイルタと、該フイ
ルタの排気ガス上流側直前に設けたバーナーと、
該バーナーの下方に設けたアツシユ回収部と、前
記フイルタの背圧が上昇すると前記バーナーを作
動させる制御装置とを設けたことを特徴とするも
のである。

以下、図に示すこの考案の実施例により説明す
る。

図はこの考案のパテイキユレイトアツシユ除去
装置を適用したデイーゼル機関１の概略図であ
り、機関シリンダ内で燃焼した後の排気ガスは矢
印ａの如く排気マニホールド２から排気管３を通
り、その途中に配設されたパテイキユレイトフイ
ルタ４を介して排出される。そして、パテイキユ
レイトフイルタ４はその入口部４１を下側に、出
口部４２を上側に倒立させて配設されその間にフ
イルタ本体４３が設けられ入口部４１には排気ガ
スの上流側に燃料噴射ノズル５がそれより下流側
に点火プラグ６が取付けられている。

また、パテイキユレイトフイルタ４と排気管３
とは排気ガスが略直角に屈曲して流れるように接
続しており、さらに、パテイキユレイトフイルタ
入口部４１と排気管３との交わり部９よりも下側
（本実施例では入口部４１の真下）にアツシユ受
けパン７が配設され、その上、アツシユ受けパン
７の下側にはドレンプラグ８が取付けられてい
る。本実施例の前記パン７が本考案の前記アツシ
ユ回収部を構成する。

パテイキユレイトフイルタ４の上流側の排気管
３には圧力検出ピツクアツプ１０が取付けられ、
これが圧力−電圧変換器１１および比較器１２を
介して設定値以上の圧力を検出すると、増巾器１
３およびアクチユエータ１４を介して点火プラグ
６に電圧を印加するとともに電動ポンプ１５を作
動させて燃料タンク１６よりの燃料を噴射ノズル
５から燃料噴射させるようになつている。なお、
１７はイグナイタである。以上説明した前記圧力
ピツクアツプ１０の検出出力によつて、噴射ノズ
ル５及びイグナイタ６を作動させる制御系によつ
て、本考案の前記制御装置を構成する。

さて、上述の如く排気マニホールド２から排気
管３を通つてきた排気ガスは排気管３とパテイキ
ユレイトフイルタ入口部４１の交わり部９で急に
流れる方向を直角に変更され、かつパテイキユレ
イトフイルタ４によつてパテイキユレイトを捕集
されて通つていく。この捕集状況を圧力検出ピツ
クアツプ１０で検知し、その値が設定値を超える
と燃料噴射ノズル５から燃料を噴射し、かつ点火
プラグ６によつて点火することによりパテイキユ
レイトフイルタ４において捕集されたパテイキユ
レイトを燃焼処理してしまうものである。

ここにおいてパテイキユレイトの燃焼後アツシ
ユがパテイキユレイトフイルタ４に付着したまま
となるが、自動車の適度の振動とアツシユ自体の
重みとからフイルタ４に付着していたアツシユは
交わり部９の下側に位置するアツシユ受けパンに
収容され、定期的なパテイキユレイトの燃焼の間
の排気ガスの流れに対して吹き上がつたりフイル
タ４に再度堆積しないようにして蓄積されるもの
である。そしてアツシユ受けパンに堆積したアツ
シユは定期的にドレンプラグ８により外へ取り出
され廃棄されるものである。

以上のように本考案のパテイキユレイトアツシ
ユ除去装置は、下方から排気ガスが流入するパテ
イキユレイトフイルタが煤等によつて目詰りして
前記フイルタの背圧が上昇すると、制御装置が前
記フイルタ上流側直前に設けたバーナーを作動さ
せて前記煤等を焼却し、生じたアツシユを下方に
あるアツシユ回収部に落下させて回収する構成と
したので、フイルタに排気ガスを通じている最中
でも前記目詰りを解消して排気管の圧力損失の増
加を回避することができ、しかもフイルタ及びア
ツシユ回収部分の構造が簡単であるので保守、点
検が容易であるという効果を奏することができ
る。

更に、本考案の前記装置は、該装置を搭載する
内燃機関、又は内燃機関を装備した車両の振動に
より前記アツシユの落下を容易に促すことができ
るので、本考案の実施に極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例からなるパテイキユレイ
トアツシユ除去装置を装備したデイーゼル機関の
概略図である。 １……デイーゼル機関、２……排気マニホール
ド、３……排気管、４……フイルタ、５……燃料
噴射ノズル、６……点火プラグ、７……アツシユ
受けパン、８……ドレンプラグ、９……排気管と
パテイキユレイトフイルタ入口部との交わり部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方から排気ガスが流入する配置のパテイキユ
   レイトフイルタと、該フイルタの排気ガス上流側
   直前に設けたバーナーと、該バーナーの下方に設
   けたアツシユ回収部と、前記フイルタの背圧が上
   昇すると前記バーナーを作動させる制御装置とを
   設けたことを特徴とする内燃機関機関のパテイキ
   ユレイトアツシユ除去装置。